『いつもどおりid:noharra氏に突っ込む(3/27分)(追記・訂正あり)』の続き(追記・訂正あり)

http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20120327/5643098721の続き
いろいろと広域がれき処理反対派へ疑問を指摘するエントリその他を紹介してみよう。

【その1】

長谷川寛子氏の『Hiroko's Voice』
http://hhvstudio.seesaa.net/article/271243481.html
 まずは今回の騒動を引き起こした団体を見つけました。(ここでは団体名は伏せておきます、ご了承ください)説明には「避難者と市民を結ぶボランティア団体」と記載してあるのですが…
 TOPページに「問い合わせ先一覧」として北九州市をはじめ教育委員会・農協・漁協などの連絡先を多数掲載している一方、この団体の連絡先はメールアドレスだけ。代表者の名前すら書いてありません。
 活動資金を募るページもありますが、普通預金の口座と個人の名義(注:カワチサトエとなっている)が載っているだけです。寄付金の使途についての説明もありません。どこの誰かも分からない人に、使用目的が一切不明な寄付金をよこせというのでしょうか?いくらなんでも無茶苦茶な話です。
 さらに「石巻の復興が進まないのは復興計画が無いから」などと書いてあるのですが、これは真っ赤なウソです。石巻市ホームページには石巻市震災復興基本計画(http://www.city.ishinomaki.lg.jp/reconst/re_const.jsp)が掲載されています。
(中略) 
 この団体はしきりに「北九州市は市民に知らせず、市民の反対も無視して強行にガレキを焼却しました」と訴えていますが、まったくのデタラメです。
 北九州市では災害廃棄物の受入検討に関するQ&A(http://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000113236.pdf)を公開しています。市長のツイッターでも繰り返しアナウンスしています。

団体名を伏せたことをご了承くださいといわれてもちょっとご了承できないな(苦笑)
できれば確認用にそのサイトをリンクしてほしいのだが。
ただここでの指摘が事実なら「だから北九州でのがれき広域処理反対は間違い」とはいえないだろうが、「この北九州の反対派にはまともに反対を訴えていく気があるのか」という疑問は感じざるをえないし、こうした明らかな問題点は批判されて当然だろう。

【追記:2012年5月9日】
 長谷川氏の批判するサイトは俺がググって見つけた「がれきSTOP北九州!」(公式サイト:http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/ ブログ:http://hinanohanasi.blogspot.jp/)のことらしい。北九州の例の「がれき運び込み阻止」参加団体はこの団体だけではないかもしれないが、ここも「阻止参加団体」のようだ。従って「北九州のがれき広域処理反対派」は「俺たちと関係ない」で安直に切断処理しないで、きちんとここを批判するように。いや北九州市に限らず「全てのがれき広域処理反対派」がこういうものは厳しく批判していかねばなるまい。勿論賛成派の側も、「変な賛成派」を徹底批判する必要がある。
それはともかく長谷川氏はやはり「団体名を伏せたりせず」明記すべきだったと思う。しかしマスコミも何故記事に団体名書かないかね。
長谷川氏の指摘するような文章があるか後で探してみるか。
で、探した結果。

この団体の連絡先はメールアドレスだけ。代表者の名前すら書いてありません。

おっしゃるとおり、「コンタクト」という所をクリックしても「hinanohanasi@gmail.com」というメールアドレスしか出てこない。
活動資金を募るページに出てくる「カワチサトエ」が代表なのかもしれないが、ならばそのくらい、コンタクトのページに書いてもいいだろう。
hinanohanasiとは「鄙の話」だろうか。これでは普通の人は連絡を取ることに躊躇してしまうだろう。何と言う秘密主義の団体か。
【追記:2012年6月4日】
 しばらくして、再度見たら、「コンタクト」となっていたのがいつのまにか「連絡先」に変わっていた。さすがに各方面から「名前ぐらい出せよ」という批判があったからか「メール管理担当者:長谷川」なる名前が出ている。ただしどんな長谷川さんなのかはわからないが。

活動資金を募るページもありますが、普通預金の口座と個人の名義(注:カワチサトエとなっている)が載っているだけです。寄付金の使途についての説明もありません。どこの誰かも分からない人に、使用目的が一切不明な寄付金をよこせというのでしょうか?いくらなんでも無茶苦茶な話です。

