久しぶりにMukkeさんエントリにコメントしてみましょう。
最初は「リンク張って挑発しなくてもいいかな」と思ったのですが「リンク張ってもどうせ無視するだけだろうから思う存分、Mukkeの野郎に悪口雑言してみるか」と考えが変わったのでリンクを張っておきます。
まあ、途中までは「焼身自殺した方々の冥福を祈りたい」とか「焼身自殺の原因は中国の強圧的なチベット統治だ、中国は統治を改めたらどうなのか」とかいうような、特に「誰も異論のないであろう内容」ですが、途中から「何だかなあ」という部分が出てきます。
http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20140902/1409649774
「ダライ・ラマが焼身自殺を煽っているのだ」というよくある言い掛かり*1についても,ダライ・ラマ14世のインタヴューをいくつも掲載することで反駁している(318-323頁)。
「これを肯定すれば中国政府がそれ見たことかと私を批難するであろう。また否定すれば焼身者やその家族は悲しむであろう。だから何も言えない」(318頁)という言葉に,彼の苦悩*2があらわれていると言えよう。「自殺を止めるように言うべきだ」という主張に対しての彼のコメントも興味深い。NDTV:(焼身者が)95人というのは多い。あなたは「焼身を止めるように」と訴えるのか?若い女性や僧侶が焼身している。あなたは彼らにそうしないようにと訴えるのか?
法王:そうだ、私は以前にもそう言った。この質問は政治的に敏感なことだ。政治的指導者(センゲ首相)は最初から、非常にはっきりと「我々はそのような行為を決して奨励しない」と明言している。しかし同時に、我々が彼らに何かを提案することができて初めて「やってはいけない」と言うことができるのだ。このような方法があると提案することがあればだ。しかし、我々には彼らに提案できることが何もないのだ。例えば、病院で酷い苦しみに耐えかねて、医者に殺してくれと頼む患者がいたとしよう。この時、もしもその医者がその苦しみを軽減したり、無くする方法を知らなかったとしたら、どうすればいいのか?これは難しい問題だ(323頁)。
それ結局は焼身自殺の肯定じゃないんですかね。
「遺族が悲しむから批判できない」なんて言ったら特攻や自爆テロだって非難出来なくなるんじゃないですか?。またその理屈だと焼身自殺じゃなくて「チベット人が武力闘争して死んだ場合」も「遺族が悲しむから武力闘争批判出来ない」ですよねえ。確か、ダライは「武装闘争は否定していた」と思うんですけどねえ。
そこは「遺族の気持ちに配慮しながら焼身自殺をしないようアピールすべき」でしょう。
「焼身自殺以外に何があるのかと言われるとつらい、武力闘争をすすめるのも人道的にどうかと思うし、かといって平和的デモはやっても弾圧されるし」ってそんな事言っても、焼身自殺はぶっちゃけ何の効果もないと思いますけどね。
正直そのうち、「焼身自殺しても効果がないのならいっそ武力闘争だ!」とかなるんじゃないか。
まあ、実際にはなんだかんだ言ってダライは「自殺者の存在は中国批判に使えてこれ幸い」と鬼畜なこと思ってるようにしか見えませんけどね。まあ、こういうこというからMukkeさんのようなダライ愛好家から俺は嫌われるわけですけど。いや別に嫌われても構わないんですけどね、実害ないし。
焼身者が出る度に、ダラムサラのツクラカンと呼ばれる僧院の本堂で政府主催の法要を催し、焼身者を追悼し家族に対し哀悼の意を表明することを欠かさず行っている。亡命政府がこのような法要を行っている事に対し中国政府は亡命政府が焼身者を「勇者」として讃えているというが、それはちょっと違うと言えよう。
チベット人にとっては焼身者たちはチベット自由のために犠牲となった人々であり、彼らに追悼の意を表明するのは当たり前の義務と言えるのだ(324頁)。
いや「チベット人にとっては焼身者たちはチベット自由のために犠牲となった人々」ってそれ勇者として称えてるのも同然でしょ。「勇者として称えてない」というから「ああ、自殺それ自体を評価してるんじゃなくて、『同じチベット人として死者に自然に感じる同胞愛、民族愛から追悼してる、自殺については何ら肯定的評価してない』って意味かな」と思ったらそうじゃないんでこっちはびっくりですよ。
このように高く評価できる本書だが,残念だった点を挙げるとしたら,中国共産党憎さのあまり差別的なレトリックを使っている箇所があったことだ。「金で人の心を買えると思うのが中国人(中国当局)だ」(181頁)という筆致は明らかに差別的であり,見過ごすことはできない。チベット解放運動が目指すべきは漢人との敵対ではなく中国共産党の圧政をやめさせることであるはずだ。
まあ正論ですね。Mukkeさんだと常に「チベット万歳か」と思っていたので意外ですが正当な中原本への非難だと思います。ただ「口が滑ったんじゃないか」と理解することも可能と思われる「Mukkeさんが紹介する中原本の表現」なんかよりももっと酷い代物として「ペマ・ギャルボの反中国デマ(中国が沖縄侵略狙ってる*3とか南京事件は中国の捏造だとか)」というのがあるのを放置してるのはどういう事なのかなとは思います。ペマのは明らかにデマで「口が滑った」なんてレベルじゃないですから。