今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ほか(10/29分)(追記・訂正あり)

■五十嵐仁*1の転成仁語『安倍打倒を諦めていない国民がこれだけいるのだということを示すために11月3日の国会前集会に参加を』
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2017-10-27
 小生はこの集会に参加することは野暮用のためできませんが、集会の趣旨には賛同するのでここで紹介しておきます。


赤旗ジブチ自衛隊、基地労組の解雇撤回求める争議、装甲車と銃で威嚇』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-26/2017102601_01_1.html
 争議行為について銃で脅すつうのは事実ならばもはや専守防衛と言える話じゃないでしょう。


赤旗小選挙区制の害悪くっきり、自民 47%の得票で74%の議席
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-25/2017102501_04_1.html
 小選挙区死票の酷さについていい加減日本人もまともに考えるべきだと思います。


【ここから産経です】
山口市長に自公民進推薦の渡辺氏が4選
http://www.sankei.com/west/news/171029/wst1710290059-n1.html
 「民進党は本当にどうしようもねえな」ですね(えーと、でも今民進党って残ってるのって参院だけでしたっけ?)。
 自公と野合すること自体が問題ですが、よりによって「安倍の地元・山口」で相乗りとか「本気で安倍を打倒する気があるのか?」と疑われても仕方のない行為でしょう。せめて自主投票にしたらどうなのか。 


■【デスクから】「投票終了」と同時にゲームオーバー…「地盤」が強い自民はやっぱり強かった(地方部 飯塚隆志)
http://www.sankei.com/west/news/171029/wst1710290008-n1.html

 やはり人は、地元への目配りを忘れない候補に入れる。自民党が大敗してもすぐに盛り返すのは、そんな人による「地盤」がしっかりしているからだ。

 「地元への目配り」と言えば聞こえはいいですがまあ、「いわゆる箱物」とか利益誘導ですね。うちの「自民支持」の両親なんかもそうですけど。「そんなんで加計森友だの違憲立法(安保関連法、共謀罪法)だの安倍の無法を日本国民は容認していいのか」と思いますが、それはともかく。産経の記者でも阿比留や安藤慶太ほどのごりごりの安倍自民信者でない「飯塚記者」のような連中は「安倍政権の政策なんか阿比留たちが強弁するほど支持されてねえよ、むしろ『オラが村のセンセイには世話になってる』つう縁故主義、利益誘導で支持してるんだよ」「あと今回の選挙で言えば、前原のせいで民進党が希望と立憲民主に分裂したことが与党を利したんだよ」つうことは自覚してるし、それを認めることも阿比留らほどには躊躇もないんでしょう。つうかこの飯塚記者みたいな人間は産経にそれほどの愛着もないんじゃないか。
 「産経が早期退職者募集したら、可能ならば福島香織みたいに辞めて朝日、読売、毎日など他の会社に移籍してもいい。産経って待遇悪いし」「本当は朝日、読売とかに入りたかったけど産経しか入れなかったんだよ。そういうこと言ったら上司と喧嘩になるから公言できないけど」位に思ってるんじゃないか。
 たぶん口に出さないとは言え、飯塚氏のような記者は「加計森友がフェイクニュースとかうちの会社も良くデタラメなことがかけるよな。俺も立場上、会社批判とか公言できないけど明らかにうちの会社、他から冷たい眼で見られてるし本当に上層部の無茶苦茶には不愉快だよ」と呆れてるんじゃないか。

 解散前、安倍晋三首相に対して「おごり」が指摘された。野党には政権政党のおごりを牽制(けんせい)できる程度には地盤を固めてほしいと思う。

 安倍の場合、おごりというより「最初から人間性がおかしい」「ただしそこまでは産経社員という立場上、飯塚記者も言えない」のですがそれはともかく。
 産経の記者でも阿比留や安藤慶太ほどのごりごりの自民信者でない連中はいまの安倍の無茶苦茶さには一定の危惧を感じてるのでしょう。で、まあ、飯塚氏のような地方記者のコラムだとこの程度の内容だと「まあそんなに安倍政権糞味噌に批判してる訳でもねえし、別に掲載してもいいか。安倍がおごってねえとか何一つ問題ねえとか、ためらいなく強弁してるのは、うちの会社でも阿比留とか一部の安倍信者くらいだろ」「むしろ毎回阿比留みたいな100パー与党礼賛、野党罵倒記事の方がおかしいわな」で上司も駄目出ししないで通ってしまうと。