というのもおっしゃるとおり。反原発運動オンリーなのか、それとも「被災者への経済的支援」なども行ってるのかさっぱりわからない。「使途については今後全てHPで公開していきます」だけではねえ。過去どう使ったか、「1円単位で詳細に書け、1000円以下四捨五入など揺るさん」とまでは言わないから、おおざっぱな概要(例:○○に△△円程度使いました)くらい書いてもよかろう。
長谷川氏が非難するように無責任にも程があるだろう。こんな「寄付金を私的流用しかねない怪しい団体」に誰が寄付するというのか。長谷川氏同様、こんな怪しい団体を評価する気持ちには俺は全くならない。

この団体はしきりに「北九州市は市民に知らせず、市民の反対も無視して強行にガレキを焼却しました」と訴えていますが、まったくのデタラメです。
 北九州市では災害廃棄物の受入検討に関するQ&Aを公開しています。市長のツイッターでも繰り返しアナウンスしています。

という長谷川氏の指摘に該当するのはたとえばこれだろう。

http://hinanohanasi.blogspot.jp/2012/05/blog-post_23.html
北九州市は市民に知らせず、市民の反対も無視して強行にガレキを焼却しました。

石巻の復興が進まないのは復興計画が無いから」などと書いてある

というのは見つかってない。うーむ、ここは長谷川氏の勘違いないしデマなのか?。読む側が「勘違いか、デマか?」と思いながら読むことになるのだから長谷川氏は引用するなら、引用元にきちんとリンクしておくべきだろう。
なお、長谷川氏は指摘していないが俺もこの団体のサイトやブログで怪しい記述をいくつか見つけた。


(怪しい記述その1)

http://hinanohanasi.blogspot.jp/2012/05/2228-080-5802-6688.html
東京の焼却場付近では放射能濃度が上がり健康被害が出ています。
国や市は「安全・安全」を繰り返します。
でも、水俣病アスベストを思い出して下さい。
国が何と言ったのかを。

俺の知る限り「東京で健康被害」などという報道はないと思うのだが、この団体の言う健康被害とは何のことなのか?。まともな団体なら「これこれこういう理由で」健康被害が認められたと考えると具体的に書くだろう。その方が議論もしやすい。
根拠も上げずに「東京で健康被害」などといい、それをごまかすために「水俣病だのアスベストだの」いう時点でこの団体は信用に値しないと俺は思う。確かに水俣病アスベストでの行政の初期対応(例:水俣病水銀原因説の否定)は恥ずべきものだろうが、それと今回の北九州へのがれき運び込みと同じという根拠は何なのか?
橋下並みのただの印象操作ではないか。
広域がれき処理反対運動の一部にハシズム臭を感じると俺は書き、id:unorthodox氏から賛同できないとのコメントをいただいたが、少なくともこの団体に限れば「放射線は怖い(いや、実際怖いが)」というポピュリズムに媚び、「東京で健康被害」などという具体性のない怪しい情報を流して恥じないところが橋下そっくりだ。いや実際、そう言う報道はあるのに俺が知らないだけなら謝罪するが。


(怪しい記述その2)

(注:運動には)ベビーカーの赤ちゃんがいっぱい!
左翼活動に赤ちゃんが動員されたとしたら*1史上初めての例でしょうね。

「がれきSTOP北九州!」公式サイトトップページ(http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/)にある「「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。」という記事の文章。
前進という中核派機関誌(http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/sokuhou/2012/05/post-1601.html)で「北九州で俺たちの運動が一定の成功を収めた」云々と書かれてる、北九州の反対派の奴らは中核派という危ない団体の仲間だ、信用できるかというネガキャンへの反論のつもりらしい。
 俺は「中核派の手先」云々という物言いはハシズム並のポピュリズムであり、全くお話にならないと思っている。
 しかしそのネガキャンへの反論のつもりらしい文章も「単に中核派の参加があっただけです、我々は来る者は拒まずという態度です。そもそも参加者が中核派かどうかなんか事前に確認できますか。運動において中核派の旗が振られるなどのこともなかったし」とか「機関誌の報告は事実じゃない、中核派の参加などない」とかいったそれなりに論理的な反論(反論例は俺が思いついたもの)ならともかく、「ベビーカーの赤ちゃんがいっぱい!」などという情緒的な反論(?)が反論になると思ってるのだろうか?。「中核派でもベビーカー動員できるだろ?」で終わってしまう話だ。
論理よりも情緒、まさにハシズム的である。

