【安藤慶太が斬る】極まる「チャイナハラスメント」と亡国政治のお寒い事情

収まるどころか相手はエスカレートしてしまったではないか。中国漁船衝突事件で、中国側は日本に謝罪と賠償を要求してきたのである。

レアアースの禁輸解除とフジタの社員釈放を平気で無視するな。「攻撃エスカレート」オンリーじゃないだろ。
・中国の態度は迷惑な話ではあるが、「謝罪と賠償」は国内強硬派に対するポーズで本気じゃないでしょ?(本気ならレアアース禁輸解除すると思えない)
 あくまでも中国が勝ち取りたかったのは「船長釈放」だけだと思うが。

今回の釈放劇を受けてメディアは、「圧力に屈した」などと騒いではいるのだが

小泉政権が不法入国した金正男国外追放したときも「圧力に屈した」「国内で裁け」とか言って騒いでたけど今はマスゴミは何も言わないから今から半年とか1年もたてば何も言わなくなると思うよ(毒)。
だからマスゴミは大嫌いなんだよ。

今回、海上自衛隊の出番は最初から最後までなかった。

 漁船相手に海自なんか出せるか。

漁船相手に海自が出るまでもないという人がいるかもしれない。しかし、仮に漁船に銃器が積んであればどうか。

海保だって小火器は積んであったんじゃなかったっけ?。確か昔、北朝鮮の不審船撃沈したの、海保だよね?
(追記:「ライプツィヒの夏:安藤慶太記者の記事がひどい(3)」(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/1ae8a3548cca8863ff854f968e571ec1)によれば、海保が不審船を撃沈した事件は、「九州南西海域工作船事件」というそうです。うろ覚えで書いたけど間違ってなくてほっとした。それはともかくBill McCrearyさん、このエントリをご紹介いただきありがとうございます。)
大体、漁船に武器があるか分からないのにある前提かよ?。なかったらどうするんだよ。丸腰の船に軍艦出して脅したと言われるだろうが。

「安心して漁ができないではないか」という抗議もあった。安心して暮らせないのだから、それはそれで問題があると私も思う。ただ、本質論を回避したままで「政府!漁ができるように何とかしろよ」だけでは愚かしいことこの上ない話だ。

 この文章に寄れば安藤さんの言う本質論って「領土紛争にはがんがん海自出せ」らしいんだよな(苦笑)
 むしろ国民の生活が本質論じゃないの?。極論すれば、漁民が平和に漁できて、あそこで日中の共同開発でもいいから日本も石油開発の利益が得られれば、どっちの領土かなんてどうでもいいだろ?

それに沖縄の場合、在日米軍普天間基地辺野古への移設に一貫して反対してきた。安心して漁ができるように政府は何とかしてほしい、でも在日米軍は県外でなければ絶対駄目よ、では筋が通らない。

 関係ねえじゃん。普天間の米軍は尖閣守るためにある訳じゃないだろ。偉そうなこというのは、尖閣普天間の米軍が出動してから言えよ。

 「チャイナ・ハラスメント」という言葉があるそうだ。

 ググっても安藤さんの記事しか見つからないんだけど。安藤さんがつくったんじゃねえの?(追記:既に紹介したBill McCreary氏の記事に寄れば安藤さん以外にもあることはあるが産経以外見あたらないそうです。産経以外使ってないのならこういうのはマッチポンプというのでは?)

「二つの中国」を認めない

 何を今さら。角さんが国交正常化したときから「二つの中国」なんか認めてねえよ。日中共同声明とか過去の条約その他、全部チャラにしろとか言い出すんじゃねえだろうな?
 欧米諸国だって「二つの中国」なんて認めてねえし。
(追記:Bill McCreary氏曰く『中華人民共和国と国交を結んでいる国は、どこも「二つの中国」は認めていないよ。認めたら、中国と国交を結べないもん。』)

 光華寮事件をめぐる判決など日本の司法を見ても病巣は深いと思う。

 いや、政府の下部組織ではない裁判所の判決に政府がどうしろと(というか、台湾勝訴判決の時は中国の抗議に対し政府はそう言ってるんだけどね)。
 三権分立という言葉を知らんのか?。尖閣問題では「司法の独立」がどうこう言ってた分際で自分に都合が悪いときは「司法の独立」無視か。それと問題は裁判所の法令解釈が正しいかどうかであって中国に媚びてるとかそういうのは批判じゃないから。しかも司法って媚びてるのか?。ウィキペに寄れば台湾勝訴判決も、下級審では出てるし、病巣があるとしても司法でなくて最高裁だろ?
 それと「最高裁の破棄差し戻し=中国の勝利*1」じゃないから。社会部の司法担当にでも「破棄差し戻し」ってどういう意味か聞いてこいよ。

