今日の北朝鮮・韓国ニュース(2019年2月5日分)

もしも「北」主導の半島統合が起きたら…その衝撃を予測せよ(宿輪 純一) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)
 逆説や皮肉、冗談だとしても「悪趣味で低レベル」ですが、本文読む限りマジのようです。呆れて二の句が継げませんね。その辺のウヨ雑誌ならまだしも「講談社週刊現代」て。
 「北朝鮮主導の南北朝鮮統一」なんかあるわけないでしょう。「東ドイツ主導の東西ドイツ統一」「台湾主導の中台統一」並の与太です。


北朝鮮、日本に異例の謝意 遭難船員の帰国支援で (写真=ロイター) :日本経済新聞

 北朝鮮の朝鮮赤十字会が日本の当局に対し、遭難した北朝鮮の船員らが無事帰国できるよう、この数年で複数回にわたり人道的に支援してくれたとして謝意を伝えた。北朝鮮朝鮮中央通信が4日報じた。北朝鮮側が日本への謝意を国営メディアで明らかにするのは異例。

 日朝交渉の進展の表れであればいいですが、果たしてどんなもんか。


日本にも影響及ぶ朝鮮戦争「終戦宣言」の現実味 | 韓国・北朝鮮 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 思わず目を疑った。今月下旬に予定されている2回目の米朝首脳会談を前に、アメリカのドナルド・トランプ大統領が、朝鮮戦争を終わらせる用意があると語ったというのだ。
 この発言を紹介したのは、スティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表だ。現在、北朝鮮との交渉窓口となっている。
 1月31日、米西海岸の名門スタンフォード大学で講演し、「トランプ大統領は、この戦争を終わらせる準備ができている。それは終わった。終結した」と言及した。さらにアメリカが北朝鮮を侵略したり、政権転覆を試みたりすることはないと強調したという。
 北東アジアの安保地図を激変させる重大発言である。

 むしろ俺の方が、この文章に「思わず目を疑う」んですが。五味*1 が紹介するビーガン発言は全く当たり前のことでしかありません。
 「朝鮮戦争は事実上終戦している(公式には停戦ラインでしかない38度線も事実上の国境である)」以上、トランプが「正式終戦」の方向に動いても別に不思議はない。「現実の追認」にすぎないのだから、米国にとって大してデメリットもないでしょう。
 これが「在韓米軍撤退」だったら目を疑います*2けど。
 まあ、終戦協定締結は「中国、韓国が当事者」なので難しいにしても終戦宣言ならすぐにできます。
 また「アメリカが北朝鮮を侵略したり、政権転覆を試みたりすることはありうる」なんていったら外交交渉が成立しない。
 むしろビーガン発言で「思わず目を疑う」のはそんなところではないでしょう。
第2回米朝首脳会談(ビーガン特別代表発言) |コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
米特別代表「北朝鮮の核施設、全ての廃棄約束」 - 毎日新聞なども指摘していますが
1)まだ事務レベルの交渉による、大筋合意に過ぎない(公式に文書化されてない)が、北朝鮮との間で「北朝鮮の核施設、全ての廃棄」の方向で合意した
2)その合意を確実にするには「米国が相応の措置を取ることを条件にしている」として具体的な内容は明らかにせず、今後「相応の措置」をめぐって北朝鮮との間で対立が生じる可能性があるものの「制裁解除など何らかのお土産を北朝鮮に出す用意があること」を暗に認めたこと
でしょう。
 「本当に1)なんて合意が出来るのか?」「本当に米国は何らかのお土産を出す気があるのか?」ということで「目を疑います」が五味の紹介する部分には何ら目を疑うことはない。つうか「終戦宣言すら出来ない」のでは北朝鮮も交渉に積極的に応じないでしょう。

 ビーガン氏は、今の職に就く前にはフォード・モーター副社長だった。いわば、朝鮮半島の素人。トランプ大統領もとても専門家とは言えない。だからこそ、アメリカに多大な緊張と財政的負担をかけ、休戦のまま続いてきた朝鮮戦争に「終戦宣言」を出して、決着をつけることに前向きなのだろう。

