今日の産経ニュース(5/10分)(追記・訂正あり)

■【大阪都構想】維新「劣勢」からの強さ恐れる反対派「まったく楽観できない」
http://www.sankei.com/west/news/150510/wst1505100060-n1.html
 劣勢とは言え、前回世論調査と比べて、賛成派(維新側)の数字が「やや増えた」あげく「若干ではありますが」差が縮まってますからね(つまり維新側の増加を上回る反対派の増加がなかった)。また未だに多い「よくわからない」回答が今後賛成に動くか、反対に動くかどう動くかという問題もある。過去も「次世代が壊滅した衆院選」で維新劣勢が報じられましたが当初予想よりは議席減は小さなもんでした。
 そりゃ警戒はするでしょう(ただこの世論調査傾向が今後も続くなら、維新が前回調査に比べ大幅に巻き返してるわけでもないので、「賛成派と反対派の投票率に格段の差がない限り」僅差ではアレ、橋下が敗北する公算が強いでしょう。勿論油断は禁物ですし反対派も油断はしてないでしょうが)。しかし都構想を支持する人間の気が知れませんね。「公募校長や給食の失敗」で橋下には行政能力が皆無であることは明白でしょう。弁護士としてもまともな実績があったのかさえ疑わしいレベルです。よく「共産党は反対ばかり*1」と言われますが、それをもじれば「橋下はアドバルーンをぶち上げるばかり」のわけです。それが「中国のAIIB構想」のように成功したことなど全然ない。
 そもそもまともな政治家なら「反対意見の強いこと」それも「過去に前例がなく成功するか分からないこと(都構想)」を強行しようとしたりはしません。


■【お金は知っている】AIIBは“借金大国”中国の偽装銀行だ
http://www.sankei.com/premium/news/150510/prm1505100022-n1.html
 今日もAIIBに悪口雑言の産経・田村秀男です。「もういい加減にあきらめろよ、AIIBの発足はほぼ確実だから」と思うのですがせめて「日米の参加だけは阻止したい」んでしょうか。まあ、仮に日米が参加しないにせよそのときに「田村の意見が参考にされた」なんて事はないと思いますけど。
 「借金大国」だの「偽装銀行」だのと罵倒のボルテージもいつになく上がっています。まあ、「借金大国」*2はいいとしても「偽装銀行」て何なんですかね。
 「AIIBは銀行の名に値しない、銀行の資格がない」というのか。まあ、田村の言う「銀行の資格」て何だか分かりません*3が「世界各国が参加表明してる物」に対して、あまり馬鹿な事言ってると世間から相手にされなくなると思いますけどね(田村など、既に相手にされてないかも知れませんが)。中国も「偽装銀行」呼ばわりは正直不愉快でしょうが相手が産経の田村では抗議するのも大人げないと言う事で「実害が出ない限り*4」無視するんでしょうね。