■安倍首相のおひざ元・衆院山口4区*2で起きたこと…これが選挙戦なのか 民主主義が揺らいでいる
http://www.sankei.com/politics/news/171029/plt1710290010-n1.html
 是非はともかく、安倍の演説で批判派から「加計森友関係」で野次が飛んだ程度で「民主主義が揺らいでる」と言い出すトンデモ新聞産経です。
 「野次を飛ばしていい」とは言いませんが、「日本国の最高権力者」である「首相」相手の野次でも警察が逮捕したりしないのだから「公選法の選挙妨害」とまでは言えない程度の野次の訳です。
 しかも「野次を飛ばしていい」とは言いませんが加計森友野次って、「共産党は暴力革命政党」みたいなデマ中傷とか、差別暴言とかじゃないですしねえ。

 山口県警下関署の担当者は「違反行為があれば粛々と捜査する」と述べた。

ということは要するに「道徳的是非」はともかく、逮捕するほどの話じゃないと認識したということでしょう。そもそも安倍陣営から刑事告訴も出てないんじゃないか。安倍陣営から告訴が出てないのでは捜査はしづらいでしょう。
 しかも産経がこういう事を抜かすのは「安倍に野次が飛んだときだけ」で野党議員に野次が飛んでも、日教組の集会で極右が嫌がらせ街宣しても何も言わないのだから心底呆れます。
 それにしても安倍って「野次飛ばしていいとはいわないが首相があの程度の野次で告訴するなよ、小心者だな」と言われるのを恐れてか、刑事告訴もしなかったくせに今頃になって「あの野次が許せない」とか「野次を報じなかったマスコミが許せない。俺に対する野次なら容認するのか*3」とか思って産経にこういう記事を書けと唆してるんでしょうか。


スー・チー氏とともに民主化運動率いた著名活動家らが新党準備 ミャンマー
http://www.sankei.com/world/news/171029/wor1710290030-n1.html
 どうも「スーチーは外相になってから日和った」と不満感じてる面子が離党して新党を作るようです。どうなるか注目したい。


■【書評】日独伊の枢軸同盟推進した男は戦後「親米派」に 『変節と愛国 外交官・牛場信彦*4の生涯』浅海保著
http://www.sankei.com/life/news/171029/lif1710290014-n1.html
 まあ「親ドイツのはずが戦後は英米にへつらうのか」つうのは牛場に限らず、当時のほとんどの「政府中枢」に該当することでしょうけどね。そして牛場らにとってはイデオロギー的な意味での親ドイツや親英米ではなく、「勝ち馬に乗ること」が「自分及び政府」にとって大事なことだから恐らく変節という意識もないんでしょう。「常に勝ち馬に乗ることが自分と国の利益、それで何の問題もない」と考えれば変節という考えは成立しない。
 「人は信念のために殉じることがなければいけない、勝ち馬か負け馬かなんてことで全て決めるのはおかしい」と言う考えでないと変節という概念は成立しない。
 日ソ中立条約の当事者である松岡外相が独ソ戦が始まるや、対ソ開戦を主張したのも「ドイツという勝ち馬に乗ってソ連を叩こう」と言う話の訳です。「勝ち馬に乗る」つう価値観なら条約破棄による開戦にも躊躇はないわけです(ただせっかく結んだ中立条約を破棄することに躊躇した近衛首相は松岡の考えを採用しませんが)。
 たぶん「乗るべき勝ち馬を間違えた」「遅くてもハルノートがでた時点でドイツという馬は捨てて米国という馬とうまくやっていくべきだった」程度の反省しか彼らにはないでしょう。
 まあ未だに「大東亜戦争はアジア解放の戦争」と強弁するウヨに至っては「乗るべき勝ち馬を間違えた」レベルの反省すらないわけですが。
 

■【日の蔭りの中で】「排除」という不用意な一言がたたき起こしたポピュリズム 京都大学名誉教授・佐伯啓思
http://www.sankei.com/life/news/171029/lif1710290020-n1.html
 小池*5の「排除」という言葉に反発した主たる人々は「枝野*6立憲民主党支持者」であり、彼らは別にポピュリズム的理由で枝野支持でもないでしょうから、「ポピュリズム」つう理解は適切ではないでしょうね。むしろポピュリズムは小池希望を支持した人間の方でしょう。
 また、「排除」つう言葉が反発を高めたのも事実ですが「排除と言おうが言うまいが」小池のやってることは排除ですから、「排除という言葉を避けて、事実上の排除を行っても」大きな状況は変わらなかったでしょう。