【追記:2012年6月4日】
 再度見たら、トップページにあった「「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。」と言う記事がいつの間にか消えていた。
 「活動報告ブログ」というところをクリックすると読むことができる。しかし、なぜトップページではなくなったのか?。「都合が悪いからトップページから消して見つけづらくしたのではないか?」と疑わざるをえない。


(怪しい記述その3)

千葉、埼玉、群馬、神奈川など安全なはずの地域で、下痢、目眩、止まらない鼻血、紫の斑点などが大流行。

「がれきSTOP北九州!」公式サイトトップページ(http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/)にある「お話会のまんが 人とトキとどっちが大事!」という記事の文章。「紫の斑点」というのは皮膚内部の内出血のことだろう。放射線汚染食品による内部被爆健康被害が千葉、埼玉、群馬、神奈川など、福島事故の被害を直接受けなかった地域で広範囲に起こってるとでも言いたいらしい。
俺は埼玉県民だが、そうした流行が放射能が原因か、どうか以前に

下痢、目眩、止まらない鼻血、紫の斑点などが大流行

なんて話は聞いたことがないが。千葉、埼玉、群馬、神奈川の方で「いや流行してるよ」という方はいらっしゃいますか?
ここまで酷いと「変な陰謀論にはまってるんじゃないか」とか「橋下同様故意にデマ垂れ流しではないか」と疑わざるをえない。こんなのを脱原発などとは呼びたくない。
【追記:2012年6月3日】

Ani2525御堂岡啓昭
北九州のママさん達に外部からアドバイスしたり誘導したりしたのは、山本太郎さん、木下黄太さん、今も回ってる私の三名。

それが事実なら山本と木下と御堂岡は批判せざるをえないと思う。どんなアドバイスをすればこんな陰謀論がでてくるのか?

【追記:2012年6月4日】
今はトップページにはなく「まんが」というところをクリックしないといけない。


【その2】
次に俺の支持政党・共産党北九州市議団の見解。

http://www11.ocn.ne.jp/~jcpksigi/news6.html
本日、北九州市議会本会議において、わが党も共同提案に加わった「東日本大震災で発生したがれき受け入れに関する決議」が、全会一致で可決されました。
(中略)
 わが党は震災がれきの処理の重要性に鑑み、自民党議員団などから示された文案に対し、あいまいな基準での歯止めなき受け入れを回避するために、「通常の廃棄物と判断されるものに限り」との一文を加える修正を提案しました。
(中略)
今回の経緯のなかで、3会派(注:北九州市の自民、公明、民主)が一度合意していた文案に、「通常の廃棄物相当と判断されるもの」との文言の挿入が実現したことは、市民のなかに「被災地の復興のためにがれきを受け入れるべきではないか」との思いと、「放射能による健康被害」への懸念とが交錯するなか、市議会としてそうした市民の思いを決議に反映したという点で重要であると考えます。


【2013年3月28日追記】
 赤猫の日記『山本太郎氏の共産党批判の波紋』(http://d.hatena.ne.jp/debri/20130325/p1)でこのエントリが簡単に紹介された。実に嬉しいことであり感謝しています。
 なお『赤猫の日記』でもっぱら批判されているのは「特に主張のデタラメぶりが酷い御堂岡某氏」のようだ。確かに『赤猫の日記』の諸指摘が事実なら御堂岡某氏の酷さは論外としか言いようがないだろう。

*1:「したら」も何も「がれき広域処分反対」は「広い意味」では左翼運動じゃないの?。赤ちゃんが自分で自主的に参加するわけがないんだから、動員呼ばわりされてもしょうがないんじゃないの?。赤ちゃんを預ける場所がどこにもないのなら「動員」も仕方がないがあまり望ましいことではないと思う。