今日の産経ニュース(2023年9/27日分)

【正論】教科書検定制度「転落」の50年 新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝 - 産経ニュース

 1980年代には「教科書検定基準」に近隣諸国への配慮を求める「近隣諸国条項」が追加され

 いわゆる近隣諸国条項*1は「鈴木内閣の宮沢官房長官(後に首相)談話」によるもので「文部省がどうこう言う話」ではない。
 なお、以前も別記事で書きましたが「鈴木内閣官房長官時代の宮沢談話」「首相時代の天皇訪中」でウヨ連中の「宮沢氏への評価」は恐らく最悪でしょう。

 今日ほど文科官僚の権限が強大化*2し、しかもその官僚機構に左翼・反日勢力が浸透してしまった時代はない。

 「はあ?」ですね。文科省の何処が「左翼・反日勢力」なのか?。
 「奥野誠亮*3(田中内閣文相)」「森喜朗藤尾正行*4(中曽根内閣文相)」「中山成彬*5小泉内閣文科相)」「下村(第二次、第三次安倍内閣文科相)」「萩生田(第四次、菅内閣文科相、現在、自民党政調会長)」等「ウヨ大臣」の多い官庁でそんなことがあるわけもない。
 わかりやすい例で言えば加戸守行*6なんか完全な極右です。文科省の政策で「左翼的」といえる政策もない。
 まあ、「朝鮮学校無償化除外反対」を退官後、主張する前川*7元文科次官は「左派的」かもしれませんが1)彼はどう見ても文科省主流派ではない(例外的存在、異色官僚)し、2)彼がそうした主張を始めたのは退官後のことです。


【西論プラス】元特攻志願兵の死去に思う 転換すべき日本の平和教育と報道姿勢 大阪社会部次長 津田大資 - 産経ニュース*8

 戦争体験者は90~100歳以上と高齢になり、年々取材は困難を極めている。

 「戦争」が「1945年に終戦した日中戦争、太平洋戦争」を意味するなら当然の話です。終戦の年(1945年)に生まれた人間ですら今年で「78歳」です。

 日本が戦争を余儀なくされた背景や、多くの人たちが誇りや使命感を持って戦地に赴いたその思いをもっと重視すべきではないのか。

 日中戦争、太平洋戦争共に「回避可能だった」と言う意味で「余儀なくされた」とは言えないし、日本の戦争に限らず、多くの戦争において兵隊はたとえ政府の虚偽宣伝による誤ったものであろうとも「誇りや使命感」で戦地に行くでしょうからこんなことは先の戦争の正当化には何らなりません。

 やみくもに平和を叫ぶ*9ばかりであることが多く、「旧日本軍=悪」といったイメージを前提としたものが目立つ。

 「旧日本軍=悪」は事実でしょう。産経は日中戦争、太平洋戦争を「日本に正義があった」という気なのか。


皇位継承議論「受け皿作る」、首相は加速を指示 自民・萩生田政調会長インタビュー - 産経ニュース
【阿比留瑠比の極言御免】動き出すか男系継承策議論 - 産経ニュース

 首相は令和3年9月の党総裁選で「旧宮家の男系男子が皇籍に復帰する*10案も含め、女系天皇以外の方法を検討すべきだ」と明言していた。

 「世耕参院幹事長」「高木国対委員長」「西村経産相」「松野官房長官」「萩生田政調会長」と「女帝否定」安倍派の幹部を政権幹部として処遇する岸田なら予想の範囲内ですが何でそこまで女帝を否定するのか?


【産経抄】死の淵から戻った意味 - 産経ニュース

 青葉真司被告は、生存率が5%に満たぬ大やけどから生還した。医療関係者による懸命の治療がなければ、この公判もなかった。
 何よりも心からの悔悟の念を抱かせること。青葉被告を死の淵から引き戻した意味は、その一点にある。

 産経以外でも「されることがある主張」であり「感情的には理解できます」が主張としては間違いです。
 彼を治療し、死亡を阻止したのは「どんなクズでも生きる権利はある」からです。
 悔悟云々というなら、極端な話、例えば「認知症」「遷延性意識障害(いわゆる植物状態、例としては松本サリン被害者の河野澄子氏、これについては例えば遷延性意識障害 - Wikipedia参照)」等で「悔悟する能力があるとは思えない」または「悔悟してるか分からない」場合は「死んでもいい」のか?。そういう話ではないでしょう。

【参考:河野澄子氏】

人は間違う、だから許す 河野義行さん、四半世紀の境地:朝日新聞デジタル2019.8.3
記者
 サリンで脳にダメージを受けた澄子さんは、意識が戻らないまま14年後に亡くなりました。8人目の犠牲者になっています。
河野
 彼女は、しゃべることも動くことも一切できませんでした。できたのは、悲しそうな顔を見せることと涙を流すことだけ。つらい状態の中、私や子どもたちを支えるために生きていてくれたようなものです。だから死は解放とも思えました。『よかったね、やっと死ぬことを許されたね。もう自由だよ』と声をかけました。