慰安婦像で大阪市に〝不協和音〟?サンフランシスコ市との姉妹都市提携、市長は「解消」議会は「友好継続を」
http://www.sankei.com/west/news/171029/wst1710290013-n1.html
 大阪の自公ですら「抗議ならまだしも姉妹都市解消なんかできるわけねえだろ」と言ってる上に維新の議員の中にすら「自公の言うとおりやと思う」つう人間が複数いるそうなので、まあ解消できないし、しないでしょう。もちろん共産、民進(今は立憲民主か?)、社民がこんな解消論に賛成しないことは言うまでもないでしょう。


■維新・松井一郎代表、苦境の中のかじ取り 来月、代表選の可否議決 続投の公算大も
http://www.sankei.com/politics/news/171028/plt1710280019-n1.html
 「橋下市長、代表時代からの幹部」で「権力者・府知事」の松井以外に代表をやりたがる人間、やって党内をまとめられる人間がいない*7が、松井代表で「本当の意味では党内がまとまってない」し、上がり目もないつう話です。

 本拠地・大阪での支持離れは深刻で、維新が国政進出した平成24年の衆院選で約146万票だった比例代表の得票は、今回の衆院選で約93万票にまで目減りし、自民党に第一党の座を奪われた。

 維新の減った分のかなりを自民がとってるつうのは「アンチ安倍自民」の俺的に不快ですが、それでも「維新が続くよりはマシ」とは思います。
 まあそういう理解で大阪都構想住民投票堺市長選では共産は自民と共闘したわけですし。
 しかしこの惨敗は一体何なんでしょうか。「立憲民主に一時的に食われただけで、今後、増える可能性がある」共産の比例票減少*8とは全く訳が違うでしょう。
 希望と連携したからか。国政限定で府政や市政はまた別なのか。それとも、「希望との連携」「国政か府政、市政か」に関係なく大阪において全般的に維新は滅亡傾向にあるのか。

先の通常国会では改正組織犯罪処罰法の修正協議で与党から譲歩を引き出すなど一定の存在感を示してきた。

 いやー全然存在感ないですよねえ。
 その修正協議を「野党面するためのパフォーマンスに過ぎない」「法案の本質全く変わってない」「修正協議に批判的な野党はもちろん、与党にとっても維新は他の野党と違って建設的野党だとアピールして自己正当化する程度の意味しかない」と考える人間がほとんどでしょう。


■インパルス堤下、4カ月間で2度の交通事故…謹慎半年以上も
http://www.sankei.com/entertainments/news/171029/ent1710290005-n1.html
 こういうのは率直に言ってしゃれにならないですね。もう運転はやめた方がいいんじゃないか。
 死亡事故でないこともあって当面の謹慎ですむとは言え、このままでは三度目の事故(場合によっては死亡事故)による解雇という最悪の事態も危惧されますからね。


■【日本シリーズ第2戦速報】(8)DeNA先発の今永は6回1失点で降板 ソフトバンクがDeNAのリリーフ陣を打ち、4−3と逆転
http://www.sankei.com/west/news/171029/wst1710290060-n1.html
 これでソフトバンクが2勝です。ソフトバンクが一気に4連勝で片を付け「セリーグは本当に弱いな」とか「大体DeNAなんか3位から日本シリーズにきてるんだからインチキなんだよ」という評判になるんでしょうか。まあ、せめてDeNAにそろそろ一勝して意地を見せて欲しいんですが。


■【異聞 防人の島・対馬(上)】対馬で増える韓国人観光客、不動産買収も「有事の避難用か」 家も土地も…「もはや韓国領」
http://www.sankei.com/life/news/171029/lif1710290009-n1.html
 また「対馬が危ない」だそうです。もちろん筆者は「いつもの宮本雅史*9」です。
 いつもながら酷いデマ記事です。「もはや対馬は韓国領」のわけがないでしょう。
 日本人観光客が来なければ韓国人観光客に頼るしかないだけの話です。

 有事の際、難民であふれ、島民の居場所がなくなる

 「有事に難民が対馬に来るかどうか」と「今多くの韓国人観光客が対馬に来てること」とは何の関係もありません。まあ有事に何かあるとしても、船で日本に来るより陸路で中露でも目指すでしょう。
 まあそれ以前に有事など起こすべきじゃありませんが。

