菅義偉の都合は分かった(2023年6月26日記載)

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 引用されてる発言は菅義偉の発言であり「自民党執行部(岸田首相(岸田派領袖)、麻生*1副総裁(麻生派領袖)、茂木*2幹事長(茂木派領袖)、森山総務会長(森山派領袖)等)の発言」ではないので「自民の都合」というより「菅の都合」でしょう。
 まあ、「下野したくない」「その為なら自民党を美化しまくり、野党(主として最大野党立民)をけなす」と言う点では菅も「自民執行部」も同意見でしょうが。
 さて菅の発言意図は「執行部批判」でしょう。「野党に政権交代したら駄目だ、だから皆で執行部をもり立てよう、執行部批判は自粛しよう」という「執行部応援の意図」ではなく「野党に政権交代したら駄目だ、こんな体たらくにした今の執行部でいいのか→岸田首相ら執行部は辞めろ」と言う話です。
 菅が野党に悪口するにおいて「こども家庭庁誕生」など「岸田政権の手柄を語る」のではなく、やたら「自分が官房長官だった時代のアベノミクスを美化する」のもそういう思惑でしょう。
 1)首相当時、世論の批判を浴び低支持率で退陣した菅
 2)「安倍のモリカケ桜疑惑」を官房長官としてかばい続けた菅
にそんな岸田政権批判を言う資格はないとは思いますが(そもそも現状の支持率低迷の大きな要因である「裏金疑惑」の当事者の一人は首相時代に菅を重用した「安倍派会長」安倍です)。
 それはともかく、前首相とはいえ、
1)支持率低迷で首相辞任に追い込まれ
2)派閥ボスでも無く
3)彼を「第一次安倍内閣総務相、第二~第四次安倍内閣官房長官として重用した」後ろ盾だった安倍は死に
4)また、岸田が当選した総裁選では「河野*3支持」の立場を取った(例えば「河野氏支持」菅首相が表明 自民総裁選:朝日新聞デジタル参照)からでしょうが、菅は現在無役であり、干されています。
 重用されない不満から「二階堂擁立工作(失敗しますが)を仕掛けた鈴木前首相(中曽根内閣時)」等「現首相に対する不満」を抱えた前首相は過去にも例がありますが、菅の今回の発言も「鈴木の二階堂工作」と似た代物でしょう。
 「執行部批判」で岸田を辞任させ、後釜に「また河野を支持するか」「石破*4(前回総裁選では河野支持)など他の人間*5支持か」どうかはともかく、菅が支持する人間を総裁選で勝利させ、首相に据え今の「麻生副総裁」「茂木幹事長」「森山総務会長」らのような「政権幹部」で復権したいというのが菅の思惑でしょう。
 もはや菅も「首相に再度就任した安倍」のような首相返り咲きは目指してないでしょう。
 勿論、1)自民党執行部はそうした菅の思惑を全力で潰そうとするでしょうし、2)自民支持層はともかく、野党支持層はそんな菅に批判的なわけで「菅の思惑」が成功するかどうかは不明ですが。
 なお、「やたら民主党政権に甘いinti-sol氏」ですが、「悪夢の民主党政権(安倍)」とまでは思わない物の、俺は

八ッ場ダム建設中止
→実際は建設続行
◆沖縄基地県外移設
→実際は県内移設に転向し、反対する福島少子化担当相(社民党党首)を更迭。社民党は政権から離脱し、これを契機に「是々非々の立場」だった共産党も「社民党が離脱した政権を支持する理由がない」と明らかに批判方向にシフト
◆消費税増税しない
→実際は野田政権時に自公との合意で増税方針を決定

等、「公約を反故にしまくったことは忘れてないからな!(だからこそ俺は「立民は支持せず共産支持」ですが、現実問題として政権交代するなら最大野党・立民を中核にせざるを得ないので、共産が立民と野党共闘することまでは否定しません)」ですね。何せ今の立民党ナンバー2(幹事長)は当時の政権幹部である岡田(鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行革相)ですし。
 正直、自民支持層で無くても野党支持層ですら「ある種ノーテンキな立民党礼賛、きっと「立民党命!」の熱烈支持者」(inti-sol氏の「自民への悪罵」を嫌み、皮肉としてもじっています)、多分inti-sol氏はそういう御仁なのでしょうが、そんな御仁が「民主党政権批判」もろくにせず、自民批判ばかりしても「自民党支持層」は当然ですが自民批判派であっても「立民の熱烈支持者」でないそれ以外の大半の人は、「何言ってんの」と白けるだけじゃないですかね。(inti-sol氏の「自民への悪罵」を嫌み、皮肉としてもじっています)
 最後にinti-sol氏の記事に簡単にコメントしておきます。

