今日の産経ニュース(5/11分)(追記・訂正あり)

■「思いっきり謝るか辞職だね」 橋下氏、舛添都知事ツイッターで勧告
http://www.sankei.com/affairs/news/160511/afr1605110031-n1.html
 舛添批判して格好つけたつもりなのでしょうが小生にとっては「橋下らしいな」と失笑物ですね。マスコミ報道が事実なら「政治資金で家族旅行した疑惑」、つまり違法行為ですから謝って済む問題ではないでしょう。
 つまり橋下にとっては「政治資金の不正使用」は「もうしません」と誤れば済む問題のわけです。

国会議員だってこの程度のことはある。都民に土下座する姿勢であればまだ許される

とは さすが倫理観の欠如してる橋下です。


■【オバマ氏広島訪問】「日本の防衛のあり方考えるいい機会」福井県立大学教授、島田洋一
http://www.sankei.com/world/news/160511/wor1605110046-n1.html

 北朝鮮の核開発という現実的な脅威がある中での訪問は、日本の防衛のあり方を考えるいい機会となるのではないか

 なんでそう言う話になるんだかさっぱり分かりません。


■【オバマ氏広島訪問】「東京大空襲を認識してもらいたい」 東京大空襲・戦災資料センターの山辺昌彦主任研究員
http://www.sankei.com/world/news/160511/wor1605110045-n1.html
 東京大空襲被害者からすれば当然の指摘でしょう。とはいえ「東京大空襲への批判的認識を示すこと」は広島訪問よりもハードルが高いでしょうが。


■進研ゼミ会員激減 「けじめをつける」ベネッセ原田社長が引責辞任
http://www.sankei.com/economy/news/160511/ecn1605110043-n1.html
 はてなブックマークでも指摘がありますが
id:Bill_McCreary氏エントリ
■当事者意識の欠如に呆れる(追記あり
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/bb53566918ab094fac0a41efba964934
で批判された対応が「ベネッセはふざけてると反発→進研ゼミ会員激減→原田社長辞任」をもたらした事は間違いないでしょう。

「業績悪化は(個人情報漏洩(ろうえい)の)事故が原因でも、経営トップの責任としてけじめを付ける」。
原田社長は11日の会見で、ときおり涙を流しながら退任の理由を説明した。

 何とも酷い発言ですね。さすが「当事者意識が欠如してる」というべきでしょうか。「漏洩事件は俺達被害者なのに」と未だに思ってる(あるいは「そう世間に思わせたい」)ようです。この発言が「被害者をさらに激怒させること」は間違いないでしょう。
 これが産経曰く

アップルコンピュータ日本法人や日本マクドナルドホールディングスの社長を歴任した“プロ経営者”

つうんだから頭痛がしてきます。おそらく「アップルやマクドナルドでは失態が表面化しなかった*1だけで」かなり問題のある人間なのでしょう。あの酷い対応を「社長は知らなかった」で済ますわけにも行かないでしょう。
 マスコミから「ベネッセ基金への寄付を賠償の選択肢に入れると言う対応に問題があったとは思われませんか」なんて質問は出なかったんでしょうねえ。産経記事もそうした指摘は何一つありません。
 マスコミ記者だってあの対応に問題がなかったなんてさすがに思ってないでしょう。    
 大企業とは言え一企業に過ぎないベネッセごときを批判出来ないようでは「安倍政権批判」なんて「夢のまた夢」でしょうか。


■外国人投資家、アベノミクスへの期待低下 日本株売り越し 「骨太方針」にも冷淡
http://www.sankei.com/economy/news/160511/ecn1605110050-n1.html
 産経ですらこんな記事を書くほどアベノミクスの挫折は隠せないわけです。
 そして「外国人投資家の期待」ですから何も「アベノミクスで景気が良くなかったから株価が上がったわけではなく」、景気が良くなるだろうとの期待による外国人投資家によって株価が上がったに過ぎないわけです。中国の景気停滞でその期待もしぼんできたと言う事でしょう。


■【オバマ氏広島訪問】中国、G20でオバマ氏&安倍首相の南京招待を画策か 批判は抑制
http://www.sankei.com/world/news/160511/wor1605110035-n1.html

