今日の産経ニュース(4/26分)(追記・訂正あり)

■【統一地方選中央区長選は矢田氏8選 全国最多選
http://www.sankei.com/politics/news/150426/plt1504260036-n1.html
 ちょっとなあ、て所ですね。いくら何でも「8選」というのは多選が過ぎるんじゃないか。


■【統一地方選】世田谷区長選は保坂氏の再選確実
http://www.sankei.com/politics/news/150426/plt1504260035-n1.html
 社会民主党代議士だった保坂氏が自民系新人を破って再選だそうです。こうしたことを過大評価する気はないですが「地方政治は国政とはまた違う」とは言えるでしょう。
 ちなみにid:Mukke氏は保坂氏当選を報じるNHKニュースに

http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20150426/k10010061901000.html
めでたい。朗報だなあ。

とブクマしており「衆院選共産躍進を喜ぶブクマ」といい彼が「自称保守」「過去はネトウヨ*1」であっても今は「反極右という意味での保守」「場合によっては社民、共産を応援する」という「それなりにまともな保守」であることがわかります。まあ、彼のこういう点は素直に評価します。


■【統一地方選】ヘリパッド容認派が3選 沖縄・東村長選
http://www.sankei.com/politics/news/150426/plt1504260034-n1.html
 小生の立場では実に残念ですがまあ地道に「ヘリパッド反対」を訴えていくほかはないのでしょう。


■【統一地方選】現職の工藤氏が再選 原発訴訟争点の函館市長選
http://www.sankei.com/politics/news/150426/plt1504260022-n1.html
 まあ、記事を読む限り面白い選挙ですね。面白いといっては失礼ですが。工藤氏が「大間原発建設反対」なる訴訟を起こしているそうです。で、工藤氏に対し「そんな訴訟は取り下げよ」とする保守系対立候補広田某氏が立ったと(ただし広田候補も「大間原発に反対」としており「訴訟という方法では国との対話ができない」としているようです)。
 ここだけ読めば一瞬「保守系の工藤氏の反原発訴訟に反発したご当地の自公辺りが中央の突き上げもあって広田氏という刺客でも送ったのか」と思うところですが工藤氏を自公が推薦。一方、民主、共産は「市の訴訟を支持する」「対立候補を立てて広田氏を利したくない」との判断から「あえて独自候補は立てず自主投票(まあ事実上、工藤支持でしょうが)」ということになったようです。
 部外者には「何が何だかよくわからない」話ではあります。


■【統一地方選高松市長に大西氏3選 共産系との一騎打ち制す
http://www.sankei.com/west/news/150426/wst1504260055-n1.html
 タイトルが大変わかりやすいので、紹介するのであってそれ以上あまり深い意味はないです。別に高松市長選に興味があるわけではない。
 最近の地方の首長選て「自公民相乗りの現職VS共産新人一騎打ちパターン」があまりにも多すぎるわけです。
 で「共産新人候補」には失礼ながら、この場合「共産勝利」と言うケースは少なくて「ほとんど現職勝利」で、場合によっては「誰も対立候補が出なくて公示日当日に現職無投票当選が確定」なんて事も少なくない。それも再選ならまだしも「三選、四選」なんてこともある。
 小生の住む埼玉でも
東京新聞『工藤氏が無投票3選 行田市長選』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150420/CK2015042002000158.html
なんて無投票当選がありました。まあ自公民相乗りですので、対抗馬が出るとしても「共産」しか可能性が考えられないという悲しい話ではあります。もちろん東京のこの記事はそれを嘆いてるわけです。
 別に「新人候補が勝つことがベスト」「現職再選が悪」と言う話では無論ないわけですが、そういう「現職再選がほぼ確実」というのはあまりにも緊張感がなさすぎますよね。世の中、緊張感がなくても立派に自分を律せる政治家ばかりじゃありませんし、そもそも「緊張感がないとまずいという認識」で4年に1回、選挙をしてるわけです。
 「何だかなあ」と思わずにはいられません。


■【統一地方選】なぜ投票しなかった?(上) 「誰がなっても変わらない」「投票日だと知らなかった」
http://www.sankei.com/politics/news/150426/plt1504260029-n1.html
 まあ、「何だかなあ」ですね。もちろん「候補者の側に問題がない」とは言いませんが「選挙しない=白紙委任と同じ」わけですからね。そしてなんだかんだ言っても「そもそも政治に無関心」て選挙民も多いのでしょう。
 そしてこうした事態には候補者や選挙民の問題もありますが「メディアもまた、その責任が問われてる」「きちんとした政治争点設定を、選挙報道をできたかという問題がある」わけです。


