新刊紹介:「前衛」8月号

「前衛」8月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。
 http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
■本格化する「安倍改憲」の動きと理論的対決点(小沢隆*1
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■首相の9条改憲発言 無制限に海外派兵へ、BS番組 小池書記局長が批判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-05/2017050501_01_1.html
■自民改憲案 年内に提出、首相言及 党内議論すら無視
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-25/2017062501_02_1.html
■異常加速、安倍改憲の危険な本質
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-26/2017062602_03_1.html
自衛隊明記で9条2項空文化、自民・石破氏*2が指摘、「読売」インタビュー
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-28/2017062801_03_1.html


■軍事研究推進に対抗する日本のアカデミアへ(井原聰)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■主張『学術会議の新声明:軍事研究への明確な拒否回答』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-01/2017040101_05_1.html
■研究の軍事利用拒否しよう、日本科学者会議がシンポ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-26/2017062601_04_1.html


■内部資料、証言が示す「加計学園」問題(三浦誠)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-22/2017062201_01_1.html
■「加計学園」問題 「萩生田氏の関与」続々:文科省の記録から 首相側近 加計氏とも親密(三浦誠)
 本紙が入手した内部文書「10/7萩生田副長官ご発言概要」は、昨年10月7日ごろ、文科省が萩生田氏の発言としてまとめた文書です。当時は加計学園獣医学部新設が国家戦略特区で認められる3カ月以上前。新設に慎重だった文科省は、内閣府に「平成30年(2018年)4月開学を大前提に」「官邸の最高レベルが言っている」と迫られ、萩生田氏に調整を依頼しました。
(中略)
 昨年10月21日には文科省高等教育局長が萩生田氏と面会。この際の記録が20日に公表された「10/21萩生田副長官ご発言概要」です。これによると萩生田氏は、「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた。工期は24ケ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった」と通告。「文科省だけが怖じ気づいている」「官邸は絶対やると言っている」と述べたとしています。調整の結果、最後通牒(つうちょう)を突き付けられたようなかっこうです。
(中略)
 萩生田氏は落選中に加計学園系列の千葉科学大学客員教授を務め、報酬を得ていました。現在も名誉客員教授です。今月16日の参院予算委員会では、安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長について、「腹心の友と確認したこともないし承知していない」と答弁。しかし萩生田氏のブログには、13年5月に、安倍首相や加計理事長と一緒にバーベキューを楽しむ写真が掲載されています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-06/2017070601_03_1.html
■加計人脈 政権中枢覆う:加計氏“安倍さんと親しい”(三浦誠)
 安倍首相は米国留学中に加計氏と親交を結びました。1993年の初当選から数年間は、同学園の役員を務め、年間14万円の報酬を得ています。
 14年には同学園系列の千葉科学大学(千葉県)の式典で、こんなあいさつをしました。
「どんな時も心の奥でつながっている友人、私と加計さんもまさに腹心の友だ」(千葉日報
 首相夫人の昭恵氏も深い付き合いが…。昭恵氏は加計学園系列の認可外保育施設で、名誉園長に就任。同じく系列の学校法人のパンフレットに、「心より応援します」というコメントを寄せています。首相訪米時には、同法人と提携するグレートフォールズ小学校を、オバマ大統領夫人(当時)と訪問しています。
(中略)
 安倍首相の最側近といわれる下村博文文部科学相。2012年12月、第2次安倍政権の誕生とともに文科相に就任しました。
 当時、文科省獣医学部新設を禁じていました。加計学園にとって、乗り越えなければならない壁でした。
 下村氏は加計氏と「特別親しくない」としています。それなのに13年、14年には同学園の秘書室長が下村氏の事務所にパーティー券代として現金100万円をもってきました。
 14年10月17日には、内閣改造文科相に留任したことを理由に会食。「誰でもいいから」と言われ下村氏は、愛媛県選出の塩崎恭久厚労相と山本順三参院議員を同行しました。
 下村氏が文科相だった15年6月には、獣医学部新設の検討を閣議で決定。規制緩和の第一歩を踏み出しました。
 もう一人の首相側近、萩生田光一官房副長官は、同学園系列の千葉科学大学の名誉客員教授です。09年の落選後には客員教授として報酬を受け取っていました。加計氏とは安倍首相の別荘で一緒にバーベキューを囲む仲でもあります。
 萩生田氏は官邸で各府省から獣医学部新設に関する相談を受けていました。文科省の内部文書に、萩生田氏の名前が出てくるのは、昨年10月ごろ。内部文書によると萩生田氏は「官邸は絶対やると言っている」と獣医学部新設をすすめる発言をしています。
 文科省あてのメールには、萩生田氏は獣医学部新設の規制緩和を認めた国家戦略特区諮問会議の原案に今治市に有利な修正を指示した、という記述があります。
 “加計人脈”は首相側近にとどまりません。昨年8月下旬、文科省前川喜平事務次官(当時)に獣医学部新設を早くすすめるよう求めた木曽功内閣官房参与(当時)は、千葉科学大学の学長です。
 加計学園獣医学部新設を進めてきた愛媛県の加戸守行元知事は、安倍首相が開催する「教育再生実行会議」の委員です。加戸氏は「実行会議の大きなドリルで穴をあけて」と獣医学部の新設を何度も会議で求めています。
 文科省関係者は証言します。
「もともと文科省の人選では加戸氏の名前はなかった。首相の意向で選ばれたと聞いている」
 安倍首相の周囲にこれほどまで“加計人脈”が集まり、獣医学部新設に関わっているのは偶然か。
(中略)
 獣医学部新設の経緯を知る自民党関係者は指摘します。
「経過をたどると第2次安倍政権成立後から、獣医学部新設が周到に準備されはじめたとしか思えない」


■注目される「赤旗」のジャーナリズム力と、その役割、魅力について語る(小木曽陽司)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-23/2017042301_03_1.html
赤旗『元「週刊SPA!」編集長が語る「赤旗」の値打ち、これぞジャーナリズム』ツルシ・カズヒコさん
 元『週刊SPA!』編集長で本紙「たび」欄執筆者であるツルシカズヒコさんは、「しんぶん赤旗」を読み始めて約1年。今や妻のワタナベ・コウさん*3(裁縫絵師)と奪い合うように読んでいるという「しんぶん赤旗」の値打ち、役割について語ってくれました。
 ツルシさんは日本の近代史に興味があります。最近注目したのは、戦前の日本で、特別高等警察が雑誌『改造』の論文を共産主義の宣伝だと問題にし、大弾圧した横浜事件を扱った記事です。
 3月1日には、アメリカが行った水爆実験により第五福竜丸などが犠牲になったビキニデー関連記事、3月10日の東京大空襲などの記事も印象に残っています。
 「『赤旗』には事件を風化させないぞという意気込みがあり、繰り返し報道するすごさがありますね。そこが大きな魅力の一つです」と言います。
 2点目にあげたのが大企業批判です。
 「トヨタ自動車がいかにもうけていて、内部留保がいっぱいあるかということ、日立が3000人解雇したが、内部留保を使えば解雇しないですむこと、アップルの税逃れや日本航空の不当解雇の追及など、どれもすばらしい」
 ツルシさんは、現役の編集長時代に苦労してきたことがあります。それは、広告収入があるために広告主の意向で企画が左右されたり、思うような記事が書けなかったりしたことです。
 「広告収入に頼らないでやっている『赤旗』はすごいなと感じますね。それがいかに編集を自由にするかということです。企業の名前をきちんと出し、数字をあげて批判していく。これぞジャーナリズムの基本、原点だなという目で毎日『赤旗』を読んでいますよ」
 今の日本でジャーナリズムと呼べる新聞は「赤旗」くらいと評価するツルシさん。他の新聞と比べてこう言います。
 「(ボーガス注:朝日、読売、毎日、日経の)四大新聞を例にあげても、新聞はわかりにくいです。それが自分の知識不足のせいだと若い頃の私は思い込んでいたのですが、そうではなく、四大新聞はわかりにくいように書かれているのです。資本主義の根本問題からスタートしている『赤旗』はわかりやすく、問題を隠ぺいしている四大新聞はわかりにくいのです」
 ツルシさんが「ここ数カ月で私的にもっともウケた」記事、それは、池内さおり衆院議員の「国会議員 駆けある記」(首都圏版)です。池内議員が東京・足立区の町会の新年会に出向くと「俺は公明党」という人がいて空気が一気に凍り付いたが、最後には「さおりちゃん」とワインをつがれた話。そんな党員や議員の生身の人間の魅力をこれからも取り上げてほしいと語っています。
■ツルシカズヒコさん*4
 1955年8月5日生まれ。早稲田大学法学部卒。アニメ専門誌『月刊OUT』(みのり書房)、『月刊プロ野球ニュース』、『週刊サンケイ』(サンケイ出版(現・扶桑社))を経て元『週刊SPA!』編集長