 観光客の増加は、町並みを大きく変貌させた。初めて訪ねた9年前と比べ、比田勝港国際ターミナル周辺には、レンタルサイクル店やカフェ、飲食店など韓国語の看板が並ぶ。

 「対馬は特に韓国語看板が多い」のかもしれませんが韓国語(それプラス英語、中国語)の看板なら最近は都内や埼玉県内でもよく見かけます。
 北海道ではロシア語の看板があるそうですし、静岡県浜松市(スズキの工場がある)など「出稼ぎに来た日系ブラジル人が多い地域」ではポルトガル語看板があるらしいです(ちなみに群馬の太田市大泉町ポルトガル語看板をいくつか見たことがあります。スバルの工場があるので日系ブラジル人が出稼ぎに来てるらしいです)。だからといって「誰も北海道が危ない、ロシアガー」「浜松や太田が危ない、ブラジルガー」とか言わないわけです。
 「対馬と韓国の関係」も全く同じでしょう。

 飲食店経営者によると、週末には韓国人であふれかえるという。
 観光名所、三宇田海水浴場も、至る所に韓国語の説明が。ここも、韓国人だけで、日本人の姿はない。近くに建つバンガローは韓国人専用。日本海を望む温泉「渚の湯」は、1日200人から300人の韓国人が来ることもあるという。
(中略)
 今年1月から7月までに対馬を訪れた韓国人はすでに21万人を超え、昨年同期と比べて7万2千人増加、年内には30万人を優に超す勢いだ。

 何度も書きますが日本人が来なければ韓国人に頼るしかないわけです。

 地元の不動産会社社長は「観光客の増加と同時に民宿や釣り宿などはほとんど韓国資本に買われとっと。比田勝は今、韓国一色だ」と話した。

 「民宿や釣り宿経営」に残念ながら挫折すれば「誰かに買ってもらうほかない」しその場合「外資じゃ嫌だ」なんて贅沢は普通誰も言いません。

 飲食店やホテルが並ぶ川端通りは、韓国人が道路を占拠、路地裏の居酒屋では、日本人がひっそりと杯を重ねている。飲食店経営者は「島民は3万人だからおるのは韓国人だけ。川端通りはすでにアリラン通りだ」と話し、こうぼやいた。
「観光バスは90台以上あるが、全て韓国人観光客御用達。韓国人観光客は、韓国人が経営する飲食店や免税店には行くが、日本人の店には金を落とさない。対馬は場所を貸しているだけ」

 そんな事もないと思いますけどねえ。そもそも対馬に韓国資本の企業があるとして、本当に「韓国資本の企業(ホテル、旅館、土産物屋、飲食店など)だけ」で「韓国人観光客がさばききれるのか」「そんなん無理じゃねえの?」て話です。
 つうかそれが事実だとしても、そこで考えるべき事は「どうやって日本人の店に韓国人を引っ張ってくるか」つうことであって「韓国人は日本人の店に来ないから対馬に来なくていい」つう話じゃないでしょう。韓国人が来なくなっても日本人観光客が増えるわけでもない。
 この「ぼやいてる飲食店経営者」は産経が脳内ででっち上げた代物じゃないか。つうか本当にこんな経営者がいるとして馬鹿な事言ってるようでは飲食店経営なんかやめた方がいい。

 観光客の増加と並行して、不動産買収がこれまで以上に活発化している。
 「シャッターが開いている所は韓国人が買った所。飲食店も半分以上は韓国人が買収して経営している。数年後には川端通りは全て韓国人に買収されてしまうだろう」とホテル関係者。

 本当にそんなに日本人業者の経営が行き詰まってるのか、本当にそんなに韓国資本が買収してるのかは「デマ記事常習の産経」では疑問です。
 何せ「対馬が危ない」を検証した週刊金曜日の記事(id:agricola氏の記事『「週刊金曜日」で産経の「対馬が危ない」キャンペーンを嘲笑している件』http://georg-agricola.seesaa.net/article/132991550.html参照)に寄れば

 週刊金曜日775号に掲載された柳原滋雄氏のルポ"「対馬が危ない!!」キャンペーンのお粗末"は産経の記事が如何に滑稽きわまるデタラメかをコンパクトにまとめたものですが、その中から面白いところを抜粋してみます。

 私が対馬市役所の市長室を訪ねたのは今年六月。対馬は福岡・長崎両空港から、空路で三十分ほどの距離にある。 前年三月、現職市長を破って当選した市職員出身の財部能成市長〈五一歳)は、取材に対しこう答えた。
「市当局で確認できる限り六九六平方キロの対馬の土地のうち、韓国人の所有四万八〇〇〇平方メートルです。 比率にすると、〇.〇〇六九%に過ぎません。しかもこのなかには、古くからの韓国人住民の土地も含まれ、 これで『買い占め』という表現は当たらないのではないかと考えています」
 加えて「〇八年後半からのウォン安の影響で、最近はそう言う話も全く聞かない」と、 取材に同席した永尾榮啓・総務企画部長ともども顔を見合わせるのである。