 中国の外務省は、一方で各国指導者に被爆地訪問を呼びかける日本政府に、「日本の指導者はいつ南京大虐殺記念館江蘇省南京*2)を参観するのだ」と反発してきた。
 9月に20カ国・地域(G20*3)首脳会議が開かれる浙江省杭州*4は、高速列車なら南京まで約1時間45分の距離だ。今回の対応は、オバマ氏や安倍晋三首相を含むG20首脳に南京訪問を求める布石とも考えられる。

 布石ねえ。「加害者の癖にそれ棚上げして一方的に被害者ぶってんじゃねえぞ」と単に反発の意思を表明しただけでしょう。今のところ訪問要請したわけでも何でもありません。
 ただし仮に訪問要請があったとしても画策も何も「産経のような南京事件否定論*5でない限り」別に安倍やオバマが訪問して頂いていっこうに構わないんですけどね。
 まあ、仮に訪問要請があったとして安倍に訪問する意志などないでしょうし、例の「ユネスコ資料登録の時の中国非難」「南京事件否定論者の櫻井よしこ中教審委員であること」などとセットで「安倍はやはり南京事件否定論が本心だ」と中国に理解され反発されることは「日本人として残念無念ですが」間違いないでしょう。
 オバマも「TPPや戦争法で言う事を聞いてくれる安倍」に配慮して「訪問しない」んでしょうか。


■【高市総務相電波停止発言】田原総一朗氏「メディア弱体化」VS小川榮太郎氏「自主規制が問題」 ニコ動でバトル
http://www.sankei.com/entertainments/news/160511/ent1605110007-n1.html
 小川なんて「安倍政権誕生前は無名だった男、産経新聞などウヨメディアでもほとんど眼にしなかった男」が『約束の日 安倍晋三試論』(2012年、幻冬舎)、『国家の命運:安倍政権奇跡のドキュメント』(2013年、幻冬舎)、『最後の勝機 救国政権の下で、日本国民は何を考え、どう戦うべきか』(2014年、PHP研究所)なんて安倍提灯本を書くことによって

・「放送法遵守を求める視聴者の会」の呼びかけ人の一人(他には渡部昇一*6すぎやまこういち、上念司*7ケント・ギルバート鍵山秀三郎*8渡辺利夫*9
・「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表発起人の一人

という「ウヨ業界の顔役の一人」に出世するんだからげんなりします(ウィキペ「小川栄太郎」参照)。とはいえ「安倍の登場で突然の出世」ですから安倍が潰れたらジエンドでしょうが。


■【オバマ氏広島訪問】「レガシー作りに必死」「大いなる失態」米有識者、慎重行動求める
http://www.sankei.com/world/news/160511/wor1605110041-n1.html
 有識者と言っても「米軍の日本本土上陸作戦が原爆投下で避けられ多くの米兵と日本人の命が救われた」「核兵器は米国にとって重要な防衛手段だ」とするタカ派の皆さんです。とはいえこうした人間の存在が「オバマに広島訪問を躊躇させ」、またトランプや支持者が「原爆投下を決断したトルーマンを評価する」と発言する背景にあるわけです。少なくとも原爆投下については「日米は価値観が同じ」どころか大きなギャップがあります。


■【正論】「領土問題が解決できるプーチン大統領」は幻想だ 新潟県立大学教授・袴田茂樹*10
http://www.sankei.com/premium/news/160511/prm1605110007-n1.html
 産経は極端にプーチンを敵視しているので「プーチン非難の結論ありき」ですが一方でプーチンが「産経の言うような形の解決(つまりは四島返還ですが)」を考えてるようには見えないのも事実です。
 とはいえ日ソ国交交渉時のフルシチョフの「二島返還論*11」を除けば「プーチンに限らず」北方領土問題について解決策を提示した旧ソ連、ロシアの政治家などいないのでプーチン一人の責任ではありませんが。
 北方領土問題は「四島返還しろ(日本)」「二島返還以上に譲歩する気はない(旧ソ連、ロシア)」がずっと続いてもはやプーチンに限らず誰がロシアのトップであっても下手に手が出せない物になったと言うべきでしょう。
 そう言う状況下で「欧米の制裁を崩したい(ロシア)」「参院選前に成果出したい(日本)」という「党利党略」での首脳会談ですから産経が「プーチン非難」の結論ありきなのは事実ですが確かに問題が解決しそうにはありません。