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-05/2017080502_04_1.html
赤旗『生放送!とことん共産党:「日本共産党大発見」、ゲストにワタナベ・コウさんとツルシカズヒコさん夫妻を迎え
 日本共産党のインターネット番組「とことん共産党」は3日夜、服装家・イラストレーター・漫画家のワタナベ・コウさん、編集者・ライターのツルシカズヒコさん夫妻をゲストに迎え、「日本共産党大発見」と題して司会の小池晃書記局長、朝岡晶子さんと共に語り合いました。
 「政治に無関心で共産党の姿は見えなかった」というワタナベさんと、フジサンケイグループの出版社から発行されている『週刊SPA!』の編集長だったツルシさん。そんな2人が、日本共産党にふれての“発見”を紹介しました。
 冒頭、ツルシさんが東京都議選共産党の折笠裕治候補(渋谷区)の応援演説に立ったことが話題に。「何を言い出すか危惧はなかったのですか」というツルシさんに、「何も心配していません。幅広い人たちが応援してくださることが大事ですから」と小池氏。続いて2人の六つの発見がテーマになりました。
 「ソ連や中国と同じようなものではなかった」「『共産党』という党名は損ではない」「野党なのに外交している」「共産党は宗教を大事にしていた」の他、「共産党自衛隊を即廃止と言っているわけではない」を挙げたワタナベさん。憲法自衛隊の矛盾の解決は国民の合意で段階的に進めるという党の方針に感心。小池氏は、国会論戦で安倍晋三首相もそれを知らずにびっくりしていたというエピソードを紹介しました。
 「ジャーナリズムを遂行している新聞があった」を挙げたツルシさんは、「しんぶん赤旗」の大企業実名報道が衝撃的だったと話しました。小池氏は「大企業をおとしめようというのではなく、労働者を守ることが企業の未来につながるという立場で追及しています」と話しました。
 最後にワタナベさんが、番組中に描いたイラストを見せながら、「野党と市民連合の共闘の流れは止められません。そのまま突き進んで」とエール。小池氏は「大事なところを見ていただき、うれしく思います。もっと頑張ります」と応じました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-08-17/2017081704_01_0.html
赤旗『生放送!とことん共産党共産党 六つの大発見』ワタナベ・コウさん ツルシカズヒコさん
 「日本共産党大発見!!」
 服装家でイラストレーター・漫画家のワタナベ・コウさん、編集者・ライターのツルシカズヒコさん夫妻をゲストに迎え、小池晃書記局長らが日本共産党について語り合ったインターネット番組「とことん共産党」(3日放送)が話題です。「政治に無関心で共産党の姿が見えなかった」というワタナベさん。フジサンケイグループの出版社から発行されている『週刊SPA!』の編集長だったツルシさん。共産党に触れての“六つの発見”部分を紹介します。
■発見1 共産党自衛隊を即廃止と言っているわけではない
 生で共産党の街頭演説を聞いたワタナベさんの“発見”は、自衛隊への対応です。「“北朝鮮に攻められても共産党自衛隊出動に反対するんか”と思っている人も多いと思いますけど、(共産党自衛隊を)段階的に廃止していく。(国民)多数がそういう意見を持ったら、という考えがあるんだなということを知りました」と驚き。党綱領では自衛隊について「海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」と明記しています。
 小池さんは、参院予算委員会での安倍晋三首相との論戦を紹介。自衛隊明記の9条改憲の立場から共産党を攻撃した首相に対し、自衛隊の段階的廃止の立場を展開したところ首相が驚いたことや、予算委終了後、官僚も「共産党って自衛隊をすぐなくすんじゃないんだね」と語っていたエピソードを紹介しました。
■発見2 ジャーナリズムを遂行している新聞があった
 ツルシさんの“発見”は「しんぶん赤旗」の値打ちです。
 「ニュースって、新聞を読んでもよくわからない。で、目からウロコが落ちたのが、やっぱり『赤旗』を読んでから。歯切れがいい。その真髄は、大企業の実名を挙げて出すこと」とツルシさん。新国立競技場建設で大成建設の下請け労働者が過労自殺した問題や日本航空の熟練労働者の解雇、日立製作所の3000人解雇、トヨタ内部留保の告発など企業の実名を挙げた「赤旗」報道を紹介し、「なかなか一般の新聞は(企業名を)出さないと思いますし、僕がやっていた『SPA!』なんかでは当然出せないわけですよ」と感想。日本共産党の95年の歴史に注目し、「党としての継続性があることに信頼が置けるし、日々勉強させてもらっているという意味で愛読しますよね」と語りました。
 小池さんは、国会質問や「赤旗」で損保ジャパン日本興亜の違法な裁量労働制拡大の問題を取り上げたことで厚労省が撤回したことを紹介し、「やっぱり企業名を挙げて追及しないと政府も動かない。それは企業をおとしめようというのでなく、企業の労働者を守るということ。ひいては企業の未来にもつながる話です」と応じました。
■発見3 「ソ連や中国の共産党と同じようなもの」ではなかった
 「私、(日本共産党は)ソ連共産党の下部組織だとずーっと思っていました」というワタナベさん。高校時代に起こった旧ソ連によるアフガニスタン侵略(1979年)の影響が大きかったと振り返りました。ワタナベさんは、アフガン侵略開始当時、赤旗特派員だった緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者から、実際アフガンに入りソ連による侵略だと判断し、日本共産党が抗議したという話を聞き、まったく違う共産党なんだと思った“発見”を語りました。
■発見4 共産党という党名は「損」ではない
 「『共産党』(コミュニスト・パーティー)という名前は、私はわりといい、というかむしろ、中国共産党のほうが名前を変えたらいいのにと」と語ったワタナベさんの次なる“発見”は党名へのこだわりです。
 「『コミュ』って、一緒にっていう意味がつくので、とてもなんか、いい感じじゃないですか。だから、うーん、いいなあと思いますけどね」
 小池さんが「コミュニティーセンターなんていっぱいありますもんね。別に悪いイメージないですし」と応じると、ワタナベさんも「そうですね。コミュニケーションとかね」。
■発見5 野党なのに「外交」している
 「これはもう驚きましたよ。共産党って政権もとっていないのに外交活動をしている」とワタナベさん。「赤旗」を読むと、在日本大韓民国民団(民団)中央本部の新年会に共産党幹部があいさつしたり、アジア政党国際会議に参加するなど、野党外交を展開している姿がわかったといいます。
 「よく考えたら『ああそうだな』って。日本の戦前の戦争を侵略戦争と認めているのは共産党。(侵略戦争と日本政府が)認めていないから今、外交がちゃんとやれていないわけだから」。ワタナベさんの“発見”は続き、核兵器禁止条約の国際会議にも日本政府は参加しないのに日本共産党は参加したことについても、「世界での赤っ恥を救ったことにもっとアピールがあればいい」と提案しました。
■発見6 共産党は宗教を大事にしていた
 最後は、宗教への対応です。
 「私は科学と宗教に興味をもって、いろいろ本を読んだことがあるんですけど、(共産党は)宗教とか心を否定していると思った」とワタナベさん。しかし、党宗教委員会の平静丸責任者の話を聞いて“発見”したことを語りました。
 「共産党というのは、政治活動をする団体。宗教者であることとかは問わないし、いま同じ目的に向かって連帯するというお話でした。ああ、なるほどなって」
 小池さんは、「僕らは、政治が宗教を利用するとか、政権を維持するために宗教を使うとか、そういったことはダメだと思う」「さまざまな政治の問題を解決するためには、神を信じるものも信じないものも、力をあわせようというのが僕らの立場だし、レジスタンス(対独抵抗運動)もそうですよね。宗教というのは、積極的な面をものすごく持っていると思いますね。宗教を大事にする政党です」と語りました。


■韓米FTAは亡国の協定:米国との二国間協定の問題点(郭洋春*5
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■米国優先 こんなに:TPPの先行モデル 米韓FTAにみる“毒素”
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-27/2011102703_01_1.html
■米韓FTA 米国は国内法優先、“不平等協定”韓国で批判、TPPにも同じ懸念
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-03-15/2012031501_01_1.html
■国を滅ぼすTPP:韓米FTAに見る主権制約
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-04/2013030405_01_1.html


■「マクロンのフランス」成立とその行方(米沢博史*6
(内容紹介)
 ネット上の米沢氏の記事紹介で代替。米沢氏と前衛誌が「オランドのコピー」マクロンに批判的なことが分かるかと思います。

