「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」を笑おう(2019年3/11分:黒坂真の巻)

■黒坂ブログ『書評:櫻井よしこ・洪ヒョン著「韓国壊乱 文在寅政権に何が起きているのか」(PHP新書)』

文在寅革命政権の核心は主体思想派と利敵団体出身者、公安事犯とその連繋者、そして盧武鉉派の残党、左翼市民出身者です。」
(同書p128、洪ヒョク氏の発言より抜粋)。

 「主体思想派と利敵団体出身者*1」はともかく、他は「何が問題なのか?」ですね。
 朴チョンヒや全斗煥軍事独裁政権下において民主化活動をすれば「公安事犯」になるのは別に不思議でもない。「公安事犯」が問題なら「元犯罪者マンデラを大統領にした南ア国民」や「現役の犯罪者・劉暁波*2(服役中に病死)にノーベル賞を与えた選考委員会」は頭がおかしいのか。そう言う話ではないわけです。
 一般刑事犯と政治犯では話が違う。
 残党つう下品な表現はともかく「盧武鉉政権大統領秘書室長」を務めた文在寅氏の政権が「盧武鉉政権の流れをくむこと」は今更言われなくても分かってる。

 親日派がつくった大韓民国は生まれてはならない国だった。文在寅政権の訴える「積弊清算」はこれと同じです。

 そんなことはさすがに文在寅氏も言ってないでしょう。「韓国が李承晩の反共独裁国家として誕生し、その後も朴チョンヒの独裁が続いたことは残念だ。その結果、北朝鮮との対立構造が固定化し、また日本に対する批判もあまりできず、今のような安倍政権誕生になってしまった。問題点を少しでも是正したい」つうのは「韓国は生まれない方が良かった」というのと話が違う。

 それにしても、韓国の大統領秘書室長という、日本では官房長官に該当する職についている方が主体思想派だ、という本書の指摘は重大です。

 まあ「過去の一時期においては」もしかしたらそうなのかもしれない(もちろんよしこらによるデマの疑いもありますが、俺も無知なので知りません)。
 ただ、仮に「昔は主体思想支持」が事実でも「政権入りした今現在もそうだ」なんてことはありえない。
 では「現在は考えを変えたとは言え、過去、主体思想を支持していた人間だー」なんて批判はどうか。正直、我々日本人にとってはそんなことはどうでもいいことです。そんなことは当事者である韓国民が決めることです。
 「過去のことは反省してるし、有能な人間だから別にいいじゃん」と思う韓国民が多数ならそれで終わる話です。まあ、日本側が文在寅政権の対北朝鮮政策を批判する*3にせよ「昔、あいつは主体思想を」云々とか言う必要はどこにもないわけです。
 「あなたはあなたの政策がホニャララという考え、理念から実施し、チョメチョメという成果をあげたというがそれには賛成できない」と事実に基づいた「理念の間違い」なり「成果の間違い」なり指摘すればいい。それで終わる話です。

 韓国政府は昔から、市民団体に資金援助をします。
 沖縄県庁前や辺野古近辺で「北朝鮮への制裁反対」のゼッケンをつけて奇妙な踊り*4を踊っていた方々は、運動資金に困ることはなさそうです。
 辺野古主体思想*5と(ボーガス注:辺野古基地移転反対で)連帯、共闘している日本共産党員は全世界の金日成主義化の協力者*6です。

 どう見ても「沖縄の米軍基地反対運動には北朝鮮の手先である文政権から金銭支援が行われてる」「沖縄での基地反対運動は北朝鮮に利用されてる」としか読みようのない文章ですね。どれほどデマ屋でクズなのか。
 故・翁長知事など沖縄の「基地反対の保守派*7」も「俺たちを北朝鮮シンパ扱いなどふざけるな」「そんな汚いネガキャンまでするのか」と激怒でしょう。そして安倍ですら「黒坂とか言う野郎は世間が相手しない小物ウヨだから問題になってないけど、ありがた迷惑にもほどがある」と呆れるでしょう。

 大山奈々子神奈川県議(日本共産党)は、全世界の金日成主義化を支持なさっているのでしょうか。
 大山奈々子神奈川県議*8は、朝鮮学校無償化適用、補助金増額を訴えていますから。

 馬鹿馬鹿しい。俺も大山氏同様の価値観ですがそれは「民族教育には意義がある」と思うからで別に主体思想を支持してるわけではありません。大体「主体思想万歳」を仮にやってる*9としても、それだけやってるわけがないし、やっても「多くの情報が流通する日本」において大して意味もないでしょう(やっていいとまではいいませんが)。
 なお、「民族教育には意義がある」という意味で桝添前都知事の「都有地を韓国学校に貸与する」つう方針を潰した小池現都知事には「韓国学校への不当な差別も大概にしろ!」と怒りを覚えずにはいられません。大山氏も含めほとんどの「無償化除外批判派」がそうでしょうが何も「朝鮮学校だけに肩入れしてる」わけではない。
 ちなみに、例の「Nさん(Nはネットでの名前で、本名・Yさん)」なんかはこの件では黒坂と同意見なんでしょうね。だからこそ「無償化除外反対。差別はおかしい」「朝鮮学校のような民族教育は大いに推進されるべきだ」といった俺に悪口したわけです。
 しかし「加計告発をして前川さんは偉い!」とNさんが褒めた前川*10元文科次官が「保身から在職中はそう言えなかったが、無償化除外はおかしい」「朝鮮学校が原告の国賠訴訟で原告側証人として出る用意がある」「裁判所は無償化除外を違法と判決すべきだ」などと主張すると、朝鮮学校問題限定でも「今更、前川批判も出来ず」決まりが悪くなって、この件についてブログやツイートでほとんど何も言わなくなった卑怯者がNさんですけど。
 「無償化除外を支持したボーガスは非難する、しかし同意見の前川には何も言わない」てどれほどNさんはデタラメなのか。
 で俺に何度も「何で前川批判しないの?」「前川批判しないのなら、俺への非難も撤回しろよ、そうでなきゃおかしいだろ」と俺に言われてもとぼけ続ける。
 「前川もボーガスも批判する」「どちらも批判しない」でないと、おかしな話の訳です。正直Nさんには「ふざけるのも大概にしろ」つう怒りを禁じ得ません。
 なお、「言うまでもない」ですが前川氏も別に主体思想支持ではない。主体思想支持で文科事務次官なんてことはありえないわけです。


