■「パレスチナ国家」承認へ バチカン、近く条約調印
http://www.sankei.com/world/news/150515/wor1505150018-n1.html
これはやはり影響は大きいんじゃないか。たかが「田舎仏教教祖」で「間違ってノーベル平和賞をもらってしまった人」のダライラマなんぞとは、「世界的宗教指導者」ローマ法王の政治的影響力はやはり違うわけです(毒)。
イスラエル批判派の端くれとしては素直に喜びたいと思います。しかしこの間の「米国・キューバ交渉」でもバチカンが動いたと言うし「現法王」てかなり政治的にアグレッシブなんですかね。今後の動向によっては「法王がノーベル平和賞候補にノミネート」て事もあり得るんじゃないか。
■【金曜討論】アジアインフラ銀への参加 斎藤氏「日本の役割は中から修正」 西濱氏*1「透明性を担保できるのか」
http://www.sankei.com/economy/news/150515/ecn1505150018-n1.html
斎藤氏が「AIBB参加賛成派」、西濱氏が「参加消極派」です。興味深いのは西濱氏は「絶対反対派」ではないということです。西濱氏は「とにかく米国との共同歩調が大事だ」ということを強調します。
「日本だけ参加して米国不参加」「米国が参加して日本が不参加」ということは絶対に避けたいというのが西濱氏の立場です。まあ、日本の「AIIB参加消極派」の大部分は西濱氏と同意見でしょう。
要するに「米国が参加しても絶対に参加しない」と言うほどの反中国派は少ないと。
一方、斎藤氏も「米国が参加しなくても日本は参加すべきだ」とまでは言っていませんが西濱氏と違い「英独仏伊は参加したし米国内にも参加世論はある、米国も参加するだろう」と見てるようですね。
参加消極派に配慮し「いやー、俺もAIIBに何の問題もないとまでは言わないが」と断りながらも「ヨーロッパ諸国も参加してるんだし、そうそう中国の思い通りにならないだろ、むしろ、日本のホームグランドであるアジアでAIIB使ってヨーロッパに好き勝手される方がまずいんと違うの?(オレ流要約)」という斎藤氏です。まあ、斎藤氏の意見には「AIIB参加賛成派」としてあまり突っ込む気にはならないので意見紹介は省略して、西濱氏に突っ込んでみます。
産経
「創設メンバーになる申請期限の3月末に先進国の参加表明が相次いだ」
西濱
「EU(欧州連合)の中で口火を切ったのが英国だったのは驚きで、数は予想以上に多かった。ただ、アジア開発銀行には入っているが、AIIBには参加していない国が約20カ国もある。大洋州やミクロネシア、ポリネシアの国々はほとんど入っていない。」
大洋州(オセアニア)の国としては経済大国オーストラリアとニュージーランドが参加表明しています。それ以外のオセアニア、ミクロネシア、ポリネシアの国は、「サモア、トンガ、ツバル、パラオ、フィジー」など、こういっちゃ何ですが「経済小国ばかり」なんだからぶっちゃけそんな国が参加しないからと言って別に喜べません。
西濱
「中国が『一帯一路』として掲げる新シルクロード経済圏構想の恩恵を受けたい国が手を上げたのが現状だろう」
まあ、そういうことでしょうがそれは「AIIBに参加すべき理由(日本も新シルクロード経済圏構想で儲けよう)」にはなっても参加しない理由にはならないと思います。
産経
「日本は参加を見送っているが、今後はいかに対応すべきか」
西濱
「(注:米国の意思が読めない現時点では)入らないという選択肢は日本が明確にする必要はない。
(中略)
(注:米国と)共同歩調をとれず、日本単独で動くのだけは避けないといけない」
とにかく米国の意思が重要だという西濱氏です。
■【浪速風】もしチャプリンが暗殺されていたら(5月15日)
http://www.sankei.com/west/news/150515/wst1505150049-n1.html
何のことかというと犬養毅が暗殺された5/15には来日していたチャップリンが犬養と会う予定だったと言う話です。犬養を暗殺した青年将校たちは「反米主義」だったので犬養暗殺の場にチャップリンが偶然居合わせたら巻き添えで殺されかねなかったんだそうです(ただし青年将校連中はさすがに「チャップリンの所にわざわざ押しかけて殺すほどの敵意」はなかった)。
