常岡浩介や黒井文太郎ほかに突っ込む(2019年2月3日分)

北方領土、安倍首相在任中解決しない88% | 共同通信
 黒井がこの共同通信記事にリツイートしていたので分かりました。
 この共同記事からは2つのことが分かると思います。
 一つ目は「安倍政権不支持は88%*1ではないので、安倍政権支持者ですら安倍の対ロシア外交を評価してない」。
 二つ目は「一つ目の言い換え」みたいなところがありますが、「安倍政権支持者においては安倍の対ロシア外交がいかにでたらめでも、それが不支持理由にはならないらしい」。
 正直「『安倍では島がかえってこない、安倍は帰ってくるかの様な宣伝してるけど』と思いながらそれでも安倍支持するの?。あいつのでたらめさは対ロシア外交限定じゃないんだけど?」とげんなりしますね。


【常岡や黒井のツイートに突っ込む】

黒井文太郎*2さんがリツイート
・yonemura koichi*3
‏ トランプさんも含めて勘違いしてるけど、北朝鮮は急激な経済発展なんて望んでないんですよねー。かえってリスキーだから。今でも目標は1979年の経済水準だって言ってるし。

 イヤー米村記者も黒井もぶっちゃけ「あんたらの方が間違ってるんじゃないの?」ですね。可能なら北朝鮮は「急激な経済発展*4をしたい」でしょう。ただ「まず第一に」それは現実的なのか、北朝鮮がそんなん望んでも実現は無理じゃないのか、つう話です。中国だって1970年代後半の改革開放後、すぐ(1980年代)に今の様な経済大国になったわけじゃない。
 第二に「体制を犠牲にするリスクを冒してまで」急激な経済発展をする気はないでしょうが、それを「急激な経済発展を望んでない」と表現するのは適切じゃないでしょう。まあ、そもそも繰り返しますが、「急激な経済発展」の可能性自体が高くないとは思いますが。
 つうかそもそもトランプ政権って「急激な経済発展ガー」なんて言ってましたっけ?。

トランプ氏、在韓米軍の撤収「そうした計画はない」 (写真=AP) :日本経済新聞
 2回目の米朝首脳会談に関しては「北朝鮮が非核化する可能性はかなりある」と自信をみせた。その理由として金正恩キム・ジョンウン)委員長が経済発展をめざしている点を指摘し「彼は北朝鮮をすごい経済大国にできるチャンスを手にしている。核兵器を持っていてはそれは実現できない」と説明。北朝鮮がロシアと中国、韓国に囲まれているとして「私は不動産ビジネスをやっていたが、なんと素晴らしい位置にあるのか」と語った。

というのは単に「非核化すれば、安保理制裁も解除され、今の貧乏国家から脱却してもっと豊かになれる」つう話に過ぎないでしょう。「すごい経済大国」つうのは単に誇張表現が好きなトランプらしい物言いに過ぎないと思いますね。実質的意味はあまりないでしょう。

黒井文太郎がリツイート
・KaSuehiro
 今から37年前。バッシャール現大統領の父ハーフェズ・アサドはハマーで虐殺を行い、少なくとも4万人の市民/非戦闘員を殺害した。

 黒井は「だから、アサド政権は打倒されるべきだ」といいたいようですが、今から37年前というと1982年でしょうか。
 で、その頃は欧米は「アサドを容認していた」わけです。今アサド打倒的な方向に動いてる(ただしロシア、イランのアサド政権支持や欧米が支援した反体制派があまりにも無能なため、アサドは復権しつつある)のはどう見ても「人権」なんて高尚な話ではないわけです。そのあたりを質問されたら黒井だのそのお仲間だのはどう答えるんでしょうか?
 「1982年時点でアサドは打倒されるべきだった」?。「欧米は今人権に目覚めた」?。「昔も今も人権が理由じゃないけど、今は結果的に人権擁護だからいいんだよ」?。

黒井文太郎がリツイート
・Kanako Noda
‏ 今マドゥロを支持している人は4%と言われています*5(中略)
 (ボーガス注:それを知らずに、どちらも精力的には五分五分みたいな認識をして?)ベネズエラは分断されてるとか、マドゥロ派の言い分を五分五分みたいに捉えている人はアホでしょ。圧倒的多数が反対で、ごく少数しかマドゥロの言うことに正当性を見出してないの。