ですからねえ。もちろん産経がこうした批判を無視することは言うまでもありません。
 今回も週刊金曜日が過去に批判した記事同様デマではないのか。
 大体今回も産経の記事には「正体不明の地元民」が「根拠レスで個人的感想を述べるだけ」で「土地や飲食店の買収」とやらについて「具体的数値」など何一つ出てきません。
 いずれにせよ産経の記事が事実でも問題は「日本人業者の経営が行き詰まってること」であって韓国側の買収だけやり玉に挙げても、「韓国人経営者に経営権譲渡できない日本人の首が締まるだけ」です。

 複数の不動産関係者は「ここ3、4年で買っている量は半端ではない。対馬の土地が全部、韓国資本に買われてしまうのは時間の問題」と口をそろえる。

 根拠レスでそんな事言っても説得力皆無です。せめて「今対馬の土地のホニャララ%が外国人所有です」とか書いたらどうなのか。もちろん「書いたらウソと速攻でばれるから」or「そうした客観的データがないから」でしょうけど。
 この産経の書きぶりでは既に「1/3(約33%)」「1/4(25%)」「1/5(20%)」とか相当の%買われてそうですが多分そんな事実はないのでしょう。

市は、韓国資本による不動産の買収件数を把握していない

 いやそれなら産経は何を根拠に「買収が進んでる」つうのかって話です。
 「不動産業者の根拠の怪しい個人的感想」なんか根拠になるわけないでしょう。
 そもそも本当にこんな不動産業者がいるかのどうかすら「捏造常習」産経では怪しいですが。

 韓国人相手の免税店の女性店員は「家も土地も買われて、人口より観光客の方が多い。対馬はもはや韓国領です。そのうち韓国の国旗が立つのでは」とまで言い切った。

 ばかばかしい。「観光客が多いと韓国領」なら「たぶん外国人観光客が人口より多い」ハワイやグアムなんかはどうなるのか。
 韓国国旗だって「ウエルカム韓国人の皆さん」的な意味ならまだしも、「対馬は韓国の領土的な意味」で立つわけがないし、「ウエルカム韓国人の皆さん」的な意味なら何の問題もないわけです。
 日本人観光客の多い場所ならたぶん「ウエルカム日本人の皆さん」的な意味で日本国旗が立つこともあるでしょうし。
 つうか本当に「自分の食い扶持を提供してくれる韓国人観光客を誹謗する」こんな頭のおかしい女性店員がいるのか。こんな店員が本当にいるなら、これは「韓国人観光客が問題」つうよりこの女性店員の韓国への差別意識や排外主義の方が問題でしょう。

朝鮮半島で何かが起きた場合、避難するために土地や建物を買っているふしもあり買収がスピードアップしているように感じる。有事の際、数十万人の難民が押し寄せてくると、われわれ島民の居場所がなくなる。想像を絶することが起きそうで不安だ」

 妄想乙ですね。
 商売で買ってるに決まってるわけで産経以外のまともな新聞記者ならこんな馬鹿な事言う地元民がいても鼻で笑うだけでしょう。
 そもそも本当にこんな地元民がいるかのどうかすら「捏造常習」産経では怪しいですが。

 美津島町竹敷地区は、9年前、海上自衛隊対馬防備隊本部に隣接する土地が韓国資本に買収され、リゾートホテルが建設されたことで、国民*10の注視を集めた。
(中略)
 住民からも「無線が傍受されない保証はない」と不安の声がもれる。

 リゾートホテルなんだから何の問題もないし、買収に問題があるなら、自衛隊が何らかのアクションをするでしょう。騒いでるのは単にウヨだけです。
 「無線傍受ガー」てリゾートホテルの社員や客をスパイ扱いするとかどれほどふざけてるのか。大体自衛隊無線なんかそう簡単に傍受できるわけがないでしょう。自衛隊も、スパイに傍受できないようにプロテクトかけてるに決まってる。
 かつ「外国人なら傍受するが日本人なら傍受しない」つうわけでもない。外国人だけ敵視する産経は本当に異常です。

 防備隊本部の金網には韓国語で「立ち入り禁止」という注意書きがあるが、地元住民は「観光客は、ほぼ毎日、数十人単位で来て、3軒合わせると月に1千人ぐらいにはなる。大型バスで来て宿泊場所まで歩いて行くが、自衛隊の敷地内に入りそうになったこともあった」と話した。

