珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年8月14日分)

黒坂真
 中野顕さん。日本政府が米国に、台湾有事に参戦するなと要請したら、米軍は沖縄から撤退しうる。

 沖縄の米軍は「台湾有事限定」ではなく「ベトナム戦争」「イラク戦争」などでも出撃しているので黒坂の主張はデマです。

黒坂真
 中野顕さんら日本共産党員は、台湾有事に日米が軍事介入しないと明言すれば、習近平は感動して台湾への武力攻撃、台湾吸収を断念する*1と考えているのですか。

 無論中野氏の主張は「中国は軍事侵攻するな」とセットの「(中台関係を緊張させるので)日米は軍事介入を表明するな」であって黒坂の言うようなことは何一つ言ってないのでデマも甚だしい。
 そもそも「独立宣言しない限り台湾侵攻しない」と中国は公言してるのだから中国の侵攻の可能性は低い。その公約を破って「独立宣言もない」のに侵攻して欧米の経済制裁を食らうリスクを犯すメリットは何もない。
 問題は「ないとは思いますが」台湾が独立宣言したときです。中国としても「武力侵攻してでも独立宣言を阻止する」と日頃公言している以上何もしないわけにもいかない。まずは「経済制裁」でしょうがそれでも宣言が撤回されなければ侵攻まで行く危険性があります。

黒坂真リツイート
 中野顕さんの下記の呟きだと、中国共産党が台湾だけを攻撃し、米国と日本がそれを傍観するなら良い、と日本共産党は考えているのですか。中国共産党と台湾政府の戦争なら大国間紛争ではない。
◆中野顕
ASEAN動く】台湾をめぐる米中日の軍事衝突を回避するため、ASEANが活発に活動しています。ASEAN外相会議では、議長国のカンボジア首相が「対決のための団結でなく、協力のための団結を」と訴え。アメリカ・中国・日本も加わる東アジアサミット外相会議では議長声明で、「大国間の紛争と想定外の結果を避けるために、挑発的行動の自制、国連憲章と東南アジア友好条約の遵守」を呼びかけました。北朝鮮も参加する「ASEAN地域フォーラム」の議長声明では「一つの中国政策」も再確認しています。

 こういうのを揚げ足取りと言います。赤字部分(挑発的行動の自制、国連憲章と東南アジア友好条約の遵守)も評価すれば、そのような理解はできないところ「大国間の紛争回避」という片言のみ取り上げたあげく、無茶苦茶な曲解をするのだから呆れます。
 そもそもこの黒坂の理解では中野氏が好意的に取り上げる「東アジアサミット外相会議議長声明」が「中国共産党が台湾だけを攻撃し、米国と日本がそれを傍観するなら良い」と公言していることになってしまいますが、そんなわけがない。つうか、もし、黒坂が本気でそう理解しているのなら、非難すべきは「声明を好意的に評価しているミニ野党」日本共産党よりも「声明を出した東アジアサミット外相会議」の方でしょうに。

黒坂真
 中野顕さん。山添拓議員は少し前に、ロシアが日本を攻めるというのは米国を巻き込むことを考えると合理性がないと発信しています。

 勿論、山添氏の指摘は「在日米軍基地(日米安保)が存在する現状においては、日本での米露全面戦争となり、また『日本でロシア軍と戦っている以上、もはやウクライナに米軍を投入しても問題ない(バイデン政権)』として米軍のウクライナ直接軍事介入を招きかねない日本侵攻をロシアがする可能性は低い」という事実認識の話であり、「だから日米安保を続けるべきだ」という価値観の話ではないのですがその辺りを意図的に混同し「山添氏は日米安保廃止派ではないのか、矛盾している」と因縁をつける黒坂には呆れます。
 なお、「NATOの支援がある」とはいえウクライナ軍に苦戦(マウリポリなど一部を陥落させたとはいえ当初目標だったキーウ陥落、ゼレンスキー政権打倒、傀儡政権樹立は挫折)するロシアでは「米軍なし」、つまり「自衛隊*2のみでも対応可能」と俺は思いますし、そもそも「(日本攻撃に限らず、過去にロシア軍が軍事衝突したモルドバジョージアへの攻撃であれ)ウクライナ戦争での兵力を他に回し、二正面作戦できる余裕がない」でしょう。その意味では「黒坂のような因縁」を回避するため、米軍の存在については山添氏は触れない方が良かった気もします。

*1:ここでの「軍事介入」とは「台湾独立宣言時の日米の軍事支援」でしょうから「そんなことはしない」と約束すれば「中国による武力攻撃の恐れ」は低くなるでしょう。勿論感動云々ではなく冷静な政治的計算ですが。

*2:軍事費の額を考えれば、自衛隊ウクライナ軍よりも劣る装備だと考えるのは非常識でしょう。