「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年2/2分:高世仁の巻)

「貧困対策」でチベット人を醇化
 「醇化」とはあまり使わない言葉ですが

goo国語辞書
1)教え導くこと。「大衆を醇化する」
2)不純な部分を捨てて、純粋にすること。純化

だそうです。高世がどちらの意味で使ってるかは分かりません。「中国政府の考える方向でチベット族を教え導く」「中国政府にとって不純な部分(ダライラマ崇拝?)を捨ててチベット族を純粋にする」ということで、どちらでも理解可能でしょう。なお、アンチ中国の高世なら「同化策」というかと思っていたので少し意外です。
 

 昨夜、NHKBS1「国際報道」で「現地取材・中国チベットの人たちは今~“貧困対策”の現実」を観る。http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/feature/index.html
《2020年までに農村部の貧困人口をゼロにする公約を掲げる中国・習近平指導部。その実現のカギを握るのが55民族・1億1000万人の「少数民族」への対策。多くが貧困地域に暮らしその生活改善が重要な政治課題とされている。このうち、四川省カンゼ・チベット族自治州では急増するチベット文化圏への旅行者の玄関口として急速な近代化が始まり、「脱貧困」のモデルケースとして注目されている。これまで詳細な現実が明らかにされることがなかった少数民族が暮らす地域の変化を通して、共産党が目指す貧困対策の現状に迫る。
出演:別所裕介*1駒澤大学准教授)》
 最近、この「国際報道」は、世界でも最悪の人権侵害と言われているウイグル族弾圧を扱い複数回特集*2を組んでおり、注目している。
 中国政府のチベット政策は、厳しい弾圧策をとる一方で、投資による地域開発で「恩恵」をほどこすというもの。かつての伝統的な村落は、交通網が整備され、高層ビルの建設で風景が一変していた。ある地域では貧困対策と称して遊牧民強制移住させ新たな仕事を与え、立派な学校を作って子どもを漢族化する教育を行っている。全員寄宿舎生活で、授業はすべて中国語、愛国主義教育も徹底される。最近では、チベット語を話せない若者も増えてきたという。

・この高世記事で引っかかるのは、「高世の文章」が「NHK報道の要約」なのか、「NHK報道とは必ずしも関係ない高世の個人的評価」にすぎないのかが分からないことです。例えば、高世文章の「最近では、チベット語を話せない若者も増えてきた」というのはNHKがそう報じたのか。
 素直に考えればそうなるのでしょうが、「消防署の方から来ました」メソッド(NHK報道は前振りに過ぎない。俺の文章についてNHK報道を要約したとは書いてない、そう誤解する方が悪いby高世)による誤読狙いの危険性が否定できません。
・それはともかく「なんとも評価が難しい」ですね。中国の思惑が何であれ「経済的に豊かにはなってる」のでしょう。そして「そのこと自体」はもちろん悪いことではない。
【参考】

チベットの貧困発生率が8%以下まで低下--人民網日本語版--人民日報
 西蔵チベット自治区第11期全国人民代表大会全人代)第2回会議が10日に開かれ、全自治区で15万人の貧困人口および19の貧困県が全て貧困から脱却したことが明らかになった。中国共産党第十八次全国代表大会(十八大)以来、同自治区は、深刻な貧困地区と特殊な貧困群に焦点を当て、産業における貧困扶助や貧困地区からの移転といったターゲットを絞った貧困支援政策を進めてきた。2018年、自治区農民の一人当たり可処分所得の増加率は13%、25の貧困県が貧困状態から脱却し、全自治区での貧困発生率は8%以下まで低下した。

【参考終わり】

 最近では、チベット語を話せない若者も増えてきたという。

 在日朝鮮・韓国人の民族教育に無関心どころか、ウヨに同調してそうした民族教育の場(朝鮮学校)を敵視する男が良くもこんなことが言えたもんです。高世には「恥を知れ」といいたい。

 こうした醇化策の結果、表立った反抗は抑え込まれ、チベット人の抗議は、個々人の焼身自殺という手段に追い込まれている。

 まあ、そういうことですね。

https://nikkan-spa.jp/659299
 前出・中原氏が語る。
「捨身つまり『焼身』という最高の非暴力による利他の心を体現し、良き死を遂げることで、良き来世を迎えようとする。我々からすれば痛ましく、悲しいことと感じますが、仏教を信じている彼らだからこその行為なのでしょう。」
 I濱*3 教授(前出)はいう。
「追い詰められて衝動的に自らに火を放つ人は、絶望や怒りを動機としていますが、大乗仏教徒の焼身者はこれとは異なります。仏教徒は自分の友ばかりでなく敵も含めたすべての他者の苦しみを引き受け、安楽をもたらすことを理想とするので、彼らは前もって決意し、自分の身をチベットに捧げるという旨の遺書を残して焼身を決行しています。無私であるが故にその行いは他者への影響力があります」

【中国に屈せず】チベットの焼身抗議の実態をブログで伝える建築家・中原一博氏が情報統制の恐怖を語った…(1/5ページ) - 産経ニュース
焼身は「究極の非暴力による抵抗」で、厚い信仰に基づく行動と理解されている。

なんて「きれい事」では全くない。

「ルンタ」池谷薫監督、「チベット人の非暴力の姿勢に現代を生き抜くヒント」 : 映画ニュース - 映画.com
 中国政府や指導者へ宛てた遺書に、訴える場所がなく、デモもできず、(焼身は)訴える最後の手段と書いてあった。やりたくてやっているわけじゃない、最後の究極の命がけの手段

つう話の訳です。
 なお「焼身自殺しても意味がない(中国はそんなことで政策を変更しない)」のでやめるべきでしょうね。

 中国が(ボーガス注:経済的に発展し、)国際的影響力を著しく増した結果、外からの圧力の効果は限定的で、習近平*4政権のやりたい放題を止める手はすぐには見つからない。ダライラマ亡命以来、半世紀にわたって共産党政権に抑圧され続けてきたチベット人たちを思うと暗澹たる気持ちになる。

 まあ、「チベットダライラマ亡命政府)と中国の力関係」は結局そういうことですね。

*1:著書『ヒマラヤの越境者たち:南アジアの亡命チベット人社会』(2013年、デザインエッグ社)

*2:具体的には『中国でウイグル族大量拘束 今何が?』『衝撃証言 ウイグル族“不当収容”の実態』

*3:著書『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書)など

*4:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席