■【竹島を考える】韓国の主張は「モグラ叩き」の要領ではねつけろ…「竹島の日」制定が示した解決へのヒント 下條正男*12拓殖大教授
http://www.sankei.com/west/news/160511/wst1605110001-n1.html

 「竹島問題は解決するのか」−。よく聞かれる質問である。平成22(2010)年8月14日付の朝日新聞で、若宮啓文氏のインタビューを受けた細川護煕元首相は「当面は先送りする以外に、なかなか現実的な解決方法はないのでは」と答えていた。隣国に国家主権を侵されて半世紀が過ぎたというのに、まったくひとごとである。

 棚上げという方針は「佐藤栄作*13内閣が韓国と国交回復したときからの政府方針」であり、ポスト佐藤の田中*14、三木*15、福田*16、大平*17、鈴木*18、中曽根*19、竹下*20、宇野*21、海部*22、宮沢*23といった「細川政権以前の歴代自民党政権」や、橋本*24、小渕*25、森*26、小泉*27といった「細川発言(平成22年)以後の自民党政権*28」も踏襲してきたのに細川氏だけを非難する辺り実に産経らしい、拓殖らしいデタラメブリです。
 「竹島日本領土説に疑義を呈する」内藤正中*29・島根大名誉教授、池内敏*30・名古屋大教授の存在を考えれば下條が言うほど「竹島日本領土説」が「全くの傷のない盤石の主張」と言えるかは疑問ですが
1)領土問題というのは外交交渉で結するべき問題であり「俺が正しい」と言いつのっても解決しない
2)竹島問題は日韓関係を犠牲にするまでの大問題ではない
 ことを考えれば、仮に下條の主張「竹島日本領土説」が「全くの傷のない盤石の主張」であっても下條の韓国に対する敵対的態度は愚劣です。

 竹島問題は平成17年に日本政府の牽制(けんせい)*31を退けて、島根県議会が「竹島の日」条例を制定*32してから動き出した。これをきっかけに、「日韓の間に領土問題は存在しない」としてきた韓国側が、領土問題を意識して攻勢に転じるようになったからだ。

 つまりは棚上げにされていた問題が、日本側が「俺は棚上げにしない」なんて立場を取ったため、韓国も黙ってるわけに行かなくなり竹島問題が日韓間のホットな紛争点になってしまったと言う事です。
 下條は能天気にも「俺達が正しいんだからいずれ勝てる」と放言していますが、領土問題とはそんな単純なもんではないでしょう。だからこそ歴代自民党政権も棚上げにしてきたわけです。もちろんそもそも下條が正しいかどうかも疑わしいですが。

今年の「竹島の日」の1カ月ほど前に、『竹島−もう一つの日韓関係史』(中公新書)が刊行された。

 中公新書と言えば定評ある新書*33ですから、「池内説がそれなりに世間で評価されている」と見ていいでしょう。

池内氏がなぜ、そのタイミングで竹島関連の著書を出版したのだろうか。

 いつだそうと人の勝手でしょう。いつなら下條は納得するのか。

 当の韓国は、竹島の領有権を主張できる歴史的権原がないことを暗に認め、歴史的領域での論争を避けている。
 「竹島の日」条例の基となった明治38年の「島根県告示第40号」(竹島の位置を緯度・経度で明確にし、名称を竹島島根県所属・隠岐島司所管とすることを知らせたもの)を、韓国側が近年、標的としているのはその証左である。
 韓国側の論理はこうだ。独島(竹島)はすでに1900(明治33)年の同国の「勅令第41号」で韓国領となっていた。明治政府はその5年後に竹島を「無主地」とし、島根県隠岐島司の管轄としており、無効だ−というのだ。

 小生の認識では韓国側が「歴史的経緯の論争を避けてる」なんて事実はありませんが。
 下條の言うような事実「1900年の勅令が韓国においては重要視される」があるとしても、単に「1900年の勅令第41号が有効であれば、日本の1905年の島根県編入より先だから韓国の領土だ」つまり「どっちが先に発見したかや、命名したかや、利用したかではなく」、どちらが先に領土として編入したかが重要であるという立場に韓国が立ってると言うだけでしょう。
 当然ながらこの韓国の見解では「1905年の編入」は「初めて竹島が日本領になった事件」であり、「竹島が日本領であるという単なる事実の再確認」とは理解されません。

