今日のMSN産経ニュース(11/27分)(追記あり)

ポツダム宣言受諾は無条件降伏? 衆院文科委で論争
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131127/plc13112719230014-n1.htm

 先の大戦で日本は「無条件降伏」したのか、それとも「条件付き降伏」だったのか。
 衆院文部科学委員会で27日、こんな議論があった。下村博文文部科学相は「事実上の無条件降伏だったと思う」とし、西川京子副大臣は「大変大きな問題で、文科省だけで発言していいとは思えない」と答弁した。無条件降伏か否かは、現行の教科書でも記述が分かれており*1、今後の議論が注目されそうだ*2
 自民党池田佳隆*3(自民)が「戦後レジーム(体制)からの脱却をはかるうえでも、先の大戦で日本が無条件降伏したかどうかは重要な問題だ」と主張し、文科省の見解をただした。下村氏は、事実上の無条件降伏との認識を示しつつも、「(無条件降伏の定義について)一概に答えるのは困難だ」とかわした。

 頭痛がしてきますね。「無条件降伏じゃなかった」という政府答弁を池田某氏(つまり札付きのウヨ議員)はご希望なんでしょうが、そんなことをして何がしたいんでしょうか。中韓は勿論、米国の反発も買うと思いますが。そしてこんな質問を得意げに紹介するとはどれほど産経は気が違ってるんでしょうか(産経以外はあまりにもばかばかしいので報道してないんじゃないか)。
 さすがに下村も西川も「安倍のお仲間ウヨ」とはいえ「池田議員のおっしゃるとおりです、条件付降伏だと思います」と言うほどのバカではないわけですが「とは言え、彼らはウヨ」なので、ウヨ支持者の反発も怖くて「事実上、無条件降伏だとは思うが、無条件降伏の定義が難しいのでわからない(下村)」だの「外務省も関わるので文科省だけでは見解が出せない(西川)」だの言い出してはっきりと「無条件降伏だ」と言わないわけです。正直、極右だけでしょうよ、条件付降伏だなんて言うの。


■【産経抄】11月27日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131127/plc13112703070001-n1.htm
 中国は傍若無人だと悪口雑言吐く産経抄ですが「お前が言うな」ですね。
 もちろん中国の今回の措置に何の問題もないとは言いません。無知なので何が問題かよくわかりませんが韓国、米国、日本から批判が出てると言う事は何か問題があるんでしょう。しかし、産経の場合「靖国参拝して何が悪い」「南京事件なんか捏造だ」と中国を上回る傍若無人ぶりですのでねえ。他の新聞ならともかく産経ではねえ。

韓国の反発は遠慮がちに見える。今のところ政府も「遺憾の意」表明にとどまっている。それもそのはずだ。
 ▼朴槿恵大統領は就任早々中国を訪問、日本の初代首相*4伊藤博文*5を暗殺した安重根の碑を(注:暗殺)現場の中国・ハルビンに建てるよう「お願い」した。中国を怒らせては、安重根の碑も中国との「反日共闘」も台無しになってしまう。そんな「配慮」が透けて見える気がする。

 そういう配慮が全くないとは言いませんがそれは「メインの理由ではない」でしょう。
 「メインの理由」、それは「中国との経済活動での利益」です。「中国市場で儲ける」ということです。
 これは何も韓国に限ったことではなく、欧米諸国も日本も東南アジアもそうです。たとえば以前「某チベット愛好家」が「フランスはチベットを見捨てるのか!」と自ブログで悲憤慷慨していましたが、フランスはエアバスを大量に中国に購入してもらったことがあります。こうなるとなかなか中国批判もしづらいわけです。

日本も民主党政権時代、150人近い国会議員が膝を屈するように訪中した。

単に「長い間、野党で中国とのパイプがないから慌てて作ろうとした」としか見えませんが。是非はともかく産経のように評価すべき事じゃないでしょう。

元首相は中国の尖閣棚上げ論に賛同して、はばからない。

 そもそも日本の立場は長いこと「棚上げ論」でした。
 これについては以下のブログを参照下さい。「日本政府の立場は、田中角栄*6内閣が国交回復したときから長いこと棚上げ論」というのは一般ブロガーですら調べればわかる程度の話でしかありません。


白砂青松のブログ
『それを棚上げって言うんですよ(尖閣諸島)』
http://whitesand0715.blog.fc2.com/blog-entry-100.html
『当時の日本政府は尖閣諸島の領有権問題が存在すると認識していたのでしょ』
http://whitesand0715.blog.fc2.com/blog-entry-101.html


読む・考える・書く
尖閣「棚上げ合意」は事実。日本政府はいい加減に詭弁を弄するのをやめよ。』
http://d.hatena.ne.jp/Vergil2010/20130623/1371997158
『日中平和友好条約締結時にも尖閣棚上げは合意されている』
http://d.hatena.ne.jp/Vergil2010/20130819/1376918062


ライプツィヒの夏『尖閣問題で日中間で棚上げ合意があったなんてことは、国会でも答弁されている』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/b6047b46778fe61bbff2f0fb33c11485


 したがって鳩山元首相が「棚上げ論」をいうことは何ら問題ではない。問題があるとしたら「彼が首相在任中、棚上げ論が言えずに日中関係を悪化させたこと」と「政権与党時には棚上げ論だったのに野党になるや無責任に棚上げ論批判を始めた自民党の態度」にこそ問題があります。もちろんこうしたことをきちんと指摘しなかったマスコミも同罪です。


■【主張】秘密保護法案 成立に向け大きな前進だ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131127/plc13112703090003-n1.htm
 仮にこの法案が民主党時代に提出されても「秘密隠しだ」などと批判せず同じ事が言えたんでしょうか?(実は秘密保護法案が騒がれるようになった大きなきっかけは例の一色元保安官事件なのですが)。
 さすがに「特定秘密には該当しない」と答弁しましたが「慰安婦の聞き取り調査は特定秘密に該当する」と答弁した場合も同じ事が言えたんでしょうか?。
 いずれにせよ産経が「安倍政権批判をする気などまるでないこと」はよくわかります。ただこういう法律が出来れば産経にとって「公開して欲しい情報(例:慰安婦の聞き取り調査)が特定秘密として隠される」と言う危険性はゼロではないのですがね。安倍政権もいずれは終わるし、その場合の政権が産経に都合がいいとは限りません(過去の細川、羽田政権や民主党政権、あるいは自民政権でも安倍ほど極右ではない福田康夫政権などには産経は好意的ではなかったし、政権側も産経には不快感が強かったでしょう)
 また「安倍政権の意思=産経の意思」では必ずしもない。
 産経も後で後悔することになるのかどうなのか。

*1:ええと、それは「つくる会教科書は条件付降伏」ってこと?

*2:産経や池田某議員のような極右以外こんな馬鹿げた「議論」にはつきあいません

*3:ググったら青年会議所(JC)の役員出身だそうです。JCは櫻井よしこの講演をやったこともあるし右翼の巣窟なんでしょうか?。何でJCがそうなるのか意味がわかりませんが

*4:安の伊藤暗殺理由は「初代韓国統監として韓国の保護国化を行ったこと(韓国人として許せない)」なのですから伊藤の肩書きを書くなら初代首相ではなく「初代韓国統監」が一番適切でしょう。

*5:工部卿、内務卿、宮内卿、首相、枢密院議長、貴族院議長、韓国統監など要職を歴任。元老の一人。

*6:岸内閣郵政相、自民党政務調査会長(池田総裁時代)、池田内閣蔵相、自民党幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相