 「うーん(苦笑)。朴クネ政権末期(崔順実疑惑)とかニクソン政権末期(ウォーターゲート)状態にある様なこと言うてるけど、ホンマかいな?」ですね。俺も「ベネズエラ」素人なのでなんとも評価できません。
 とはいえ、マスコミ報道見ていてもそんな報道の仕方ではないのでねえ。かつ、いかにマドロが政権を握っていても、そしてベネズエラにある種の利権が中国やロシアなどにある*6とは言え、そういう状況でロシアや中国が無理矢理支持するのかねえ?。「話を誇張してねえか?」つう疑問は感じます。

常岡浩介がリツイート
・黒井文太郎
‏ ベネズエラ問題でいまだに反米=正義という架空世界の意識の人もいるんですね。

 仮にそういう人がいたとしても*7
1)常岡や黒井は「ベネズエラ・マドロ政権は独裁だからぶっ倒せばいい。そのためなら手段は何でもあり」という単純馬鹿(北朝鮮打倒論を放言する救う会並みの認識)
2)「それいくら何でもまずくないか?」「そもそも現実的にそんなこと可能なの?」「マドロに問題があっても国会議長の暫定大統領宣言だの、それを米国が支持だの果たして適切なのかね?」という人間(北朝鮮打倒論に否定的な和田春樹氏や田中均氏に当たる人物)を「救う会が和田氏らを北朝鮮シンパ呼ばわりして罵倒する様に」、ベネズエラ・マドロ政権シンパ扱いして罵倒、
ですからねえ。さすがに常岡や黒井に賛同する気にはなりませんね。なお、ベネズエラなどの具体的ケースはひとまずおいて、「一般論として」「反米は常に正義」ではありませんが「反米が正義」の場合は無論あります。
 理由は簡単で「米国は悪の化身(常に100パー悪)でもないが正義の化身(常に100パー正義)でもないから」です。個別具体的に判断するしかない。まあ、これ反米ではなく「他の反ホニャララ国」でも同じですが。何も世界各国は「正義のため」に動いてるわけではなく、多くの場合「自らが考える国益のため」に動いてるわけです。
 で、こういうこという常岡や黒井に「反ロシアは常に正義」だの「親米は常に正義」だのいう間違った認識をむしろ感じるんですが。 

常岡浩介*8リツイート
・国末憲人*9
 ウクライナ東部の紛争でロシア側に立って参戦*10したフランス人らが今、仏国内の黄色いベスト運動に参加している。

 黒井と国末(元朝日新聞パリ支局長)のあほさに吹き出しました。「いわゆる『黄色いベスト運動』の参加者や支持者=全員ロシアの手先」「マクロン批判者=全員ロシアの手先」とでも強弁する気なのか。まあ、「マクロン*11プーチン*12に批判的」ですから、そういう輩も中にはいるでしょう。
 しかしどう考えてもそんなんはあの運動の主流じゃない。そんなんが主流ならマクロンもあの運動で政治的に追い詰められたりはしないでしょう。まさか「フランス人の多数派=プーチン支持」でもないでしょう。その点は「完全にウヨの巣窟」となった「日本の北朝鮮拉致被害者救出運動」界隈などとは違うわけです。
 何というか「朝日も(悪い意味で)変わった」感がひしひしと。

常岡浩介がリツイート
カタールの猫
‏ ベネズエラやシリアの現状は、左派を自称している人間が本物のリベラリストなのか、単に反米をこじらせた奴なのかを判断するリトマス試験紙になるな

 やれやれですね。「いくらシリアやベネズエラに問題があるからといって、米国の様な『打倒独裁政権!』つう態度は適切でもなければ現実的でもない*13と思う*14」といったら、「別に熱烈なシリア、ベネズエラ政権シンパでなくても」、常岡とその類友によって「日本の自称左派の多くはベネズエラやシリアに甘い」「単に反米をこじらせた奴」「似非リベラリスト、似非左派」呼ばわりされるわけです。
 「北朝鮮打倒など適切でも現実的でもないと思う」とする和田春樹氏*15田中均*16などが北朝鮮シンパでもないのに「北朝鮮に甘い」と救う会や家族会に悪口されるのとほとんど変わらない話です。
 こういう「常岡とその類友」のような輩って「長年にわたる米国の対キューバ制裁」も支持するし、中国や北朝鮮も「一党独裁だから政権転覆したい」と思ってるんですかね。ちなみに予想通りというべきか「親米ウヨ」島田洋一はツイートでベネズエラ政権打倒を叫んでいました。
 「独裁的国家なら打倒すればいい。打倒の手段はどうでもいい」ですむなら誰も苦労しない。
 そういう単純な話なら俺だって「ベネズエラでもキューバでもシリアでもサウジでもロシアでもトルコでも中国でも北朝鮮でもどこでも」独裁的政権打倒に賛同しますよ。でも世の中、そんなに単純じゃない。まあ、「ポルポトレベル」ならさすがにベトナムの侵攻を「仕方のないこととして容認します」けどね。ただし大抵の独裁国家はあそこまで酷くない。
 むしろ、「常岡とその類友」の方が「親米をこじらせた奴」なんじゃないか。サウジへの態度見ても分かる様に、常に独裁的国家に厳しい態度かといったら米国はそうではないわけですから。
 米国が「反米」「(反米ではないとしても)米国の国益に反する」「そして打倒が可能」と認定した独裁的国家だけが米国の攻撃対象になる。