 池内氏はそれらを一切省略しただけでなく、私の見解までも曲解し、「あまりにも無謀である」「誤りである」「−と解釈するのは許されない」などと一方的に論難したのである。

という下條ですが読み比べないと何とも言えないので意見は留保します。つうか産経の植村元記者に対する誹謗に比べたら仮に下條の言うように池内氏の批判が不適切だとしても、この程度のことは「まだまだかわいい」もんです。まあ、そもそも産経文化人の下條は「河野談話否定論」を公言した過去があるのでまさに「お前が言うな」です。


■【酒井充の野党ウオッチ】共産党の委員長がそれを言っちゃいけねぇよ! 「敵」とも談笑でポロリと漏らした禁忌のワードとは
http://www.sankei.com/premium/news/160511/prm1605110001-n1.html

 3月27日に結成された民進党は同月29日に各党へのあいさつ回りを行ったばかりだった。わずか約2週間後に、今度は共産党が訪問する立場になった。
 開口一番、共産党に「身内みたいなもんだから」と親しみを込めたのは安住淳*34国対委員長だった。共産党志位和夫委員長が政策委員長に抜擢した藤野保史衆院議員を紹介すると、安住氏は「イケメンだもんね」。これを聞いた小池晃書記局長が「なんか一つ一つ突き刺さる…」とつぶやいた。
 あせった安住氏は自身が宮城県選出、小池氏が東北大出身であることを念頭に「いえいえ、なんか親しみ感じますよ。東北同士だし」と必死にフォローしたが、話に花が咲いたのはこの程度。岡田克也*35代表も志位氏も「まじめ」が売りだ。その後は両党が無所属候補を推薦していた衆院北海道5区補欠選挙での共闘を誓い合うまじめな会話に終始した。

 仕事上のつきあいですからね。多少軽口が出ても基本的にはまじめな話しかしないでしょう。

 民進党結成のあいさつ時に共産党はコーヒーを出してもてなしたが、民進党側がコーヒーを出すことはなかった。

 事実ならば、まあ飲み物ぐらい出せばいいのにとは思いますね。
 つまらないことではありますし、「そんな事だけで支持政党を決める人もいません」が「民進党って態度悪いよな、飲み物ぐらい出せよ」と否定的に理解される危険性があることは否定できないでしょう。それはもちろん民進党にとっていいことではないでしょう。なお産経曰く「コーヒーを出したのはお維だけ」だそうです。

自民党谷垣禎一*36幹事長や二階俊博*37総務会長らが出迎えた。
 谷垣氏
「自共でけんかすることも多いですけど、話さなければならないこともたくさんあるので、よろしくお願いします」
 志位氏
「いろいろと対立することが多いと思いますが、自共で論戦することでまたよく見えてくるものがあると思いますので、おおいに議論していきたいと思います」

 そりゃ表敬訪問で来たのにお互い喧嘩腰の発言はするわけがないでしょう。

 報道陣の退出が命じられた。この日、共産党のあいさつを受けた6党の中で自民党は唯一、面談の途中で報道陣を閉め出した。

 ウヨ支持層に「共産と談笑するなんて」と非難されるのがよほどいやなんでしょうか?

 共産党はおおさか維新を「自公の補完勢力」と呼ぶ。おおさか維新にとっても共産党は理念が全く相いれない「敵」に違いない。だが、今回のあいさつ回りで唯一、共産党幹部をコーヒーでもてなした政党となった。

 橋下の共産党への悪口雑言ぶりを見るにコーヒーなんか出さないかと思いきやそうでもないようです。いや「橋下が市長を辞めたから」こうなのか。

 志位氏は小沢氏*38との対談が掲載された月刊誌「世界」別冊(3月23日発売)を取り上げた。
(中略)
 志位氏「さっき自民党に行ったら、小沢さんと対談しているのはビックリだと二階さんが言ってました」
 小沢氏「二階君が? あ〜、へ〜」
(中略)
 二階氏は(ボーガス注:新生党新進党自由党)当時、小沢氏の右腕と言われたが、やがて決別した因縁もある。小沢氏は衆院当選16回の73歳。二階氏は同11回の77歳。政界の序列は当選回数がものを言うとはいえ、年下の小沢氏の口から「二階君」と聞くのは実に新鮮だった。

