今日の産経ニュース(6/3分)ほか(追記・訂正あり)

■リベラル21 野上忠興著『安倍晋三:沈黙の仮面の下の素顔』*1を読む(1)(盛田常夫*2
http://lib21.blog96.fc2.com/

 兄の寛信*3は晋三と同じく成蹊大学を卒業したが、その後、東大大学院へ進学した。また、(ボーガス注:岸家に)養子に出された弟の信夫*4は慶応大学経済学部を卒業した。
 晋三が大学進学を迎えた時期に、父晋太郎*5は「(ボーガス注:祖父岸*6元首相も私も東大卒だ、お前が進学する)大学は東大しかないんだ」と、分厚い漢和辞典で晋三の頭を叩くことが何度かあったという。

 勿論真偽不明ですが事実なら「なんで安倍がああなっちゃったのか」分かる気がします。
 「お前は祖父や俺の顔を潰さないよう歯を食いしばって東大に行け」と実父から責められることは安倍にとって相当の屈辱でしょう。本多勝一氏の著書『子供たちの復讐』(朝日文庫)に出てくる少年のように「金属バットで殴り殺したりはしない」までも安倍にとって父は「憎しみの対象」だったんじゃないか。
 その安倍にとって首相になったことは「俺は東大卒を自慢していたオヤジがなれなかった首相になれたんだ!、東大卒がなんぼのもんだ!」という「爽快な出来事」だったのでしょう。後は安倍にとってやりたいことは「祖父ができなかった改憲をやること」でしょう。そうすることによって安倍は「父や祖父を越えることができる」わけです。
 安倍の性格を歪ませた安倍晋太郎という御仁は子育てに失敗したと言っていいんじゃないか。

 そういう晋三が政治家として晋太郎を継いだことには理由があった。
(中略)
 簡単に首を縦に振らず、納得できないことには絶対に「分かった。ごめんなさい」と言わない頑固さに、父晋太郎が政治家の資質を見たという。事を荒立てないように、簡単に親に謝る長男寛信より、納得できなければ口を固く閉じ、謝らない晋三の方が政治家向きだと考えたようだ。安保法制がいかに不合理だと論破されても、頑なに持論を守る姿勢に通じる。
(中略)
 もっとも、この程度で政治家の跡継ぎが決められるのかとがっかりさせられる。政治家に求められる資質とは、少なくとも日本ではこの程度のものなのだ。同じ土俵で闘うことを避け、頑なに持論にしがみつくのは、たんに「愚鈍」なだけではないか。

 全く同感です。
 なお、皮肉というか、悪意に満ちたというかそう言う見方をすれば安倍が後を継いだのは「兄や弟はともかく、こいつは二世政治家しか務まらない。サラリーマンや学者など他の仕事をやれるタマじゃない。たぶん政治家として大成しないだろうが仕方ない」という見方を父にされていたのかも知れません。


天安門の元学生リーダー・王丹氏「人権状況大きく後退」
http://www.sankei.com/world/news/160603/wor1606030043-n1.html

 習氏は毛沢東を参考にしていて、以前の胡錦濤前指導部などより強権的で「第2の文化大革命が起こり得る」とも述べた。

 「第二の天安門事件」ならまだしも、なんでこういう馬鹿な事言っちまうんですかねえ。「第二の文革って何ですか?」ですよねえ。まあ、「墜ちた偶像」というか何というか。


■【阿比留瑠比の極言御免】民進党って感じ悪いよね
http://www.sankei.com/premium/news/160603/prm1606030006-n1.html

 むしろ阿比留と産経の方が「感じ悪い」のですが。

野田佳彦*7元首相
「こんな時期に衆院選をやる人は人でなしだが、私はダブル選挙はあると思う」(5月14日、神奈川県大和市での党会合)
山井和則*8国会対策委員長代理
「人道的にも常識的にも解散できる状況にないと思うが、解散の危険性はある」(5月25日、記者会見)

