「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2023年7/8日分:島田洋一の巻)(副題:島田の無茶苦茶な稲田非難に呆れる)

私が稲田朋美議員を批判する理由|島田洋一 | Hanadaプラス
 島田にとってそんなに「LGBT法」が気に食わないのかと唖然とします。

 稲田氏*1は今、私を侮辱罪で刑事告訴する方向で動いているという。
 『北陸政界』2023年盛夏号が次のように書いたことも、氏の行動に影響しているかもしれない。
極左に利用されるような人間が「自民党公認」ではさすがにマズいとばかり、県連内でも、「候補者を差し替えるべきだ」との声が日に日に高くなっている。……福井を代表する保守論客として知られ、「反稲田」の急先鋒でもある島田洋一県立大教授に維新から打診があったらしく、このクラスが対抗馬に立ったら今の稲田にはまず勝ち目がない〉

 島田の強弁には吹き出しました。いくら何でも島田ごときでは稲田には勝てないでしょう。読者層が極右なのでしょうが、『北陸政界』なるウヨ雑誌も無茶苦茶な記事を書いたもんです。なお、稲田の言動(例:LGBT法支持など)をどう評価するにせよそれはせいぜい「穏健保守」でしかなく「極左」とは誹謗にも程がある。それにしても「維新から出馬」と書かれても「誰が維新などから出るか!、俺は自民支持者だ!」とは言わない立場(親維新)に島田はあるようです。

 山口敬之氏*2が月刊 『Hanada』2023年8月号で、安倍首相の言葉を紹介している。
防衛大臣時代にアベ友と呼ばれて*3激しいバッシングを受けた稲田は、「(ボーガス注:LGBT法案支持など?)左翼が喜ぶ政策に舵を切ればマスコミに持ち上げてもらえる」と思って宗旨替えしたんだろうね。朝日新聞東京新聞に褒められる日々は、稲田にとってはさぞ居心地がいいんだろう。本当に残念な存在になっちゃったね〉

 「はあ?」ですね。一体いつ朝日や東京が稲田を褒めたのか。

 山口敬之氏は安倍元首相と次のような会話を交わしたという(月刊『Hanada』、2023年六月号)。
〈「山口君の予感はドンピシャだったよ。稲田は『LGBT問題のおかげで、地元・福井の後援会が崩壊状態なんです。助けて下さい』と言うんだよ。だから、稲田の言うとおり、地元の保守系団体の代表や幹部四人に電話をかけて支持を依頼したよ」
「稲田さんが安倍さんにそこまでお願いしたのなら、さすがにもう安倍さんを裏切れませんね」
「もう大丈夫だと思うよ」〉
 しかし全く大丈夫ではなかった。安倍元首相が凶弾に倒れて重石が取れた中、稲田氏がLGBT利権法案成立に向け、野党やエマニュエル駐日米国大使らと組んで活発に動いたことは読者の知る通りである。

 この山口の話はどう見ても嘘でしょう。
 本当に「LGBT問題で地元後援会が崩壊状態(後援会有力幹部が軒並みLGBT法案反対)」で「安倍の働きかけ」で崩壊が防げたのなら「安倍が死去」したらむしろ「稲田がLGBT法支持」の立場になることはあり得ないでしょう。そんなことをしたら「後援会崩壊を防いでくれる人間が誰もいない」からです。
 しかし、安倍死後、稲田がLGBT法支持の立場を表明し、にもかかわらず「安倍さんを稲田は裏切った」「あのとき安倍さんから受けた電話は全て稲田の嘘だったのか」といった後援会幹部の反発で「後援会崩壊」の話が出ないことを島田等はどう説明するのか。実際には「安倍自身」が「公認しないこともあり得る」「党の役職から干すこともあり得る」など何らかの圧力をかけて稲田を黙らせたとみるべきでしょう。だから安倍死後、「LGBT法再提出」の機運が高まると「前回の雪辱を晴らす」かのような動きを稲田はした。そもそも「岸田首相、茂木幹事長、萩生田政調会長ら」政府、党の幹部がLGBT法成立に動いたのに「稲田をやり玉に挙げる」等とんでもない話です。まあ、島田等にとっては「俺たちが応援したから稲田ごとき当選回数の少ない小物が安倍首相に大臣や政調会長に重用されて成り上がった」と稲田を軽く見る傾向があり、「にもかかわらず島田等の意思に反する稲田(LGBT法など)」を「小物のくせに生意気だ、思い上がってる」「俺たちへの恩義を忘れたか」「可能なら落選させてやりたい、自民党から田中真紀子のように追放してやりたい」と激怒してるのでしょう。