 二階自民党総務会長を「君呼ばわりしていること」が「共産党はさんと言ってるのに君とは何だ」「新生党(小沢氏が代表幹事)、新進党(党首)、自由党(党首)時代は二階氏が子分だったからと言って今も親分気取りか」と憤慨する産経です。

 大学談義で盛り上がると、今度は東大OBのトップ2人に焦点が移った。
 志位氏「山口先生は2つ上ですかね、私の」
 山口氏*39「私、浪人していますけど」
 志位氏「ヨンナナ?」
 山口氏「うん、ヨンナナ入学。昭和47年入学」
 志位氏「私は48年だから。1つですね」
 山口氏は昭和47年入学であることに対し、志位氏は自身が昭和48年入学であることを確認した会話だ。何気ない会話に思うかもしれないが、これは「事件」だった。
 皇室制度に反対している共産党は、そもそも「元号*40を認めていない。

 吹き出しました。「共産党委員長が元号を使用*41してるなんて党の右傾化だ、支持者を裏切ってる」とでも言うんでしょうか。つうかそれ「共産党は未だに暴力革命方針だ」という普段の産経らウヨの主張と明らかに矛盾しますが。


■【北海道が危ない(下)】日本が20年足らずで消滅? 空自基地周辺にも中国の影 ゴーストタウン化した中国人向け別荘地も
http://www.sankei.com/politics/news/160511/plt1605110003-n1.html

 北海道の新千歳空港から車で約15分。千歳市郊外の高台に整備されたニュータウンの一角に高級住宅が立ち並ぶ。障害物はなく、東方に新千歳空港航空自衛隊千歳基地が一望できる。
 家具・インテリア販売大手「ニトリ」の子会社「ニトリパブリック」が約6億5千万円を投じ、平成22年7月に完成した中国人向けの別荘地だ。
(略)
 ニトリは1棟当たり平均3千万円で入居者を募集したところ、100人余りが応募、早々に分譲を完了したという。当時、地元では物議を醸したが、それ以降は話題にものぼらない。各住宅の玄関には中国人名の表札があるが人気はなく、この一角だけは無機質なゴーストタウンのようだ。

 まあ、「別荘」ですからね。夏でもないと人気はないでしょう。

 道路をはさんだ反対側には広大な土地が放置されている。この土地も同社が買収したものだという。ニトリは当初、1万人の中国人が住めるように、1千棟の別荘を建設する予定だったが、住民の反対などがあり頓挫。ニトリによると、今後、拡張の予定はないという。

 何で反対するのだろうと思いますが。ただ「反対など」なので意外と「反対」よりも「思ったほど希望がありそうにない」などという話かもしれませんが。

老夫婦も「所有者を審査しただろうから問題はないと思うが、極端なことを言うと、テロリストが住んでいたとしても分からない」と不安を口にした。

 バカバカしい。明らかな中国人差別じゃないですか。そもそも前科でもあれば別ですがそうでなければ「その人間が犯罪を企てる恐れがあるかどうか」なんかわかるわけがない。

 新千歳空港には政府専用機が格納されていて時折、訓練飛行が行われている。隣には北の防衛の要である航空自衛隊千歳基地があり、国防上重要な場所だ。
 その新千歳空港の滑走路と千歳市美々の国道36号との間に広大な山林、原野が広がる。土地の管理会社によると、約40ヘクタールあるという。国道脇には「賃貸地」の看板がある。
 21年ごろ、この土地をめぐってある計画が進められていた。土地の売却を考えた所有者が設計会社やデベロッパーとともに、中国の要人が来訪した際の航空機を収納する格納庫を建設しようとしたのだ。

で、それが何か問題なんでしょうか?

前道議の小野寺秀氏は振り返る。

「また小野寺かよ」ですね。

道庁側は安全保障上の問題を理由に、所有者に売却しないよう要望すると同時に、22年から23年にかけて国に買収するよう働きかけたが実現しなかったという。

 別に問題ないでしょうから国も買わないでしょう。つうかそれなら北海道が買えばいい話です。
 なお、「平成22年から23年にかけて」というのはあまりに幅がありすぎていつだか分かりませんが「22年から23年の内閣」は鳩山、菅、野田内閣です。
 産経は「民主党政権は何故買わなかった」とでもいうのでしょうが今の安倍内閣だって買わないでしょう。