常岡浩介がリツイート
・田村雄太郎
 元毎日新聞記者の古川利明氏*17のブログによれば上智大学の女子大生に(ボーガス注:鳥越俊太郎氏が)淫らな行為をしてその大学生が上智大教授の田島泰彦氏*18に相談した結果、(ボーガス注:鳥越氏が)上智大学出入り禁止になったそう

 で、常岡先生は何が言いたいわけ?。「古川の指摘は事実だ、田島よくやった!」とでもいいたいの?。あるいは「出入り禁止じゃぬるい」つう批判?
 とりあえず何が言いたいのかすぐに分かるツイートしてくれないかな?(そもそも他人のツイートにリツイートするような話ではなく、自分でツイートしろよと思うけど)。まあ「客員教授更迭」とかならまだしも、「出入り禁止」つうのもよくわからない話だけど。「その話が事実だとして」、教授会の決定事項でそうなったとでも?。それとも不文律?。あるいは単に田島氏に「上智大に来ないでくれ」といわれて「田島氏との関係を悪くしたくない」鳥越氏がそれに従っただけ?

*1:ここまで行けばさすがに麻生副総理・財務相、二階幹事長、岸田政調会長といった安倍を支持する自民幹部連も安倍を見捨てるでしょう。

*2:著書『世界のテロリスト』(2002年、講談社プラスアルファ文庫)、『北朝鮮に備える軍事学』(2006年、講談社プラスアルファ新書)、『日本の情報機関』(2007年、講談社プラスアルファ新書)、『イスラム国の正体』(2014年、ベスト新書)、『イスラム国「世界同時テロ」』(2016年、ベスト新書) など

*3:毎日新聞元北京特派員。著書『北朝鮮・絶対秘密文書: 体制を脅かす「悪党」たち』(2015年、新潮新書

*4:そもそも米村氏の言う「急激な経済発展」の定義が分からないんですが「日本の高度成長時代のペースの経済発展」とか?。

*5:そもそも「といわれています」てのもねえ(苦笑)。「誰がどんなソースで言ってるんですか?」て話です。もちろんだからといって「マドロが正しい」とは言いませんが。

*6:そしてそうした利権はマドロ政権が下野し、暫定大統領グアイドが実権を握った場合、チャラにされる可能性は当然あるでしょうね。

*7:いるかどうか、俺は知りませんが。

*8:著書『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2012年、アスキー新書)、『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社)など

*9:著書『自爆テロリストの正体』(2005年、新潮新書)、『サルコジ』(2009年、新潮選書)、『ミシュラン』(2011年、新潮選書)、『ポピュリズムと欧州動乱:フランスはEU崩壊の引き金を引くのか』(2017年、講談社プラスアルファ新書) など

*10:素朴な疑問として「え、言論活動としてのロシア支持ならともかく、参戦なんてフランスの法律上可能なの?。処罰されないの?」ですね。

*11:オランド政権経済相を経て大統領

*12:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*13:つうのはロシアやイランなどシリアやベネズエラを支援する国があるからです。

*14:一応お断りしておけば俺はそういう立場です。

*15:東京大学名誉教授。著書『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『同時代批評(2002年9月~2005年1月):日朝関係と拉致問題』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938~1965』(2006年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953~56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)など

*16:元外務省アジア大洋州局長。現在は日本国際交流センターシニア・フェロー、東京大学大学院特任教授、日本総合研究所国際戦略研究所理事長。著書『外交の力』(2009年、日本経済新聞出版社)、『プロフェッショナルの交渉力』(2009年、講談社)、『日本外交の挑戦』(2015年、角川新書)など

*17:著書『「新聞記者」卒業』(1999年、第三書館)、『「自民党『公明派』」10年の功罪』(2008年、第三書館)など

*18:著書『調査報道がジャーナリズムを変える』(編著、2011年、花伝社)など