今日の産経ニュース(11/28分)

民進野田佳彦*1幹事長 内閣支持率60%を分析「首脳会談が評価につながっているかもしれないが、失態続きだ」
http://www.sankei.com/politics/news/161128/plt1611280023-n1.html
 小生のような安倍批判派にはおよそ理解できない調査結果ですね。安倍の何が評価できるのか。野田氏が言うように「トランプとの面会」でしょうか。ただトランプは「TPP離脱」を表明しているし、少なくとも表に出た事だけ見れば面会の成果など何もないのですが。「トランプタワーで話をして今後も日本は友好国だと言われた」程度の事は成果とはとても言えないでしょう。
 しかも「TPP問題」「南スーダン自衛隊派遣問題」「年金削減法案問題」どれ一つとっても手放しで評価できるような安倍を評価できる話ではないでしょう。しかも安倍の売りだったアベノミクスは景気を何ら良くしていないし、新たにぶち上げた働き方改革にしてもまだ何の成果もありません。
 日本人の愚劣さにげんなりしますが地道に安倍批判していく他はないのでしょう。


■「映画産業でアベノミクス実現を!」 日本映画の海外展開に政府本腰 検討会議議長の萩生田光一官房副長官
http://www.sankei.com/politics/news/161128/plt1611280032-n1.html
 まあ、ばかばかしいですね。海外進出どころか国内ですら邦画の興業は洋画相手に惨敗することが多いと思いますが。海外にも進出しているジブリアニメなどはあくまでも例外的存在でしかない。まずは国内で頑張れよ、という話でしょう。
 また「アベノミクス」てのも変な話でここではアベノミクスが「産業振興」みたいな意味で使われてますが、もともとのアベノミクスってそう言う話じゃないわけです。あくまでも「景気拡大」つう話であって(まあ景気拡大に成功してるとはとても言えませんが)。
 それはともかく面白い記述が。

 拡大する中国市場などに対し、政府を挙げて売り込みを後押しする構えだ。
(中略)
 検討会議議長の萩生田光一官房副長官はあいさつで「13億人の巨大市場を抱える中国と手を携えていくことは重要なテーマ。映画産業でアベノミクスを実現し国際文化交流に弾みをつける」と意気込みを語った。
(中略)
 国内の映画興行収入は近年、2千億円程度と横ばい状態。一方、中国の興行収入は2012年に日本を抜いて世界2位となり、15年には日本の約4倍の8160億円にまで拡大している。
 東映岡田裕介会長は会合後、記者団に「中国での上映には政府の許可が必要で三重四重の手間がかかった。政府間で交渉を進めてもらえば(規制緩和が)前進する」と期待した。

 昔はこの種の「興業ビジネスの海外展開」といったら「欧米」が主として考えられてたでしょうが今や「市場が大きい中国」がメインターゲットのわけです。「海外展開」と言うタイトルですが記事内容は「中国のこと」ばかり書いています。記事タイトルは「海外展開」じゃなくて「中国展開」の方が良かったんじゃないか。
 「アンチ中国のウヨ」の支持層を持ち、靖国参拝尖閣問題、南シナ海問題だのでは反中国的言動の目立つ安倍政権ですが結局「中国との経済関係」は無視できないわけです。「だったらお前ら、反中国的態度を辞めろよ、何で中国主催の70周年戦争記念式典に政府代表が行かへんかったの?(ウィキペディア「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典」によれば、G7諸国は日本以外の国は誰がでたかはともかく「大統領(ロシア)」「外相(フランス、イタリア)」「大使(米国、カナダ、ドイツ)」など何らかの政府代表を出しています)。何でAIIBに入らんの?。何で靖国に行きたがるの?」とは思いますが、「安倍が訪日したダライに会わない」程度には気を使うわけです。


■【正論】南スーダン派遣を名誉としたい 世論より自衛官の言葉を信じる 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛
http://www.sankei.com/column/news/161128/clm1611280006-n1.html
 まあばかばかしいですね。自衛官の本心がどうかはもちろんわかりません。ただし「南スーダン派遣万々歳」という立場の佐瀬と話をして「南スーダンに行きたくない」という自衛官はいるわけがないでしょう。佐瀬と喧嘩になる上、佐瀬に下手に自衛隊上層部に密告されたら左遷されかねません。本気で佐瀬が「俺の質問に自衛官は喜びを語っていた→自衛官南スーダン行きを喜んでる」と思ってるなら佐瀬はただのバカです。まあ、佐瀬もそこまでバカではなく、明らかに詭弁だと自覚してるでしょうが。
 そもそも問題は自衛官がどう思ってるかではなく「自衛官をそうした戦地に送ることが妥当かどうか」なのですが。
 佐瀬の主張「当人が納得してればいい」なら「エホバの証人」輸血拒否だって正当化出来るでしょう。
 もちろん「輸血拒否=南スーダン派遣」ではありませんが、「当人が納得してればいい」で済まない話はいくらでもあり、その一つが南スーダン派遣であることは確かでしょう。


■【歴史戦】国連日本人委員長を「即時解任せよ」慰安婦問題「不当見解」「国民運動」が外相宛に署名提出
http://www.sankei.com/politics/news/161128/plt1611280006-n1.html
 まあばかばかしいですね。先ず第一に解任したところで何がどうなるわけでもない。林氏が仮に「慰安婦問題」でウヨ連中の望む方向で動いた*2ところでそんなん支持されるわけがない。林氏の委員長就任前にクマラスワミ報告、マクドガル報告を出したのが国連ですから。
 林氏がウヨの希望通り動いても世界各国から非難されたり、無視されたりするだけです。そして林氏を解任すれば別の国の委員が委員長になるだけです。そしてその委員長が日本ウヨのいいなりに動くわけもない。
 第二に日本の建前は今でも「河野談話」なのだから本来解任する理由がない。
 第三に「日本出身だから日本のいいなりに動け」というなら、「他の委員も出身国のいいなりに動いて問題ない」ことになるわけですがそれを産経は認めるのか。そもそも建前では「出身国から一応独立した存在」なのが、この種の委員のわけです。まあ、安倍ですらそんなバカはしないと思いたいところですが、安倍には常識が通用しないので何とも言えません。

*1:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相を歴任

*2:もちろん櫻井よしこのような極右を委員にしない限り、林氏以外の人間でもそんなことしませんが。