この地域には売地が多い。中央日報によると、韓国電力公社が総事業費約113億円を投入し、来年下半期までに新千歳空港近隣の約109ヘクタールに13万台の太陽光モジュールを設置する予定で、4月20日に着工式が行われたという。

 つまりは「相手が外国人でも売りたい人が多い」つうことです。
 そして「日本企業で買うところが少ない」ということです。単に需要と供給の問題でしかない。
 韓国企業云々って太陽光設備に何か問題があるのか。

小野寺氏は長崎県対馬海上自衛隊施設の隣接地が韓国資本に買収された例を挙げ、こう警告する。

 例の「対馬が危ない」です。「隣接地を買ったぐらい」で分かることなんかないでしょう。そもそも過去には「極左過激派やオウム真理教」のような「外国人じゃない危険な集団」もいたのだから本当に問題があるなら「外国人に対する規制」ではなく「国籍を問わない規制」を行わないとおかしい。

平成27年の海外資本などによる北海道の森林買収は、11カ所(計約107ヘクタール)だった。内訳は中国(香港を含む)が7カ所(同91.1ヘクタール)、シンガポールが1カ所(同2ヘクタール)、英領バージン諸島が2カ所(同2.8ヘクタール)、オーストラリアが1カ所(同11ヘクタール)。利用目的は「資産保有」「不動産開発」「現況利用」などだが、中国資本の場合、「別荘」「投資用」「コンドミニアム」「スキー場」「太陽光発電」がそれぞれ1カ所ずつで、2カ所は「不明」だった。

 「資産保有」てのも「何で資産として森林を持ったのか意味不明」と言う意味では、「意味不明」だと思うんですが。まあ「不明」だから「危険だ」という話には全くなりません。

道庁は22年、山林について買収したのが外資かどうかを把握するため、所有者とされる企業2141社にアンケートを行った。ところが、43%にあたる913社は「宛先不明」。道庁は追跡調査を続けたが、所在不明の「幽霊地主」は184社、アンケート総数の9%にものぼり、道内に総計約4万ヘクタールの所有者不明の山林があることが判明した。

 別にこんなんは森林に限らないでしょう。本来「買ったら登記変更すべき」なんですが何らかの理由で登記変更してないんでしょう。なお、登記変更は売買の後でも可能*42なのでこういう事が起こりえます。
 まあ、「登記と実態が違う」のは色々とトラブルの元になりかねない*43ので「登記変更すべき」とは思いますが、トラブルが起きない限り目立った問題はないわけです。そしてそれは「中国ガー」という問題ではない。
 それら全ての、あるいはかなりの部分が買い手が中国なんて根拠はないわけです。

「外国資本が北海道をはじめ日本国内の不動産を買収し続けると、予想外の落とし穴が待ち受けている」
 こう指摘するのは元東京財団上席研究員の平野秀樹氏(61)。所有者が分からない土地が多いことについて、「グローバルな商圏を舞台に土地の転売が繰り返されていくと、さらに所有者が分からなくなる」と危惧する。

 「A→B→C→D→Eなどと土地の転売を繰り返したあげく、登記をAのままにしておくと実態が第三者には分からなくなる」というのは事実ですがそれは「中国ガー」「外資ガー」「北海道ガー」という話ではない。
 「売り手、買い手双方が日本人で、土地が東京」でも起こりうる話です。一方「買い手が中国企業」であっても登記さえきちんとしてくれればそういう問題は起こらない。

日本では土地を売買しても、登記簿の記載変更は義務ではない。つまり、登記簿だけに頼り、所有者をさかのぼろうとしても、追跡のしようがないのだ。

おっしゃるとおりですがそれは繰り返しになりますが

「A→B→C→D→Eなどと土地の転売を繰り返したあげく、登記をAのままにしておくと実態が第三者には分からなくなる」というのは事実ですがそれは「中国ガー」「外資ガー」「北海道ガー」という話ではない。
 「売り手、買い手双方が日本人で、土地が東京」でも起こりうる話です。一方「買い手が中国企業」であっても登記さえきちんとしてくれればそういう問題は起こらない。