チャップリンが暗殺されていたらどうなったか。まあ、先ず第一に日本は米国に謝罪をせざるを得ないでしょう。今だって「チャップリンレベルのビッグスター」が政治的暗殺されればそういうことになるでしょう。第二に米国の反日世論が高まったのではないか。その結果、日米関係がどうなったかはわかりませんが。
もっと早く日米開戦に至っていたのか、はたまた逆に「日米開戦回避の方向」になっていたのか。
■中国、インドに100億ドル投資で合意 両首相、経済協力強化を確認
http://www.sankei.com/world/news/150515/wor1505150022-n1.html
■対中姿勢を軟化させるインド モディ首相「戦略的視野持つべき」と提案 中国との会談で
http://www.sankei.com/world/news/150515/wor1505150033-n1.html
■中国とインド、宇宙開発など事業協力1・2兆円で合意 国境問題棚上げし経済優先
http://www.sankei.com/world/news/150515/wor1505150039-n1.html
産経などウヨは「中国と対立してもインドがある」などとよく言いますがインドはそんな「反中国路線」におつきあいする気はさらさらないことが分かるニュースです。もちろん中印関係にはいろいろと対立点もありますがそれでもインドは「AIIBに参加する」などそれなりに中国とつきあってるわけです。
■【産経抄】タスケロン 5月15日
http://www.sankei.com/column/news/150515/clm1505150003-n1.html
大山のぶ代の認知症がネタです。大山の話についてはいつも拙エントリをご紹介頂いているBill_McCreary氏のサイト「ライプツィヒの夏」のエントリ『大山のぶ代が認知症になったという報道を聞いて感じたこと』(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/b5ba310bbeea0a47c89f4380d31ff03f)を紹介しておきます。
参考
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/6159/d-20.html
■ぼくをタスケロン
家に向かって全力疾走するのび太は、拾ってくれるように頼まれた野球ボールや迷子の子供も放って行く。その様子を見たドラえもんは(注:思いやりがないと)のび太を叱るが、のび太はたくさんの宿題を終わらせなくてはならないので、他人には構っていられないと言う。そんなのび太にドラえもんは助け合う事の大切さを教えようと、飲むと他人を助けずにはいられなくなる薬「タスケロン」を出した。しかしのび太はそれを友達に飲ませて宿題を手伝わせる事を思いつき、早速ジャイアンとスネ夫に飲ませようとする。しかしそれに裏があると察した二人は、薬を全部のび太に飲ませてしまう。するとのび太は突然、ジャイアンのズボンについていた汚れを掃い始めた。薬の効き目が出てきたのだ。それを見たジャイアン達は野球の道具を家に届けるようのび太に頼み、遊びに行ってしまう。しずかを見かけたのび太は宿題の事を話そうとするが、(注:タスケロンのせいで)先に荷物を届けに行ってしまう。急いで帰るのび太だが、(注:タスケロンのせいで)先程の迷子の親を捜してあげたり、老人が持っている重い荷物を持ってあげたり、一人暮しの病気の人の世話をしているうちに、とうとう日が暮れてしまう。宿題が出来ずに絶望するのび太だが、そこへしずかが現れた。一日ののび太の行動をすべて見ていたしずかは、人の世話ばかりして自分の宿題が出来なかったのび太のために、一緒に宿題をやろうと言ってくれるのだった。
(解説)
どんな時でも優しさを忘れなければ、自分にもきっといい事がやってくる。青臭い理想論ですが、それをずっと信じて作品を作り続けた作者であればこその、読者への優しいメッセージが今話には込められていると思います。
■【主張】安全保障法制 国守れぬ欠陥正すときだ 日米同盟の抑止力強化を急げ
http://www.sankei.com/column/news/150515/clm1505150002-n1.html