サリン冤罪に負けず…河野義行さん語る妻を看取った14年間 | 女性自身2020.3.9
 河野さんの妻・澄子さん(享年60)は、サリン中毒によって意識不明になったまま、病床で14年間生き抜き、2008年に亡くなった。
「14年間介護していた澄子が亡くなって、2010年に三回忌を終えてから鹿児島に移住したんです。鹿児島では、大好きな釣り三昧の生活を送っていたんですよ」
(中略)
 1995年の元日。河野さんの疑いを晴らす大きな出来事があった。オウム真理教の拠点から、サリンの残留物が検出されたと読売新聞が報じたのだ。しかし、疑惑が晴れたからといって終わりではなかった。
「澄子は依然として意識不明。私にとっての終わりは、澄子を回復させることでした。〈澄子、具合はどう?〉と声をかけ、歯を磨いて髪をとかし、手足のマッサージをして。その間、いろんな話をしました。澄子の脳波は音に反応していた。だから、CDを何枚もセットして。脳は90歳くらいのレベルまで萎縮していて、医師から〈意識は戻りません〉と言われていたけど、私は絶対戻すんだ、と」
 事件から14年後、澄子さんは永眠。享年60。
「腕の中で送ってあげたいという願いは叶えられました。亡くなる前の年に澄子の脳のMRIを撮ったら、大脳が萎縮して厚さが数ミリに。医師が〈この状態で生きているのはすごい〉と驚いていました。きっと、家族のために頑張ってくれていたんですね。14年間、長い長い戦いに打ち克ってくれた」
 だから、悲しまずに、〈本当にありがとう〉と言って送ろう。河野さんは、そう子供たちに話して、支えてくれた澄子さんを送り出した。

*1:但し、第二次安倍内閣以降は事実上「有名無実化してるのではないか」との批判もある。

*2:文科省(外局の文化庁スポーツ庁含む)所管の各種団体(例:国公私立の小中高校、大学、社会教育施設(図書館、美術館、博物館等)、スポーツ団体(JOC等)、宗教団体、文化団体等)との力関係ではもしかしたら「強大化」してるのかもしれませんが無知なので分かりません。よって、コメントしません(いずれにせよ、ここで藤岡が主張してるのはそういうまともな話では明らかにありませんが)。

*3:竹下内閣国土庁長官に任命されるが、日中戦争について「あの当時日本に侵略の意図は無かった」と発言して批判を浴び、国土庁長官を辞任

*4:中曽根内閣文相就任直後に「戦争で人を殺しても殺人には当てはまらない」「東京裁判は勝者の裁判であり不当」「韓国併合は合意の上に形成されたもので、日本だけでなく韓国側にも責任がある」等の発言が月刊誌『文藝春秋』(1986年10月号)に掲載され非難された。韓国や中国の反発を憂慮した中曽根首相は、藤尾の自発的な閣僚辞任を求めるが、藤尾が「罷免すればよい」と居直って辞任を拒否したため、中曽根は藤尾を罷免した

*5:麻生内閣国交相に就任するが「成田反対はゴネ得」、「日本は単一民族」、「(日教組が強いから)大分県の学力は低い」「日本の教育のガンは日教組だと思っている。解体しなければならない」等の発言が批判され大臣を辞任

*6:文化庁著作権課長、文化部長、次長等を経て文部省大臣官房長で退官(リクルート事件で後に有罪判決が下った高石邦男事務次官と共にリクルートから過剰接待を受けていたことが問題されて退官に追い込まれた)。退官後は日本芸術文化振興会理事長、日本音楽著作権協会JASRAC)理事長を経て愛媛県知事。県知事時代「つくる会歴史教科書」を県立高校教科書に採用するなど右翼的言動で知られる。また第二次安倍政権が設置した「教育再生実行会議」の委員(加戸以外では尾崎高知県知事(当時、現在自民党衆院議員)、樺島熊本県知事、八木秀次麗澤大学教授(日本教育再生機構理事長)、作家の曾野綾子等)を務めた。

*7:文化庁文化部宗務課長、文部科学省初等中等教育局教職員課長、財務課長、初等中等教育企画課長、大臣官房審議官(初等中等教育局担当)、大臣官房総括審議官、大臣官房長、初等中等教育局長等を経て文部科学事務次官。著書『これからの日本、これからの教育』(共著、2017年、ちくま新書)、『前川喜平「官」を語る』(2018年、宝島社)、『面従腹背』(2018年、毎日新聞出版)、『同調圧力』(共著、2019年、角川新書)、『権力は腐敗する』(2021年、毎日新聞出版)、『コロナ期の学校と教育政策』(2022年、論創社)等

*8:勿論多くの場合志願が1)周囲の同調圧力であること(真の志願とは言えないこと)、2)「真の志願」の場合も戦後「今から振り返れば当時は冷静な精神状態ではなかった」と述べている人間が少なくないことは指摘しておきます。

*9:そんなことはなく、産経の偏見でしかないと思います。

*10:復帰後、「復帰前の醜聞」が炸裂するリスクを何とも思ってないんですかね。宮内庁の監視はないし、「復帰前に醜聞が生じていない」確約はないのでしょうが。