今日の産経ニュース(11/13分)(追記あり)

■【拉致再調査】「年内報告なければ制裁復活を」 拉致家族ら政府に申し入れ
http://www.sankei.com/world/news/141113/wor1411130037-n1.html
 いい加減にして欲しいですね。「拉致を解決したい」んじゃなくてもはや「制裁がしたいだけじゃないのか」と疑いたくなります。


■【宮嶋茂樹の直球&曲球】今こそ中国人に思い知らせてやるとき
http://www.sankei.com/column/news/141113/clm1411130008-n1.html
 自称写真家の宮嶋ですが

中国船が「偽装漁民」やったらどうする。ワシが教えたるで。自衛隊初の「治安出動」をいち早く閣議決定し、空からはSH−60ヘリコプターが威嚇射撃し、海からは高速機動艇で乗り付けた特別警備隊が偽装漁民を急襲する。反抗してきた場合には、正当防衛射撃を法に則ってやったらエエのである。

ですからねえ。もはや完全に写真家と言うよりは「ただの右翼芸人」です。故・石堂淑朗もそうですが「才能や人気が枯渇した」のに世間にちやほやされたい人間、つまり「産経でも何でもいい、とにかく誰かに騒がれたい」という人間がこういうバカをやります。


■「関係発展で話し合い」日中首相の立ち話で菅長官
http://www.sankei.com/politics/news/141113/plt1411130014-n1.html
 「短時間の立ち話」レベルで「日中友好は進展してる」とわざわざいうんだから産経の言うような「安倍政権の中国への態度はぶれてない」なんて言える話ではないことは明白です。


■【石平のChina Watch】首脳会談で敗者となった習主席
http://www.sankei.com/column/news/141113/clm1411130004-n1.html
 タイトルから予想されるとおりの酷い内容です。あの4項目合意の存在を見ながらどういう脳みそをすれば記事タイトルにでかでかと

首脳会談で敗者となった習主席

なんてデタラメなタイトルがつけられるんでしょうか。「また産経か」「また『中国版テキサス親父』『中国版・呉善花』石平か」としか言いようがない話です。

もちろんそこには「靖国」のやの字も入っていないし、日本が認めたとされる「異なる見解」は決して「領土問題」を指していないことは一目瞭然だ。

 前者について言えば「靖国の文字」が入ってないのは事実ですが、まともな理解力があれば「歴史認識の直視」が「靖国不参拝」を示すことは明白なわけです。
 後者について言えば理解することすら困難な詭弁ですね。「尖閣について異なる見解があることをお互い認める」といったらそれは「領土問題」以外に何があるんですかね。
 「領土問題ではない尖閣についての問題で見解が異なることを認めた」て具体的に何なのか。そもそも「尖閣には争いはない」が日本政府の従来見解なんですから「尖閣について異なる意見があることを認める」と言った時点で「その異なる意見」が「領土問題であろうとなかろうと*1」日本の譲歩であることにかわりはないわけです。
 もちろん中国側が一定の譲歩をしたことは事実です。「靖国」という明白な言葉がないことはその一例です。
 ただあの4項目合意はまともな理解能力があれば「靖国尖閣で安倍が譲歩した」としか読めないものであり、「日本が何の譲歩もしなかった」なんては明らかなデマです。
 正直、産経ならまだしも安倍がこんなデマに後々荷担したら首脳会談の意義も消えることでしょう。
 というか中国側も「会談はした」ものの、「河野談話撤回論すら公言する」安倍を全面的には信用しておらず、だからこそ「渋い顔の会談」だったし「時間もたった25分だった」わけです。

こういうことを強く意識しているからこそ、安倍首相との会談の冒頭、習主席は自らの悔しさを覆い隠すために、条件を引き下げたことを国民の目からごまかすために、わざと無礼な態度をとって虚勢を張るしかなかった。

 「虚勢」云々とはすごい珍理解ですね。そうではなく「今回日本が一定の譲歩をしたことはそれなりに認めるが、全面的に信用している訳じゃないぞ」という不信感の表明にすぎないでしょう。
 つうか無礼というなら安倍の顔だって仏頂面であり習主席のことを無礼呼ばわりできる態度ではないのですが。要するにお互い様です。

 「靖国不参拝」を約束しなかった安倍首相はいつでも参拝できるが、首脳会談に踏み切った習主席にしては、安倍首相に「参拝されたら」大変なことになる。今後、安倍首相に気を使わなければならないのは習主席の方だ。安倍首相を怒らせるようなことはそう簡単にできなくなる。首脳会談後の日中関係で優位に立つのは、結局安倍首相の方ではないか。

 もちろんあの4項目合意は「靖国不参拝を事実上合意してる」ので安倍には到底参拝はできないでしょう(そもそも米国政府の「遺憾発言」でわかるように靖国参拝など米国も同意していませんが)。
 もちろん「福田元首相など日中首脳会談に動いた、世話になった人々の顔を潰す覚悟」を安倍がすれば話は別ですがさすがにしないでしょう。また「はっきり書いてなかったら参拝する」なんて馬鹿な事をしたら事は中国限定ではなくなります。
 「日本ってのははっきりと文章にしないと詭弁で居直る酷い国だ」なんて思われることは「外交において曖昧戦術が使いづらくなる」と言う意味ではっきり言ってデメリットでしょう。
 そもそも石平の言う「安倍を怒らせること」とは具体的に何なのか?。靖国にせよ尖閣にせよ先に喧嘩を売ってきたのは安倍であり、中国側には重要な貿易相手国・日本相手に最初から事を荒立てる意思はあまりないのですが、何故か石平や産経の脳内では「中国が先に喧嘩を売ってきた」ことになるようです。

*1:もちろん領土問題であることは明白ですが