珍右翼・高世仁に悪口する(2024年2/26日分)

ウクライナ戦争:勝利と平和のあいだで3 - 高世仁のジャーナルな日々
 拙記事珍右翼・高世仁に悪口する(2024年2/15日分) - bogus-simotukareのブログで取り上げた高世記事ウクライナ戦争:勝利と平和のあいだで - 高世仁のジャーナルな日々ウクライナ戦争:勝利と平和のあいだで2 - 高世仁のジャーナルな日々の続きです。

 和田春樹氏*1(東大名誉教授)は「ウクライナ戦争は即時停戦すべきです」と変わらぬ立場を表明。

 和田氏以外にも停戦派がいるところ、彼の名を出すのは「救う会の制裁路線では拉致は解決しない、中露の北朝鮮への経済支援があるから、日本の制裁は効かない」「むしろ経済支援とのバーター取引に乗り出すべき」という和田主張が「2002年の小泉訪朝から20年以上が経過しても拉致解決の進展がないこと」で正しいことが明白になったことに対する「救う会太鼓持ち幇間だった」高世による「江戸の敵を長崎で」ならぬ「拉致の敵をウクライナ戦争で」でしょう。
 仮に和田氏の停戦論が間違いだとしてもそんなことは拉致問題で「制裁論の高世が間違いで、交渉論の和田氏が正しいこと」とは「無関係」なので高世も呆れたバカでクズです。
 なお、2002年生まれの人間には以下の人物がいます。

2002年 - Wikipedia
◆3月15日生まれ:四十住さくら
 東京五輪(2021年)スケートボード女子パーク初代金メダリスト。
◆7月19日:藤井聡太
 プロ将棋棋士(現在、八冠)

 小泉訪朝以降の時間の経過を改めて実感します。

 東野篤子氏(筑波大学教授)の戦争の行方についてのインタビューが載っていた。
ウクライナを属国化しようとするロシアのプーチン大統領の狙いは変わっていない

 プーチンは当初の戦争目的(恐らくウクライナ全土支配、ゼレンスキー政権打倒=東野の言葉だと「属国化」)は諦め、もはや「現在のロシア支配地域の維持」「ICCでの刑事責任追及の無効化」「対ロシア制裁解除」等で(つまりロシアの利益や体面がある程度確保される条件で)停戦・終戦してもいいと思ってるのではないか。
 もちろんだからと言って「今すぐ停戦・終戦すべき」と言う「単純な話でもない」ですが、少なくとも議論は現実に依拠してされるべきです。
 「プーチンの戦争目的は変わっていない(高世や東野など)」というのはデマでしかないでしょう。

 2023年のウクライナの反転攻勢の失敗の原因は、ウクライナの戦い方以上に欧米の対応にあったと考える。欧州連合EU)はウクライナに年間100万発の砲弾を供給する計画を承認したが、実際に供与できた量は約半数にとどまる。

 「NATOの武器支援(弾薬、戦車等)が少ないから勝てない。多ければ勝てる」と東野や高世がいったところで「仮にそれが正しい(勿論、「ウクライナの戦い方が拙劣なので、武器支援が増えようと勝てない」という間違いの可能性もある)として、今後増える可能性あるの?」でしょう。増える可能性がないのなら「停戦・終戦」は一つの可能性として十分あり得るでしょう。
 ここでの高世や東野の発言は「制裁路線で拉致解決」の失敗について「制裁が効かないのは、中露が北朝鮮を支援するから」と救う会が居直ってるようなもんです。
 中露が支援を辞めない限り、そんなことを言っても何もどうにもならない。そんな愚痴を言うくらいなら「拉致解決のためのバーター取引」をすべきでしょう。

 ウクライナに停戦を迫ることは、(いやな例えだが)大男にレイプされそうになっている女性に抵抗をやめろというに等しい。

 いやな例えだが「レイプに抵抗すること」が意味があるなら抵抗もいいでしょう。しかし「相手が逆上して殺される恐れがある(受け入れれば殺害の恐れはない*2)」ならあえて、「耐え難きを耐えて」抵抗せずに受け入れ「隙を見て逃げ出し」、後で「警察に訴える」等の手もある。何も停戦、終戦論とは「ロシアの言い分を全て受け入れろ」と言う話ではない(勿論ウクライナが圧倒的に有利な状況でない以上、ある程度ロシアの要望を受け入れる必要はあるでしょうが)。
 「ウクライナの軍事的勝利の見通しが乏しい」中、継戦し続けて本当にいいのかという話です。

 停戦を選ぶかどうかはウクライナしか決められない。東野氏が言うように、着地点を「外野から迫るのは無責任」なのである。

 「孫と会うかどうか」は「横田夫妻しか決められない。」、和田春樹氏などが言うように「(拉致解決に逆行*3するから)会うな」と救う会などが「外野から迫るのは無責任」と「救う会太鼓持ち幇間だった」高世には皮肉を贈呈しておきます。
 いずれにせよ「ウクライナ国民が決めること」というなら、それで終わる話であり「ウクライナを属国化しようとするロシアのプーチン大統領の狙いは変わっていない」等といった話はそもそもする必要が全くない。「ウクライナ国民が決めること」で終わらせずに「むしろ、(ロシアが現在統治する)ウクライナ人の犠牲が大きくなる」だの「勝利の見込みは十分ある」だの言ってることが「ウクライナ国民が決めること」で高世や東野が片付ける気が無いことを露呈しています。
 今後どうなるか分かりませんが、仮にウクライナが停戦や終戦に動けば、高世や東野は「ウクライナ国民が決めること」を撤回して「間違った決定だ」と悪口するのではないか。

*1:著書『血の日曜日ロシア革命の発端』(共著、1970年、中公新書)、『農民革命の世界:エセーニンとマフノ』(1978年、東京大学出版会)、『私の見たペレストロイカゴルバチョフ時代のモスクワ』(1987年、岩波新書)、『北方領土問題を考える』(1990年、岩波書店)、『ペレストロイカ:成果と危機』(1990年、岩波新書)、『開国:日露国境交渉』(1991年、NHKブックス)、『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『北方領土問題』(1999年、朝日選書)、『日朝国交交渉と緊張緩和』(編著、1999年、岩波ブックレット)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『東北アジア共同の家:新地域主義宣言』(2003年、平凡社)、『同時代批評:日朝関係と拉致問題 2002年9月~2005年1月』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『日露戦争 起源と開戦(上)(下)』(2010年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『韓国併合110年後の真実:条約による併合という欺瞞』(2019年、岩波ブックレット)、『朝鮮戦争70年』(共著、2020年、かもがわ出版)、『慰安婦問題の解決に何が必要か』(2020年、青灯社)、『日朝交渉30年史』(2022年、ちくま新書)、『ウクライナ戦争・即時停戦論』(2023年、平凡社新書)、『北朝鮮拉致問題の解決:膠着を破る鍵とは何か』(編著、2024年3月刊行予定、岩波書店)等

*2:勿論レイプを受け入れても、口封じなどの目的で殺す外道はいますし、その場合は抵抗せざるを得ませんが

*3:勿論そもそも「拉致解決に逆行」という事実はありませんが、たとえ逆行しても孫と祖父母が会うのは人道上、当然だと俺は思います。