よねちゃんの気ままなノート(米沢博史)
■2017年フランス大統領選(第一回投票)について
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12268521328.html
■フランス大統領選(第二回投票)の結果について
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12272847398.html
■【フランス】マクロン大統領が進める労働法改革の方向性①
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12277830924.html
■【フランス】マクロン大統領が進める労働法改革の方向性②
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12278053933.html
■【フランス】マクロン大統領が進める労働法改革の方向性③ 従業員代表制度
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12278988655.html

https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12279136941.html
■玉手箱とマクロン大統領
 さて、これまで3回連載で、マクロン大統領の労働法改革の方向性について3つの側面を見てきた。どの側面をとっても、(ボーガス注:オランド政権経済産業相らしく)オランド大統領が進めてきた改革と方向性が同じで、前政権が(ボーガス注:労組や左派政党などの批判に)妥協した部分を(ボーガス注:財界寄りに)遂行し、完成させようとするものだ。
(中略)
 オランド大統領の支持率はあまりに低迷したため、第五共和制で初めて、二選目の大統領選に出馬しない大統領となった。オランドの肝いりで立候補したバルス首相はといえば、社会党の大統領候補を決める予備選挙で、左派のアモンに敗退した。
 しかし、(ボーガス注:オランドやバルスの影に隠れて同類の)マクロン経済相は生き延びた。

https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12283969465.html
マクロン新党が圧勝する理由(1):制度の問題
小選挙区制による増幅マジック
 まず、この問題を考える前提として、多数政党がその得票以上に議席が獲得できてしまうという小選挙区制という仕組みのマジックを挙げなければならない。ここを踏まえなければ「マクロン旋風」を現実とかけ離れて、過大評価してしまうことになってしまうからだ。
 大統領与党(共和国前進と民主運動)の第一回投票の得票率は32.3%である。一方、棄権率が51.3%と第5共和制施行以後、最高に上った。全有権者(選挙登録者)から見ると大統領与党に投票したのは、わずか15.4%程度だ。
 民意が正確に反映する比例代表制だったらどうだったか? 第一回投票日の翌日、「ルモンド」紙ウェブサイトはその試算を掲載した。それによると、全国一区の完全比例代表制だった場合、大統領与党が186議席、保守・共和党などが124議席、極右政党が85議席フランス共産党とメランション新党などが84議席社会党環境政党などが80議席になるはずだったという。
 民意を歪める小選挙制の欠点があからさまに表れている。

マクロン新党が圧勝する理由(2):二大政党への不信と“変革”への期待
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12284254917.html

https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12284397729.html
マクロン新党が圧勝する理由(3):極右に勝利した“ヒーロー”
 (ボーガス注:ルペンよりマシとは言え)マクロンの政策の方向性が評価されるべきものなのかどうかという点は、別の問題である。

マクロン新党が圧勝する理由(4):期待を抱かせる斬新な手法と安定感
https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12284547148.html
①「ほぼ」超党派内閣と政界再編
 大統領就任後の組閣も、画期的なものだと受け止められた。超党派、民間起用、男女同数の3点がポイントだ。
 首相は、共和党の大物ジュペ*7の側近だったフィリップを指名。閣僚と政務長官22人のうち、半数を政治家ではない民間人から登用し、男女同数にした。
 民間登用としては、エコロジストの活動家として国民的人気を誇るジャーナリストのユロを、環境相に任じ、「国務相」(上級閣僚)という名誉的地位を与えたことがとくに注目を浴びた。他の「国務相」は論功行賞で、マクロンを当初から支援してきたリヨン市長のコロン内相(社会党出身)と、今年1月から連合を組んだ「民主運動」党首のバイルー法相だ。
 だがここで注目すべきなのは、経済相や予算相という経済・財務が共和党で占められている点だ。ジュペ派のフィリップ首相とともに、この分野では共和党の政策路線を受け継ぐ意思が、この布陣からも見て取れる。
(中略)
 メランション*8の新党「屈しないフランス」やフランス共産党などの左翼と極右が入っていない。
 総選挙では、社会党から共和党までマクロン新党にすりよる政治家が相次いで表れ、両党の内部の亀裂をさらに深めた。どこか小池新党に揺れる都議会に似ている。それが政界再編の加速と好意的に報道された。
 オランド大統領下で首相を務めたバルス*9も、総選挙では、ドロ船の社会党から逃げ出し、マクロン新党の公認を求めた。さすがに、マクロン新党はこれを退けたが、このエピソードもマクロンの“改革派”としての信用を高めることに役立った。
(中略)
③「エスタブリッシュメント」の“安定感”
 マクロンは、(ボーガス注:フランスの東大などと呼ばれる名門)グランゼコール国立行政学院(ENA)を卒業し、ロスチャイルド財閥の銀行に勤めた後、オランド大統領下のバルス内閣で経済相を務めたという、「エスタブリシュメント」(支配層)の王道を歩んできた人物だ。
 後見役には、日本でも“知の巨人”や“予言者”などと評されて、その名が知られているアタリ*10が控えている。アタリは経済学者だが、ミッテラン大統領時代には政策顧問を、サルコジ*11大統領時代には政府の諮問委員会(アタリ委員会)を任され、政財界に幅広い人脈を築いてきた。アタリ委員会の報告者だったマクロンは、アタリの全面的な信任を受け、政治・経済・文化・メディアなど様々な分野の人脈を受け継いできた。オランド前大統領にマクロンを紹介したのもアタリだった。

https://ameblo.jp/yone42yone/entry-12284680833.html
マクロン新党が圧勝する理由(5):左翼の分立と棄権率の高さ
(今日がフランス総選挙の第二回投票日。投票が始まる前にこの連載を終わらせます。
 この続きおよび最終結果を受けての論文は、結果が判明し次第、ある月刊誌*12に執筆する予定です。)
 「ルモンド」紙のシャピュイ政治部長は、ウェブサイト上のインタビューのなかで、「総選挙での記録的な棄権率は、共和国前進マクロン新党〕の失敗というより野党の失敗ではないのか? 共和国前進の支持者は投票に動いたのに、他党派は動かなかったのでは?」との質問に対し、次のように指摘している。
「詳しく見ると、(大統領選と比べて)共和党は維持し、社会党は若干、前進している。失墜しているのは、(ボーガス注:ルペンの)国民戦線(FN)と(ボーガス注:メランションの)屈服しないフランス(FI)だ。」(「ルモンド」ウェブ6月13日付)
 左翼の統一と団結をどう勝ち取るかは、大統領選の当初から問題となっていた。フランス共産党(PCF)のロラン全国書記(党首)らは、そこでの大同団結を求めてきた。
 ロランは昨年11月初め、左翼各派と協議を経て、大統領選ではメランションを推すと発表(中略)メランションはただちにこれを歓迎し、大統領選での両者の選挙協力が成立した。
(中略)
 そこでロランは大統領戦後、「メランションに投票した有権者の多数の期待と希望に応える」ために、総選挙にむけてメランションなど左翼各派の「公正で代表性のある全国協定」締結を提案した。(中略)
 しかし、メランションはフランス共産党との選挙協力を拒否し、ほぼすべての選挙区に「屈服しないフランス」の候補者を立てた。政党間の選挙協力がものを言う小選挙区制のもと、第一回投票は分立した左翼に厳しい結果となった。
 メランションは、自分の新党「屈服しないフランス」が、社会党フランス共産党より多くの得票を獲得して、「左翼の主導的地位についたのを確認」(「ルモンド」6月13日付)。そのうえで、第二回投票では、党公認候補とともに、フランス共産党や、エルコムリ法に反対した社会党造反組の候補に投票するように呼び掛けた。
 初めから左翼が統一していれば、(ボーガス注:マクロン派が圧勝したフランス総選挙の)様相は違ったものになっていたかもしれない。
(おわり)


特集『相模原事件一年:排除しない社会をつくるために』
■重い障害のある人の姿とこころを理解する(高谷清*13
■優生思想の根深さにどう向き合うのか(竹内章郎*14
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

NHK『相模原障害者施設殺傷事件 第4回 竹内章郎さんインタビュー』
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/251565.html
NHK『相模原障害者施設殺傷事件 第5回 高谷清さんインタビュー』
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/252181.html


ハンセン病問題は終わっていない:『ハンセン病児問題史研究』*15を編んで(上)(清水寛*16
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://mainichi.jp/articles/20170129/ddm/015/070/044000c
毎日新聞『今週の本棚・新刊:『ハンセン病児問題史研究 国に隔離された子ら』=清水寛・編著』
 90年近くにわたり、国家権力によって社会の片隅に追いやられたハンセン病患者たち。著者は「官民一体」となって「絶対隔離」を容認し、「深刻かつ取り返すことのできない人権侵害・人生被害」を与えた事実を直視する。とりわけ子供たちが受けた痛みは特別だ。ハンセン病児だけでなく、患者を親に持つ子供たちも「未感染児」と呼ばれ、親と切り離され施設に収容。学校では受け入れ拒否に遭い、差別を受け続けた。
 戦時中、患者らの隔離政策はより抑圧の色を強め、本書では「軍国主義国粋主義による民族浄化のための患者絶滅という優生主義の思想がその基礎にあった」と指摘する。
 編著者は、子供たちが受けた苦しみを多くのインタビューや膨大な資料の分析で掘り起こし、自身の大学のゼミでも研究課題とした。障害児教育学の研究者だが、戦時中に多くの知的障害者が戦場に徴用された事実や、今も精神障害に苦しむ「未復員兵」の存在にも光を当ててきた。
 そこに通底するのは、病気や障害などハンディを負う人への温かいまなざしと、「優生思想」の下で弱者を抑圧し、時に都合良く利用する権力への怒りだ。


