今日のロシアニュース(2023年12月31日分)

隣国ロシアは「重大な脅威」 フィンランド・バルトネン外相が懸念 | 毎日新聞
 勿論「現在進行形で攻撃を受けるウクライナ」にとっては脅威でしょうが「フィンランドに限らず」ウクライナ以外の国にとっては「ウクライナ戦争が終了しない限り」ロシアは脅威ではないでしょう。ウクライナと戦争しながら他国とも戦争する体力はどう見てもロシアにはないからです。何で「事実に反することを言うのだろう」と首をひねります。


「ウクライナ・プラウダ」36歳編集長が向き合う使命 ロシアとの戦いや戦時下の報道を語る:東京新聞 TOKYO Web

東京新聞記者
『ゼレンスキー大統領とザルジニー軍総司令官が対立しているとの問題を詳しく報じた記事が、国際的に注目を集めました。ロシア側につけ入る隙を与えるとの見方もありますが、戦時中の政治報道の在り方についてどう考えますか。』
◆セウヒリ・ムサイエワ編集長
『戦争中に不快な出来事を伝えることは避けるべきだと考える人もいるからです。しかし、私たちは報道を続けます。
 ウクライナのメディアとして、私たちは何が起こっているのか、詳しく説明することにしました。ゼレンスキー氏がザルジニー氏を解任することがないよう(中略)願っています。』

 彼女がどれほど「主張通りの政府批判報道」をできてるかはともかく、ゼレンスキー政権をただ美化するのではなく「政権に問題があれば戦時下でもあえて批判する」と回答している点が興味深い。


プーチン大統領、ウクライナでの和平望むがロシア独自の条件に限定 - Bloomberg
プーチン大統領「紛争終わらせたい」 ロシア側の条件下なら戦闘終結 | 毎日新聞
 「ロシアの受け入れられる条件ならば」という限定付きとは言えプーチンが「停戦(終戦)」を口にしたことが興味深い。


ウクライナでの戦争、2024年にどうなる 軍事専門家3人の見通し - BBCニュース

◆バーバラ・ツァンケッタ、英キングス・カレッジ・ロンドン戦争研究学部
 戦争はおそらく2024年の間はずっと続くだろうが、だからといって果てしなく延々と続くのは無理だ。クーデターや健康問題などの理由でプーチン氏が失脚しない*1限り、予測可能な展望といえば、交渉による協定しかない。

 戦争が長期化すれば当然こうした声は出てきます。
 一方で

◆マイケル・クラーク、英王立防衛安全保障研究所・元所長
◆ベン・ホッジス、元アメリカ欧州軍司令官

は「欧米の軍事支援」と「ウクライナの巻き返し」に期待するとしています*2が、彼らも「2024年の間ずっと戦争が続き、継戦状態が2025年に突入する可能性」を指摘しており「勝利の明確な展望」が描けてるわけではない。


ウクライナ外相「ヨーロッパ諸国は戦争戦い方知らない」不満も | NHK | ウクライナ情勢

「ヨーロッパ諸国は戦争の戦い方を知らない。残念ながら私たちの友人は武器や弾薬の生産をいつ、どのように増やすかを議論することに、あまりにも多くの時間を費やしてしまった」と述べて不満も示し、軍事支援の強化と迅速な対応を求めました。

 ロシアが優位にあるわけではないものの、ウクライナ側が追い詰められてることを改めて痛感します。
 精神的余裕があれば不満を表現するにしても、「支援消極派の反感」を買いかねない「こうした物言い」はしないでしょう。


【日曜に書く】論説委員・斎藤勉 侵略で死守「権力・富・免罪」 - 産経ニュース

 この侵略がいかにプーチン氏を勝たせてはならない戦争か

 拉致問題でも「バーター取引反対」と言う産経ですが「お前はアホか」ですね。
 そういうきれいごとで話が済むなら誰も反対しない。
 すまないから「バーター取引」と言う話が出てくる。
 ウクライナ戦争だって同じです。
 停戦派(終戦派)は「少数の親ロシア派」以外は、悩みながらもこのまま戦争を続けていいのかと考え「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び*3」「停戦や終戦」を主張している。
 ゼレンスキーももはや「終戦(または停戦)の聖断」を下すべき時が来たのかもしれない。本来はプーチンにそうして欲しかったところですが。

*1:戦争推進がどのような意思決定で行われてるのかが分からないので「プーチン体制の崩壊」ならともかく「プーチンの失脚」で戦争が終わるかどうかは不明です(プーチンの部下が継戦する恐れがある)。

*2:ロイター記事に登場した三人のうちでは「停戦交渉の可能性」に言及したツァンケッタ氏が一番悲観的

*3:産経への嫌みとして終戦8・15の記憶 玉音放送の全文<現代語訳付き>|【西日本新聞me】を引用しました