 いやいや「素人」とかそういうことじゃないでしょうよ。事実上終戦してる戦争を「正式に終戦して」何か問題があるのか。

ビジネスライクのトランプ大統領は中国との経済摩擦には敏感でも、朝鮮半島での影響力拡大には頓着していないようだ。

 五味には「何だかなあ?」ですね。終戦宣言や終戦協定は必ずしも「在韓米軍の縮小や撤退」を意味しない。
 そして「軍隊のあるなしだけ」で米国の朝鮮半島への影響力が決まるわけでもない。

 昭和天皇は、朝鮮戦争の休戦ムードが広がっていた1953年4月20日に、こう語っている。
朝鮮戦争の休戦や国際的な緊張緩和が、日本におけるアメリカ軍のプレゼンスにかかわる日本人の世論にどのような影響をもたらすか憂慮している*3
「日本の一部からは、日本の領土からアメリカ軍の撤退を求める圧力が高まるであろうが、こうしたことは不幸なことであり、日本の安全保障にとってアメリカ軍が引き続き駐留することは絶対に必要なものと確信している」(いずれも『昭和天皇の戦後日本〈憲法・安保体制〉にいたる道』豊下楢彦*4著、岩波書店
 朝鮮戦争は、海から上陸して戦うため、「殴り込み部隊」と呼ばれる米海兵隊の戦争でもあった。不利な戦況を逆転に導いた仁川上陸作戦は、海兵隊が最後に行った大規模な上陸作戦だった。また、その後38度線を突破して、北朝鮮側に深く侵攻したのも海兵隊だった。
 沖縄に海兵隊が配置されているのも、このときの功績が評価されたものと言えるだろう。しかし、休戦状態から終戦となれば、(ボーガス注:昭和天皇の発言の様に)まずは沖縄に駐屯する海兵隊基地の縮小を求める声が高まるのは間違いない。
 日本政府が負担するアメリカ軍駐留費(思いやり予算)の見直しを求める運動も広がるかもしれない。韓国では、日本よりもはるかに激しい反アメリカ軍基地闘争が繰り広げられてきたが、日本が、今後「第2の韓国化」する可能性もある。当初混乱は起きるだろうが、悪いことだとは言えない。戦後、日本政府が続けてきたアメリカ依存の外交、安保体制の見直しを図る機会にもなるだろう。
 米朝間で終戦が実現すれば、次のステップは、経済制裁の緩和、相互の連絡事務所開設、国交正常化だ。アメリカと中国との間でも、こういう道をたどっている。拉致、核、ミサイルの解決を掲げる日本政府も、否応なく北朝鮮との関係改善を迫られるだろう。

 是非そうなってほしいものです。なお、五味も書いていますが沖縄の海兵隊部隊はいわゆる「遠征部隊」であって、沖縄を防衛しているわけでは全くありません。

 
予備役将軍団が反文在寅で国軍に呼びかけ 西岡力(国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 まあ一部の非常識な元軍人(反動極右)があほな行為してるなとしか言い様がありませんね。「軍人諸君は文在寅*5政権の指示に従うな」て素直に理解すれば「クーデターそそのかし」「シビリアンコントロールの否定」でしかないですからね。
 しかも「このままでは韓国が赤化統一する」て(呆)。
 こんな与太に好意的に応じる軍人がいないのはもちろん、保守派、反文政権派ですらまともな人間は呆れてるでしょう。

*1:著書『女が動かす北朝鮮金王朝三代「大奥」秘録』(2016年、文春新書)など

*2:単に「信じられない」つう話であって、俺個人は撤退を支持する立場ですが(支持するけど当面それはないと評価してる、つう話です)。

*3:休戦を残念がるあたり昭和天皇らしいクズぶり、ゲスぶりです。

*4:著書『安保条約の成立:吉田外交と天皇外交』(1996年、岩波新書)、『集団的自衛権とは何か』(2007年、岩波新書)、『昭和天皇マッカーサー会見』(2008年、岩波現代文庫)、『昭和天皇の戦後日本』(2015年、岩波書店)など

*5:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領