■【書評】元共産党政策委員長*5筆坂秀世が読む『いちばんよくわかる! 憲法第9条西修
http://www.sankei.com/life/news/150510/lif1505100026-n1.html
 まあ筆坂秀世って人も落ちぶれたもんだなて感想しかないですね。
 産経紙上で「改憲派・西の本」をネタに「護憲派(特に共産党)に悪口雑言の筆坂」ですが、筆坂は「2003年(平成15年)にセクハラ問題で参院議員及び、党の役職(党常任幹部会委員、党政策委員長)を全て引責辞任するまでは」もちろん共産党幹部だったわけです。
 たとえば筆坂は、この文章で「自衛隊違憲だというなら丸裸になれというのか、外国が攻めてきたら*6どうするんだ*7」なんて言ってますがよくもそんな事が今言えるもんです。「丸裸でいたら攻められる」なんて護憲派非難、共産党非難は、筆坂が党幹部だった頃からあった代物です。そのとき、そう言う批判に対して党の一員として「いやそれは違う」云々と反論してたのが筆坂でしょうに。その過去の言説との整合性を筆坂はどう考えてるのか。「僕は党をやめて目覚めたんです」で済むと思ったら大間違いです。単に右翼方向に変節したようにしか見えないし、実際、ただの変節でしょう。
 いやそもそも筆坂のついていた「党常任幹部会委員、党政策委員長」と言うポストは「憲法九条問題」に密接に関わってるポストでしょうに。筆坂は一体、幹部時代、何をしていたのか。上(委員長、書記局長など)の言いなりに動いてたとか、全部部下に丸投げしてたとか、要するに自分の主体性はゼロだった、だから自分に党の政策決定についての責任はないとでも言うのか。自分が責任を負う出来事(憲法九条問題など共産党の政策)について、「党幹部時代の自分が当時何を考え何をしたのか」を完全に無視した上で、「共産党の九条解釈には賛同できない」とはこの男はどれほど恥知らずなんでしょうか。
 筆坂の恥知らずさにも呆れますが、産経がこんな駄文を載せることにも呆れます。筆坂の批判はぶっちゃけ「産経文化人がいつもやってる左派非難」と同じで何のオリジナリティもありません。まあ、産経的には「元共産党幹部が右翼転向したこと」はビッグニュースなんでしょうが俺からすれば「離党してもう影響力も何もない人間だろ」と心底呆れますね。
 まあ、共産党を離れた人間はたくさんいるわけですが、筆坂ほどの恥知らずも珍しいんじゃないですかね。まあ、大昔には「袴田里見(党副委員長)」て「過去の自分の発言、撤回」して、「宮本顕治氏を例のネタで、ウヨメディアを舞台に殺人者呼ばわり*8した」筆坂並みに困った人もいましたけどね*9。まあ、袴田が今や「ほとんど忘れ去られた存在」になってるように筆坂も忘れ去られるんだろうなとしか言いようが(既にかなり忘れ去られてるとは思いますが)。
 やってることは小沢一郎が「自民党幹部時代の振る舞い(皇民党疑惑とかリクルート疑惑の竹下首相の子分だったこととか)」を全部なかったことにして「クリーンな政治を目指す」て言ってるようなもんですからね(小沢は結局西松疑惑で自滅しましたが)。 
 小沢にせよ筆坂にせよ「他人事みたいな態度で手前の古巣を批判するなよ、手前、一党員じゃなくて幹部*10だろうが。党を離れたら手前の党幹部時代のことが全部チャラになると思ってるのか。ふざけんな」としか言いようがないですね。
 まあ、小沢はともかく筆坂がこんなに恥知らずな生き方をするのは「離党後の筆坂を左派が相手にしてくれなかったから」「右派しか筆坂を相手にしてくれなかったから」でしょう。何せ筆坂の離党原因は「セクハラ疑惑」です(筆坂は辞任したときは謝罪会見までした癖に今や「党のでっちあげだ」などと居直ってますが)。
 左派にとって「筆坂のセクハラについてはっきりしたことがわからなければとても筆坂を使う気にはなれない」でしょう。筆坂を登用(雑誌のコラム執筆でアレ何でアレ)すれば「筆坂のセクハラ疑惑について、あんたらどう考えてるのか?。事実無根という筆坂の言い分を信じてるのか?。それとも『参院議員、共産党政策委員長辞職で責任は取った』と思ってるのか?。それとも『セクハラなんて筆坂さんの有能さに比べたらたいしたことじゃない』と思ってるのか?」「筆坂以外の『セクハラ疑惑、痴漢疑惑人間』でも使うのか?、たとえば植草一秀とか」などという批判は避けられません。
 筆坂は「でっちあげだ」とはいうものの「共産党相手に訴訟を起こすわけでも何でもない」のだから、まともな人間ならこんな「怪しげな人間」は使う気にならないでしょう。何もそれは筆坂に限らない。痴漢行為で二度も警察に摘発された「もはやある種の病気と言っていい」植草一秀と言う人間*11は大学を首になりました*12し、もはやまともなメディアは彼を使いません。一時は芸能界で活躍していた田代まさしという人間は5度も逮捕された*13ことで「危なすぎて使えない」ということで芸能界から完全に干されました。
 「植草じゃなくてもエコノミストはいる」「田代じゃなくても芸能人はいる」ように「筆坂じゃなくても政治評論家はいる」のだから危ない人間、怪しい人間が敬遠されるのは当然です。
 一方右派にとってはそんなことはどうでもいい。彼らにとっては「左派の悪口を言ってくれる人間」でありさえすればその人間の人格なんかどうでもいいわけです。まあ、右派連中はセクハラについても大甘ですしね。何せセクハラヤジを公然と飛ばす人間が都議なんですから。「スーパーフリーは元気があっていい」と失言した太田誠一*14福田官房長官(当時)がかばおうとして*15、「男は黒豹だから女性は気をつけないといけない」という失言をさらにかますという事件*16も過去にありました。
 まあ、俺が筆坂なら「よーし、じゃあ右派メディアで活動するか、右派が喜ぶように護憲派に悪口雑言でもするか」なんてことは恥ずかしくてとてもできるもんじゃありません。それ自分の「護憲派」という過去を全否定してるわけですから。まともな人間なら、そうそう簡単に自分の過去なんか否定できない。否定する場合でもまともな人間なら、そこには「自分の過去を真摯に見つめ、真摯に悩む」という苦闘があるわけですから。そういう苦闘がなかったら単なる変節に過ぎないし、そんな変節は自分が恥ずかしいだけでなく世間からも信用されません。
 それに右派の方だってそんな筆坂を「誰も相手にしてくれないから俺達が拾ってやってるんだ、恩義に思えよ」「筆坂なんていらなくなったらいつでもポイ捨てだ」「筆坂も本当に哀れで無様な奴だ」位にしか思ってないでしょうから、俺が筆坂ならそう言う意味でもこんな恥ずかしいことはできません。
 が、筆坂にはもはやそんな羞恥心というか誠実さというかプライドというかそんなもんはどこにもないんでしょう。とにかく「共産の悪口がいいたい」「ウヨに媚びてカネが欲しい、少しでも目立ちたい」、ただそれだけでしょう。
 筆坂が党幹部になった事は共産党にとって実に情けない汚点になったと言えるでしょう。今さら言っても空しいですが、あんな男は党幹部になどすべきではなかった。まあ、「あんな男が党からいなくなったこと」だけがせめてもの救いです。