 2年前(2021年)の6月5日、稲田氏は次のようなツイートを発している。
天安門事件から32年目の昨夜、(ボーガス注:同性愛者の歌手フレディ・マーキュリーが主人公の映画)ボヘミアン・ラプソディー*4が(ボーガス注:日本テレビ系『金曜ロードショー』で地上波)テレビ初放映。中国では同性愛部分は削除されて公開された*5らしい。日本は中国とは違う。言論の自由が保障され、自由と民主主義と多様性を重んじる国だ。LGBT理解増進法を成立させることが日本の価値観を世界に発信することになる〉
 (ボーガス注:6月4日の)天安門事件記念日を念頭においた元防衛大臣の発信がこの内容だけとは驚く。映画の同性愛場面カットなどとは比較にならない(ボーガス注:多数の死者を出したとされる天安門事件での)中国共産党の暴虐行為が目に入らないのだろうか。稲田ツイートは、日本の政治家のものとして、非常に恥ずべき内容と言わざるを得ない。
 しかも、稲田氏も認めるように、日本では映画の同性愛場面は何らカットの対象となっておらず、LGBT理解増進法など必要ないという傍証にすらなる発言である。
 こういうツイートを見ると、稲田氏の軽重の感覚と知的誠実さを疑わざるを得ない。
 進歩派の立場から「人権問題」に尽力したいなら、議員を辞職し、LGBT弁護士として24時間活動すればよいだろう。

 稲田としては「中国と日本は違うはず」という言葉をつけることで「LGBT法案・反対右翼」を何とか懐柔しようとしたわけですが「何があろうとLGBT法反対のウヨ(島田)」はかえって「LGBT法案反対を理由に、俺たちを中国共産党と同じ扱いにするのか」と逆ギレします。それにしても「日本では同性愛場面がカットされなかったからLGBT法などいらない」とは随分酷い詭弁です。
 まあ過去にも

きのう何食べた? - Wikipedia
 週刊モーニング連載の漫画をテレビ東京でドラマ化

などの「同性愛者が登場人物の最近のテレビドラマ」を理由に「日本では同性愛に対する理解はあるから、LGBT法など要らない」とツイートで強弁したバカが島田ですが。

*1:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

*2:山口のレイプ疑惑については女性ジャーナリストレイプ事件 - Wikipedia参照。著書『総理』(2016年、幻冬舎)、『中国に侵略されたアメリカ』(2021年、ワック)

*3:防衛大臣時代の稲田批判は「南スーダンPKO日報問題」「都知事選での失言」(例えば、赤旗 稲田防衛相 “自衛隊も自民候補応援”(2017.6.28)、稲田防衛相が辞意/陸自日報隠ぺい 首相の責任免れず/事務次官・陸幕長も辞任へ(2017.7.28)、稲田防衛相辞任 小池書記局長が会見(2017.7.29)参照)であって「安倍友」云々は関係ないのでデマも甚だしい。

*4:ラミ・マリックがアカデミー主演男優賞を受賞

*5:これについては例えば中国、同性愛シーン削除 「ボヘミアン・ラプソディ」批判相次ぐ|【西日本新聞me】(2019.3.30)参照