【名古屋「正論」懇話会】「砂を混ぜる政策」がモンゴル民族を分断 静岡大教授の楊海英氏が講演 - 産経ニュース
「かつて」て恐らく
『墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2018年、岩波現代文庫)
『紅衛兵とモンゴル人大虐殺:草原の文化大革命』(2021年、筑摩選書)
『文化大革命とモンゴル人ジェノサイド』 (2022年、草思社文庫)
で楊が扱った「文革(1966~1976年:約47~57年前)の頃」ですからね。その頃は漢民族も殺戮されていた時代(例えば、有名な話だと文革で失脚したとはいえ、国家主席だった劉少奇ですら糖尿病だったのにインスリン注射すらされず、治療ネグレクトされ、病気を悪化させて死亡している)でモンゴル族だけが殺されていたわけではないし「曖昧な表現でごまかすな」て話です。これでは「かつて」が「中国建国(1949年)直後の1950年代初期」なのか「20年前(1990年代初期)」なのか全く分からない。勿論こうした問題は「時期」も重要でしょう。
楊氏は、日本政府が外国人労働者の受け入れを本格化させていること*1に絡み、中国政府が他国や他地域*2に砂(漢族)を混ぜ、人口を増やして権力を奪う「砂を混ぜる政策」に言及。「どこからどういう条件で移民を受け入れるのか。砂を混ぜられないようにすることが日本存亡の鍵だ」と述べた。
完全なデマであり、在日中国人に対するヘイトスピーチでもある。静岡大はこの男を放置していいんでしょうか?
なお、楊のデマは論外ですが日本の外国人 - Wikipediaに寄れば「歴史的な経緯(日本の韓国植民地支配)で最も多かった在日外国人」は長い間、在日韓国人だったが
1)近年、急速に在日中国人の数が増え、在日韓国人を越えて最も多い(在日韓国人は3位)
2)恐らく出稼ぎ外国人(技能実習生含む)受入増加の影響だが、多い在日外国人は「ベトナム人(2位)」「フィリピン人(4位)」「ブラジル人(5位)」「ネパール人(6位)」「インドネシア人(7位)」であることを指摘しておきます。
ベトナム人の「闇バイト」急増 円安で技能実習生が小遣い稼ぎか - 産経ニュース2023.6.23
ベトナム人の駆け込み寺を東京に 尼僧には立ち上がる理由があった:朝日新聞デジタル2023.8.30
ベトナム人が防災訓練 集住する愛知・豊田の団地:朝日新聞デジタル2023.9.6
死産した赤ちゃんを遺棄 ベトナム人実習生に猶予付き有罪判決|NHK 兵庫県のニュース2023.9.13
等、近年、在日ベトナム人についての報道が多い(違法就労で技能実習生受け入れ先が摘発、在日ベトナム人が犯罪行為で逮捕といった刑事犯罪報道が多い)とは言え「2位」とは驚きです。
産経記事内の「楊の主張」でまともなのは
3年前からは教育現場でのモンゴル語の使用も禁止されており、「徐々に思考が中国化している。民族の分断が狙いだ」と指摘した。
だけです(楊の主張「モンゴル語使用禁止」がデマでなければ、ですが)
正直「モンゴル語使用禁止」が事実だとしても他の部分で「明らかなデマ(中国移民で日本が乗っ取られるかもしれない)」を飛ばしてるので、まるで「イソップ寓話の狼少年(嘘によって正しい主張まで疑われる)」としか言い様がない。
【追記】
コメント欄の指摘に寄れば「産経」のような怪しい「反中国マスコミ」ではないまともなマスコミがそうした「モンゴル語使用禁止」報道をしており、この部分だけはデマではないのではないか、ということです。