のです。
 なお、現在の法制度では「A→B→C→D→Eなどと土地の転売を繰り返した」場合でも「途中の、B、C、Dを飛ばして」A→Eとしてしまうことも確か合法だったかと思います。
 『A→Bという登記簿の変更がない限り、「Aへの金銭支払い」や「Bの土地使用」があろうと、Bへ所有権は移らない』という法制度にでもすればこの問題は解決するでしょうが、そうすることの是非はよく分からないのでこれ以上はコメントしません。

平野氏は警告する。
「日本の土地は『所有者絶対』の原則が貫かれているので、所在不明の主体に売ったが最後、糸の切れたたこのように浮遊し続ける土地が続出してしまう。国家の主権そのものが脅かされ、モラルハザードが当たり前の社会に成り下がってしまうかもしれない」

 本当に所有者がいない、管理もしてない土地は結局国庫に入ると思いますけどね。所有者がいて管理もしてるけど「登記と実態がずれてる土地」は問題と言えば問題なのでしょうが産経や平野氏が言うほどの大問題は今のところ何一つ起こってないわけです。

 観光客でにぎわう札幌市中央区狸小路商店街近くで、再開発計画が進んでいる。
(中略)
 地元不動産関係者の話では4階から6階までは中国系の店舗が入り、分譲マンションは中国人が購入しそうだという。地元タウン誌も「長年の中華街構想が実現できそうだ」と伝えている。

 「中華街構想」も何も結果的にそうなるだけでしょうに。中国は景気がいいが日本(あるいは札幌)は良くない、ただそれだけの話です。
 まあ、産経が言うのとは違う意味なら、「景気が悪い」と言う意味なら「北海道が危ない」のかもしれません。

7年11月8日*44参議院の国際問題に関する調査会で、当時自民党議員だった笠原潤一氏*45(故人)が、「日本という国は40年後にはなくなってしまうかもわからぬ」という中国の李鵬*46首相(当時)の発言を、オーストラリアのキーティング*47首相(同)が自民党調査団に伝えた、と報告している。

 まあ、怪しい話ですね。笠原氏が本当にそう発言したとしてその根拠は何なのか。本当にキーティングがそんな事を言ったのか。言ったとして真実だと笠原氏が判断した理由は何なのか。
 ちなみにヤフー知恵袋はこの件について

しかし、李鵬が(ボーガス注:笠原発言のあったころ)そのころオーストラリアを訪問した記録はなく、どこで発言したか不明だそうです。

と「回答」しています。「5W1H」のうち「WHO(誰が)」しか分からないような話、WHEN(いつ)やWHERE(どこで)、WHY(何故、というかどういう話の流れでそう言う発言が出たのか)が分からない話はお話にならないでしょう。
 なお笠原氏の発言は

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/134/1540/13411081540002c.html
笠原潤一君 
 ちょうどAPECを控えて、我が自民党で御承知のようにAPECの問題でアメリカとオーストラリアに行ってもらったんです。そのときに、オーストラリアのキーティング首相がこう言ったんです。中国の李鵬さんと会ったらどう言ったかといいますと、日本とのいろんな話をしたら、いや日本という国は四十年後にはなくなってしまうかもわからぬと、そう言ったというんです。これはうそじゃありません、これはほかの先生みんな行って言っているんですから。それくらい軽視されているわけです、ある意味では。そこら辺をしっかり把握しないとこれは大変なことになると思うんです。
 そういう点で、アジアのいろんなAPECを含めた問題の中で日本がどういう立場でどういうことをこれからやっでいくかということが非常に大きな問題であって、その点を私は非常に心配しているわけです。

というもので産経の主張とはかなり文脈が違います。「隣国にそこまで軽視されてAPECでの外交が成り立つのか」つう文脈ですね。中国批判という文脈とは少し違う。
 これに対し政府答弁は「キーティング云々には触れず(多分怪しい話だと思ってるんでしょう)」に、「APEC外交も対中国外交もしっかりやっているのでご心配には及びません」つう主旨の答弁です。

*1:とはいえ彼の退任後、マクドナルドは経営不振に苦しんでますのでアップルはともかくマクドナルドは「単に在任中に問題が表面化しなかっただけ」かもしれません。

*2:江蘇省省都南京事件当時は中華民国の首都。

*3:アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、欧州連合、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシアサウジアラビア、トルコ、アルゼンチン

*4:浙江省省都

*5:ただし産経も1970年代に連載した「蒋介石秘録」では「万単位の虐殺があった事」を認めているのですが。途中で「虐殺など全然ない」という筋の通らない路線変更をしたわけです。今日に至るまで蒋介石秘録記述について産経からまともな弁明は1度もありません。