 説明しなくても野田発言、山井発言は理解できるとは思いますが一応説明すれば「熊本震災があったから」ですね。
 当然ながら解散すれば「熊本でも選挙が行われる」わけです。まあ参院選は仕方ないにせよ「今震災復興で苦しんでる熊本」に衆院解散総選挙で余計な負担背負わせていいのか、てことです。
 お断りしておけばこの種の「熊本震災を考えれば解散すべきではない」発言(さすがに「人でなし呼ばわり」ではないですが)は自公幹部議員からもありました。
 で阿比留がなんというかというと

 彼らは暗に、安倍晋三首相は人でなしで国益を考えておらず、人道に反する常識外れの人間だと言わんとしている。示し合わせてレッテル貼り作戦をやっているかと疑いたくなるぐらいで、感じの悪さが共通している。
 疑心暗鬼に駆られ、なりふり構わず相手を攻撃しようという衝動ばかりが浮き上がる物言いではないか。

と悪口雑言するだけです。「つまり阿比留ちゃんは熊本震災で苦しむ人たちがいるのに解散総選挙していいと思ってるの?。その辺りごまかさないではっきり言いなさいよ」て話です。

 枝野氏*9に至っては、矛先を同日選見送りを書いた本紙に向けてきた。
 「産経新聞が1面で(ボーガス注:野党の接戦に危機感を感じた安倍政権が同日選は)(見送りと)打つぐらいだから、ダブル選じゃないか」
 衆院北海道5区補選で野党統一候補が敗れた4月24日、枝野氏は記者団にこう言い放った。一瞬、意味が理解できずに担当記者に問い合わせたぐらいだが、枝野氏は週刊文春(5月5・12日号)にもこんなコメントを寄せていた。
 「産経の番記者にも『産経が先行して打ったのだから、逆にダブルで決まりじゃないの』と言いました」

 「本気かブラックジョークか」はともかく、「自民党御用新聞・産経が、野党を油断させるため、そして国民相手にサプライズを演出する為、自民の指示で謀略を仕掛けてきたんじゃないか」「デマ記事じゃないかと言われても居直るのが産経だから」つうのが枝野認識のようです。なるほど、その認識はありませんでしたが「もしかしたらある」かもしれない。
 まあ、さすがにそこまで産経も安倍もバカではないと思いますが。まあ「4/24時点はともかく」少なくとも「6/1以降」は明らかに「見送り報道は事実」でしょう。安倍も見送りとしか理解できない発言してますし。これを「やっぱ同日選やります」なんて言ったら人間性を疑われます。そこまで安倍もバカではないでしょう。

これは偏見に基づく侮辱であり、中傷である。これが、野党第一党の幹事長ともあろう者が言うことかと悲しい。

 辻元氏*10相手にデマ記事を書くなど無法なことばかりするからこういう扱いをされるだけです。産経と阿比留の自業自得です。
 むしろ

阿比留氏の辻元非難記事は偏見に基づく侮辱であり、中傷である。これが、全国紙の幹部記者の書く記事か、と悲しい。

でしょう。

*1:2015年、小学館

*2:個人サイト(http://www.morita-from-hungary.com/)。著書『ハンガリー改革史』(1990年、日本評論社)、『体制転換の経済学』(1994年、新世社)、『ポスト社会主義の政治経済学:体制転換20年のハンガリー・旧体制の変化と継続』(2010年、日本評論社

*3:http://www.mcpackaging.co.jp/corporate/statement.htmlによれば三菱商事パッケージング社長。まあいかに祖父や父のブランドがあるにせよ、そして三菱本社ではなく、子会社とは言え企業社長は無能では務まらないでしょう(もちろん日本ユニシス社長だった籾井NHK会長みたいなのもいますが)。安倍よりはずっと有能な人間かと思います。

*4:麻生内閣防衛大臣政務官、第二次安倍内閣外務副大臣を歴任。

*5:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党総務会長(中曽根総裁時代)、幹事長(竹下総裁時代)を歴任

*6:自民党幹事長、石橋内閣外相を経て首相

*7:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相を経て首相

*8:鳩山、菅内閣で厚労大臣政務官

*9:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相などを経て民進党幹事長

*10:社民党政策審議会長、国会対策委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調副会長などを経て民進党役員室長。