今日の産経ニュース(10/21分)

■商社「蝶理」が新疆・ウルムチ市に事務所 「紛争リスクよりチャンス」

http://www.sankei.com/world/news/141021/wor1410210002-n1.html
 専門商社の蝶理(本社、大阪市)は20日、中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市に来年1月、新たに事務所を開設する方針を明らかにした。民族紛争や暴動が多発し始めた2000年代以降、日本の大手企業が同自治区に進出し、拠点を構えるのは初めて。
 同自治区が抱える民族問題や経済格差への解決策として、中国政府は「第13次5カ年計画(2016〜20年)」に、公共事業の積み増しや産業誘致など新たな経済対策を盛り込むと観測されている。このため同社では、同自治区は「紛争のリスクよりも成長のチャンスの方が大きい」(井上邦久取締役)と判断した。
 同社は、自治区で今後、建設資材や工業資材の需要が急増するとみているほか、沿岸地域と比べて半額近い電力料金や人件費を生かしたアルミ原料の生産設備、衣料品の工場への投資も狙う。中国が中央アジア*1との関係強化を進める中、国境貿易や石油・天然ガスパイプラインなど資源ビジネスも期待できるという。
 ウルムチ事務所には当初数名を配置し、同社上海法人の傘下に置き、同自治区関連ビジネスで初年度50億円の売り上げを見込む。
(中略) 
 同自治区にはかつて、ニチメン*2などの商社が事務所を置いていたが、治安悪化などを理由に1990年代に撤退していた。

 果たして蝶理の判断は吉と出るか凶と出るか。まあ、まだ進出してない商社だって「リスクの方が高い」と判断してるからで人権問題で進出しない訳じゃありません。
 でこういう日本財界の態度である以上、安倍がウイグル問題で中国批判することなんかまあないでしょう。でそれで日本ウヨも何の文句も言わないと。ウヨ連中にとっては中国の悪口が言えればネタは尖閣でも何でもいいからです。別にウイグルが大事な訳じゃない。


■【主張】国連慰安婦報告 反論書を公開し誤解正せ
http://www.sankei.com/column/news/141021/clm1410210002-n1.html

 事実をねじ曲げ、誤解を助長する報告書を放置はできない。
 慰安婦を「性奴隷」とした国連人権委員会(現人権理事会)の「クマラスワミ報告書」に対し、日本政府が一部撤回を求めたのは当然である。
 作成者であるスリランカの女性法律家、クマラスワミ氏は修正を拒否したというが、極めて残念で不誠実な対応と言わざるを得ない。事実に基づき撤回すべきだ。

 クマラスワミ報告の根拠は「吉田証言じゃない」んだから女史が「修正する必要はないと考える」と述べたのは当然です。吉見義明氏ら専門家も「修正の必要なんかない」としている。
 またあの報告は女史が作成者とは言え「国連の公式な報告」であって女史個人が「取り消したい」といったからって何がどうなるもんじゃありません。つうか国内だけで朝日叩きしてるだけならまだしも国外まで「クマラスワミの野郎許さない」といったところで日本の評判が落ちるだけですが。クマラスワミ氏に対して産経や安倍が朝日相手のような恫喝できるわけでもないでしょうし。さすがに安倍らも「クマラスワミを俺達に屈服させないとスリランカ政府よ、後でどうなるか分かってるんだろうな」なんて脅しはしないでしょうし(つうかそればらされたら安倍は国際社会で猛烈に批判されるでしょうし)

日本政府は96年の同報告書提出直後に、「歴史の歪曲(わいきょく)に等しい」などと批判する反論書をつくり、いったん提出したが、反発を恐れて撤回してしまった。

 「反発を恐れて」も何も実際に反発されたから別のものに差し替えたんですが。国連から「言いたいことをもっとはっきりと簡潔に書いて*3出し直してくれ」と「これからは恋人関係ではなくいいお友達でいましょう」的にやんわりと批判されたことは過去の産経記事も報じてます。でいったん国連から駄目出しされたもんをそのまんま出して何か意味があるのか。
 「日本てアホと違うか」と呆れられるのは目に見えてます。つうか本来隠したいこと「反論文出し直し」*4をどんどん表に出していく産経て全く何考えてるんですかね。
 この一件、朝日や赤旗辺りが「国連に出し直しを命じられるとは何という国辱」とでも書けば「国の恥をかくな」と産経は激怒してると思うんですけどね。

*1:ウズベキスタンカザフスタンキルギスタジキスタントルクメニスタン

*2:現在は日商岩井と合併し双日

*3:実際には吉見義明氏ら同様、国連も日本にはかなり批判的認識だったでしょうがさすがに露骨に「アホか、ボケ、こんな反論があるか、出し直せ」とは言えないし言わないわけです。

*4:産経がこんな記事書くまではそんな事件があるとは俺は知りませんでした。