今日のしんぶん赤旗ニュース(2023年7/28日分)(副題:優生保護法と共産党)

優生保護法共産党

『日本共産党の百年』を発表/歴史への貢献と自己改革貫く/志位委員長が会見
 志位氏は、『百年』史が、「過去の欠陥と歴史的制約についてメスを入れている」ことに関して、旧「優生保護法」に対する党の態度の問題について語りました。1948年から1996年にわたり、強制不妊手術など憲法上の権利を違法に侵害してきた同法が1952年に改定された時に「党は賛成し、全会一致で成立させるという重大な誤り*1があったことを明瞭にしました」として、「これまで党は、2018年、誤りを是正することへの『不作為』の責任があったことを表明してきましたが、『百年』史では、この問題での党の責任は『不作為』の責任にとどまらず、旧『優生保護法』改定に賛成したという誤りがあったと明記しました」と述べました。

『日本共産党の百年』発表記者会見/志位委員長の一問一答から
志位
 1点だけ、この機会にご報告しておきたいことがあります。私は冒頭に、『百年』史について、過去の欠陥や歴史的制約についてメスを入れているということを強調しました。そうした自己分析の記述は、『百年』史の全体にわたっているわけですが、この間、国政で非常に重大な問題となっていることについても、新しい記述があります。18ページ、旧「優生保護法」に対する態度の問題です。
 この法律は、1948年から1996年にわたって存在したもので、強制不妊手術など憲法上の権利を違法に侵害する許しがたい立法でありました。これに日本共産党がどうかかわったか、今回検証の作業を突っ込んで行いました。
 実を言いますと、1948年の立法当初について、当時の国会議事録をだいぶ精査したんですが、党議員団の態度が明瞭には判定がつかないのです。ただ、その後、1952年に旧「優生保護法」が改定されて、「優生手術」の範囲が拡大された。精神疾患をお持ちの方にも拡大された。重大な改悪です。その時、党議員団は賛成し、全会一致で成立させたという重大な誤りが明瞭になりました。この誤りについて、『百年』史には明記しております。
 これまでこの問題に対して、党は、2018年に、誤りを是正することへの「不作為の責任」があったということを表明していますが、『百年』史では、党の責任は「不作為」にとどまらず、旧「優生保護法」改定に賛成したという重大な誤りがあったことを明記しています。
 こうした国政上の非常に重要な問題について、過去にさかのぼって誤りを明らかにし、反省を明確にしたことも報告しておきたいと思います。

 「直接の当事者ではない(志位氏は1954年生まれ)ので謝罪しやすい」と言う面があるし、「(80年史など)もっと早く謝罪表明してほしかった」と言う意見もあるでしょうから、過大評価はしませんが、「1970年代の赤旗LGBT認識への謝罪」といい、「党内外からの批判」に対する「志位氏の誠実性」を評価したい。

【参考:1970年代の赤旗LGBT認識への謝罪】

第28回党大会 綱領一部改定案の討論 志位委員長の結語│党紹介│日本共産党中央委員会
 全党討論のなかで出された一つの意見にこたえておきたいと思います。それは、1970年代、「赤旗」に掲載された論文などで、同性愛を性的退廃の一形態だと否定的にのべたことについて、きちんと間違いと認めてほしいというものです。これは当時の党の認識が反映したものにほかならないものだと思います。これらは間違いであったことを、この大会の意思として明確に表明しておきたいと思います。(大きな拍手)

志位和夫
 大会の最終日、綱領改定にかかわる全党討論で出された意見を踏まえ、1970年代に「赤旗」に掲載された論文などで、同性愛について性的退廃の一形態とのべたことについて、「当時の党の認識が反映したものであり、間違いであったことを大会の意思として表明したい」と報告いたしました。

【参考:優生保護法

強制不妊手術:社民党首が謝罪 旧社会党県議が手術推進で | 毎日新聞2018.2.23
 社民党吉田忠智*2党首は22日の記者会見で、旧優生保護法下で障害者らが不妊手術を強制された問題で、宮城県が旧社会党系県議の求めに応じる形で手術件数を急増させていたことに関し「社会党時代のこととはいえ、人権意識の不十分さがあったことは極めて遺憾」
(この記事は有料記事です)

*1:全会一致なので当然ながら自民党(当時は自民の前身政党ですが)、社会党にも「重大な誤り」があります。

*2:社民党政策審議会長、幹事長、党首等を経て立憲民主党大分県連代表