料理や裁縫から子育て、家族形成まで 男女必修化から30年、次世代が学ぶ「家庭科」 3・8 国際女性デー - 産経ニュース(村田幸子)
家庭科が男女必修になって約30年がたった。授業内容は、料理や裁縫に加え、子育てや介護、家族形成や生き方など幅広い分野を扱っている。
2月末、東京都八王子市の市立城山中学校では、助産師による講義や赤ちゃんとのふれあいなどを通じて「命の尊さや子育て」を学ぶ授業が開かれていた。市と「東京都助産師会八南分会」が連携して行う事業の一環で、次世代を担う中学生に命の大切さを再認識してもらい、豊かな人間性を育んでもらうことを狙いとしている。
男女共同参画社会への移行の流れで、1989年告示の学習指導要領に中学の技術・家庭科、高校の家庭科を男女で学ぶことが明記される。1993年から中学、1994年からは高校で家庭科の授業が男女で行われる仕組みが整えられた。1980年以降に生まれた世代では高校まで家庭科が男女の必修教科となっている。
日本家庭科教育学会の工藤由貴子会長は「(現代において)性別役割分業の存在意義は失われており、家庭科を男女共に学ぶことは重要な意味を持つ。固定的な性別役割分業に対する意識を変え、男女の協力によって、どのような生活を創っていくかを問い、実践する教科となっている」と語る。
現在、家庭科で学ぶのは料理や裁縫にとどまらない。家庭科の保育分野や乳幼児ふれ合い体験学習に詳しい川村学園女子大の叶内(かのうち)茜准教授は(中略)「男女がともに家庭科を学び、子供と触れ合う経験をすることは『社会全体で子供を育てていく』という、今の日本社会にも合致している。子供を持つ、持たないの選択に関わらず、同じ地域社会の中で暮らす他者について学ぶ機会となる家庭科が担う役割は大きい」と強調した。
国連提唱から50年、女性の権利向上も…世界で広がる「揺り戻し」 担当者インタビュー 3・8 国際女性デー - 産経ニュース(本間英士)
国連女性機関(UNウィメン)で調査・データ部門の副責任者を務めるローラ・トゥルケさんは最近、「最も驚き(悪い意味で)興味深い報告があった」という。昨年、世界の4分の1近くの政府が女性の権利向上に対する「揺り戻し*1」があることを認めたというのだ。トランプ政権下の米国でも揺り戻しは広がりつつある。グテレス*2国連事務総長は「世界的に女性の人権は攻撃され、ミソジニー(女性蔑視)が主流になりつつある」と警告する。
トゥルケさんは「男女平等の進展やフェミニズムは行き過ぎていると感じる人は世界各地にいる」とした上で、「このような反発があるからこそ、人々が国際女性デーに立ち上がることがますます重要になる。私たちが長い歴史で培ってきた大切なものを失わないために」と語った。
「性的同意」とは? 不同意性交罪の摘発増加 改めて学ぶ 3・8 国際女性デー - 産経ニュース(前島沙紀)
「女性が男性と2人きりで部屋に入ったら、女性は性行為に同意している」。
こうした性被害に関する誤った考えや固定観念は「レイプ神話*3」と呼ばれている。
令和5年の刑法の改正によって脅迫など*4がなくても(ボーガス注:性的同意がなければ)不同意性交罪が成立するようになった。
法改正前は男女トラブルだと思われていた「顔見知りから急に襲われる」といったことが性犯罪として対処されるようになった。(ボーガス注:虚偽告発による)冤罪への懸念の声もあるが、千葉大子どものこころの発達教育研究センターの佐々木利奈特任研究員(49)によると、海外の研究では性被害の虚偽申請は10%未満だという。
佐々木さんは「(ボーガス注:セカンドレイプ(二次被害)の恐怖から)性被害で声を上げることはハードルが高く、相手をおとしめるために(ボーガス注:虚偽告発を)行う可能性は、(ボーガス注:ゼロではないものの)全体としてはかなり少ない」と強調する。
「他の犯罪よりも性犯罪は被害者にも非があったといわれやすい。その背景にもレイプ神話があると考えられる」
https://www.sankei.com/article/20250228-V7PSEDHJMJNXNCMGPLTG4ZRV24/
日本では未だ(ボーガス注:男性に比べ、女性に非正規雇用が多いなど)男女間の雇用格差や賃金格差、ハラスメントなど課題は山積み。世界各国の男女格差を表した「ジェンダーギャップ指数」でも、日本は世界146ヵ国中118位(2024年度)となっている。そこで、日本で「国際女性デー*5」を広めるなど、ジェンダー平等を推進する様々な活動を展開しているHAPPY WOMANの代表・小川孔一さんに、現在の日本の問題点や目指す「女性が幸せに生きられる社会」について聞いた。