光華寮訴訟(ウィキペディア
 光華寮訴訟とは、京都府京都市左京区に所在する、台湾人や中国人の留学生寮「光華寮」の所有権の争いをめぐって日本の裁判所に提起された民事裁判である。日中間の外交問題に発展したことから、光華寮事件、光華寮問題などとも呼ばれる。
[概要]
 光華寮は、戦前の京都帝国大学が中国人留学生のために賃借した学生寮を、1950年頃、台湾(中華民国)駐日代表団が購入したものである。1965年頃、文化大革命をめぐって寮生間に対立が発生し、台湾当局が、寮の管理に問題が生じたとして、1967年9月6日、中国人留学生の寮生8名を被告として、立退き(土地・建物の明渡し)を求める訴えを京都地方裁判所に提起した。
 第1審途中の1972年9月29日、日中共同声明により、日本が台湾との国交を断絶し、中華人民共和国を「中国の唯一の合法政府」として承認したことから、国際法上の争点が浮上した。
 裁判は、第1審(台湾敗訴)→控訴審(原判決破棄差戻し、台湾勝訴)→差戻し後第1審(台湾勝訴)→差戻し後控訴審(台湾勝訴)→上告審と経過した。
 最高裁判所は、、上告審を長年塩漬け状態にしていたが、2007年に入って突如として審理を再開し、本件訴訟の原告は「中国国家」であるとの判断を示した上で、日中共同声明によって原告当事者が中華人民共和国に移った時点で訴訟手続は中断し、訴訟承継の手続をすべきだったという理由から、35年前に立ち戻って訴訟承継させ、第1審から審理をやり直すよう命じる判決をする(原判決を破棄し、第1審判決を取り消して、第1審の京都地裁に差し戻した)。
[光華寮の現況]
 しかし2010年7月現在、閉鎖され、廃墟の様相を呈しつつある。

 裁判に時間かけすぎ。原告の提訴(1967年)から最高裁判決(2007年)まで40年もかかってんじゃねえか(1967年当時の寮生はもういないだろ、たぶん)。しかも破棄差し戻しだから裁判終わってないし。いつ終わるんだよ。もっと早くできないのか。しかも廃墟化ってどっちが勝ってももはや光華寮の扱いには全く関係ないじゃないか(訴えの利益無しで終了とかにできないのか?)。台湾が勝てば「台湾ロビー」が、中国が勝てば「中国ロビー」が俺たちの勝利と騒ぐだけであろうって言うある意味くだらない話。
 まあ、ウィキペ信じれば、台湾勝訴判決曰く「台湾の光華寮に対する私的所有権は日本の政府承認とは関係ない、たとえ台湾が中国の不可分の領土だとしても台湾がカネ出して光華寮の建物を購入したんだからそれは台湾のものだよ」」*2「オーナーは台湾だから立ち退き請求できるのは台湾だよ」*3、という話らしいので、台湾が勝っても「二つの中国」を司法が認めたことにはならないと思うが。「私的所有権は日本の政府承認とは関係ない」んだから(台湾ロビーはそんなことお構いなしに勝ったら「二つの中国」の勝利と言い出すんだろうが)

 今回の釈放劇に政府による政治介入があったか、なかったが問題となっている。政治介入があれば論外であることはいうまでもない。

 とりあえず今回の釈放劇で指揮権発動していたとしても、それは少なくとも違法ではないことは指摘しておきたい。

*1:まあ台湾勝訴判決がひっくり返されたという意味では「ある意味中国勝訴」とはいえるでしょうが、「破棄差し戻し」とは「判決に問題があるからやり直せ」という話であって中国勝訴ではありません。少なくとも形式論理的には「再度の台湾勝訴判決」はあり得ます。

*2:日本だって「不可分の領土」である都道府県が県の予算からカネ出して買った物は国のものじゃないしな

*3:でも事実上、台湾は管理してないんだよね?。中国が管理してんの?