*1:一応お断りしておけばそんな事は全くありません。

*2:日本なんかも良く「国債発行の多い借金大国」などと言われますので

*3:借金大国だと偽装銀行なんですかね?。論理展開がよく分かりませんけど。「借金大国に銀行経営ができるわけがない」とか、そう言う話なのか?

*4:まあ出ないでしょうけど。

*5:共産党を敵視しながら未だに「共産党時代の過去の肩書き」を持ちだして恥じない辺りどうしようもない男だと思います。まあ、ほかの「政治評論家」「作家」「市民活動家」と言った肩書きを何故か筆坂は使いたくないのでしょう。もしかしたら「長」とつくような「偉そうな肩書きでない」とダメだと言う事でしょうか?。それとも「筆坂に期待されてるのが反共論文」だからこうなるのか。

*6:どこが攻めてくるんだって聞きたくなりますけどね。戦争なんてもんはそうそう簡単に起こせるもんじゃない。

*7:少なくとも「専守防衛なら合憲」と言う立場の護憲派は「丸裸になれ」なんて勿論言ってません。共産党にしたって「自衛隊違憲であり、一日も早く廃止すべきだと思う」としながらも「国民の同意を得ながら廃止する、当面は存続もやむなし」なんですから別に「丸裸になれ」なんて言ってるわけではないわけです。つうか今の護憲・改憲の主戦場ってそこじゃなくて「集団的自衛権を認めるかどうか」なんですけどね。

*8:もちろん党幹部時代には宮本氏が上司ですからそんな事言ってないわけです。

*9:まあ、党を離れて党攻撃した人間なんてのはソ連派の志賀義雄(党中央委員、衆院議員)とかいろいろいるわけですが「単なる共産攻撃(志賀)」と「過去の発言を平気で撤回して右翼の走狗になること(袴田や筆坂)」とはまた意味が違うでしょう。前者はともかく後者はよほどの「反共さん」でない限りとても支持する気にならないでしょう。

*10:小沢は自民党幹事長、筆坂は共産党政策委員長

*11:なお、筆坂同様、「冤罪」と強弁している。

*12:一回目の痴漢行為で早稲田大学を首になった。二回目の痴漢行為では植草の能力を惜しみ、彼をわざわざ拾ってやってくれた「名古屋商科大学」を首になった

*13:ウィキペ「田代まさし」によれば1回目が痴漢行為で、2〜5回目が覚醒剤の所持

*14:小渕内閣総務庁長官、福田内閣農水相など歴任

*15:かばおうとすること自体が無茶ですが

*16:まあ、「男は黒豹発言」には大いに失望させられました。正直「よく知らんけど、派閥が安倍と同じ清和会だし安倍と変わらないだろ、福田は」「どうせ『男は黒豹』だから慰安婦とか性暴力一般に対して安倍並みに甘いんだろうな、たぶん河野談話についても安倍と同じで否定派だろ」と思っていたときもありました(今はさすがに安倍よりはずっとマシだと思っていますが)。