 それ単に「天然ぼけ」つうだけでスパイとか言う話じゃないですしねえ。
 「自衛隊は注意書きをきちんとし、韓国人観光客側も注意しましょう」つう話でしかない。

「5年以内にはあちこちにコリアンタウンができるだろう。最終的に点と点を結ぶとどうなるのか。それを考えると不安だ」

 たぶんできないでしょうが、できたら何が不安なんだかさっぱり分かりません。

 韓国資本の買収後の対応も変化してきているという。厳原町の不動産業者はこう解説する。
 「例えば民宿をリフォームするとき、建築基準法や消防法上の規制がある。韓国人はそれが分かってきたようで、日本人の左官や大工、電気屋を使わず、韓国から職人を連れてきて工事をするようになった。」

 「で、それ何が問題なの?」ですよねえ。
 「地元業者を使って欲しい」と産経が思うのは勝手ですが、それ少なくとも「対馬が危ない」つう話ではない。

「10回、20回と来るリピーターは、島民の知人が増え、空き家情報や不動産の売買情報が簡単に入ってくるようになる」

 そりゃそうでしょう。で別に何の問題もない。それとも産経は「そういう島民は裏切り者だ、売国奴だ」とでも言う気でしょうか。

 観光業関係者によると、韓国人ツアーが港に着くと、韓国人ガイドはまず「対馬はもともと韓国領。いずれきっちり韓国の領土になる」と話し、観光案内を始めるのが恒例になっているという。

 「観光業関係者」とやらの正体が不明の上、そのような主張の具体的な根拠が何一つないので全く信用性はありません。つうか普通に考えてそういう非常識なこと言わないと思いますが。

 9年前、当時の財部能成市長は「10年かかるか20年かかるか分からないが、島全体が韓国色に染まってしまう可能性がある」と危機感を示していた。

 http://georg-agricola.seesaa.net/article/132991550.htmlid:agricola氏が紹介する週刊金曜日記事を信じる限り、その種の危機感を当時の財部市長の言葉から感じることは全くできないので多分産経のデマでしょう。
 なお、ウィキペディア対馬市」などによれば、現在は財部市政(2期8年)で農林水産部長や副市長を務めた比田勝尚喜氏が財部後継として、自公の支援を受け、市長返り咲きを狙う「松村良幸元市長(元美津島町長)」を破り市長を務めています。


■【異聞 防人の島・対馬(下)】「日本海の要塞」対馬に中国の影 不動産爆買いは時間の問題「韓国も中国も対馬欲しい」
http://www.sankei.com/life/news/171030/lif1710300021-n1.html

 今春、対馬の玄関口、厳原(いづはら)港の近くに国内の大手ホテルチェーンが進出した。

 どうも東横インが進出したようです。

 対馬の表玄関・厳原港は大規模な改修工事の真っ最中だ。長崎県によると、現在国内フェリーの接岸工事をしている段階で最終的な改修規模は検討中だという。
 対馬の複数の財界関係者の話を総合すると、3年をめどに水深を掘り下げるなどして大型豪華客船が停泊できるように改修する計画が進められているという。県は、この点について「検討対象」というにとどめているが、ある観光業者は、博多港に中国の豪華客船が入港、2千人から3千人の中国人観光客が上陸していることを挙げ、「改修されると、韓国人観光客だけでなく中国人観光客も大挙してやってくるだろう。そうすると、北海道のように、韓国資本が押さえている不動産をすべて中国人が買収にかかる可能性が出てくる」と指摘する。

 「やってくるだろう」も何もやってきて欲しいから、観光で金儲けしたいから工事しているわけです。
 不動産を中国資本や韓国資本が買うか分かりません*11が日本は資本主義国家ですからねえ。法に抵触しない限り買うことに何の問題もない。

 厳原町のある財界幹部は「対馬自体が要塞。対馬を押さえると、日本海を押さえることにもつながる。日本海を内海にして自由に航行できることを目指す中国は当然、対馬を狙ってくる」と話した