公的年金の給付設計の改革方向を考える(河村健吉*17
(内容紹介)
 河村氏は日本の年金給付の所得代替率(年金が現役世代の所得の何%かという率)が欧州諸国と比べて低いことを指摘。欧州諸国並みに率を引き上げることを主張している。引き上げ方法についてかなり細かい話で良く理解できなかったので紹介は省略する。引き上げ方法については「所得代替率の高い欧州諸国の年金施策の中から日本にあったものをセレクトする」というのが河村氏の基本方針ではある。


■冷戦に出征したソヴィエト科学:初期核兵器開発から“原子力時代”の曙へ(市川浩*18
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
 なお、市川氏はシリーズ「ロシア革命ソ連の世紀」第4巻『人間と文化の革新』(2017年9月発売予定、岩波書店)発売予定、岩波書店)に

https://www.kinokuniya.co.jp/c/20170516151953.html
6章 科学―"強大なソヴィエト連邦"の背後に 

を執筆しているのでそれも参照して欲しいとのことです。

http://dokushojin.com/article.html?i=718
週刊読書人『書評:科学の参謀本部』(富田武*19
 ロシア・ソ連科学アカデミーと聞くと、「ソ連水爆の父」から平和運動に転じたサハロフ*20博士、少し関心のある人でも生物学者ルイセンコのような個人は思い浮かべるかもしれないが、組織としての科学アカデミーを論じた著作は日本にはなかった。それを「科学の参謀本部」と名づけた点に、科学と技術が不可分であり、これを国家が全面的に支援し、指導する旧ソ連の体制の特質が的確に表現されている。
 そのロシア・ソ連科学アカデミーの歴史を、第一部「帝国と科学アカデミー」、第二部「ヴラジーミル・ヴェルナツキー」、第三部「スターリンと科学アカデミー」、第四部「ルイセンコ事件再考」、第五部「戦争・冷戦と科学アカデミー」、第六部「戦後ソ連社会主義と科学アカデミー」という構成で論じたのが本書である。見られるように、基本的には時代順だが、代表的科学者や論争に焦点を当てるパートもあるのは、ロシアと日本の科学史家の共同研究に基づく論文集だからである。
 ロシア・ソ連という国は、冷戦「敗北」で評価が下がってしまったが、周期律表のメンデレーエフやロケット開発のツィオルコフスキー*21を生んだ国であり、米国に先駆けて人工衛星を打上げ、大陸間弾道ミサイル発射実験をした科学技術大国であった。後発近代国家の常として科学研究と技術開発は国家的支援を必要とし、なおかつ市場経済を排除した以上は、知的人材・資源を集中する科学アカデミーが不可欠だったのである。
 たしかに、政権は共産党が握り、唯物論弁証法、階級社会論が国是であるが、科学技術が政治に一方的に従属していたと考えるのは、早計である。ルイセンコの台頭は、一九二〇年代末から三〇年代にかけての「文化革命」に伴うブルジョア科学批判、科学アカデミー及び各研究所の指導的学者のライバル争い、社会主義的農業生産力の高さを示すには遺伝学に代わってミチューリン生物学(春化処理法)が必要になったこと、といった複合的な事情の結果に他ならない。
 本書で教えられることは、科学史を「政治に対する科学の従属」(科学者は政治の犠牲者)といった紋切り型の図式から解放し、学説や論争に即して実証的に説明することの重要さである。とくに科学アカデミーの運営や組織実態、常任書記の役割を丹念にフォローし、学問上のライバルがマルクス主義の言説を利用して相手を攻撃するといった、右「従属」論とは一見逆の現象にも着目している。
 関連して、一九四八年八月の全連邦農業科学アカデミー総会のルイセンコ報告草案にスターリンが修正を加え、「政治権力による科学に対する政治イデオロギー的干渉の証拠となり得る文言を草稿から一切削除した」(三二〇頁)という発見は重要である。われわれは、スターリンが一九五〇年に言語学についてマールの「階級性」論を批判し、欧米言語学の達成を擁護したことは知っていたが、それに先立つ修正だったからである。
 となると、どうしても気になるのは、右のようなスターリンの態度と、同時期に冷戦激化に伴い、ジダーノフの指導で「コスモポリタニズム」批判が行われ、発明発見のほとんどはロシア・ソ連が世界最初だったとする荒唐無稽な愛国主義的キャンペーンがはられたこととの整合性である。この点は本書で触れられていないので問うてみたい。
 総じて、本書は従来「政治に対する科学の従属」図式で分かったような気になっていたソ連科学史、科学アカデミーの歴史に、アーカイヴ文書に基づいて数多くの知見を提供した好著である。「科学の集合体に内在的に備わる抵抗力の大きさ」「ソ連科学に内在的に機能していた自浄作用」(三〇六頁)も、そうした知見の一つである。
 強いて小さな難点を挙げるなら、「PRキャンペーン」(一八六、一九五頁)は原文どおりなのかも知れないが、訳語としては不適切である。また「最高裁軍事委員会」(二〇八頁)は、「最高裁軍事法廷」(国事犯を裁く)の誤りであろう。

参考

https://www.kinokuniya.co.jp/c/20170516151953.html
■第1巻
世界戦争から革命へ
責任編集 池田嘉郎*22
・総説 ロシア革命とは何だったのか   池田嘉郎

Ⅰ 岐路に立つロシア帝国
1.経済のグローバル化ロシア帝国   左近幸村(新潟大)
2.日露戦争ロシア帝国のネイション・ビルディング   土屋好吉(日本大)
3.総力戦社会再訪―第1次世界大戦とロシア帝政の崩壊   松里公孝(東京大)

Ⅱ 動乱と再生
4.二月革命―帝政エリートの反乱   アンドレイ・ニコラーエフ(ロシア国立教育大)
5.赤い動乱―十月革命とは何だったのか   ウラジーミル・ブルダコーフ(ロシア史研究家)
6.ボリシェヴィキ政権の制度と言説   池田嘉郎
7.ロシア革命と極東の国際政治   ヤロスラブ・シュラトフ(広島市立大)

Ⅲ 新しい社会の模索
8.ソヴィエト政権と農民―「労農同盟」理念とネップの運命   浅岡善治
9.社会刷新の思想としての計画化   鈴木義一(東京外大)
10.ネップのソ連と亡命ロシア   中嶋毅*23

コラム
a.帝政末期の社会とツァーリの表象   巽由樹子(東京外大)
b.革命ロシアと世界のユダヤ人   鶴見太郎*24(東京大)
c.ユーラシア主義とソ連   浜由樹子*25(津田塾大)
d.ハンガリー革命   辻河典子(近畿大
e.シベリア出兵と極東共和国   井竿冨雄*26山口県立大)


■第2巻 
スターリニズムという文明
責任編集 松井康浩・中嶋毅
・総説 スターリン*27体制の確立と膨張   松井康浩*28

Ⅰ 社会主義的近代化
1.社会主義的工業化―理念・実績・評価   上垣彰*29西南学院大
2.農業集団化―コルホーズ体制下の農村   日臺健雄(和光大)
3.国民意識の形成―ソ連国家の発展と自国史像の構築   立石洋子*30 (成蹊大)

Ⅱ 統治のメカニズム
4.スターリン独裁下の社会と個人   松井康浩
5.テロルと民主主義   ウェンディ・ゴールドマン(カーネギーメロン大)
6.大祖国戦争と戦後スターリニズム   長尾広視(在ロシア日本大使館

Ⅲ 国境を越えるスターリニズム
7.コミンテルンから中国革命・中ソ対立へ   石川禎浩*31(京都大)
8.スターリン石原莞爾*32―満ソ国境をめぐる攻防   麻田雅文*33(岩手大)
9.日ソ戦争   井潤裕*34 (北海道大)
10.ソ連による東欧「解放」と「人民民主主義」   吉岡潤*35 (津田塾大)

コラム
a.収容所労働はソ連工業化に貢献したのか   上垣彰
b.ソ連の「文化革命」   新井正紀(国立公文書館
c.シベリア拘留と研究の現在   富田武(成蹊大学名誉教授)
d.東ドイツソ連と西ドイツの間での選択   熊野直樹*36(九州大)
e.現代ロシアにおけるスターリン   溝口修平*37中京大


