都知事選雑感(2024年7/8日分)(副題:蓮舫氏3位にげんなりするが諦めずに頑張ろう)

東京都知事選、石丸伸二氏が蓮舫氏を上回り2位が確実に 小池百合子知事が3選 - 産経ニュース
 小池当選(それもゼロ打ち)は「残念ながら」予想の範囲内でしたが「泡沫とみられていた石丸の2位(そして蓮舫氏の3位)」には「予想外」でありげんなりですね。さすがに蓮舫氏が2位だと思っていました。小池批判票のウチ「自民、維新、国民民主支持層(右派)」「立民支持層のウチの右派」の票が大量に石丸に行ったと言うことか。
 「維新のような改革ポーズ」を取れば

◆選挙戦中に名誉毀損訴訟で石丸が敗訴(例えば石丸氏の投稿巡る訴訟、二審も名誉毀損認める 安芸高田市に賠償命令:朝日新聞デジタル参照)
東京都知事選雑感 - 高世仁のジャーナルな日々で高世が批判した「台風が市長を務めた自治体(広島県安芸高田市)に接近してるのに無視して千葉のトライアスロンに参加」した過去
◆石丸が市長を辞任した自治体(広島県安芸高田市)の選挙では石丸批判派が市長に当選(例えば広島・安芸高田市長に前職、石丸氏の手法批判の藤本氏が初当選 市政継続訴えた候補ら退ける - 産経ニュース参照))
【追記】
◆選挙後ですが、石丸伸二氏、選挙ポスター代「未払い」で敗訴確定 最高裁が上告受理せず 広島・安芸高田市長選で業者へ依頼:東京新聞 TOKYO Webという別の醜聞まで石丸には出てきました。石丸はあまりにも酷すぎますね。俺の願望込みですが、石丸も「今は芸能人にすぎない東国原元宮崎県知事」同様に急速に忘れ去られるのでは無いか。石丸が「市長を1期務めず都知事選に出た」のも結局、市長再選の見込みが無かった(実際、上に書いたとおり、石丸辞任後の市長選では石丸批判派が当選)からなのでしょう。そんな奴が都知事選で大量得票したというのも不愉快ですが。

という「どう見てもまともな候補とは思えない石丸」でもマスコミがまともに政治報道しないこともあって「国会議員としてそれなりの知名度や実績がある蓮舫氏」より上に来るのか。
 維新が「大阪万博の体たらく」で衰退傾向にあるとは言え、未だ「維新的な政治家」を希望する選挙民が少なくないのか。
 選挙民は「政策主張をまともに判断する」のではなくイメージで投票するのかとがっくりきますが、諦めずに戦うほかないのでしょう。
 いずれにせよ、今回の選挙結果は残念ながら「自民の支持率低下→立民や共産への支持」と単純には言えないらしい事が分かった点では「教訓」ではあります。維新がもはや盛り返すことは「ない」でしょうが、「石丸の躍進」は「第二、第三の維新」が躍進するかもしれない危険性を示しているかと思います。
 勿論、今回の敗戦を理由に「参院議員の職をなげうった蓮舫氏」を「タマが悪かった」などとして冷遇するなど「あってはならないこと」です。辻元清美氏「負けた蓮舫氏はさらに強くなる」 都知事選敗北確実に「一回よろい脱いで」 - 産経ニュースという辻元発言(蓮舫氏の今後の政治家としての再起、復権を示唆)もありますし、言わなくても立民がまともな政党なら「次の衆院選挙か参院選挙で蓮舫氏を立てる」等、それなりの処遇をするでしょうが、一応指摘しておきます。
 なお、今回の選挙結果をネタに「立民支持者のうちの右派」が「共産との連携に後ろ向き」な発言をしそうですが、明らかに今回はそういう話ではないでしょう。
 しかしこうなると、

赤旗都知事選/石丸氏 選対本部長は自民系
 石丸氏は、「政治屋の一掃」などと豪語しますが、「裏金議員」の一人である自民党萩生田光一*1衆院議員が主宰するTOKYO自民党政経塾の小田全宏塾長代行が、石丸氏の選対本部長を務めています。

なんて話もあるし、石丸は「小池批判票を蓮舫氏から奪うと共に、小池に恩に着せる自民(萩生田ら)の謀略か(小池が当選できる範囲で自民や公明から石丸に票も流れた?)」と疑いたくなります。果たして石丸が今後どうなるのかも注目でしょう。例えば「ご褒美」として衆院東京選挙区から自民公認で立候補するのか?
 なお、「反共&反・泉健太」kojitakenが

