今日の産経ニュース(8/12分)(追記・訂正あり)

インドネシア知日派貿易相ら6閣僚交代 日本に痛手 中国と争う高速鉄道建設計画にも影響か
http://www.sankei.com/world/news/150812/wor1508120038-n1.html

 昨年秋に就任したインドネシアのジョコ大統領は12日、政権発足後初の内閣改造を実施した。経済政策の要、ソフィアン・ジャリル調整相(経済)、知日派のラフマット・ゴーベル貿易相ら経済分野を中心に閣僚級6ポストを交代させた。
 ゴーベル氏は日本の大学を卒業し、パナソニックの現地合弁会社幹部を経て貿易相に就いた。日本の政財界と太いパイプを持っており、交代は日本外交にとって大きな痛手だ。
 ゴーベル氏は日本と中国が受注を競うジャワ島の高速鉄道建設計画で、新幹線方式の優位性を唱えていた。月内に発注先が決まる予定で、同氏の交代はインドネシア政府の選考プロセスに影響を与えそうだ。中国案を推すリニ・スマルノ国営企業相は留任した。

 やれやれですね。日本の鉄道ビジネスにどういう結果が出るにせよ、おそらくこの改造、「中国案を推進するためにゴーベル氏をわざと外し、スマルノ氏を残したわけでもない」でしょうに何で「鉄道ビジネスガー」しか言わないんですかね。俺だったらむしろ知りたいことは「更迭された閣僚と残留した閣僚の違い」「更迭された閣僚の後任はどんな人間か」なんですが。
 インドネシア人がこの記事読んだら「日本人は自分の事しか興味ねえのかよ?。いや、それが人間だと思うけど何この鉄道ビジネスガーしか言ってないアホ記事」と呆れるんじゃないですかね。


■【台北から見る中国軍事情勢】両岸「安定」の背後で 中国人民解放軍、台湾の総統府など模した施設造営 軍事訓練の目標に 
http://www.sankei.com/premium/news/150808/prm1508080036-n1.html
 産経も本当にどうしようもないバカです。本気で中国が台湾侵攻する気だったらこんな演習風景の画像を外に出すわけがないでしょう。台湾に警戒されるようなことをしてどうするのか。
 要するに「独立宣言したらこっちにも考えがある」「最悪の場合、武力オプション発動つうのはフカシと違うんやで、見てみい、この演習風景を」というただの牽制、恫喝です。
 そういう牽制、恫喝についてどう評価するかとか、「台湾側がこれに対しどう動くか」はともかく、台湾にせよ、他の国(米国、日本など)にせよ「まともな人間」はそんな事は分かってる。産経のような反中国極右だけが全てを分かった上で「中国は未だに台湾侵攻をあきらめてない」とデマるわけです。
 産経が牽制、恫喝であることを認めた上で、「でもフカシであったとしても問題行為だと思う」などと言ってればまだ説得力があるんですけどね。


■ひざまずいて謝罪 韓国で鳩山元首相
http://www.sankei.com/world/news/150812/wor1508120035-n1.html
 首相時代にやって欲しかったと思いますが、こういう事をやること自体は「大変いいこと」です。韓国側が「安倍を首相にするような酷い国が日本だが一方で鳩山氏のようなそれなりにまともな人もいることが分かって良かった」と思ってくれればありがたいことです。まあ、一日も早く安倍を引きずり下ろすことが急務でしょう。


■【LA発 米国通信】中国系が韓国系に支援要請 過半数での採択目指す 米サンフランシスコ市議会に「慰安婦」決議案提出
http://www.sankei.com/premium/news/150812/prm1508120007-n1.html
 こうした決議案は「河野談話を前提にしてる」ので「河野談話を踏襲してる日本」としては「反対する理由」は本来どこにもない。
 反対することはどう見ても「河野談話否定論」でしかないし、詭弁で言い訳する安倍政権はともかく産経や日本会議といったウヨ連中は「河野談話否定論が本心であること」を何ら隠さないわけです。
 日本人として本当に恥ずかしい話です。
 なお「何でサンフランシスコか」といえば「河野談話否定暴言をはいた橋下が市長を務める大阪市と友好都市関係にあるから」でしょう。
 「きちんと慰安婦決議を市議会で出さないと橋下の同類と疑われる」つう意見がある程度支持されてるのでしょう。
 一方で「言いたいことは分かるけど日本政府ともめるのは嫌やなあ」と言う意見もある。いずれにせよ産経の暴論が支持されてないことだけは確かです。