 少子化も、実際には世界的現象であって、「自民党だけが悪い」というものではありません。でも、有効な対策が何も取れていないことは事実

 「有効な対策が取れてない」のならまだマシです。
 むしろ「少子化を助長してる」とされる「高い教育費負担」「若年層の生活困難」等の問題を是正するどころか「消費税等の国民負担増」「国立大学交付金の削減」等で「故意に悪化させてる(最近も東大が学費値上げ方針を表明)」のが自民です(勿論、少子化させたいわけでは無く「少子化を助長しても」そうすることに自民や財界に利益があるという判断でしょう)。
 「少子化を克服したとみられていたフランスやスウェーデンでも最近は出生率が下降傾向」で自民を正当化、免罪できる話ではない。
 なお、inti-sol氏記事コメント欄で、「俺の上記文章」と「細部はともかく大筋」では同様の指摘を「nordhausenさん」がされていますが、「予想通り」inti-sol氏の応答は「少子化は世界的傾向(そのこと自体は誰も否定しておらず、それを割り引いても『少子化克服に逆行する自民の施策』は批判に値すると言ってるのですが)」「子育て世代の負担軽減等がされてもどれだけ効果があるか分からない」というものです(どうみても話がかみあってないし、inti-sol氏による意図的な「話のすり替え」では無いかとすら思う)。
 そういうこと(成果がどれだけあるか分からない)は「負担軽減してから言うべき」でしょうし、あえて言えば「少子化克服に成果が乏しかろう」とも「国民の生活支援」と言う意味で「子育て世代の負担軽減等」はされるべきでしょう。
 勿論予算には限りがあるので「子育て世代の負担軽減」「高齢者の負担軽減」等、「福祉(国民の生活支援)のどれに重点を置くべきか」と言う問題は当然ありますが(勿論「可能な限り全て行うべき」ではあります)。

 過去、散々「公務員天国」などと言って自民党は(維新はそれ以上に)公務員攻撃を行ってきました

 「現在の泉立民」が維新にすり寄ってる点は無視するとしても、その点は「霞ヶ関埋蔵金」等といって「官僚が不当に税金をため込んでる」かのように言っていた「政権交代当時の民主党」も大して変わらないと思いますが?
 実際にはそんな物が無いこと(貯め込まれていたことには「年金の国庫負担財源」等、それなりの理由があり、そう簡単には転用できないし、貯め込まれていた額も民主党が言うほどの巨額では無かった:なお、共産は当初から埋蔵金主張には懐疑的、批判的な態度)が判明すると「消費税増税」にシフトし、世論の批判を浴びる民主党でしたが。
 また自民や維新の公務員攻撃を是とはしませんが、少なくとも「ある時期」「ある部署」の公務員においては「鉄建公団(日本鉄道建設公団→現在は、国交省所管の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構」)のカラ出張(1970年代、朝日新聞が「公費天国」キャンペーンを実施)」「大蔵省へのノーパンしゃぶしゃぶ接待(1990年代)」等の問題行為があったことも事実です。
 問題はそうした「官僚の問題行為」への批判が「低レベルな公務員叩き」に劣化したこと(結果として公務員の労働環境が悪化した上、不正撲滅にもつながらない)でしょう。

*1:橋本内閣経企庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~第四次安倍、菅内閣副総理・財務相等を経て現在副総裁

*2:小泉内閣沖縄・北方等担当相、福田内閣金融相、自民党政調会長(岸田、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第三、第四次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍、菅、岸田内閣外相等を経て現在幹事長

*3:第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣外相、防衛相、菅内閣行革相等を経て、岸田内閣デジタル相

*4:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相等を歴任

*5:この場合「茂木幹事長」など現政権幹部を菅が支持する可能性は低いでしょう。