今日の産経ニュース(2025年3/21日分)

IOC次期会長に競泳金メダリストのコベントリー氏 初の女性、渡辺守成氏は敗れる - 産経ニュース
1)女性、「アフリカ出身」ということ
→過去に女性会長、アフリカ出身会長はない。今回も女性候補、アフリカ出身候補はコベントリー氏*1だけ。
2)IOC理事にすぎないこと
→他の候補はセバスチャン・コー世界陸連会長、渡辺国際体操協会会長、エリアシュ国際スキー・スノーボード連盟会長、ラパルティアン国際自転車競技連合会長等、競技団体幹部が多い
3)まだ41歳(1983年4月生まれ)と比較的若いこと
→出馬した候補では最も若い。会長になれば山添拓氏(1984年11月生まれ)が、2024年1月の党大会で「39歳で政策委員長に抜擢された」レベル、2024年9月の自民党総裁選で当時、43歳だった小泉進次郎*2(1981年4月生まれ)が総裁に当選した(勿論当選は現首相の石破(1957年生まれ)ですが)レベルの大抜擢になる
ということで「日本マスコミ報道」では彼女は有力候補扱いはされておらず、「最有力候補が誰もいない大混戦」とはいえ「彼女より年上」「IOC理事にすぎない彼女と違い、競技団体幹部(国際体操協会会長の渡邊氏など)である」等から

【生年月日順】
セバスチャン・コー(英国出身)
 1956年生まれ(今回出馬した候補では最高齢)。世界陸連会長。2012年ロンドン五輪組織委員会会長。モスクワ五輪*3(1980年)、ロス五輪(1984年)で陸上男子1500メートルで金メダル、陸上男子800メートルで銀メダル
◆我が日本の「渡辺守成氏」
 1959年2月生まれ。国際体操協会会長。IOC会長に就任すれば、初のアジア出身会長
サマランチ・ジュニア(スペイン出身)
 1959年11月生まれ。IOC副会長。「サマランチ*4IOC会長」の息子
◆エリアシュ(英国出身)
 1962年生まれ。国際スキー・スノーボード連盟会長
◆ラパルティアン(フランス出身)
 1973年生まれ。国際自転車競技連合会長。フランス五輪委員会会長

が有力候補扱いされていたので意外です(例えばIOC総会開幕 バッハ会長 名誉会長就任が決まる 日本時間20日夜に後任決める選挙 | NHK | #オリンピック・パラリンピック参照)。
 しかも「有力候補はいないから最初の投票で過半数取れる人間はいない。2024年自民党総裁選(決選投票で石破*5VS高市*6)や2024年立民党代表選(決選投票で野田*7VS枝野*8)のように上位2名で決選投票だろう」と言われたのが、IOC新会長にカースティ・コベントリー氏 女性で初 ジンバブエ出身 渡辺守成氏は選出されず | NHK | #オリンピック・パラリンピック等に寄れば
「1回目投票でコベントリーが過半数(97票中の49票)とって圧勝」です(2位は28票のサマランチ、3位は8票のセバスチャン・コー、4位は共に4票の渡辺氏とラパルティアン、5位は共に2票のファイサル*9とエリアシュ)。
 まあ、コベントリーが過半数取れずに、決選投票に行くと「2位のサマランチに票を集めて逆転劇(1956年の自民党総裁選で、決選投票で1回目投票2位の石橋湛山*10が3位の石井光次郎*11と手を組んで、1回目投票1位の岸信介*12に勝利したパターン)」もありえたでしょうが。
 「悪意ある見方」をすれば「名誉会長に就任予定」の「現会長のバッハ*13会長」が、コベントリーが女性、「アフリカ出身」、「競技団体幹部でないこと」ということで
1)政治基盤が必ずしも強固でない(やはり男性、ヨーロッパ出身、競技団体幹部の方が政治基盤は強いらしい)ためにバッハ氏が会長退任後も政治的影響力を行使しやすい一方で
2)初の女性会長、アフリカ出身会長、しかも「41歳と若い」ということで「女性、アフリカ(あるいはグローバルサウス)重視」や「若手抜擢」、つまり「改革」「清新」アピールもできるということでバッハ氏が彼女をプッシュした結果の「第1回目投票で圧勝」であり、今後「院政を目指す」可能性もあるでしょうが、その点は今後わかることでしょう。
 なお「バッハ院政の恐れ」については

背後にバッハ氏の影=IOC初の女性会長誕生 | 時事通信ニュース
 「(バッハ氏が)最も院政を敷きやすい候補者が選ばれた」と見る五輪関係者もいる。
 自身の路線を継承してくれる存在のコベントリー氏を推しているとの声は以前からあった。IOC委員の多くは大きな改革を望んでいないとの事情もあり、新会長選出の背後にはバッハ氏の影が見え隠れする。

を紹介しておきます。
 それにしても「1回目で過半数取って圧勝」はコベントリー陣営にとって
1)「票読み」によって「第1回目で過半数獲得で勝利」を実は予想していた。マスコミが「決選投票の見込み」というのを「他陣営が油断するから都合がいい」と苦笑していたのか
2)彼女の陣営にとっても「決選投票で残ること」が前提であり、圧勝はできすぎなのか。その点も今後わかることでしょう。
 まあ、マスコミにとっては「コベントリーが圧勝するとは誤算だった。恥をさらした」、他陣営も「コベントリーが1回目で過半数取る可能性があると分かってれば戦い方も変わっていた。悔しい」といったところでしょうが。

*1:2004年のアテネ五輪で女子200m背泳ぎで金メダル、100m背泳ぎで銀メダル、200m個人メドレーで銅メダルを、2008年の北京五輪で200m背泳ぎで金メダル、100m背泳ぎ、200m個人メドレー、400m個人メドレーで銀メダルを獲得

*2:第四次安倍、菅内閣環境相自民党選対委員長(石破総裁時代)を歴任

*3:米国、西ドイツ(当時)、日本など多くの西側諸国が「ソ連のアフガン侵攻(1979年)」を理由にボイコットしたがコーの所属する英国は参加した。

*4:1920~2010年。スペイン五輪委員会会長、IOC副会長(1974~1978年)等を経て1980~2001年までIOC会長

*5:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を経て首相

*6:第一次安倍内閣沖縄・北方等担当相、第三次安倍内閣総務相、岸田内閣経済安保相、自民党政調会長(第二次安倍、岸田総裁時代)を歴任

*7:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)、立民党最高顧問等を経て立民党代表

*8:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)、立民党代表等を経て立民党最高顧問

*9:ヨルダン王子

*10:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相を経て首相

*11:吉田内閣商工相、運輸相、自民党総務会長(鳩山、岸総裁時代)、岸内閣副総理、行管庁長官、池田内閣通産相、佐藤内閣法相、衆院議長を歴任

*12:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*13:1976年モントリオール五輪で男子フェンシング・フルーレ団体で金メダル