■【月刊正論】私の「反知性主義」的考察 時代遅れの知性が国を滅ぼす(高須克弥
http://www.sankei.com/life/news/150812/lif1508120005-n1.html
 「低能ウヨ」「マンガ家・西原理恵子との(事実上の?)夫婦関係」で有名な高須クリニック院長の文章です。
 おそらくは「安倍安保関連法制批判派の憲法学者など時代遅れの知性だ」と悪口雑言なのでしょうが、書いてる内容何故か「医療がどうとか」という内容です(続きは「月刊正論で」となっているのでそちらで悪口雑言でしょうが)。

極端に言うと、どんな藪医者でも、患者に「いい先生だ」と信じさせれば、名医になれるのです。

 おいおいですね。高須のやってる美容整形ならともかく、たとえば「がんの治療」で「近藤誠の医療に納得してる人がいるから」といって彼の「患者よ、がんと闘うな」なんて「がん治療に携わる医師たちから非難されてる」寝言が「名医の正論」になるのか。

もちろん、そこには盲信の危険もある。よく手塚治虫の漫画「ブラックジャック」を名医の代表のように信じる*1人がいますが、その一例かもしれません。漫画としての価値は別にして、美容整形外科医として言えば、自分の顔をあんなつぎはぎの跡だらけにする手術は稚拙極まりない。しかし、崇拝する読者には名医なのです。

「盲信の危険もある」などと言い訳したところで

極端に言うと、どんな藪医者でも、患者に「いい先生だ」と信じさせれば、名医になれるのです。

と言いきった以上高須は批判されるべきでしょう。
 まあ、それはともかく。
 高須は「ブラックジャック読んだことがあるのか?」つう珍論です。
 ブラックジャックの顔を手術したのは、ブラックジャックじゃない(アレは彼が子どもの頃の手術で、手術者は彼が恩人と仰ぐ本間丈太郎医師です)。
 「つぎはぎだらけ」が何を意味するか分かりませんが、もし「顔の一部に皮膚の色が違うところがあること」を意味してるのなら、あれはマンガの設定では

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q124840702
ヤフー知恵袋
・顔の「つぎ」は子供のときのオペでアフリカ系ハーフの同級生から皮膚をもらって植皮したから。その後、環境保護団体メンバーとなった彼は活動の中で(注:開発派のテロで)死亡してしまい、「形見になっちまったな。大事にとっとくぜ。」ということに。
・つぎはぎの色が違うのは仲良しだった黒人のお友達のお尻の皮膚を移植したからです。

つう話です。「名医じゃない」とかそう言う話じゃない。まあ、ウィキペ「ブラックジャック」を見れば分かるように「手塚は医師免許を持ってる」とはいえ、実際の臨床医経験はなく、作品もきっちりと医師に監修してもらったわけでもなく、「医学的に問題だ」といろいろと批判を受けた問題描写もあります(おそらく単行本発行時に「収録しないで外したり」、描き直したり、「そのまま収録した上で断り書きをつけたり」といった対応を取ってるでしょうが)。
 ただここでの高須の指摘はそういうんじゃないですからね。

昔の医学など現代から見れば間違いだらけだから、名医と呼ばれた人たちも見当外れな治療をしていたはずです。

 そりゃそうでしょうがそこから「だから信頼されればいいんだ」と言う結論をこじつける高須は頭がおかしい。

*1:「信じる」も何もマンガの設定においてはブラックジャックは名医です。