■【一筆多論】「江沢民氏ら手配」の表と裏 西田令一
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140308/chn14030809190003-n1.htm
別に表も裏もないのですが、産経が「スペインの裁判所による江沢民氏*1ら指名手配を素直に喜べない」と告白してるのが興味深いですね。
というのも
ブッシュ*2元大統領、チェイニー*3元国防長官、パウエル*4元統合参謀本部議長らが(注:湾岸戦争について1991年に)戦争犯罪で告訴されるという事態
が過去にベルギーで起こっているからだそうです(ベルギーにもスペインと似たような制度があるそうです)。
考えて見れば当たり前の話でこういう制度は「対象は中国限定」じゃないんですからそういうことは当然あり得る。このときは米国の圧力でベルギーでの告発は潰されたようですが(まあ、ベルギーの裁判所がブッシュやチェイニーらを指名手配しても米国が応じるわけもないし、それどころか駐ベルギー米国大使の本国召還などの対抗措置を米国が発動しかねませんが)。
今回の「江沢民指名手配に激怒した中国の圧力でスペインが法制度に制限を加える(今後チベット問題で中国高官を告発することは不可能)」と言うのと全く同じ事態がベルギー・米国間で起こったわけです。
で中国は叩きたいが米国はかばいたい産経にとってはこの制度、「痛し痒し」のわけです。
■【阿比留瑠比の極言御免】朝日新聞の「特定秘密」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140307/plc14030714250014-n1.htm
いい加減慰安婦問題で朝日に因縁をつけても何がどうなるモンでもないと理解して欲しいですね。確かに「日本で一番最初に慰安婦問題を取り上げた大メディア」は朝日なのかもしれない。しかし今や国際社会で「慰安婦=性犯罪」と認識されてるわけです。だからクマラスワミ報告、マクドガル報告、米国下院決議、グレンデール市の慰安婦銅像などがうまれる。河野談話がでたのもそういうことです。
それは「朝日云々」とは全く関係ない。河野談話を出した宮沢内閣関係者(宮沢首相、河野官房長官など)にしたって、吉見義明氏ら研究者にしたって、国連のクマラスワミ氏、マクドガル氏にしたって、米国下院決議の立役者の一人マイク・ホンダ氏にしたって、グレンデール市議会関係者にしたって朝日にだまされてるわけでも、朝日の子分でもないわけです。「朝日の捏造(もちろんこの主張こそ阿比留の捏造ですが)」の一言で全てが解決するのは阿比留の脳内妄想でしかありません。
「日中戦争や第二次大戦の際、『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり…」
記事では実名は記されていなかったが、この女性は同年12月に日本政府を相手取り、慰安婦賠償請求訴訟を起こした金学順氏だ。
だが、25歳未満の女性を勤労挺身隊として動員し、工場などで働かせた「女子挺身勤労令」と慰安婦はそもそも何の関係もない。
やれやれですね。この記事は別に「女子挺身隊=慰安婦」と言ってるわけではない。「女子挺身隊の名目で慰安婦募集がされた」としてるだけです。で、そういう事例があったことは金学順氏以外にも確認されている。阿比留はこの問題についてよほど無知か、故意にデマを流してるかどっちかでしょう。
なお、金学順氏の主張を阿比留がデマ呼ばわりすること自体間違いですが、そもそも金氏が名乗りを上げてから多くの元慰安婦が名乗りを上げてる以上、金氏の発言をあげつらっても、それはせいぜい「金氏の主張が間違い」ということにしかならず慰安婦の犯罪性の否定になど全くなりません。