■拉致国民大集会、「最終決戦のとき」と位置づけて開催 家族「今年中盤には解決の兆しを」 首相「あらゆる手段尽くす」
http://www.sankei.com/world/news/150426/wor1504260060-n1.html
 もちろん今日は「統一地方選後半戦*2」「ドローン事件続報」「ネパールの大地震」と「風化しつつある拉致」よりも話題のニュースがたくさんありました。こうした巣くう会集会報道も「産経のようなウヨメディアぐらい」のもんで「ああ、拉致は本当に風化したんだな」と実感させられます。
 安倍も出席したとは言え「心は訪問するアメリカ」に既に向かってるでしょう。家族会、救う会に非難されるのを避けるためにお義理で出ただけの話です。発言も「全力で頑張ります」という抽象的代物で安倍以外なら家族会や救う会が「もっと具体的な物は出せないのか」と非難しかねない発言です。


■【お金は知っている】中国が狙う「国際通貨人民元」 財務官僚は阻止できるのか
http://www.sankei.com/premium/news/150426/prm1504260026-n1.html
 「法学部出身」で経済音痴の小生ですがまあ、この産経の物言いには二つ問題があって
1)何で阻止しないといけないのか?
2)そもそも阻止することが可能なのか?
てことですよねえ。いずれにも「イエス、これこれこういう理由で阻止は日本や国際社会の利益に合致する」とか「イエス、阻止は可能」とか言う場合のみ、こういう物言いは可能であって「そもそも阻止なんか不可能」とか「阻止が国益に合致するか疑問」だったらこんな事言っても意味ないわけです。
 まあ、産経の場合、必死に「僕は経済的な意味で議論してるんであって反中国とかそういうゲスい話じゃないよ」「阻止は今からでも可能だ」と言い訳してますが本当はいつも通り「中国ごときにそんなことされてたまるか」「阻止できるかどうかなんか関係ないんだ」という程度の低い反中国でしかないわけです。

 (注:中国の目指す人民元国際通貨化において)そんな対IMF工作を担うのは、周小川・中国人民銀行総裁(67)である。2003年に就任して以来12年目で、65歳定年を過ぎても習主席は続投させている。
 周氏には筆者もかなり前だが、国際会議で同席し、議論したことがあるが、まさに黒を白と言いくるめる中国伝統の口舌の徒そのものだった。英語もうまく、米欧の中央銀行首脳とはすぐに打ち解ける。

 隣国の政府高官に向かって「白を黒と言いくるめる口舌の徒*3*4」とか失礼な事抜かしてますが要するに有能なネゴシエーターてことですよね。産経の悪口雑言を取り除いてみればここで産経が言ってることは「周総裁は有能」てことでしかありません。

 元のSDR通貨化を許してしまうようだと、日本は経済のみならず外交・安全保障面でも中国に圧倒されてしまう。

 「え、その程度で経済、外交で圧倒されるの?」ですよねえ。大体経済はともかく外交って「経済は重要なファクターだが経済とイコール」じゃないですよねえ。
 まあ、産経も本気でこんな事思ってるわけなくて「人民元のSDR通貨化阻止のためには危機感煽りまくった方がいい」という話でしかないわけです。
 仮に「人民元がSDR通貨化したら」今度は掌返しで「SDR化しても円の方が人民元より立場は上だ!」「日本の工業技術は未だ中国より上だ!」とか言いだして「中国人民元の国際通貨化など恐れるに足りず」と言い出すのが目に見えてます。

 頼りないのは日本の財務官僚である。かれらは「人民元のSDR通貨化は時間の問題」というラガルドIMF専務理事の言葉にうなずくだけ

 つうか専務理事つうIMFの大幹部が「人民元の国際通貨化はいつやるかはともかく、やることはもう既定路線だと思います」といってて「いーや、違います」って言ってもどうにもならないと思いますけどね。「人民元が国際通貨になるかどうか」という話についてはもう勝負はついたんじゃないか。


■【花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈511〉「AIIB参加は愚の骨頂、参加検討の価値すらない」…大前研一氏、『ポスト』で断じる
http://www.sankei.com/premium/news/150426/prm1504260022-n1.html
 花田に寄れば、大前曰く「既に存在するアジア開銀と世銀が優良プロジェクトへの融資を独占して、AIIBは融資が回収できるか分からない不良ゴミプロジェクトへの融資に手を出さざるを得なくなって早晩、崩壊するだろう、日本は参加を検討する必要などない」だそうです。
 大前と週刊ポストが「産経と同レベルのバカ」ということがよく分かる話です。自民党すら「英仏独伊の参加表明」にあわてて「検討委員会」を党内に一応作ってるのに「お前ら何を言ってるんだ」ですよね。
 「経営コンサルタント」を自称する大前ですがこんなバカだから「平成維新の会」も大失敗で終わったんでしょうね(毒)。

*1:彼のブログコメ欄で以前指摘があった

*2:統一地方選後半戦当日にこの集会をやる救う会の無神経は理解できません。ニュース報道されにくくなるだろ。

*3:「三百代言」とか「詭弁屋」とかそんな意味

*4:むしろ「アベノミクスで景気は回復傾向」とか抜かしてる某国の中央銀行総裁・クロダの方がよほど「白を黒と言いくるめる口舌の徒」じゃないか。