石丸伸二は維新と同型の「右派ネオリベポピュリズム政治家」だが、維新と違って30代以下でも支持率が落ちず、10〜20代の得票率では小池百合子を上回った(NHK出口調査より) - kojitakenの日記
 弊ブログがずっと書いてきたのは、共産はもちろん立民も、組織防衛への志向があまりにも強すぎて、新参者が入りにくい体質を持っていることだ。特に立民には、2000年代の民主党の最大の長所だった党内での相互批判が当たり前になる「百家争鳴、百花斉放」の気風(この言葉は野田Gの「花斉会」の由来でもある)を取り戻すことが強く求められると思う。

などと「石丸2位」をネタに立民や共産に悪口していますが、これまたそういう話ではないでしょう。
 「石丸のようなポピュリズム政治家」の問題は「立民、共産の組織体質」と言う話とは関係ない。
 かつ、こうした「ポピュリズム政治の恐怖」は欧米でも「米国のトランプ」「フランスやドイツでの極右政党躍進」があり「世界的な傾向でもある」。
 そもそも2000年代の民主党の最大の長所だった党内での相互批判が当たり前になる「百家争鳴、百花斉放」の気風などというのは「単に初期の民主党社民党グループ、新党さきがけグループ(鳩山由紀夫菅直人など)、『新進党崩壊後の旧民社党グループ、旧日本新党グループ』など寄り合い所帯だったので、党の方針が確立するまでは、方針がグダグダだった」だけの話では無いのか。
 また「小沢一郎の民主入党でそうした気風が失われた」と「アンチ小沢」kojitakenが悪口したいだけではないのか。実際には現状の「立民党」にkojitakenの言うような問題が仮にあるとしても「民主党幹事長(鳩山代表時代)辞任後」の小沢は反主流派だったので、今の立民党の問題を小沢のせいにするのは、「悪夢の民主党政権安倍晋三)」並の詭弁です。
 なお、
1)石丸と蓮舫氏の合計得票は小池を超えてる
2)石丸伸二は維新と同型の「右派ネオリベポピュリズム政治家」だが、維新と違って30代以下でも支持率が落ちず、10〜20代の得票率では小池百合子を上回った(NHK出口調査より) - kojitakenの日記も指摘しているが「自公の支援なしでは小池は当選できず」また、公務を理由に小池が「選挙戦での露出を減らした」のは「石丸や蓮舫氏と対決するとかえって票が逃げる」と思ったから(そして恐らくその判断は正しい)
と言う意味で「小池の国政進出」の可能性はもはやないでしょうし、「自公に大きく借りを作った」今後の小池の都政運営がどこまで上手くやれるかも疑問でしょう。
 いずれにせよ「小池の問題点(外苑開発)」が解消したわけではないので、今後も「小池批判」を続けるべきは当然です。

澤藤統一郎の憲法日記 » 本郷湯島の皆様、少しだけ耳をお貸しください。都知事選が終わりました。残念な開票結果でしたが、それだけではない終始釈然としない、モヤモヤとしたヘンな印象が拭えない後味の悪い選挙でした。
 「あと4年は、ウソつき知事*2で我慢」は、決して「4年間は知事のなすがままににお任せ」と同義ではありません。ウソつき知事を監視し、批判し、批判の声を挙げ、行動すること。それこそが民主主義の下での有権者のあり方です。
 情報を集め、真偽を判断し、そして「ウソつきは我が国の首都の知事にふさわしくない」「退陣せよ」との声を上げ続けましょう。その声を糾合しましょう。民主主義のために。地方自治のために。私たちの住む東京のために。

と言う指摘の通りです。


「立共共闘」岐路に 都知事選、200万票目指すも惨敗 無党派層取り込めず - 産経ニュース
 産経的にはそういうことにしたいのでしょうが、
1)都知事選において立民には「小池に相乗り」「維新と国民民主等と相乗り」「石丸と相乗り(そもそも石丸は自民が擁立した偽装対立候補の疑いがありますが)」の選択肢が現実的にない以上、「共産との共闘」は当然です。共産と共闘しないなら「立民単独」というもっと「得票が少ない道」しかない。
 実際、それまでの選挙(三補選)では「共産との共闘」で成果(選挙勝利)を上げている。
 とはいえ

東京都知事選で小池百合子都知事が3選。蓮舫候補は3位に沈み、石丸伸二氏が2位に。石丸氏が最悪なのは具体的な政策はなく、選挙戦術だけが巧みで、上から目線の冷笑的な態度が動画世代の若者に受けただけなこと。 - Everyone says I love you !
 参議院議員を20年経験し、国会でも存在感抜群で知名度も高かった蓮舫氏が小池氏の半分以下、かつてリベラル左派が分裂した宇都宮健児氏や山本太郎氏の得票数よりは多いものの、鳥越俊太郎氏にも及ばない得票数と得票率という結果は大敗と言わざるを得ず、「立憲共産党」批判にさらに火が付きそうで憂鬱です。

と言う危惧、懸念は否定できませんが。

*1:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相自民党政調会長等を歴任。現在、自民東京都連会長

*2:学歴詐称や「利権疑惑(外苑開発等)」などのこと