【張成沢失脚その他】今日の北朝鮮・韓国最新ニュース(9/18分)(追記・訂正あり)

 9月の日付のエントリで、紹介記事は12月の記事と日付が大幅にずれてますが連続更新の形にしたいので。
■【再び、拉致を追う 第10部 明日への提言(中)】めぐみさん事件「情報はゴミ箱に捨てられた」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131217/kor13121708110002-n1.htm

韓国の情報機関、国家安全企画部*1の幹部は1995(平成7)年初頭、自分のもとに入った情報に耳を疑った。
 「北朝鮮が日本人の女子中学生を拉致している」
 後に横田めぐみさん=拉致当時(13)=と判明する少女に関する情報だった。「拉致実行は77年か78年。少女は双子。バドミントンを所持している」。幹部は日本の警察庁に非公式に伝えた。だが、日本が動き出した様子はなかった。

 さらっと産経は書いていますが、建前では「1997年の安明進発言」がめぐみさん拉致の根拠じゃないんですかね。この記事を読んで改めて「安はめぐみさんの件については本当は何も知らず、全ては韓国情報部に言わされてるだけだった」「めぐみさん拉致について、ネタ元を明らかにしたくない韓国情報部が安を宣伝に使った」という疑いがやはり否定できない気がしましたね。

参考

ウィキペ「安明進
 1993年、朝鮮労働党中央委員会作戦部から大韓民国への潜入を命ぜられる。韓国に潜入する特殊部隊の隊員として隠密行動中に部隊から逃亡。韓国軍に投降し亡命した。1997年にソウル特別市で「1988年9月から1991年初めにかけて金正日政治軍事大学で、行方不明になっている横田めぐみさんを見た」と証言。
 しかしその証言には以下のような疑問符が付いている。
『なぜ亡命してから4年後に突如横田めぐみの目撃証言を行ったのか?』
『第三者からの又聞きを、さも自分が見聞したように言っているのではないか?』
『もっと上の位にいた亡命者、もしくは国家情報院関係者の発言を代弁しているのではないか?』
 このように言われる根拠として、1994年10月17日号のAERAでインタビューを受けた際、その中で横田めぐみ拉致被害者について全く言及していなかったことが挙げられる。

(注:昭和)62年の大韓航空機爆破事件では、逮捕された金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員(51)が拉致被害者の「李恩恵」の存在を証言。63年には、梶山静六*2国家公安委員長(当時)*3がアベック3組*4失踪を「北朝鮮による拉致の疑いが濃厚」と政府として認めた。

 この梶山答弁を引き出したのは「橋本敦・共産党参議院議員」ですが反共の産経が質問者の名に触れないのが笑えますね。

 それでもマスコミなどで大きく取り上げられることはなかった。
 平成8年秋。石高氏は専門誌「現代コリア」誌上に「中学生少女拉致情報」を書いた。
(中略)
 めぐみさんの両親は娘の身を案じながら、苦悩の末に、報道の際の実名公表を決断。社会に衝撃を与え、世論が大きく動き出した。

 要するに拉致が騒がれるようになったのはやっと平成8年(1996年)だったわけです。
 そして小泉訪朝が平成13年(2001年)。拉致問題はたった5年で大きく動いたわけでまさに小泉訪朝は「日本外交史上に残る大成功」でしょう。

北朝鮮の故金日成(イルソン)主席は半世紀前、「日本は黄金の猟場だ」と言ったという(金東赫(トンヒョク)著『金日成の秘密教示』*5)。欲しいものは何でも手に入るという意味だ。

よくもまあ出所不明の怪しい話をできるもんです。産経ではいつものことですが。

捜索は直前になって突然中止。理由は言及されていない。日朝国交正常化に野心的だった金丸信*6自民党副総裁率いる訪朝団出発の直前だった。

 こう言う思わせぶりな文章を書くところが産経は最低ですね。さすがに「金丸氏が圧力をかけたのではないか」とは言えないわけですが。


産経新聞『「全面的拒絶」と北朝鮮 失踪の藤田さん調査に』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131217/kor13121720130010-n1.htm
 北朝鮮は「でっちあげ」と言ってるそうですが俺もそう思いますね。百歩譲っても「政府が拉致認定しないような代物(特定失踪者)」を北朝鮮との交渉に持ち出しても向こうが相手しないのは当然だし、国際社会に訴えても「拉致認定できない代物を持ち出すな」とバカにされるのが落ちでしょう。


産経新聞『【正論】軍部流「恐怖政治」演じる正恩氏 筑波大学大学院教授・古田博司
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131217/kor13121703040001-n1.htm
 まじめな話、現時点で何が起こってるのか、的確に把握するのは困難でしょう。だからこそ多くの専門家は断定的なことは言わない。「今後の情勢を見定める」と言う主旨の事を言うわけですが産経も古田も単に北朝鮮を罵倒したいだなので『軍部流恐怖政治』と決めつけちゃうわけです。


産経新聞『【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 「悪いやつら」の処刑』
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131217/kor13121703020000-n1.htm
 産経の黒田が張粛清をどう思うか、脱北者に聞いたら「どーでもいい、どうせ権力者の内紛に過ぎないじゃん」と言う主旨の冷たいこと言われたというだけの話です。まあ、脱北者ならそういう人が多いんじゃないですかね。北朝鮮にいたくないから脱北したわけですし。

*1:韓国中央情報部(朴チョンヒ)→国家安全企画部(全斗煥から金泳三まで)→国家情報院(金大中政権から現在まで)という流れです

*2:竹下内閣自治相・国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、橋本内閣官房長官を歴任

*3:梶山氏だけでなく宇野宗佑外相(後に首相)も認めている

*4:蓮池夫妻、地村夫妻、増元るみ子さんと市川修一さん

*5:久保田るり子産経記者の翻訳、2004年、産経新聞ニュースサービス刊行

*6:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)を歴任