今日の産経ニュース(10/13分)(追記あり)

■鳩山氏*1、ロシアでも放言?「常に米配慮の外交」と政府による制裁批判、プーチン氏側近に
http://www.sankei.com/politics/news/141013/plt1410130025-n1.html
この記事に小生がつけたブクマ。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankei.com/politics/news/141013/plt1410130025-n1.html
 タイトルに?て東スポかよ。しかも「日本は常に米国に配慮しなければならない」て鳩山発言を制裁批判て解釈してるのは共同通信と産経の勝手な解釈ぽいしな。「制裁に理解を求めた」て話と違うの?

 ブクマにも書きましたが記事が紹介する鳩山発言は「日本は常に米国に配慮しなければならない」で、それに対して勝手にメディア側(配信元・共同通信や配信先・産経)が「批判」と解釈してるようにしか見えませんね。
 これはむしろ「我々日本人も積極的にロシア制裁したいわけではないが対米関係も考えるとせざるを得ない、ご理解いただきたい」という話じゃないんですかね。そうした鳩山発言の是非*2はともかく、これ日本政府批判どころかむしろ擁護でしょうよ。鳩山氏への敵意で共同通信や産経の目が歪んでるんじゃないか。そうでない、鳩山発言は日本政府批判だというなら「日本政府批判としか理解できない鳩山発言」を引用すべきでしょうが多分そういう発言はなかったんでしょう。


■中国、首脳会談に2条件 提示受け福田氏*3が返書
http://www.sankei.com/politics/news/141013/plt1410130007-n1.html
 2条件が何かというと
1)尖閣問題は棚上げする(日本の領土だと執拗にアピールしない、もちろんICJ提訴など論外)
2)首相在任中の靖国参拝はしないこと
だそうです。向こうとしては絶対譲れない条件でしょう。安倍*4以外の首相は普通にやっていたことなのでぶっちゃけ随分寛大な内容です。
 俺なんかこれプラス「南京事件否定論者・百田尚樹NHK経営委員からの解任(百田の場合、田母神の都知事選挙応援演説で南京事件否定論かますほどのバカなので中国としても本来容認できる存在じゃないでしょう)」くらい要求してくるかと思ってました。
 が、この2条件が安倍にできるかどうかは怪しいところです。当面まともな首脳会談はできない、安倍を引きずり下ろすしかないと覚悟した方が良さそうです。


■【本紙前ソウル支局長起訴】韓国は「幼稚」 軍事政権下と体質変らず RKBの元ソウル特派員、沈黙破る*5
http://www.sankei.com/politics/news/141013/plt1410130006-n1.html
この記事に小生がつけたブクマ。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankei.com/politics/news/141013/plt1410130006-n1.html
 いやだからな「軍事独裁下では本当に酷い目にあいました、韓国はまだ民主化してないんでしょうか」て人間の声を得意げに報じるなよ。軍事独裁擁護してたのが産経だろうに

 まあ、韓国検察の産経前ソウル支局長を批判したいが故に「1984年から1986年まで韓国にいましたが当時の全斗煥*6軍事独裁では酷い目にあいました、韓国はまだ民主化してないんでしょうか」なんて人(廣崎氏)の声を記事にするのには呆れますね。
 全斗煥軍事独裁を擁護してたのが産経でしょうに。
 よほど訴追されたのが不愉快だったらしく過去の産経報道との整合性すらかなぐり捨てています。
 そこまでいうなら元RKB毎日ソウル特派員・廣崎氏が「ビザ延長拒否という事実上の国外追放(廣崎氏の発言)」を受けたとき当時の全斗煥政権に産経は抗議したのか。まあ聞くだけ野暮ですけど。
 前ソウル支局長氏が起訴されて頭に血が上ってるから

 全政権下では海外メディアは当局から厳しく監視されていました。私がいた支局には、朝と夕方に韓国中央情報部*7KCIA、現在の国家情報院)職員や警察官らが訪れます。
 雨が降った直後の南大門市場の活気を撮影したことがありますが、舗装されていない泥でぬかるむ街並みを放映されると「韓国の近代化が遅れている」となるのでしょう。「あの報道はやめてよ」などとプレッシャーをかけてくるのです。繁華街の犬料理専門の屋台*8を取材したときも同様でした。
(中略)
 当時、言論基本法*9という法律が施行され、検閲が義務づけられていました。撮影したビデオテープは飛行機で日本に送る前に、文化公報部(当時)に持参し、チェックを受けます。部分的に削除を命じられることもありました。
 ある昼食会の席で、文化公報部長官に言われた言葉が忘れられません。
 「なぜ廣崎さんは、そんなに仕事をするんですか。ネタが欲しいなら私があげますよ」
 カチンと来ました。こんなバカなことがあるものか。記者として許せませんでした。
 ソウル勤務は2年間の予定でしたが、会社と相談の上、滞在期間の1年延長を決めました。ですが、ビザ延長の申請がなかなか認められないんです。
 週に1度の割合で、当局に連絡しても理由は教えてくれない。当局の言いなりにならない私の取材手法が疎ましく思われたのでしょう。
 何とか3カ月の延長を2回繰り返しましたが、意地を貫くと、後任特派員の迷惑にもなりかねず、断念しました。ソウル五輪の取材に支障がでてはいけないからです。
 当局の意に沿わない記者の事実上の国外追放だったと今でも思っています。

という記事が載るんであって、そうでなければ多分、全斗煥独裁批判記事なんて産経に載らないでしょう。しかしこの記事を見る限り廣崎氏は「朴独裁批判」は別にしてないようですが、それでも「犬料理屋なんか取材するな!、といったろうが!」「政府の了解もなしに勝手に動くな!」と排除の対象になるんですね。

*1:元首相、現在東アジア共同体研究所http://www.eaci.or.jp/)理事長。

*2:もちろん「制裁について米国を持ち出して弁明する必要はない、鳩山はロシアに弱腰だ」という考えもあり得るわけです

*3:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*4:小泉内閣官房副長官官房長官自民党幹事長(小泉総裁時代)を経て首相

*5:産経が取材したから応じただけで別に「沈黙破る」なんてご大層な話じゃありません。廣崎氏の国外追放は当時からソウルの日本記者には有名だったとか、あるいは廣崎氏が国外追放の件について本を書いてるので有名だとかそういう話でしょう。

*6:1979年の朴チョンヒ大統領暗殺を機にクーデターで実権を掌握。1980年に大統領に就任

*7:1961年に朴チョンヒが設立した公安機関。ただし1981年に全斗煥によって国家安全企画部に名称変更しており、廣崎氏の記者時代は国家安全企画部である。1999年に金大中大統領によってさらに国家情報院に改称している。

*8:ソウル五輪北京五輪のときは「国際世論の批判を恐れて軒並み、韓国や中国の犬料理店が一時閉店した」なんて話がありますよね。本当か知りませんけど。まあ個人的には「愛玩犬じゃなくて食用犬を食ってるんだから食ったっていいジャン」としか思いませんけど。機会があったら食いたいとは思ってます。日本国内で食えるところがないんですかね。

*9:1980年に制定。民主化運動により1987年に廃止。