今日のMSN産経ニュース(4/7分)(追記・訂正あり)

■【島が危ない 第2部 佐渡に迫る影(2)】疲弊する経済「中国でもどこでもいい、ホテル買って」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140407/plc14040709000004-n1.htm

 昨日拙ブログエントリで「佐渡に迫る影(1)」にオレ流に突っ込みましたが今日も「佐渡に迫る影(2)」に突っ込みます。明日は多分「佐渡に迫る影(3)」に突っ込むことになるでしょう。この記事がいつまで続くかわかりませんが最低でも(4)位までは続くんでしょうか。

新潟県佐渡島の老舗ホテル「両津やまきホテル」(佐渡市秋津)は、勇壮な「鬼太鼓」で宿泊客を出迎える。自らバチを握るホテルの山口勤次会長(70)は、台湾からの観光客40人を歓迎した後、こう話した。
 「これからどんどん、外国人観光客を誘致していく」

 つまりは中国限定じゃないわけです。もちろん中国だってターゲットですが。まあ、客としてお金を落としてくれれば客商売は基本、誰でも「ウエルカム」でしょう。産経のような右翼でもない限り中国人客を敵視したりはしない。

 佐渡世界遺産を目指している佐渡金山をはじめ、日光東照宮の塔を模した五重塔で有名な妙宣寺、順徳上皇*1の火葬塚*2である真野御陵など観光資源が豊富*3で、一時は年間120万人の観光客であふれていた。ところが長年にわたり減少が続き昨年は53万人にまで減った。島の主力産業だった観光業界は縮み続けている。元県議の清野正男さん(64)によると、景気がよかったころの上客は全国の農協だった。
(中略)
 清野さんは、その後の問題を招いたのは努力不足だったとみている。
 「戦前、ラジオを通して流れた『佐渡おけさ』や『佐渡情話』で観光地としてのイメージができていたから、放っておいても客がどんどん来た。でも、大分の湯布院のように自分たちで観光地を作り上げてこなかったから、リピーターを確保できなかった。それに、ホテル業界は個室の時代になったが、佐渡は農協観光適応型で相部屋が多かった。時代の変化に適応できなかったことも大きい」
 島の観光業の深刻さを表す数字は多い。平成24年度末現在で佐渡市の固定資産税滞納者をみると、滞納額の1位から9位までがホテル、旅館業者。
(中略)
 ホテルや旅館の関係者からは悲鳴ともいえる声が聞かれる。
 「道の駅がタダ同然だったように、値段うんぬんというより、どこでもいいから、うちのホテルを買ってほしい。このままやっていても赤字が膨らむだけだ」
 「中国でもどこでもいいから買ってくれるところがあれば喜んで売りたい」
 「佐渡にはアベノミクスという言葉はない」
観光業が復活できるかどうかは、島の将来にかかわってくる。佐渡市の甲斐元也市長は「当面の目標は観光客の数を70万人にすること。1泊の人が35万人なら、2泊してくれれば70万人になる」と話す。
 そして、期待をかけるのは中国からの観光客や留学生だという。
(中略)
 甲斐市長は中国による観光施設の買収にも言及した。
「中国が山林をあさっているという形跡はないし、ホテルを買い占められていることもない。むしろ、反対に高く買って経営でもしてくれればありがたいくらいだ」
 そこには、経済疲弊から脱却するため、韓国に近づいていった長崎県対馬と同じ構図が見えてくる。

産経って本当にアホだなと思いますね。対馬にせよ、佐渡にせよ「客が来るならウエルカム」であって、対馬で今一番期待できるのが韓国人客、佐渡で一番期待できるのが中国人客なんでしょう。だからそこに重点的に誘致をかける。でそれの何が悪いのか。
 産経は「悪いという理由」を何一つ上げることができないし、極端な話「悪い」としても対馬にも佐渡にも選択の余地がないわけです。ぶっちゃけ「中国人客じゃ嫌だ」などと贅沢を言っていられる状況じゃないでしょう(そもそも極右の産経じゃあるまいし、中国人じゃ嫌だとか韓国人じゃ嫌だとか言う理由もないでしょうが)。
 産経は「中国人客や韓国人客の誘致」に悪口雑言しますが、それにかわる策を提示できているわけでは全くありません。
 ちなみにこの記事には大量のはてなブックマークhttp://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/politics/news/140407/plc14040709000004-n1.htm)がついてるのでそれを見てみましょう。

xevra
 日本人にしてみたら佐渡よりグアムの方が早く行けるし安いし楽しい。
komachiyo
 佐渡に限らず国内の離島に行く金と時間があれば海外行けちゃうからな。
ricenoodles
 そもそも海外旅行が十分早くて安いのに国内旅行行きます?
yajicco
 (注:離島の佐渡に比べて)あれだけ立地としては恵まれてる伊豆半島とかも大分寂れてるしなあ。

 まあ、そういう「国内旅行より海外旅行の方が安くて楽しい」という人は若者中心に多いでしょうね。それをどうするかという問題ですがそういう議論はしないでただ「中国人観光客」を敵視するのが産経です。

monkichi64
 八年くらい前行った。全般的に良かったけど、佐渡汽船システム古すぎ。 6人のグループなのに席が離れてるとか

要するに改善すべきところがいろいろあるんでしょう。

jaikel
 東京で椅子にふんぞり返って「島が危ない!」とほざくだけの簡単なお仕事です。
Arturo_Ui
 産経新聞が率先して、「島を護ろう!」とか銘打って日本人愛国者の皆様の島嶼視察ツアーを組めばいいんでないの?
kechack
 対馬もそうだけど、中韓資本の脅威を煽るだけで、離島振興策の提言もできない赤新聞。
questiontime
 産経は何が言いたいのか? こんな記事を書けば佐渡への観光客が増えるとでも? 佐渡のことはどうでも良くて、ただ中国人に土地を売るなと言いたいだけだろ
houjiT
 締めの文章から島の人達の疲弊ではなくて、中国にすがることだけを問題視しているのが漏れでているのが記事が肯定されない理由。同胞の心配より仮想敵国が気になって仕方ない人達じゃ、誰もついてかないわ

 まあ、そういうことですね。佐渡のことを考えてるわけではなくてただ中国が叩きたいだけでしょう。

*1:鎌倉幕府打倒を目指した乱「承久の乱」に荷担したことで佐渡流罪とされた。ちなみに後鳥羽上皇隠岐島に、土御門上皇は土佐(後に阿波)に流罪とされた。

*2:要するに「昭和天皇の土葬」は最近の慣習なんでしょう。

*3:最近の若者にはこういうのは受けないんじゃないですかね?。「順徳上皇って誰?」が最近の若者でしょう。