■第3巻
冷戦と平和共存
責任編集 松戸清裕*38
・総説 冷戦と平和共存・平和競争   松戸清裕

Ⅰ 経済発展と近代化の光と影
1.農村の近代化と生活水準の向上   野部公一*39専修大
2.経済開発と公害・環境問題   徳永昌弘*40(関西大)
3.ペレストロイカの下での経済改革―その成果と限界   浅川あや子(千葉商科大)

Ⅱ 社会主義・民主主義・自由
4.利益の同質性の中の齟齬―スターリン後のソヴィエト民主主義理念   河本和子*41 (中央大)
5.統制下の「自由」―スターリン後のソ連における社会生活の一面   松戸清裕
6.ペレストロイカ共産党体制の終焉   大串敦(慶応義塾大)
7.ポスト冷戦時代のリベラル・デモクラシー   油本真理*42(北海道大)

Ⅲ 東西冷戦とその帰結
8.東西冷戦下の経済関係―ソ連コメコンと西欧   藤沢潤(神戸大)
9.アメリカ合衆国にとっての冷戦―軍事的対抗と国際交流   佐々木卓也*43(立教大)
10.ポスト・ソ連空間と周辺世界―冷戦終結から国際テロの時代の中で   湯浅剛*44広島市立大)

コラム
a.ヤミ経済―計画経済のなかの「市場経済」   志田仁完(一橋大)
b.チェルノブイリ原発事故とヨーロッパの脱原発運動   本田宏*45(北海道学院大)
c.大砲から生まれた民主主義―エリツィン大統領の議会砲撃   溝口修平
d.社会民主主義福祉国家―北欧諸国を例に   五月女律子*46(神戸市外大)
e.カストロ*47ゲバラ*48、そしてミイラについて   田沼幸子*49(首都大)


■第4巻
人間と文化の革新
責任編集 浅岡善治・中嶋毅
・総説 社会主義革命と社会・文化・学知   浅岡善治・中嶋毅

Ⅰ 変革の構想と実態
1.ポリシェヴィズムの世界像と人間像   佐藤正則*50(九州大)
2.ロシア革命ジェンダー   広岡直子(早稲田大)
3.ロシア・アヴァンギャルド―その理想と変移   中村唯史(京都大)

Ⅱ 政治化と動員
4.スターリニズムの政治文化と社会動員   瀧口順也(龍谷大)
5.「政治化」と学知―物理学哲学論争   金山浩司(東海大
6.科学―"強大なソヴィエト連邦"の背後に   市川浩(広島大)

Ⅲ 葛藤と自律
7.芸術音楽から見たソ連―雪どけ期のショスタコーヴィチを中心に   梅津紀雄*51(工学院大)
8.テロルから日常へ―ポスト・スターリン期の文学と社会   平松潤奈(金沢大)
9.ソ連時代後半の娯楽映画―リャザーノフの挑戦   田中まさき(早稲田大)
10.グラースノスチ下のメディアと新たな「公共圏」   阿曽正浩(北里工業大)
 
コラム
a.反宗教宣伝と対教会政策   赤松道子(早稲田大)
b.ルィセンコ論争の世界的広がり   藤岡毅*52同志社大
c.革命とバレエ―古典的舞台芸術の危機と再生   斎藤慶子(早稲田大)
d.ソヴィエト演劇への憧憬―演出家佐野硯*53のモスクワ行   武田清*54(明治大)
e.ヘルシンキ宣言とソ連東欧諸国の異論派たち   松井康浩


■第5巻 越境する革命と民族
責任編集 宇山智彦
・総説 ユーラシア多民族帝国史の中でのソ連   宇山智彦
Ⅰ 民族解放の夢と現実
1.ロシア・ムスリムの革命と「反革命」―自治の魅惑と政治闘争   宇山智彦
2.ソ連の民族政策の多面性―「民族自決」から強制移住まで   半谷史郎*55(愛知県立大)
3.ユダヤ自治反ユダヤ主義―国内外の政治的文脈の交差   高尾千津子*56(東京医科歯科大)

Ⅱ 世界の民族運動に広がる影響
4.ロシア革命と朝鮮独立運動―現代韓国・北朝鮮の淵源   小野容照*57(京都大)
5.カフカスの革命―オスマン帝国・イラン・西欧との越境現象   吉村貴之*58(早稲田大)
6.反帝国主義の帝国―イスラーム世界に連なるソヴィエト・ロシア   長縄宣博(北海道大)

Ⅲ ソ連解体と民族問題
7.プレジネフ*59期連邦構成共和国の政治と民族の問題   地田徹朗(名古屋外大
8.ペレストロイカと民族紛争―ナゴルノ=カラパフ紛争の事例   塩川伸明*60東京大学名誉教授)
9.バルト三国の独立再考―ソ連解体の意味   小森宏美*61(早稲田大)
10.ロシア先住少数民族の権利と資源環境問題   高倉浩樹*62(東京大)

コラム
a.ロシア革命ウクライナ人民共和国の指導者たち   光吉淑江(西南学院大
b.ルスクロフ―中央アジアとモンゴルを股にかけた革命家   青木雅浩*63(東京外大)
c.ベトナム「解放」とソ連   平山陽洋(名古屋外大
d.ソ連ノスタルジーと「ロシア世界」―ウクライナ紛争の一背景   宇山智彦


シリーズ『「格差と貧困」にどう向き合うか』
■教育偏重の子どもの貧困対策でいいのか:貧困調査で明らかになった実相と対策への課題(山野良一*64
(内容紹介)
・「教育偏重*65の子どもの貧困対策でいいのか」という記事タイトルで分かるように「奨学金」など教育支援の重要性は認めながらも「雇用や生活保護の問題などを無視しうることはできないはず」であり「教育偏重は適切ではない」と批判している。

参考

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/87359
沖縄タイムス『「親は借金 絶望的」 進学諦める高校生、深刻な実態 沖縄県の調査』
 沖縄県内の高校生の約3割が困窮状態にあることが示された県高校生調査。困窮層の高校生の多くが家計のためにアルバイトし、進学も諦めているという深刻な実態が浮き彫りになり、研究チームの識者らは「高校生らしい生活」を守るための対策の必要性を訴えた。
(中略)
 大学進学率が全国ワーストの沖縄県。調査結果から「進学か就職かの選択に明確な格差がある」と導き出したのは名寄市立大の山野良一教授。困窮層の高校生が大学などに進学しない理由で「費用の心配」に並びトップだった学力や勉学意欲の低さにも「経済状況が影響している可能性がある」と分析。加えて「きょうだいの進学」「親や家族の面倒を見なければならない」高校生が2〜3割いることも「大きな意味を持つ」と訴えた。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-522840.html
琉球新報『沖縄の子の貧困、県民所得低さ要因 識者「雇用、教育支援を」』
 厚生労働省が27日発表した全国の「子どもの貧困率」が2015年時点で13・9%だったのに対し、沖縄県が同時期に独自調査した県内値は29・9%と2倍以上の高さだった。沖縄の子どもの貧困率が高い背景について、有識者は県民所得の低さを挙げ、雇用や子育て・教育費の支援策の必要性を指摘する。
 厚労省の「国民生活基礎調査」は無作為に抽出した地域の世帯へ調査票を配布し、回答を各世帯から回収する形式。これに対し、県は各市町村が持つ住民の世帯構成や収入データなどを基に子どもの貧困率を算出し、手法の違いがある。
 子どもの貧困問題に詳しい名寄市立大学(北海道)の山野良一教授は「厚労省の調査では低所得の人が調査に応じていないことが考えられる。沖縄の方が正確に(貧困率が)出るはずだ」と指摘。沖縄の貧困率が高い背景については「沖縄は特に男性の所得が本土と比べ、非常に低い。(非正規社員を)どう正規雇用へと改善していくかが課題だ」と分析し、子育てや教育に必要な経費を支援する仕組みが必要だと強調した。


論点
■政策をゆがめる貿易統計秘匿処理:防衛省人脈が裏に(小倉正行*66
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『財務省が貿易統計操作、斉藤議員に回答 企業の要望反映』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-09/2017050901_04_1.html
■主張『財務省の統計操作:“密輸出入”システム解明急げ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-12/2017051201_05_1.html
■『「貿易統計の秘匿処理」で財務副大臣、武器・廃棄物否定せず、斉藤氏への答弁』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-18/2017051814_01_1.html


暮らしの焦点
■北九州アパート火災事故 背景に住宅貧困(高瀬康正)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
北九州市小倉北区 アパート火災、「家賃、日・週払いも」、党市議調査に関係者説明、防火対策把握 党議員求める
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-10/2017051015_01_1.html


