「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2023年8/7日分:島田洋一の巻)

島田洋一
 櫻井よしこ氏がエマニュエル*1駐日米大使はなぜ日本にLGBT利権法*2を「強要」し、岸田首相は忠犬の如く従ったのかという問いを発している。
 エ氏は露骨なポリティカルアニマルで、相手が弱いと見れば徹底的に押すが、強いと見れば一旦引く*3
 強要されたのは「岸田は弱い*4」と見切られたからである

 自分らウヨに都合のいい「米国の軍拡要求」には「内政干渉」とは言わないくせに良くも言ったもんです。
 そもそもエマヌエル氏の大使就任直後には「シカゴ市長時代に犯罪対応が強権的だったため」民主党左派から批判意見が出たことを理由に「左派が批判するならいい人物に違いない」と言っていたのに見事な掌返しです。

島田洋一
 次の内閣改造で「あり得る」とされてきた次の3つの人事はさすがにもう無いだろう。
環境大臣秋本真利*5収賄容疑で(ボーガス注:事務所を家宅捜索され、外務大臣政務官を辞任した上で)離党)
【文科大臣】松川エッフェる*6*7
官房長官木原誠二*8

 どれ一つとして「あり得ない人事」であり「お前、口から出任せだろ」「そこまでして岸田やこの3人に悪口したいか?」ですね。
 松川*9は「元外務官僚」であり政務三役になるとしたらむしろ「外務三役(さすがに大臣ではなく、副大臣大臣政務官)」でしょう。
 現在の官房長官は「安倍派5人衆」とされる「安倍派幹部」松野*10(松野の他は世耕*11参院幹事長、高木*12国対委員長、西村*13経産相、萩生田*14政調会長)であり、女性不祥事で引責辞任した山下*15・海部内閣官房長官、中川*16森内閣官房長官等と違い、「不祥事が発生したわけでもない」松野を「官房長官と同等の重要ポスト」に付けるのでない限り、松野長官更迭は「5人衆への攻撃」「5人衆と対立関係にあるとされる塩谷*17・安倍派世話人会代表(事実上の会長だが正式な会長就任を5人衆が阻止)への応援」と5人衆に評価され、「岸田首相VS安倍派5人衆」になりかねない。そんなことをする動機(塩谷支援?)は岸田にはないでしょう(同様の理由で松野以外の5人衆も「現職と同等のポスト」が用意されない限り更迭はないでしょう)。
 なお、「ポストが何か」はともかく「あり得る入閣」の一つは石破*18入閣でしょう。勿論「干し続けてもいい」わけですが、干し続けることで逆に「岸田おろし→石破擁立」のリスクが生まれることは回避したいかもしれない。
 また逆にあり得る更迭は「河野*19デジタル相更迭」でしょう。岸田にとって総裁選で争った河野を厚遇する理由はあまりないし、今回「マイナカード問題」でけちをつけたのだから更迭の理由に十分なるでしょう。
 陰謀論になってしまいますがこうなると「ここまでマイナカード問題が政権の足を引っ張るとは思ってなかった」ものの、マイナカード問題を「扱いが難しい問題」と岸田は評価し、「河野に任せて成功すれば御の字、失敗して潰れてもそれも別の意味(政治的に打撃を受けた河野が総裁選に出れなくなる)で御の字」で河野をデジタル相にしたのかもしれない。

*1:オバマ政権大統領首席補佐官、シカゴ市長等を経て駐日大使

*2:勿論「法の是非」はともかく利権などどこにもない。

*3:エマヌエル氏の個人的思いが全くないとは言いませんが、どう見ても「バイデン政権(エマヌエル氏の上司)の考え」による働きかけでしょうにエマヌエル氏個人のスタンドプレーのように描く島田には呆れます。

*4:まるで「安倍首相」なら「要望を拒否した」かのような物言いですが恐らく「対応は岸田と変わらなかった」でしょうし、その場合には櫻井や島田は安倍批判しなかったでしょう。そもそも「ニクソン訪中(佐藤首相に直前まで何ら知らせず、佐藤の面子を潰す)」を考えれば米国は首相が誰であれ日本のことなど相当「軽く見ている」でしょう。

*5:第四次安倍内閣国交大臣政務官、岸田内閣外務大臣政務官を歴任

*6:松川が観光したエッフェル塔と「るい」をかけている。ネット上では「るい」とかけた「ルイ16世夫人(マリー・アントワネット)」の悪口も見られる。なお、島田が松川には悪口しても「他のフランス視察議員」には悪口しないことが興味深い。

*7:フランス視察での「観光旅行」批判

*8:官房副長官週刊文春の報じた「捜査介入疑惑」によって次の内閣改造での副長官退任も噂されている。

*9:菅内閣防衛大臣政務官

*10:第三次安倍内閣文科相

*11:第一次安倍内閣首相補佐官(広報担当)、第二次、第三次安倍内閣官房副長官、第四次安倍内閣経産相等を経て自民党参院幹事長

*12:第三次安倍内閣で復興相

*13:第四次安倍内閣官房副長官、第四次安倍、菅内閣経済財政担当相等を経て岸田内閣経産相

*14:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相等を経て自民党政調会長

*15:中曽根内閣運輸相、総務庁長官、海部内閣官房長官、宮沢内閣厚生相等を歴任

*16:橋本内閣科技庁長官、森内閣官房長官自民党国対委員長政調会長(小泉総裁時代)、幹事長(第一次安倍総裁時代)等を歴任

*17:麻生内閣文科相自民党総務会長(谷垣総裁時代)、選対委員長(第二次安倍総裁時代)等を歴任

*18:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相等を歴任

*19:第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣外相、防衛相、菅内閣行革相を経て岸田内閣デジタル相