 ばかばかしい。対馬にはそれほどの軍事的価値はないでしょうし、一般企業が対馬の土地を買い占めても「日本海をおさえること」「日本海を内海にすること」なんかできるわけもない。
 この財界幹部とやらが実在の人物だとして
1)偏見が酷い反中国右翼
2)安倍政権なら「中国の脅威」を煽れば補助金がもらえるとの判断の下、故意に「偽りの脅威」を扇動してるか
どちらかでしょう。どちらにせよそんな脅威は存在しないという意味でくだらないですが。
 しかし産経らしいと言えば産経らしいですがここまで出てくる人間は皆「名無しの正体不明」です。
 対馬市長だの市議会議長だの、商工会長だの「正体がはっきりしてる人間」は誰一人出てきません。

 対馬が韓国資本の標的にされる理由は、歯止めが利かない過疎化と高齢化にある。

 いかに「韓国で最近人気の観光地=対馬」とはいえ、過疎化と高齢化が進むようなところをそんなに買収したがるだろうかという意味で非常に疑問な産経記事です。
 どっちにしろ過疎化と高齢化が進むことはもうどうしようもないんじゃないですかね。離島なんて住んでても不便ですし。無理に補助金を投入することがいいことかは疑問です。

 タクシー運転手も「皆さんに補助して、交通費が安くなれば本土からも人が来るとですよ。日本人が大勢来られるようになれば対馬も進展があろうばってん、韓国人じゃ相手にならん」と話す。

 本当にそんなこという運転手なんかいるんですかね。韓国人だろうと日本人だろうと客としてきてくれればカネを落とすわけで「日本人じゃなきゃ」云々なんて言わないと思いますが。
 現に日本人は「韓国人に比べたら」全然来ないわけですし。
 「交通費が安くなれば人が来る」つうのもあほな話で「観光地としての魅力」がなければ誰も来ません。

【追記】
 この際、対馬関係の記事をいくつか見てみます。

http://biz-journal.jp/2017/05/post_19124_2.html
■インタビュアー
 韓国人観光客が年々増加していますが、島にとっては貴重な収入源になっているのではないですか。
対馬市役所
 以前より韓国から対馬に渡るニーズは高く、ホテル・民泊など宿泊施設の受け入れ体制を増やしてほしいという要望がありました。そのため、企業誘致を行い、今年3月には約300人が宿泊できる東横イン対馬厳原店が開業、対馬北部でもホテル・ペンション等の建設着手やさらなる建設計画があり、宿泊インフラの整備については解消の途に就いたと感じています。
 なぜ韓国人が対馬に観光に来るのかといえば、まずは一番近い外国であるという認識が高いこと、さらに自然を利用した魚釣り、トレッキングのアクティビティや自然そのものに需要があるためで、日本のお酒、スナック菓子やわさびなどもお土産品として購入されていて、島内には免税店も増えています。今年は韓国人観光客が30万人に達する可能性も十分にあると思います。
 一人ひとりの消費額は少ないのですが、今後はより消費してもらうためにマリンスポーツやサイクリングなどの体験型観光を推進し、道路などのインフラ整備も検討すべきだと思います。
■インタビュアー
 韓国人観光客に比べて国内観光客が少ない印象がありますが、広報・宣伝戦略についてはいかがですか。
対馬市役所
 現在のところ、離島観光については「安・近・短」が好まれる傾向が強いのが実情で、ほかとは差別化を図る必要があります。昨年3月30日に、福岡市と空路・海路で直行便(1時間程度)がある離島の3市2町((ボーガス注:長崎県の)対馬市壱岐市五島市新上五島町・(ボーガス注:鹿児島県の)屋久島町)は、福岡市を中心とした広域観光の推進などに取り組み、連携して地域と九州の発展を図るため、「福岡市・九州離島広域連携協議会」を設立しました。
 「福岡市からダイレクトに行ける」を売り文句に、旅行や商品の情報発信を行っています。今後も、有人国境離島地域保全特別措置法の交付金などを活用して国内への広報・宣伝活動を強化し、島を訪れやすい施策を行いたいと考えます。
 滞在型観光を増やすために、活気にあふれ自然と歴史を体感できるようなイベントも検討中です。一例として秋口にはサイクリングイベントの実施を予定しています。南北の島をつなぐ道路が1本しかなく迂回路も少ないため、島を縦断するイベントの開催には工夫が必要ですが、起伏のある地形がサイクリング愛好者に人気が高いため、イベントの実施が検討されました。そのための道路整備などは、今後の検討課題となります。