■スポーツ最前線「延びたボクサーの選手寿命」(小林秀一)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://ameblo.jp/10papapapa/entry-11904469354.html
バーナード・ホプキンス(その1)〜49歳の世界チャンピオン〜
 スポーツ科学の発達は、スポーツ選手の能力向上、選手寿命の延長を可能にしています。
 事実、ボクシングの世界でも息の長い選手が、たくさん出てきました。
 一昔前は20後半でベテランボクサーと言われていましたが、今は30代でピークを迎える選手もたくさんいます。
 ボクシングといえば殴り合いや減量もある過酷なスポーツ、選手寿命も短いとされていましたが、ボクシングの世界でも選手寿命が延びているのは何故でしょう?
 主な理由としては、
①トレーニング方法の改善により、より選手の能力を引き出し維持することが可能になったこと
②ディフェンス技術の向上や試合間隔を空けることで選手への肉体的ダメージを軽減していること
③健康管理、食事管理、安全面管理などの意識が高まり、選手に対する周囲のケアも含め環境面が向上していること
などがあげられると思います。
 実際、日本のボクサーの選手寿命はどうなのか、少し調べてみました。
(中略)
 日本での歴代防衛記録13回を持つ具志堅用高さんは25歳の時に王座陥落し、その後引退しています。
 この時代、輪島功一さんが32歳で世界王座に返り咲いた時は、「中年の星」と騒がれていました。
やはり昔は選手寿命が短いなぁという印象です。
(中略)
 ちなみに(ボーガス注:2014年7月現在)日本人現役最高齢ボクサーは、このブログでも紹介した石田順裕*67選手、38歳です。
 先日も階級を一気に4階級アップしてヘビー級に挑戦するなどして、まだまだ元気ですね。
 こういった事情も踏まえ、日本ボクシング協会は2007年より、ボクシングプロテストの受験資格を30歳未満から、33歳未満に引き上げました。
 また、プロボクサーの定年も特例を除き37歳までと定められていますが、これを40歳まで引き上げる動きがあるようです。
(現在38歳の石田選手は、過去の実績から特例として現役を認められているものです。)
 いっぽう世界のボクサーはどうでしょうか?
 評価方法として、このブログで度々登場しているPFPボクサー(全階級を通じて最も強いと評価されている現役ボクサー)の年齢を調べてみました。
 2014年6月時点のPFPランキングトップ10の選手は以下の通りです。
1.フロイド・メイウェザーJr 37歳
2.アンドレ・ウォード 30歳
3.ウラジミール・クリチコ 38歳
4.マニー・パッキャオ 35歳
5.ティモシー・ブラッドリー 30歳
6.ファン・マヌエル・マルケス 40歳
7.ギレルモ・リゴンドウ 33歳
8.カール・フロッチ 36歳
9.ローマン・ゴンザレス 27歳
10.サウル・アルバレス 23歳
<平均年齢> 32.9歳
 これを見る限り、世界一強いと評されるフロイド・メイウェザーJrは37歳。
 それ以降、世界のトップ8まで全て30歳〜40歳です。9位になって初めて20代の選手が登場します。
 世界のトップボクサーたちは、日本の選手が引退していく時期より更に後に、選手としてピークを迎えていると言うわけです。
 ちなみに、今から25年前の1989年のPFPランキングトップ10において、当時の年齢は以下の通りです。
1.マイク・タイソン 23歳
2.フリオ・セサール・チャベス 26歳
3.パーネル・ウィテカー 25歳
4.マイケル・ナン 26歳
5.アントニオエスパラゴサ 29歳
6.メルドリック・テーラー 22歳
7.アズマー・ネルソン 30歳
8.ラウル・ペレス 22歳
9.ヴァージル・ヒル 25歳
10.マーロン・スターリング 29歳
<平均年齢> 25.6歳
 なんと、ほぼ20代。唯一30歳が1人いますが、平均年齢25.6歳です。
 この差はかなり驚くべき数値ですね。
 このように、ボクサーの選手寿命が延び、年をとってもなお実力を維持できていることは、世界のボクサーを見ると、より顕著に出ていますね。
 とは言うものの、本記事のタイトルにあるとおり、世界には49歳にして今なおチャンピオンとして君臨している選手がいるというから驚きです。
 その選手の名はバーナード・ホプキンス*68
 現WBA,IBF世界ライトヘビー級統一チャンピオンです。


■文化の話題
【演劇:チェーホフを主人公にした新作・青年座『わが兄の弟:贋作アントン・チェーホフ傳』】(鈴木太郎)
(内容紹介)
 青年座『わが兄の弟:贋作アントン・チェーホフ傳』の紹介。

参考

https://spice.eplus.jp/articles/117830
■演出家・宮田慶子に聞く──青年座公演『わが兄の弟 贋作アントン・チェーホフ傳』
インタビュアー
 『わが兄の弟』という題ですが、これが誰の兄であり、誰の弟を意味しているのか、知らない人にはわからないと思うんですが……。
宮田
 これはチェーホフの実際のペンネームなんですよ。
(中略)
 だから、チェーホフ好きな方は、すぐに「あっ、これ使ったんだ。ペンネームですね」と、すぐにわかった。
(中略)
インタビュアー
 劇作家チェーホフについて舞台化しようとしたきっかけはありますか。これまでのマキノノゾミさんは、近代の日本人を評伝的に描いた作品が多かった。
宮田
 新作について相談したとき、「もう一回、評伝かな」と言いながら、マキノさんは非常に硬派な明治時代の政治家、思想家について考えていらした。そうやって、おたがいにアイデアをいっぱい出しあっていたときに、ちょっと方向変えようかなと思って、チェーホフはわたしが言いだした題材なんです。
ふたつのエピソードがすごく心に残っていて、ひとつは、あれだけ浮名を流していたチェーホフだけど、なぜか妻を娶(めと)ることが晩年までなかった。
 最晩年にやっとモスクワ芸術座の女優オリガと結婚して。それも別居を前提で結婚するんですよ。「あなたは女優だから、モスクワで仕事をしてくれ。わたしは別の土地で診察をしているから」というように、いっしょに住まない。だから、独得な女性観の持ち主だなと、すごく気にはなっていた。
 もうひとつは、チェーホフにはお兄さんがふたりいて、歳が近いニコライという画家とものすごい気が合って、芸術家としても尊敬をしていた。この兄は放蕩のあげく、早くして結核で亡くなるんだけど、医者としてのアントンは、どんどん病いに蝕まれていく兄の体を診つづけた。
 兄の方も、病気だからといって放蕩三昧を改めない。酒と女に溺れるむちゃな生活、むちゃな絵の創作を続けて、芸術家の業(ごう)を見せつける。最後には、三幕で出てくる別荘に、みんなでニコライを呼び寄せて、たぶん、あと命がもって数日というときに、たまたま長男がやってきたのにかこつけて「頼むよ」と言い残し、チェーホフは危篤状態の最愛の兄をそのままにして、旅に出るんです。
 それで結局、嵐みたいな悪天候のなか、ずぶ濡れで旅を続けていた先で、兄が死んだという電報を受け取る。医者でありながら末期の患者を見捨てるようなことをし、最愛の兄でありながら、最後の死にざまを見ないという……。

https://mainichi.jp/articles/20170412/dde/012/200/008000c
毎日新聞青年座「わが兄の弟」 マキノの着眼のさえ』評・濱田元子
 副題が「贋作(がんさく)アントン・チェーホフ傳(でん)」というから、もちろん単なる評伝劇ではない。マキノノゾミチェーホフの作品世界を巧みにちりばめながら、若き日のアントンと、2人の兄ら彼を巡る人々を想像力とユーモアたっぷりに描く。チェーホフに通じる、アントンの俯瞰(ふかん)するような視線によって浮かび上がる人間の姿が滑稽(こっけい)、そしてほろ苦い。宮田慶子演出。
 長兄アレクサンドル(石母田史朗)と次兄ニコライ(大家仁志)が家を飛び出し、モスクワ大医学生のアントン(横堀悦夫)が雑誌に短編小説を寄稿して一家を支えていた。家族や別荘地でのジナイーダ(津田真澄)ら“三人姉妹”との出来事、そして30歳の謎のサハリン行までが描かれる。冒頭、アントンが20歳の誕生日に出会ったニーナ(安藤瞳)への思いを軸にしたところに、マキノらしい着眼点がさえる。
 能舞台を思わせる傾斜舞台に家財が置かれるだけのシンプルな装置(伊藤雅子美術)。青年座でマキノとのコンビ5作目となる宮田が会話の妙味を浮かび上がらせ、切ない人間の姿を切り取っていく。
 横堀は医師の客観的な目で人間を観察しながらも、ナイーブな青年をうまく造形。アレクサンドルの内縁関係に反対するも、孫を抱いたとたんにひょう変する父パーヴェルの山本龍二、運命を静かに受け入れる三人姉妹の長女ジナイーダの津田が要所を締める。
 1編のチェーホフ作品を見ているような感覚が面白い。


