珍右翼・高世仁に突っ込む(2023年7/5日分)

「環境問題」ではなく「自然との和解」 - 高世仁のジャーナルな日々

 今週、来週の土曜は、私が中村哲医師についての市民講座「中村哲医師が命がけで私たちに教えてくれたこと」(東京・小金井市)を担当するので、その講義の準備でふたたび中村さんの本を読んでいる。

 高世にとってもはや「完全に拉致問題は過去になった」と言うことでしょう。

 先月、『中村哲・思索と行動』(上)(2700円+税)という本が出て、ペシャワール会の会報などに中村さんが寄稿した文章がまとめられた。
 私は以前、国会図書館に通って、1984年からの『ペシャワール会報』をせっせとコピーしてきた。国会図書館のコピー代は白黒で1枚25円。膨大な量のコピーで、万単位のお金がかかったのだが、今は2001年までのものはこの本で読める。とても便利でありがたいのだが、一方で、あのコピーの苦労は何だったんだろう・・とちょっと恨めしい。

 「以前」というのが「ジンネット倒産以前」で番組作りを前提とした「ジンネットの業務」としてなのか?、それとも「ジンネット倒産後始めたらしい、中村氏関係の講演目的なのか?」が気になるところです。
 その辺り、高世が明確に書かないと言うことは「ジンネット倒産以降」のことで、そのことを曖昧にごまかしたいのではないかか、と疑います。
 なお、『中村哲・思索と行動』の版元は亡羊社(福岡)。
 中村氏(福岡県出身)以外にも以下の通り、福岡関係の本が多いようです。

【刊行年順(刊行年が同じ場合は著者名順)】
◆橘京平『直向(ひたむ)きに勝つ:近代コーチの祖・岡部平太』(2021年)
 岡部は福岡県出身。
◆池田善朗『福岡・九州の災害地名』(2022年)
◆澤宮優*1『暴れ川と生きる:筑後川流域の生活史』(2022年)
◆井口幸久(西日本新聞社(本社・福岡)文化部長、佐賀総局長等を歴任。著書『介護タクシーを知っていますか』(2002年、角川書店)、『石心:囲碁棋士大竹英雄小伝』(2013年、石風社)))『陸に上がって記者になる:私の地方紙奮戦記』(2023年)

 自然と人間を分離したのが「近代」。近代の前に戻ることはできないが、かつての自然の一部と感じる心を取り戻し、遮断した自然と「和解」しなければならない。

 近代といった場合、「ヨーロッパ」だと産業革命以降(1765年のワットの蒸気機関の革新など)、「日本」だと明治(1868年)以降でしょうか。
 勿論それ以降「自然と人間」の分離が「それ以前」より大規模な形で進んだのは事実でしょうが、「それ以前」に「開発」がなかったわけではないので、高世の物言いは前近代を美化しすぎでしょう。
 日本だと縄文時代のように狩りだけやっていた時代ならともかく「農業」それ自体が灌漑など「開発」ですし、「平城宮」「平安宮」などの築造も「開発」のわけです。
 また前近代は「科学的な物の見方が確立していなかったが故の問題」(例:人柱などのいわゆる迷信)もあるわけです。

*1:著書『巨人軍最強の捕手:伝説のファイター吉原正喜の生涯を追う』(2003年、晶文社→『戦火に散った巨人軍最強の捕手:吉原正喜・炎の生涯』と改題して、2014年、河出文庫)、『炭鉱町に咲いた原貢野球:三池工業高校・甲子園優勝までの軌跡』(2004年、現代書館→2018年、集英社文庫)、『ひとを見抜く:伝説のスカウト河西俊雄の生涯』(2010年、河出書房新社→『スッポンの河さん:伝説のスカウト河西俊雄』と改題して2019年、集英社文庫)、『ドラフト1位:九人の光と影』(2011年、河出文庫)、『ドラフト外:這い上がった十一人の栄光』(2013年、河出文庫)、『昭和十八年幻の箱根駅伝』(2016年、河出書房新社→2020年、集英社文庫)、『三塁ベースコーチが野球を変える』(2018年、河出文庫)、『戦国廃城紀行』(2019年、河出文庫)、『バッティングピッチャー』(2020年、集英社文庫)、『世紀の落球:「戦犯」と呼ばれた男たちのその後』(2020年、中公新書ラクレ)、『イップス』(2021年、角川新書)等