http://japanese.joins.com/article/149/169149.html
中央日報『韓国人観光客29万人、なぜ対馬が人気?(1)』
 最近、対馬に行く観光客が急増している。 旅行業界によると、対馬行き旅客船の乗客は昨年29万3200人で、2011年に比べ5倍近く増えた。 このうち半分が日帰り観光客というのが、旅行会社の分析だ。
 会社員のイ・ジュヨンさん(31、女性、釜山市海雲台区)は今回が3度目の対馬旅行という。 イさんは「多くの時間と費用をかけなくても、日常から抜け出し、異国の風景を楽しみながら気分転換ができる。うまくショッピングをすれば、船の運賃も浮く」と語った。 いくら近いとはいえ、旅券を提示して出入国手続きを踏む厳然たる海外旅行であるため、免税店でのショッピングが対馬観光の大きなメリットになるということだ。
 釜山旅客ターミナルの免税店は好況だ。 空港に比べると規模は小さいが、酒、たばこ、化粧品、バッグ、健康補助食品などがそろっている。
(中略)
 対馬の中心地は厳原だ。 厳原には韓国と関係がある遺跡地も多い。 最近ベストセラー小説でよく知られる(ボーガス注:李氏朝鮮最後の王)高宗の王女・徳恵翁主*12の悲運の生涯を振り返らせる結婚記念碑、対馬島流しされて生涯を終えた旧韓末の憂国の士・崔益鉉(チェ・イクヒョン)先生の殉国碑がある修善寺は、歩いて回ることができる。

http://japanese.joins.com/article/150/169150.html?servcode=400§code=400
中央日報『韓国人観光客29万人、なぜ対馬が人気?(2)』
 現地では意外なところで韓国人観光客に会った。 厳原ターミナルから歴史文化資料館へ行く道の途中のハンバーガーチェーン店「モスバーガー」だ。
(中略)
 ある女性客に「なぜ日本まで来てハンバーガーを食べるのか」と尋ねたところ、「ソウル江南にチェーン店ができたが、列に並んで購入しなければいけない」と逆に問い返された。この女性は「ソウルよりここで食べるのがオリジナルの味に近いと思う」と語った。
 その隣のショッピングセンター「ティアラ」にも韓国人観光客が多かった。
(中略)
 栄養剤など薬品類を購入していた男性観光客(公務員)は「最近は円安になったので現地の物価も負担にならない」と話した。
 対馬への観光客は初めて航路が開かれた1997年から増加を続け、08年には14万人を超えた。 2011年には東日本大震災の影響で約6万人に急減した。 しかし昨年は29万3200人と過去最多となった。
 対馬日帰り観光の最も大きな魅力は安い費用だ。 一部の旅行会社では専用バスに乗って主要観光地を回る7万9000ウォンの商品も出している。 昼食・現地交通費を合わせても10万ウォンにならない。 旅行会社のある関係者は「特価商品や免税割引券(1万ウォン)をうまく利用すれば、5万ウォンほどの料金で海外旅行ができるというのが対馬旅行の最も大きな魅力」と話した。

https://matome.naver.jp/odai/2136418919065475901
■島南部の厳原地区でホテルを営む播磨富子さん
「来てくれないよりはずっといい。韓国人が来なくなったら倒産する。今後も歓迎します。それが対馬の実情なんですよ」
対馬市議会・小宮教義市議
「商売は別だと割り切るしかない。代わりに日本人が来てくれるわけではないでしょう?」
出典『国境の島・対馬をゆく それでも観光、韓国人だのみ』産経新聞

*1:最近の著書に『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)

*2:下関市長門市

*3:そもそもよほど酷い野次でない限り安倍に限らず、野党議員への野次だってマスコミはほとんど報じてないですけどね。

*4:戦後、駐カナダ大使、外務事務次官、駐米大使、福田内閣対外経済担当相など歴任

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*6:鳩山、菅内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*7:吉村・大阪市長では駄目なんでしょう。

*8:勿論票が減っていい訳ではないのですが、そういう意味では維新ほどの深刻さはありません。

*9:著書『対馬が危ない:対馬を席巻する韓国資本』(2009年、産経新聞出版)、『爆買いされる日本の領土』(2017年、角川新書)など

*10:ぶっちゃけ国民はそんなモン注視していません。「対馬観光が趣味」or「対馬出身者」でもない限り対馬の現状なんかほとんどの国民は興味ないでしょう。産経のような嫌韓国ウヨが「対馬が危ない」と根拠レスで騒いでるだけです。

*11:いずれにせよ観光に来なくても土地は買収できますし、観光客全てが土地買収を希望してるわけでもないので「観光客が来ること」と「土地の買収」をつなげてる産経は本当に変です。

*12:1912〜1989年。旧対馬藩主・宗家の当主である伯爵・宗武志と1931年に結婚したが1955年に離婚している。