【映画:治安維持法犠牲者の闘いを明日につなぐ『種まく人びと』】(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟創立50周年記念映画『種まく人びと』の紹介。

参考

http://komatsu3.at.webry.info/201704/article_10.html
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟50周年記念映画「種まく人々」の完成試写会
 映画は、国会請願行動に参加する4人の治安維持法犠牲者の姿を追うところから始まります。日本共産党国会議員団との懇談の様子も映し出されました。
 舞台で、多喜二やその恋人を演じた米倉日呂登さん*69、若杉民さんのお二人のナレーションで画面が展開していきます。歴史的経過を山田朗*70明治大学教授が解説、多くの証言者が当時の写真や映像をバックに証言します。
(中略)
 100歳を超えた杉浦正男さん(船橋市在住です)が、戦中「出版工クラブ」を組織し投獄され、戦後も労働運動の先頭に立った経験を語ります。「出版工クラブ」の活動は、職場の若い人々に対して、文字通り「種をまく」仕事だったと振り返ります。
 「女の平和」アクションを起こした横湯園子さん*71は、投獄された父が病死し、母と流転の暮らしを強いられたこと、その母親が戦後もたびたび弾圧によるPTSDの症状に襲われていたことなどを証言、あの時代の再来を許してはならないと語ります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-13/2017051301_06_0.html
 「子どもに資本主義社会の矛盾を自覚させた」などと、いわれのない疑いで教師や学生らが大勢逮捕。拷問にあい、獄死した人もいました▼治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟が創立50周年を前につくった記録映画「種まく人びと」。北海道生活図画事件で捕まった菱谷良一さんが証言しています。共産主義も知らない、運動したわけでもないのに、絵を描くことによって民衆を啓蒙(けいもう)したと▼戦争体制とともに猛威をふるった思想弾圧。それはいま共謀罪につながります。本紙日曜版の最新号で映画監督の周防(すお)正行さんが語っています。「生きていること自体が表現すること」。それを弾圧の対象とする共謀罪は「すべての人にとって最悪の法律です」▼日常の生活が標的にされる。先の同盟が発行する『治安維持法と現代』(春季号)で、近代刑法史研究者の内田博文さん*72共謀罪との類似点をあげながら、戦前とは違うと訴えます。私たちには武器がある。憲法で保障された、反対し行動する権利が。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-23/2017052315_01_1.html
赤旗『姿変えた治安維持法だ、弾圧犠牲者が「共謀罪」を告発、会見で体験語る』
 治安維持法で弾圧された犠牲者4人が22日、「共謀罪」法案の廃案を求めて、国会内で初めて記者会見し、体験を語りました。戦時下の日本では治安維持法が猛威をふるい、言論や表現の自由が制限さ
 杉浦正男さん(102)=千葉県船橋市=は、印刷労働者でつくる親睦会「出版工クラブ」を解散しなかったことで投獄されました。「共謀罪治安維持法に違いはない。戦前に戻すような、憲法違反の法案は廃案にしなければならない」と訴えました。
 水谷安子さん(103)=川崎市=は、富山女子師範学校在学時に投獄され、教員の夢は断たれました。「理不尽なことが二度とないように願う」と話しました。
 松本五郎さん(96)=北海道音更町=と菱谷良一さん(95)=同旭川市=は、旭川師範学校在学時に、生活をありのままに描いた絵が治安維持法違反だとして検挙、投獄されました(生活図画事件)。特高警察からどう喝と甘言を使った激しい取り調べを受けました。
 松本さんは「為政者に都合の良い政治を行うための、戦争とつながった法律だった。内心の自由をうばい、生きにくい世の中ができあがった」。
 「戦時中は何も知らないうちに、法律によってがんじがらめになっていた。共謀罪は姿を変えた治安維持法だ」と菱谷さん。
 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟によると、生存している犠牲者は全国で19人です。

http://mokuou.blogspot.jp/2017/05/2017-05-23nhkyoutube.html
 この法案が「治安維持法」に似ているとして、逮捕された経験のある人たちが22日東京で記者会見を開き、懸念を表明しました。
 その1人、旭川市の菱谷良一さん(95歳)は、法案への懸念を訴えています。
 戦時中、旭川師範学校の美術部員だった菱谷さん。
 日中戦争まっただ中の昭和15年、菱屋さんが描いた絵が逮捕につながり

*1:著書『ほんとうに憲法「改正」していいのか?』(2002年、学習の友社)など

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*3:著書『節電女子』(2011年、日本文芸社)、『裁縫女子』(2011年、リトル・モア)、『裁縫女子宣言!はじめて作る自分だけのシャツ』(2012年、バジリコ)、『裁縫女子的「かわいい」のヒミツ』(2013年、ハッピーコーイング )など

*4:1995年、オウム真理教事件を機に「ゴーマニズム宣言」の『週刊SPA!』から小学館SAPIO』への移籍、これに関連した宅八郎切通理作に対する名誉毀損トラブルが発生し、『週刊SPA!』編集長を解任される。1997年、扶桑社を退社。以後、フリーの編集者&ライターとして活動。2016年3月から『しんぶん赤旗』で「ツルシのぶらり探訪」連載。著書『ポチ&コウの野球旅』(2004年、光文社知恵の森文庫)、『「週刊SPA!」黄金伝説・1988〜1995:おたくの時代を作った男』(2010年、朝日新聞出版)など(ウィキペディア参照)

*5:著書『韓国経済の実相:IMF支配と新世界経済秩序』(1999年、つげ書房新社)、『TPP・すぐそこに迫る亡国の罠』(2013年、三交社)、『国家戦略特区の正体:外資に売られる日本』(2016年、集英社新書)など

*6:http://park.geocities.jp/yonezawachihiro/index.htmlによれば日本共産党国際局員。妻の米沢ちひろ氏は共産党練馬区議。

*7:ミッテラン政権外相、シラク政権首相、サルコジ政権国防相など歴任

*8:シラク政権で職業教育相。

*9:オランド政権で内務相、首相を歴任

*10:著書『1492:西欧文明の世界支配』(2009年、ちくま学芸文庫)、『国家債務危機』(2011年、作品社)、『アタリ文明論講義:未来は予測できるか』(2016年、ちくま学芸文庫)など

*11:ミッテラン政権予算相、シラク政権内務相などを経て大統領

*12:もちろん前衛2017年8月号のこと

*13:著書『透明な鎖:障害者虐待はなぜ起こったか』(1999年、大月書店)、『重い障害を生きるということ』(2011年、岩波新書)など

*14:著書『平等論哲学への道程』(2001年、青木書店)、『いのちの平等論:現代の優生思想に抗して』(2005年、岩波書店)、『平等の哲学』(2010年、大月書店)など

*15:2016年、新日本出版社

*16:著書『日本帝国陸軍精神障害兵士』(編著、2006年、不二出版)など

*17:著書『企業年金危機』(1999年、中公新書)、『娘に語る年金の話』(2001年、中公新書)、『年金格差とアベノミクス』(2015年、かもがわ出版)など

*18:著書『科学技術大国ソ連の興亡:環境破壊・経済停滞と技術展開』(1996年、勁草書房)、『冷戦と科学技術:旧ソ連邦1945〜1955年』(2007年、ミネルヴァ書房)、『科学の参謀本部:ロシア/ソ連邦科学アカデミーに関する国際共同研究』(編著、2016年、北海道大学出版会)

*19:著書『戦間期の日ソ関係 1917-1937』(2010年、岩波書店)、『シベリア抑留』(2016年、中公新書)など

*20:1949年8月29日、ソ連最初の原爆を完成。次いで水爆開発に従事し、1953年8月12日水爆開発に成功する。この功績によりサハロフは、32歳の若さでソ連科学アカデミーの正会員となり、社会主義労働英雄の称号を3回も得、「ソ連水爆の父」と称される。1960年代後半から民主化を求めて社会的発言を公表するようになり、1975年、ノーベル平和賞を受賞する。しかし、ソ連国内では批判キャンペーンが党の主導で起こされた。1980年アフガニスタン侵攻に抗議したため、1月22日当局に連行され、レオニード・ブレジネフ最高会議幹部会議議長命令によって一切の栄誉を剥奪され、ゴーリキー(現在のニジニ・ノヴゴロド)市に流刑された。1986年ミハイル・ゴルバチョフ党書記長からの電話によって流刑が解除された。アフガニスタン侵攻を批判するなどの発言から「ペレストロイカの父」と称された。