マジレスすれば「現行法制で国は守れます」。中国や北朝鮮の脅威を云々する産経ですが率直に言って、「過去の米ソ対立の恐怖」のほうがよほど脅威でしょう。国力の違いというのが大きいですが「ソ連はプラハの春弾圧、アフガン侵攻など対外軍事力行使を場合によっては躊躇しませんでした」。
そこまでのパワーは今の中国にはないでしょう(北朝鮮にないのは言うまでもないでしょう)。
結局「国益のために集団的自衛権行使」「アフガン戦争やイラク戦争のようなケースで米軍の期待にもっと応えたい」という話で国防は何一つ関係ないのですが「国防を出した方が丸め込みやすい」という汚い判断をしているわけです。全く詐欺的ではありますが、これは一方では「日本人はがんがん軍事力行使していいと思ってるわけではない」と産経が判断してると言う事である意味喜ぶべきことかも知れません。
安倍晋三首相は「時代の変化から目を背け、立ち止まるのはもうやめよう」と語った。
「時代の変化」は確かにあります。たとえば「米国が日本に対し集団的自衛権行使を求めている」と言った変化です。ただそれは「今のママじゃ国が守れない」という話じゃない。そして安倍の方こそ「中韓は今や経済大国」という「時代の変化」から目を背け、両国を格下扱いしてるのではないか。
現状では日本国民を救う活動を行う米軍が攻撃を受けても、助けることができない。
そもそも「米軍が日本国外で日本人を救う」というシチュエーション自体が現実的じゃありません(なお、在日米軍が日本領内で攻撃された時は日米安保を理由に自衛隊が米軍を支援しても集団的自衛権の行使には当たらないとするのが確か政府見解です。その政府見解の是非はともかく)。
「日本国外で米軍がまず救う」のは米国人でしょう。多くの場合「外国人まで救出している余裕はない」でしょう。
日本は同盟国だという人がいるかも知れませんが、たとえば「NATO加盟国」だって同盟国であり、日本だけが特別扱いされると考えるのはナイーブでしょう。
また「米軍が救出」というシチュエーションについては「もし武力集団(国でアレ、テロ組織でアレ)が米国と対立する立場ならむしろ自衛隊や場合によっては民間航空機で救出する方が安全だ」という主張もあるわけです。
日本を取り巻く安全保障環境は著しく悪化している。
中朝の脅威とか、ロシアの脅威とか言い出すのでしょうがどちらも間違いでしょう。
まず中国。かの国は「AIIB」を主張していますから日本と「必要以上にもめること」は避けるでしょう。軍事紛争なんかまずあり得ないと言う事です。北朝鮮は軍事力的に日本と対抗するなんてできません。ミサイル(ロケット)発射や核実験はあくまでも「いわゆる瀬戸際外交」「チキンレース」でしかないわけです。
ロシアのクリミア併合は確かに問題ですが「日本の国防」と言う観点では脅威でも何でもありません。「クリミアを併合したから北海道に攻めて来るかも」なんてことはない。
集団的自衛権の行使容認について、「わが国と密接な関係にある他国*2に対する武力攻撃」が発生した場合で、「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」だけに限っている。
その限定条件が本当に限定になってるのかということですよね。「米軍が攻撃されたら」問答無用で「自衛隊を出さなかったら我が国の存立が脅かされる」と強弁して事実上ノーチェックじゃないのかということです。大体「日本が直接攻撃された場合」ならともかく「米軍が攻撃された場合で日本の存立が脅かされ、国民の生命などが根底から覆されるかもしれないケース」なんてもんは俺には想像ができません。具体的にどういうケースなのか?
まあ、限定条件をつけても俺は「集団的自衛権行使」なんか支持しませんが「限定条件なんて口先だけ」と言うことが見え透いてるんだからなおさら支持しません。
国民を守るための行使であり、それを民主的に選ばれた政府が判断し、国会承認も必要とする。戦争に巻き込まれるといった議論は的はずれだ。
やれやれですね。それで問題がないなら「民主国家」アメリカが「ベトナム戦争の泥沼に突入すること」もなかったでしょう。ブレア政権がイラク戦争参戦を非難されることもなかったでしょう。しかも「国会承認は原則事前だが、例外的に事後でもOK」ですから全然歯止めになってません。