*6:上智大学名誉教授

*7:勝間某の上司として知られる人物

*8:イエローハット創業者

*9:拓殖大学総長。現在、拓殖大学学事顧問

*10:著書『現代ロシアを読み解く』(2002年、ちくま新書)、『現代ロシアを見る眼:「プーチンの十年」の衝撃』(2010年、NHKブックス)など

*11:米国が「それを飲んだら沖縄を返さない」と日本政府に圧力をかけて二島返還を潰したと言われています。

*12:著書『竹島は日韓どちらのものか』(2004年、文春新書)

*13:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*14:岸内閣郵政相、自民党政調会長(池田総裁時代)、池田内閣蔵相、自民党幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*15:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣経済企画庁長官、池田内閣科学技術庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相。

*16:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*17:池田内閣官房長官、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*18:池田内閣官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(大平総裁時代)などを経て首相

*19:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣防衛庁長官、運輸相、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*20:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*21:田中内閣防衛庁長官福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*22:福田、中曽根内閣文相を経て首相。首相退任後、新進党党首になるが結局自民党に復党。

*23:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相。

*24:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、村山内閣通産相などを経て首相。首相退任後も森内閣で行革担当相。

*25:竹下内閣官房長官、橋本内閣外相などを経て首相

*26:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*27:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*28:竹島の日」が誕生したころの第一次安倍以降は微妙な気がするので上げません。

*29:著書『竹島(鬱陵島)をめぐる日朝関係史』(2000年、多賀出版)、『史的検証 竹島・独島』(共著、2007年、岩波書店)、『竹島=独島問題入門:日本外務省『竹島』批判』(2008年、新幹社)

*30:著書『竹島問題とは何か』(2012年、名古屋大学出版会)、『竹島:もうひとつの日韓関係史』(2016年、中公新書)など

*31:つまりは国交を回復した佐藤内閣から「竹島の日」に否定的だった小泉内閣までずっと自民党政権は棚上げという賢明な態度を取ってきたわけです。

*32:竹下元首相など島根選出の大物政治家がこの種の動きを抑えてきたわけですが、この頃の島根の自民党政治家にはそれだけの器の人間がいなかったのでしょう。

*33:もちろん何にでも例外は存在しますが

*34:菅内閣防衛副大臣、野田内閣財務相を歴任

*35:民主党幹事長、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)を歴任

*36:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相を歴任

*37:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相を歴任

*38:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長(鳩山代表時代)などを経て生活の党代表

*39:公明党参議院国会対策委員長公明党政務調査会長などを経て公明党代表

*40:皇室制度に反対しているからではなく「元号は不便(例:明治生まれの人間が今何歳かというのが西暦と違って出しにくい)」「元号はウヨが悪しき個人崇拝として非難してる北朝鮮主体暦とどこが違うのか」つうのが反対理由です。なお『主体暦は、日本の大正及び中華民国(台湾)の民国紀元と元年が一致するので、「主体N年」は「大正N年」と「民国N年」に相当する。但し、大正元年である大正天皇の即位年と、主体元年である金日成の誕生年と、中華民国の成立年が偶然にも同年であるというだけで、これら3つに関連性は全くない。』(ウィキペ「主体暦」参照)

*41:単に「ヨンナナ」の方が東大OBに普及してるってだけでしょう。

*42:登記変更しないと売買できないわけではない

*43:たとえばC氏が所有者Aという登記を信じてAから土地を買った場合本当の所有者Bから訴えられても「Bが登記変更しなかったことに正当な理由がない」「Cが登記を信じたことに正当な理由がある場合」は所有権はCに移ります(ただし「登記上の所有者=法律上の所有者」という法制度ではないので当然に移るわけではない。まあ多くの場合Cへの所有権移転が認められるでしょうが)。従って所有権と登記のズレは「本当の所有者」にとってリスキーなわけです。

*44:当時は村山内閣です。

*45:岐阜県議を経て参院議員1期。橋本内閣で沖縄開発政務次官

*46:電力工業大臣、国家教育委員会主任(文部大臣に当たる)、首相、全国人民代表大会常務委員長(国会議長に当たる)、

*47:財務大臣を経て首相