*21:1897年に「ロケット噴射による、増速度の合計と噴射速度と質量比の関係を示す式」である「ツィオルコフスキーの公式」を発表し、今日におけるロケット工学の基礎を築いたが生涯の大半はカルーガで孤独に暮らしていたため、存命中にツィオルコフスキーの業績が評価されることはなかった。ツィオルコフスキーはその後、「スプートニク計画」の主導者となったセルゲイ・コロリョフらによってようやく評価されるようになり、1957年10月4日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた世界初の人工衛星である「スプートニク1号」は、ツィオルコフスキーの生誕100週年記念と国際地球観測年に合わせて打ち上げられたものである(ウィキペディア参照)。

*22:著書『革命ロシアの共和国とネイション』(2007年、山川歴史モノグラフ)、『ロシア革命』(2017年、岩波新書

*23:著書『テクノクラートと革命権力:ソヴィエト技術政策史1917-1929』(1999年、岩波書店

*24:著書『ロシア・シオニズムの想像力:ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(2012年、東京大学出版会

*25:著書『ユーラシア主義とは何か』(2010年、成文社

*26:著書『初期シベリア出兵の研究』(2003年、九州大学出版会)

*27:ソ連共産党書記長

*28:著書『ソ連政治秩序と青年組織:コムソモールの実像と青年労働者の社会的相貌1917‐1929年』(1999年、九州大学出版会)、『スターリニズムの経験:市民の手紙・日記・回想録から』(2014年、岩波現代全書)

*29:著書『ルーマニア経済体制の研究1944-1989』(1995年、東京大学出版会)、『経済グローバリゼーション下のロシア』(2005年、日本評論社

*30:著書『国民統合と歴史学スターリンソ連における「国民史」論争』(2011年、学術出版会)

*31:著書『中国共産党成立史』(2001年、岩波書店)、『革命とナショナリズム:1925-1945』(2010年、岩波新書)、『赤い星は如何にして昇ったか:知られざる毛沢東の初期イメージ』(2016年、臨川書店

*32:関東軍参謀として満州事変に関与

*33:著書『中東鉄道経営史:ロシアと「満洲」 1896-1935』(2012年、名古屋大学出版会)、『満蒙:日露中の「最前線」』 (2014年、講談社選書メチエ)、『シベリア出兵:近代日本の忘れられた七年戦争』(2016年、中公新書)、『ソ連と東アジアの国際政治 1919-1941』(編著、2017年、みすず書房

*34:著書『サハリンのなかの日本:都市と建築』(2007年、東洋書店ユーラシア・ブックレット

*35:著書『戦うポーランド第二次世界大戦ポーランド』(2015年、東洋書店

*36:著書『ナチス一党支配体制成立史序説』(1996年、法律文化社

*37:著書『ロシア連邦憲法体制の成立』(2016年、北海道大学出版会)

*38:著書『歴史のなかのソ連』(2005年、山川出版社世界史リブレット)、『ソ連史』(2011年、ちくま新書)『ソ連という実験:国家が管理する民主主義は可能か』(2017年、筑摩選書)

*39:著書『CIS農業改革研究序説』(2003年、農文協

*40:著書『20世紀ロシアの開発と環境』(2013年、北海道大学出版会)

*41:著書『ソ連の民主主義と家族:連邦家族基本法制定過程1948-1968』(2012年、有信堂)

*42:著書『現代ロシアの政治変容と地方:「与党の不在」から圧倒的一党優位へ』(2015年、東京大学出版会

*43:著書『アイゼンハワー政権の封じ込め政策』(2008年、有斐閣)、『冷戦:アメリカの民主主義的生活様式を守る戦い』(2011年、有斐閣Insight)

*44:著書『現代中央アジアの国際政治:ロシア・米欧・中国の介入と新独立国の自立』(2015年、明石書店

*45:著書『脱原子力の運動と政治:日本のエネルギー政策の転換は可能か』(2005年、北海道大学図書刊行会)、『参加と交渉の政治学:ドイツが脱原発を決めるまで』(2017年、法政大学出版局

*46:著書『北欧協力の展開』(2004年、木鐸社

*47:キューバ共産党第一書記、国家評議会議長国家元首)、閣僚評議会議長(首相)

*48:キューバ国立銀行総裁、工業相を歴任

*49:著書『革命キューバ民族誌』(2014年、人文書院

*50:著書『ボリシェヴィズムと“新しい人間”:20世紀ロシアの宇宙進化論』(2000年、水声社

*51:著書『ショスタコーヴィチ』(2006年、東洋書店ユーラシア・ブックレット

*52:著書『ルィセンコ主義はなぜ出現したか』(2009年、学術出版会)

*53:1933年にソ連に入国するが1937年に国外追放。1939年にメキシコへ亡命。1966年メキシコ在住のまま死去。日本では「インターナショナル」の訳詞の作詞者として知られ、メキシコでは「メキシコ演劇の父」と称される。

*54:著書『新劇とロシア演劇:築地小劇場の異文化接触』(2012年、而立書房)

*55:著書『中央アジア朝鮮人』(共著、2006年、東洋書店ユーラシア・ブックレット

*56:著書『ソ連農業集団化の原点:ソヴィエト体制とアメリユダヤ人』(2006年、彩流社)、『ロシアとユダヤ人』(2014年、東洋書店ユーラシアブックレット)

*57:著書『朝鮮独立運動と東アジア:1910‐1925』(2013年、思文閣出版)、『帝国日本と朝鮮野球:憧憬とナショナリズムの隘路』(2017年、中公叢書)

*58:著書『アルメニア近現代史』(2009年、東洋書店ユーラシア・ブックレット

*59:ソ連共産党書記長

*60:著書『スターリン体制下の労働者階級:ソヴェト労働者の構成と状態1929-1933年』(1985年、東京大学出版会)、『ソヴェト社会政策史研究:ネップ・スターリン時代・ペレストロイカ』(1991年、東京大学出版会)、『ソ連とは何だったか』(1994年、勁草書房)、『多民族国家ソ連の興亡(1)民族と言語』(2004年、岩波書店)、『多民族国家ソ連の興亡(2)国家の構築と解体』(2007年、岩波書店)、『多民族国家ソ連の興亡(3)ロシアの連邦制と民族問題』(2007年、岩波書店)、『冷戦終焉20年』(2010年、勁草書房)など

*61:著書『バルト諸国の歴史と現在』(共著、2002年、東洋書店ユーラシア・ブックレット)、『エストニアの政治と歴史認識』(2009年、三元社)

*62:著書『社会主義民族誌:シベリア・トナカイ飼育の風景』(2000年、東京都立大学出版会)、『極北の牧畜民サハ』(2012年、昭和堂)、『極寒のシベリアに生きる:トナカイと氷と先住民』(編著、2012年、新泉社)など

*63:著書『モンゴル近現代史研究 1921〜1924年外モンゴルとソヴィエト、コミンテルン』(2011年、早稲田大学出版部)

*64:著書『子どもの最貧国・日本』(2008年、光文社新書)、『子どもに貧困を押しつける国・日本』(2014年、光文社新書)など

*65:といっても相対的な話にすぎず恐らく「欧州福祉国家」と比べれば教育支援もお粗末なモノでしょうが。

*66:著書『放射能汚染からTPPまで:食の安全はこう守る』(2011年、新日本出版社)、『TPPは国を滅ぼす』(2011年、宝島社新書)、『TPP参加「日本崩壊」のシナリオ』(2013年、宝島SUGOI文庫)など

*67:その後、2015年8月に引退を発表。

*68:2004年9月に3団体統一王者となったホプキンスはWBO世界ミドル級王者オスカー・デ・ラ・ホーヤに勝利し、史上初めて主要4団体(WBAWBCIBFWBO)の王座を統一した。2011年5月には46歳4ヵ月でWBC世界ライトヘビー級タイトルマッチに勝利しジョージ・フォアマンの持つ最年長王座獲得記録(45歳9ヵ月)を塗り替えた。2013年3月には48歳2ヵ月でIBF世界ライトヘビー級王座獲得に成功し、自身の最年長王座獲得記録を更新、2014年4月には49歳3ヵ月でWBA世界ライトヘビー級スーパー王座獲得に成功し、自身の持つ最年長王座獲得記録を更に更新すると共に最年長防衛記録も更新した。2016年12月に引退。

*69:俳優・米倉斉加年氏の長男

*70:著書『護憲派のための軍事入門』(2005年、花伝社)、『世界史の中の日露戦争』(2009年、吉川弘文館)、『日本は過去とどう向き合ってきたか』(2013年、高文研)、『近代日本軍事力の研究』(2015年、校倉書房)、『兵士たちの戦場』(2015年、岩波書店)、『昭和天皇の戦争:「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』(2017年、岩波書店)など

*71:中央大学教授(教育臨床心理学者)。著書『教育臨床心理学』(2002年、東京大学出版会)、『ひきこもりからの出発』(2006年、岩波書店)など

*72:著書『刑法と戦争:戦時治安法制のつくり方』(2015年、みすず書房)、『治安維持法の教訓』(2016年、みすず書房)など