今日の産経ニュース(2019年3月11日分)

首相「韓国と信頼関係を」 亀井静香、石原慎太郎氏と面会 - 産経ニュース
 意味が分からないですね。なんで自民党議員でない人間に会ってこんなことを言うのか。亀井*1や石原*2に韓国とのパイプがあるか疑問ですが、それはともかく、「今の自民」にはまともなパイプがないのか?


現職応援の党幹部に反発 徳島知事選で自民・後藤田氏 - 産経ニュース
 自民党徳島県連が現職への対抗馬を擁立し、それを党中央も認めた「はず」なのにこれでは「徳島県連幹部」後藤田氏が反発するのも当然でしょう。
 一体どういう背景があるのか気になるところです。


【政界徒然草】元貴乃花親方は参院選に出馬するのか - 産経ニュース
 まあ今の自民なら人気取りで擁立してもおかしくないでしょうね。マスコミも「話題の候補」という馬鹿げた報道しかしないでしょうし。
 貴乃花の方も「別に自民党に批判的なわけではない」ようだし、「権力欲旺盛&相撲協会への深い恨み」のようですから、出馬してもおかしくはないでしょう。


【正論4月号】天皇を守った英雄たち 明智光秀「本能寺の変」は義挙だった 評論家 宮崎正弘(1/3ページ) - 産経ニュース
 「本能寺の変」についてある程度知識があれば笑うほかはない珍論です。
 まず第一に「織田信長と朝廷は良好な関係だった(少なくとも敵対関係ではなかった)」というのが通説といっていいかと思います。
 第二に光秀の謀反については「粛清の恐怖説」が通説といっていいかと思います。
 光秀が謀反を起こす直前には、織田家重臣佐久間信盛が失脚して高野山に追放されます。一大名が一介の浪人になってしまったわけです。佐久間の失脚理由は信長の書状では「本願寺攻めが手ぬるい、怠慢だ」ということのようですが、しかし「その程度のことで大名を浪人にまでするのか?」つう疑問は感じます(ウィキペディア佐久間信盛」参照)。
 それを見た光秀は「職務怠慢だと言われて、信長に嫌われれば自分もいつ佐久間のように粛清されるかもしれない」と思ったでしょう。そして何らかの理由で光秀は謀反直前に「自分も佐久間のように粛清されるのではないか」と恐怖を抱き「粛清される前に俺が先手を打って信長を殺す」と考えたというのが今の通説です。最悪の場合、「粛清=死刑」だし、そこまで行かなくても佐久間レベルでも「一大名が浪人に転落」などまともな人間なら到底耐えられない屈辱です。
 むしろ「粛清の恐怖説」を前提にした上で、「粛清の恐怖についての5W1H。つまり光秀は自らの行為の何(WHAT)について、なぜ(WHY)、いつ(WHEN)、粛清の理由にされるかもしれない、自己防衛のためには謀反をおこすしかないと思ったのか」「粛清の恐怖は光秀の妄想に過ぎなかったのか、それとも信長は本当に光秀を粛清する考えがあったのか」に話は移行していると思います。
 通説においてはどこにも「天皇への忠義」なんて話は出てこない。そもそも「信長の天皇の関係は良好」で「謀反の原因は光秀の自己保身」だから当然ですが。
 大体、「天皇への忠義」が謀反の理由なら、なぜ、光秀は謀反後、それを世間にアピールしなかったのか。「そんな事実がないから」と考えるのが自然でしょう。
 つまりは「朴チョンヒに叱責された金載圭KCIA部長」が「このままでは朴に粛清される。最悪殺される。こうなったら朴を殺すしかない」と思って、朴を殺したのと、本能寺の変は動機的には変わらないわけです。まあ、暗殺劇においては「このままでは俺はあいつに殺される、殺すしかない」つうのは珍しくありません。
 まあマイナー説ではそう言う「天皇への忠義」説もあるようですが、それは通説ではない。
 いずれにせよ「歴史学者でもない宮崎にデタラメな文を書かせるな」て話です。

 昨今の歴史論壇も光秀の背後に黒幕がいたという根拠の薄い「陰謀論」が流行している。多くが真実を見ようともしないで自己の説に都合の良い事柄をつなぎ合わせて、一方的な想像と妄想で組み立てた論理破綻組が多い。小説ならそれでも良いが、史論は第一次資料の重要性を忘れてはなるまい。

 「朝廷黒幕説」「足利義昭黒幕説」「堺商人黒幕説」「本願寺黒幕説」「秀吉黒幕説」「家康黒幕説」など「信長と仲が悪かったと見なされてる人間、団体(朝廷*3、信長に将軍の地位を奪われ追放された足利義昭、堺の自治を否定された堺商人、信長と戦った本願寺など)」「信長死後、結果的に立場が良くなった人間(天下人になった秀吉、秀吉政権で五大老となり秀吉死後、天下人となった家康)」など「黒幕になりそうな人間」はほとんど名前が出てる黒幕説ですが、これはまともな歴史学者は相手にしていません。
 「黒幕説が複数ある」ことでわかるように黒幕説は「こじつけ」でしかないからです。
 ただしそういう宮崎が「朝廷への忠義説」などという珍説(宮崎本人の言葉だと『真実を見ようともしないで自己の説に都合の良い事柄をつなぎ合わせて、一方的な想像と妄想で組み立てた論理破綻』)ですから笑います。

*1:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、菅内閣金融担当相など歴任

*2:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事、維新の会共同代表、次世代の党最高顧問など歴任

*3:ただし朝廷と信長の関係は良かったと見るのが通説です。