■黒坂のアホツイートに突っ込む

黒坂真
‏ カクサン部長さん。日本共産党が想定する市民には、安倍政権を支持する方は含まれないのですね。

 少なくとも「日本共産党市民運動との共闘」という場合はそうでしょう。当たり前の話です。

黒坂真
 小池晃議員。日本共産党は、来る大阪府知事大阪市長選挙自民党の候補者を支援しますか。野党だけの候補者を出しますか。自民党の候補者を推すなら、集団的自衛権行使に賛成する事と同じようなものですね。

 仮に日本共産党がそうしたとしても、「国政と地方政治は違う」で終わる話です。つうかこの黒坂の理屈だと、2003年の岩手県陸前高田市長選で自民党が「日本共産党陸前高田市議だった中里長門氏」を支援し、市長に当選させたことはどう理解されるのか。「自民が共産の軍門に屈したこと」になるのか?。それはともかく、とはいえ陸前高田のようなケースはもちろん全国的にも珍しいのですが。

黒坂真
‏ 林潤議員。韓国との友好関係が大事とお考えなら、一昔前の日本共産党大韓民国の存在を否定し、朝鮮半島朝鮮労働党により統一*11されてしかるべきと主張していたことをどうお考えですか。

 うん、だからそれ「一昔前(日韓国交正常化に反対した1965年、今から約50年前)」のことやん。「一昔前」なら自民党も「1972年に田中角栄が訪中して日中国交正常化し台湾と断交するまで(つまり今から約45年前)」は日中国交正常化反対、台湾との国交維持が党方針やったけどね。

 安倍総理。中国との友好関係が大事とお考えなら、一昔前の自民党中華人民共和国の存在を否定し、中国大陸は中国国民党により統一*12されてしかるべきと主張していたことをどうお考えですか。

と今時聞いたら「キチガイ?」としか思われないのと話は同じです。

*1:これだって本当かどうかは分かりませんが(そもそも利敵団体とは何なのか?)。仮に本当だとしても「今は違う」でしょうね。例えば「昔、極左だった」つうなら日本では香山健一(後に中曽根首相ブレーン)、西部邁なんかいますけど、彼らは転向ウヨなわけです。あるいは彼らの先輩(左派からウヨに転向)としては「元共産党員」佐野学、田中清玄、鍋山貞親なんてのもいますが、韓国も話は同じでしょう。「主体思想のまま」で政権入りできるわけもない。

*2:著書『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店)など

*3:俺個人は批判どころか大賛成ですが

*4:わざわざ「奇妙な」などと失礼な言葉をつけるあたり本当にゲスです。

*5:誰のことを言っているのか?。

*6:実際にそんなことが行われてるか知りません。また仮にされてるとして「いくら基地移転反対限定でも主体思想支持者とは手を組むべきでない」つう批判はあり得るでしょう。しかし「基地移転反対限定でも手を組んだら主体思想支持と同じだ(黒坂)」つうのはデマでしかありません。ならば統一教会に祝電を送った過去がある安倍を「統一教会の布教の協力者」といっていいかと言ったら少なくとも黒坂は詭弁で否定するでしょうね。

*7:まあ、共産、社民、沖縄社会大衆党など左派だって激怒でしょうが、保守派はそれ以上に激怒でしょう。

*8:なお、こうした主張(無償化適用、補助金増額)は共産党の「党としての主張」であり大山氏の「単なる個人的意見」ではありません。

*9:ちなみに「華僑学校て、どうなんやろう」とは思います。そして「華僑学校では毛沢東万歳をしてる疑いガー」「無償化から除外をー」などと黒坂らが言わないのも興味深い。中国相手にそんな言いがかりは現実的に無理だ、安倍が実行するわけがないと思ってるのでしょう。

*10:著書『これからの日本、これからの教育』(共著、2017年、ちくま新書)、『面従腹背』(2018年、毎日新聞出版)、『前川喜平「官」を語る』(2018年、宝島社)、『前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る:高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育』(共著、2018年、明石書店)、『前川喜平が語る、考える。:学ぶことと育つこと、在日とアイデンティティー、あなたと私。』(共著、2018年、本の泉社)、『ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題』(共著、2019年、集英社

*11:もちろん「軍事侵攻」ではなく平和的統一ですが

*12:もちろん「軍事侵攻」ではなく平和的統一ですが