今日の産経ニュース(2020年12月17日分)

首相夜会食の余波、自民内で忘年会キャンセル相次ぐ - 産経ニュース

 野党が問題視したのは14日夜に東京・銀座のステーキ店で首相や二階氏、俳優の杉良太郎さんら*17人以上が参加した会食。

 菅の会食が野党やメディアに批判されなければ、多くの自民党議員が「忘年会をやる気だった」というのだから危機感のなさに呆れますね。
 しかし王や杉、みのってのはそんなに菅や二階と親しいんですかね?。


【産経抄】12月17日 - 産経ニュース

 「検察改革」を悲願とする韓国の文在寅*2ムン・ジェイン)大統領は当初、日本の地検特捜部を念頭に置いていたようだ。
 「東京地検特捜部は政治権力の目をいっさい気にしない。政治的中立を徹底的に維持し…輝かしい実績をあげてきた」。
▼大統領就任前に刊行した自伝のなかで、高く評価していた。

 ロッキード事件での田中*3元首相、橋本*4自民党幹事長起訴を除けば、大物政治家の逮捕や起訴はほとんど無く
1)造船疑惑では吉田*5内閣の指揮権発動に屈し、佐藤*6自由党幹事長、池田*7自由党政調会長への捜査を中止
2)リクルート事件では疑惑の政治家として名前が挙がった中曽根*8前首相、竹下*9首相、宮沢*10蔵相、安倍晋太郎*11幹事長、渡辺*12政調会長は起訴せず、藤波*13官房長官のみ起訴
3)日歯連事件では疑惑の政治家として名前が上がった橋本*14元首相、青木*15官房長官、野中*16官房長官は起訴せず、村岡*17官房長官のみ起訴
4)森友疑惑では安倍*18どころか財務官僚すら起訴せず
なのだから過大評価も良いところです。


【主張】文政権の検察攻撃 法治国家の基盤崩すのか - 産経ニュース
 「検察庁法改定」で「検察を権力の奴隷化しようとした安倍」を擁護した産経が良くもいったもんですがそれはさておき。

 検察制度を歪めようとする姿勢は、慰安婦問題をめぐる日韓合意を反故にしたり、国交の基盤である日韓請求権協定を踏みにじる「徴用工訴訟」判決を容認したりすることに通底する。

 文政権の検察への態度が「検察制度をゆがめてるのかどうか」は俺がこの件について無知なのでひとまずおきます(最大野党や検事総長などがそのように批判してることは事実ですが)。
 いずれにせよ、少なくともこれは「日韓合意」や「徴用工訴訟」とは何の関係もない話です。
 日韓合意について言えば、朴クネ政権がきめたことであり、文政権が拘束されるいわれはない。
 また産経の言う「少女像(慰安婦像)は日韓合意に反する」というのは全くのデマカセです。少女像の撤去なんて話は合意のどこにもない。
 そもそもあの合意について言えば安倍及び朴クネが「国内の批判を恐れた」がゆえに「記者発表の発言しかない」「公式な合意文書がどこにもない」と言うとんでもない代物です(普通は後でトラブルになるとまずいので正式な合意文書を作るもんですが)。つまり「公式な合意文書がどこにもない」が故に、合意内容が何か明確にしがたいなんて代物です。そんなものに法的拘束力があるとそもそも言えるのか?
 「徴用工判決」についていえば、以前も書きましたが、判決を出したのは韓国最高裁であって文政権ではありません。これに対する文政権の態度は、「光華寮訴訟・中国敗訴判決」での中国の抗議「中曽根政権は日中平和友好条約に反する不当な判決を是正せよ」に対する中曽根政権の態度「三権分立だから何も出来ない。何かしたら違法な司法への介入になる」と何ら変わりません。
 なお、当時、産経は中曽根政権を擁護し、中国の抗議を「三権分立への理解がない」と非難しました。
 文政権の態度が間違いなら中曽根の態度も間違いだし、中曽根の態度が正しいなら文政権の態度も正しい。
 産経のような「中曽根は正しいが文政権は間違ってる」などというのはまるで理屈の通らない暴論でしかない。
 志位共産党委員長なども指摘していますが、「日中国交正常化で中国政府が賠償を放棄した」と言う意味で日韓国交正常化に似た面がある中国においては「中国人徴用工と三菱マテリアル西松建設など日本企業との間に和解が成立し、一定の金額を徴用工に払ってる」のだから「韓国人徴用工と日本製鉄」においても同じ事をすれば良いだけではないのか。
 そして、むしろ安倍や産経の方こそ

慰安婦南京事件朝鮮人強制連行(徴用工問題)を『事実無根』『日本に非はない』と強弁する姿勢は、『モリカケ疑惑』『桜を見る会疑惑』『アベノマスク疑惑』で『不正などない』『問題など無い』と強弁する姿勢に通底する。

と言うべきでしょう。

*1:マスコミ報道に寄れば、菅、二階、杉以外では王貞治ソフトバンク球団会長)、みのもんた(タレント、元「文化放送」アナウンサー)、森田実(政治評論家、元「日本評論社」出版部長)の名前が挙がっている。

*2:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*3:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*4:池田内閣建設相、佐藤内閣建設相、官房長官、運輸相、民党総務会長(佐藤総裁時代)、幹事長(田中総裁時代)など歴任

*5:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使など歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*6:運輸次官から政界入り。自由党幹事長、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*7:大蔵次官から政界入り。自由党政調会長、吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*8:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*9:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*10:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*11:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)などを歴任

*12:福田内閣厚生相、大平内閣農水相、鈴木内閣蔵相、中曽根内閣通産相自民党政調会長(竹下総裁時代)、宮沢内閣副総理・外相など歴任

*13:大平内閣労働相、自民党国対委員長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣官房長官など歴任

*14:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相。首相退任後も森内閣で行革等担当相

*15:小渕、森内閣官房長官自民党参院幹事長、参院議員会長など歴任

*16:園部町議、園部町長、京都府議、京都府副知事を経て衆院議員。村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)などを歴任

*17:宇野内閣郵政相、海部内閣運輸相、自民党国対委員長(海部、橋本総裁時代)、橋本内閣官房長官自民党総務会長(森総裁時代)など歴任

*18:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相