今日のMSN産経ニュース(4/3分)(追記・訂正あり)

■【阿比留瑠比の極言御免】対日賠償詐欺で被告を増長させた民主党の甘さ、ソウル中央地裁も認定
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140403/plc14040314250015-n1.htm
 やれやれですね。梁順任氏なる人が詐欺をしたかどうかと「慰安婦が違法かどうか」は全く関係がありません。つうかこの阿比留の理屈(梁氏が詐欺師だからその慰安婦についての主張は信用できない)だと「阿比留がデマ記事書いて辻元氏に名誉毀損訴訟で惨敗→阿比留の記事は他も全てデマ」と言われても文句言えないんですけどね。
 また彼女が詐欺をしたかどうかと民主党の対韓国外交の是非も関係ない。
 たとえば「サラ金の過払い請求訴訟」をネタに詐欺を働く悪徳弁護士も世の中にはいるそうですが、別にそれは「過払い請求訴訟それ自体」に問題があるわけではない。「ある物事Aが詐欺のネタになった事」と「Aそれ自体の是非」は全く別問題です。


■【石平*1のChina Watch】経済破滅を予感させる「3月異変」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140403/chn14040312210001-n1.htm
 やれやれですね。中国経済が危機に陥ってるなんて事はないでしょうが、それ以前に「危機の克服を訴えるのならまだしも」それを喜ぶ産経の神経に絶句です。ギリシャのような小国ですら世界経済に影響を与えたのだから中国のような大国が経済危機に陥ったらそれこそすさまじい世界経済危機が起こり「アベノミクス」云々なんて場合じゃないでしょう。


■中国の習*2主席、経済力でEU接近 欧州4カ国*3歴訪 米国との分断図る
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140402/chn14040223540004-n1.htm
 産経らしい反中国記事です。EU相手に外交しただけで「米国との分断を図る」呼ばわりです。


■【正論】集団的自衛権の「日本的定義」正せ 日本大学教授・百地章*4
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140403/plc14040303260003-n1.htm
 やれやれですね。従来の見解にたった上で「それでは時代にそぐわないので改憲したい」と正々堂々論を張ればいいじゃないですか。それでは野望が実現出来ないから「裏口入学まがいの行為」に打って出ようとするわけですが、「裏口入学じゃない」と強弁するんだから、始末に負えません。


■【主張】武器輸出新原則 積極平和に資する活用を
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140403/plc14040303270005-n1.htm
 詭弁が酷すぎますね。既に多くの人が指摘していますが
1)従来の原則では輸出できないところに輸出したいから新原則を閣議決定
2)その輸出したい国の一つは「パレスチナ紛争が続く」イスラエル
と言う話のどこが「積極平和」なんでしょうか。
 イスラエルに輸出された日本製武器が「パレスチナ人弾圧」に使われたらそれは積極平和なのか?
 なお、今回の新原則では従来の「共産国には輸出しない」規定は削除されました。つまりは中国への武器輸出は「当然に肯定されるわけではないが当然に否定されるわけでもない」ということです。
 まあ、「ラオスベトナムキューバ北朝鮮」への輸出が本命とも思えませんので、「共産国規定削除」でねらう武器輸出の本命は経済大国・中国でしょうね。
 この点について産経のようなアンチ中国、あるいは石濱某女史のような自称チベットシンパが今後どう主張を展開するのかが注目されます。「実際にそういうことが起こるかどうか」はともかく、可能性だけなら「日本が中国に輸出した武器がチベット暴動鎮圧に使われる」恐れもあるわけです。まあ、その当たり日本財界、日本軍需業界は何とも思ってないでしょうが。

【追記】
 なお、この安倍の方針に中韓は抗議し、米国は歓迎だそうです。まあ米国にとって「日本製武器が同盟国イスラエルに輸出できること」は願ったりかなったりなんでしょう。ただ、そういうことをやれば平和主義の問題だけでなく、日本は完全にアラブと敵対関係になるでしょう。過去の日本外交は国益(アラブの石油)のためにその当たり曖昧にしてアラブとも仲良くやっていたと思うんですけどね。


■米、中国観艦式に艦船派遣せず 「海自外し」に抗議か
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140402/amr14040223430012-n1.htm
 この辺り米国も頭が痛いでしょう。派遣すると日米関係がぎくしゃくするが、じゃあ派遣しなければどうなるかといえば確実に「どう見ても利口ではない」「自分に都合良く物事を考える傾向のある」安倍は調子に乗るでしょう。
 安倍は米国の配慮に感謝するようなタマじゃない。
 「なんだかんだ言って米国は俺を支持してるんだよ」と勘違いしかねない。安倍みたいなバカに甘い顔を見せることほど恐ろしいこともないわけですが米国も悩んだ結果「やっぱり派遣するのはまずいかなあ」という結論になったんでしょう。もちろん「安倍が調子に乗って変な事をしないよう」別途圧力は加えるでしょうし、「調子にのらないよう」厳重に安倍を監視する予定でしょうが。

*1:著書『「日中友好」は日本を滅ぼす!:歴史が教える「脱・中国」の法則』(2005年、講談社プラスアルファ新書)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)など。中国への悪口雑言が石のウリです。

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:フランス、オランダ、ベルギー、ドイツ

*4:著書『憲法の常識・常識の憲法』(2005年、文春新書)