日本は「国際女性デー」の認知度*6ですらまだまだ低いのが実情。それを表すように、世界経済フォーラム発表による男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」では、公表が始まった2006年以降、日本は毎年「ジェンダー平等後進国」と言える下位グループに位置。2024年度は調査対象146カ国中118位と、前年の125位から小幅に順位を上げたものの、多くの新興国や途上国、日本政府が開発援助している国々よりも低い*7結果となっている。
なぜ、ジェンダー平等において、日本は後進国となってしまっているのか。まず、その原因のひとつは、女性管理職と女性議員の数の少なさだと指摘されている。
その背景について、小川孔一さんはこう分析する。
「夫婦別姓が認められていないのは先進国で日本だけですが、そこに象徴されるように、日本は制度や文化・歴史が影響している面が非常に大きいといえます。男女共同参画や働き方改革などの制度面はだいぶ改善されてきましたが、まだまだ問題は山積みです。法律だけでなく意識も、いろいろ見直さなければいけない時期にきていると思います」(小川氏/以下同)
フジテレビ問題で日本の女性軽視の実情があぶり出されたが、昭和の時代に当たり前だった価値観に「否」を唱えられる人が増えていくことで、さらなるスピード感をもって社会変革が進んでいくことを期待したい。
「女性の祭典、世界で声を上げて」 男女平等担うパリ市副市長のエレーヌ・ビダール氏 3・8 国際女性デー - 産経ニュース(パリ・三井美奈*8)
ビダール氏は「パリテ法の制定を機に、状況は大きく変わった」と指摘した。2000年、フランスで政党に男女候補を同数にするよう促した法律のことで、パリテはフランス語で「同等」の意味。
「最初は法による『押し付け』も必要です。男性社会に任せておくと、事がなかなか進まない。女性が活躍できる環境を提供すれば、彼女たちはおのずと高い地位を目指します」
「?」ですね。いつもの産経と大分違う気がしますが何があったのか?
*1:英語でバックラッシュと呼ばれ、上野千鶴子氏他『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』(2006年、双風舎)等の著書もある。
*2:ポルトガル首相、国連難民高等弁務官等を経て国連事務総長
*3:他にも「被害者は若い女性(→全世代で被害者がいる)」「加害者は見知らぬ人物(→むしろ知人が多い)」「犯行は屋外(→むしろ屋内が多い)」等があるとされる。
*4:「など」としては暴行
*5:国際婦人デーとも言う。1904年3月8日に米国ニューヨークで婦人参政権を求めるデモが行われたことが起源。国際女性デーにちなむ最大の事件は、1917年のロシア2月革命である。国際女性デー(3月8日)に首都ペトログラード(現在のサンクトペテルブルク)で行われた女性労働者を中心としたデモは、男性労働者、更には兵士を巻き込んだ大規模な蜂起となり、最終的には帝政(ロマノフ王朝)を崩壊に追い込んだ(ケレンスキー政権が誕生するが、その後の10月革命でレーニン率いるソビエト政権が誕生し、ケレンスキーは国外に亡命)。そうした歴史的経緯から旧ソ連・東欧(共産圏時代は勿論、昔の流れから今でも)、中国、北朝鮮、ベトナム、ラオス、キューバといった共産圏では国際女性デーを祝う国が多い。国連は1975年の国際婦人年(国際女性年とも言う。国連主催で『世界女性会議』を開催、『女性の地位向上のための「世界行動計画』を採択)に3月8日を「国際女性デー」と定めた(国際女性デー - Wikipedia参照)
*6:但し近年は「国、自治体、企業、市民団体等のイベント(例:福岡県久留米市主催の講演会福岡県久留米市で国際女性デーの講演会 「ジェンダー平等をグローバルな視点で」|【西日本新聞me】(2025.3.2))」「マスコミの報道(例:NHK・民放連携「国際女性デー」キャンペーン【3月末放送・見逃し配信】 - ジェンダーをこえて考えよう - NHK みんなでプラス、「#国際女性デーだから」キャンペーン 民放各局とNHKが連携 アナウンサーら7人の座談会などを放送|日テレTOPICS|日本テレビ)」が増え、急速に認知度が高まってるとされる。
*7:118位の日本より高い新興国、途上国としては例えば「8位:ナミビア」「18位:南アフリカ」「25位:フィリピン」「27位:モザンビーク」等(例えばジェンダーギャップ指数とは 2024年ランキング全結果紹介 | ELEMINIST(エレミニスト)参照)
*8:2011年、読売新聞パリ支局長。2016年産経新聞入社。2017年、産経新聞パリ支局長。著書『安楽死のできる国』(2003年、新潮新書)、『イスラエル : ユダヤパワーの源泉』(2010年、新潮新書)、『イスラム化するヨーロッパ』(2015年、新潮新書)、『敗戦は罪なのか:オランダ判事レーリンクの東京裁判日記』(2021年、産経新聞出版→2024年、産経NF文庫)