■【オウム死刑執行】麻原元死刑囚の妻らが遺体引き渡し要求 「遺体は祭祀の対象」
https://www.sankei.com/affairs/news/180707/afr1807070026-n1.html
公安関係者によると、麻原元死刑囚の遺体は象徴的な意味を持ち、遺骨や遺品が後継団体の正当性を示す象徴になる可能性があるとみられている。神格化も懸念されており、公安当局は、遺骨を奪い合う内部抗争も警戒している。
そんなこと言うのなら死刑にするなって話です。「神格化の危険」なんか以前から指摘されてたでしょうに。まあ本当はそんな「神格化の危険」を大して恐れていないからこその死刑執行でしょうが。
なお、「神格化の危険」がなくても俺は死刑には反対ですが、神格化されたところで、もはやテロの危険はないでしょう。せいぜい「サギ的宗教としての害悪」があるかどうかといったところでしょう。
その意味では公安調査庁の監視など全く無意味です。公安調査庁が組織生き残りのためにオウムの脅威をでっち上げてるに過ぎない。公安調査庁からすれば「救う会にとっての北朝鮮拉致問題」同様、アレフなどオウム残党グループは消えてもらっては困るわけです。
まあ、遺族の思惑が何であれ、遺体引き渡し要求には応じざるを得ないでしょうねえ。
「遺族が故人を悼む権利」を否定することは適切ではないでしょう。
まあ、「複数の遺族が引き取りを個別に請求している」ようなので誰に渡すかというややこしい問題はありますが、それが解決しさえすれば引き渡しを拒否する理由はないでしょう。
■【オウム死刑執行】四女、遺骨受け入れの意向 代理人のブログを通じ示す「実父の最後のメッセージ」
https://www.sankei.com/affairs/news/180710/afr1807100004-n1.html
まあ本当にそういう意思を麻原が示していたのなら、そして四女が受け入れる予定なら当然そうすべきでしょうね。
安倍政権下の法務省だと「妻や三女がオウム残党組織と関係がある(らしいです)」つうことで
・四女は当初、引き取りを躊躇(ちゅうちょ)していた
・四女は、麻原元死刑囚ら両親と縁を切るため、自分の推定相続人から両親を除外するよう申し立て、横浜家裁の審判で認められた。
という、つまりオウム残党とは関係はないらしい四女に引き取らせるためにありもしない意思を捏造した疑いが否定しきれませんが。
別に「生前から弁護士を通して外部にそうした意思を伝えていた」わけでもないようですしね。
■【産経抄】7月7日
https://www.sankei.com/column/news/180707/clm1807070002-n1.html
そもそも、破防法とは「犯罪集団なら革マル派(極左暴力集団)でも山口組(暴力団)でも統一教会(カルト)でも何でも適用できる」なんて代物ではありません。
そもそも、破防法は火焔瓶闘争時代の共産党を対象に制定されたものであり、オウムの様なカルトを想定対象にしていない。
適用するには要件が必要であり、オウムにはその要件がないという意見が有力でした。
実際、破防法など適用せずともオウムは衰退しました。もちろん後継団体はありますが、彼らの運動をどう評価するにせよ、彼らは破防法適用が必要な凶悪犯罪団体とはとてもいえないでしょう。
また破防法の適用自体、自民党政権においてすら
・1961年の右翼テロ未遂事件「三無事件」(当時は池田*1内閣)
・1971年の渋谷暴動事件(中核派)(当時は佐藤*2内閣)
などに限られています(ウィキペディア「破壊活動防止法」参照)。
アジア諸国に、痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ちを表明した「村山談話」は、閣僚にも事前に知らせずに8月15日の閣議でいきなり決定した。
村山談話が「個人的談話」の形式なら「事前に閣僚が知らないこと」はありうるでしょう。
しかし閣議決定で了承を得ていますからね。
村山内閣には「河野*3外相、橋本*4通産相、森*5建設相(当時、前幹事長)、平沼運輸相」などといった自民党閣僚が参加しています。事前の根回しもしないで出したら自民党側の反対で潰される恐れが高い。常識で考えて「事前の根回しはしてる」でしょう。
ちなみにウィキペディア「村山談話」には
当時の状況について、運輸大臣として閣議決定に関わった平沼赳夫*6は、「閣議中にいきなり談話案が出された。署名しなければ自社さ連立政権が吹っ飛ぶかもしれないという恐怖感があり、署名せざるを得なかった」と後に語っている。また、平沼と同様に閣議決定に関わった島村宜伸*7文相、野呂田芳成*8農水相、深谷隆司*9自治相・国家公安委員長、衛藤征士郎防衛庁長官(当時)は、作成過程について村山が「野坂浩賢*10官房長官がしっかり根回ししていた」と朝日新聞のインタビューで語ったことについて、「根回しされていない」と反論している。
と書いてありますが、まあこれはウヨ支持層への言い訳でしょう。
「事前に根回しをされて、理由はともかく賛同した」といってウヨの反発を買うのを恐れて、「8/15にいきなり出されて賛同せざるを得なかった」と言い訳してるだけでしょう。本当は産経とて村山氏の主張の方が本当だと思いながら無理に村山非難、当時の自民系閣僚を擁護してるだけでしょう。
実際には「河野外相(当時、自民党総裁)、橋本通産相(当時、前政調会長)、三塚*11幹事長、加藤*12政調会長、武藤*13総務会長ら当時の自民党執行部、主流派が事情はともかく、村山談話を了解したため、彼らも賛同せざるを得なかった」だけでしょう。
なお、ウィキペディア「村山談話」には
談話の作成過程において、当初「終戦」と「敗戦」の両方が混ざっており、当時通商産業大臣だった橋本龍太郎は談話草案について「よくできている。」と称賛した上で「侵略戦争が無謀だったという意味も含め、敗戦に統一するべきだ」と指摘したという。
という記述もあります。なお、この村山談話、「安倍内閣も含めて」、「村山内閣直後の橋本内閣以降」歴代内閣は一応「踏襲」を表明しています。
その後のいくつかの政権についてもそうだが、国民も国会議員も、安易に国のリーダーを選ぶと大変な目に遭うということは言える。
やれやれですね。それに最も該当するのは非常識極右(河野談話否定など)で独裁体質(メディアなどへの恫喝)、腐敗政治屋(モリカケ)の安倍*14でしょう。
少なくとも産経が敵視する「非自民連立の細川、羽田氏*15」「社会党の村山氏」「民主党政権の鳩山、菅*16、野田氏*17」「(自民党総理でも産経ほどの極右ではなく「日中友好を主張すること」や脱原発主張などを理由に敵視する)小泉*18、福田*19首相」でないことだけは確かでしょう。
*1:吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相
*2:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相、科学技術庁長官などを経て首相
*3:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任
*4:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相
*5:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相
*9:海部内閣郵政相、村山内閣自治相・国家公安委員長、小渕、森内閣通産相など歴任
*11:中曽根内閣運輸相、竹下内閣農水相、宇野内閣外相、自民党政調会長(海部総裁時代)、幹事長(河野総裁時代)、橋本内閣蔵相など歴任
*12:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官、自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任
*13:大平内閣農水相、海部内閣通産相、宮沢内閣外相、自民党総務会長(河野総裁時代)、橋本内閣総務庁長官など歴任
*14:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相
*15:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣副総理・外相などを経て首相
*16:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相などを経て首相
*17:鳩山内閣財務副大臣、菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任
*18:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相