今日の産経ニュースほか(2019年11月22日分)(ローマ法王(教皇)の来日、ほか)

◆今日も「沢尻ガー」「謹慎中の吉本芸人・宮迫の復帰ガー」「天皇の伊勢神社訪問」など政治報道から逃げる朝のワイドショー
 いつもながら本当に呆れますね。安倍長期政権においてはこうしたマスコミの「安倍への屈服」も大きな要素でしょう。
 一方民主党政権時は朝のワイドショーで「小沢・西松疑惑」「鳩山・故人献金疑惑」などを騒いでいたわけです。


ローマ法王 タイ到着 23日に日本到着へ | NHKニュース

・今月20日から26日にかけて日本とタイを歴訪するフランシスコ法王は20日午後最初の訪問地、タイのバンコクに特別機で到着しました。
ローマ法王がタイを訪れるのはヨハネ・パウロ2世以降、35年ぶりです。
・今月23日には日本に到着し、被爆地の長崎や広島のほか東京を訪れます。

つうことで「20~23日までタイにいて」23日夕方に日本に来て、26日まで滞在し、26日夕方に帰るわけです。東京では「天皇夫婦や三権の長(首相、衆参両院議長、最高裁長官)」にあったり、「カトリック系大学(上智など*1)に行ったり」するんでしょう。


【主張】ローマ法王訪日 拉致解決へ緊密な連携を - 産経ニュース

 ローマ法王フランシスコが訪日する。ローマ法王を日本に迎えるのは2回目で、1981年のヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶりとなる。

 「そうなんや?」「意外と来てないんやな」ですね。

 安倍晋三首相との会談ではとりわけ、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向け、法王の理解と協力を得ることが重要だ。

 吹き出しました。どう協力させる気なのか。バチカン北朝鮮との外交パイプなんかあるのか?。そういうのがあるのはむしろ北朝鮮の周辺国である「中国、ロシア、韓国」じゃないのか。
 まあ理解はしてくれるでしょう。「出来ることがあれば何でもしたい」位は言うかもしれない。でも実質的に彼に出来ることなんか何があるのか?
 「米国・キューバ国交正常化での仲介役」みたいなことが出来るとはとても思えない。まあ、そもそも安倍もそんなこと考えてないでしょうが。

 法王は訪日に向けたメッセージで、「核兵器の破壊力が人類の歴史に二度と解き放たれることがないよう、ともに祈る」と述べた。被爆地の長崎、広島を訪れ、核廃絶を訴える意向だ。
 東アジアは今、北朝鮮の核の脅威に直面している。北朝鮮は国際社会の度重なる警告を無視して核開発を続け、核兵器の運搬手段となる弾道ミサイルを頻繁に日本海に向けて発射している。こうした現実を伝え、東アジアの平和と安全には北朝鮮による完全な非核化が不可欠だという認識を共有したい。非核化を進めるためには、経済制裁などの北朝鮮への圧力が欠かせないことも強調しておくべきである。

 「アホか?」ですね。法王が一番問題にしてるのは「ダントツに核保有数が多い米露の核兵器」であって北朝鮮云々じゃない。そして「産経が嫌ってるロシアはともかく」米国の核兵器には何一つ「削減せよ」といわないのが産経の訳です。
 なお、「北朝鮮非核化」を進めたいならむしろ「経済支援によるバーター取引」だと俺は思いますね。いずれにせよ法王が「経済制裁万歳」したら、韓国の太陽政策批判と受け取られる恐れがある。そんな「理解をされてもバチカンにはメリットはない」わけで「制裁への同意」を安倍が求めても「日本との関係に配慮」して、反論はしないまでも積極的に同意はしないでしょう。

 米国の核の傘に頼らざるを得ない日本は、核兵器禁止条約に署名していない。日本が核廃絶に後ろ向きだからではなく、現実的な立場を取っているからだということを理解してもらう必要がある。

 理解しないでしょうねえ。くそみそに安倍批判することはしないにせよ「日本が条約に署名することを希望します」位は言うんじゃないか。
 つうかその「米国の核の傘」云々の理屈なら「中露の核の傘が信用できないから独自に核保有しているんだ。何が悪い!」「文句があるなら、まず米国は朝鮮戦争を正式に終戦させた上で我が国と正式に国交を樹立せよ。米国による政権転覆の危険があるのに核廃棄など出来ない」と北朝鮮がいえてしまうことを産経が無視するのがいつもながら酷い。

 中国では、香港で民主化を求める学生と警察が衝突して流血の事態となり、新疆ウイグル自治区でも少数民族の弾圧が続いている。人権弾圧がやまないアジア*2の現実についても意見をかわし、連携を探っていきたい。

中国、バチカンと和解1年 信仰抑圧強める 非公認カトリック「ミサ不可能に」 - 毎日新聞
 ローマ法王庁バチカン)と中国当局が、司教の任命権を巡る歴史的な和解を果たして22日に1年を迎えた。カトリック界にとっては、中国当局が法王の権威を事実上認めた大きな一歩と言えるものの、習近平*3指導部は「宗教の中国化」を掲げて共産党による管理を徹底し、信仰への抑圧はむしろ強まっている。【北京・河津啓介】

ローマ法王側近、異例の中国訪問へ 関係改善の動きか:朝日新聞デジタル
 中国・北京で29日から始まる国際園芸博覧会ローマ・カトリック教会法王庁バチカン)が参加することが分かった。中国外務省の陸慷報道局長が17日の会見で認めた。司教の任命権について昨年9月に暫定合意したことを受けた関係改善を示す動きとみられる。
 バチカンによると、約200平方メートルのパビリオンを設け、薬草について記録した古文書などを展示するという。文化評議会議長(文化庁長官に相当)を務めるラバージ枢機卿も北京に派遣。ローマ法王の側近である枢機卿が国交のない中国を公式に訪問するのは異例だ。
 バチカンは欧州で唯一、中国ではなく台湾と外交関係を持つ。ローマ法王の承認を受けずに独自に司教を任命してきた中国と長年対立してきたが、昨年9月に任命権についてバチカンが歩み寄る形で暫定合意。今後、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ可能性が指摘されている。バチカンメディアは「今回の訪問は(中国との)外交関係の改善に向けた対話を続けるとの姿勢を示すものだ」と報じている。

ということで今、バチカンは「中国との関係改善」に動いてますから探ってますからそういうことは言わないでしょうねえ。まあ、その前に「習主席訪日」がぽしゃることを恐れて安倍が触れないでしょうが。つうか基本「バチカンローマ法王)に過大な期待をする方がおかしい」でしょう。
 多数の信者を持つ宗教的権威とはいえ一宗教団体、一宗教家に過ぎないわけですから。


教皇が中国、香港、台湾に「平和を願う」電報 訪日の機内で - 毎日新聞
 中国との関係改善に動いてる中、中国を無茶苦茶に非難するわけにも行かず、しかし「香港デモ」について何も言わないわけにも行かず「平和的解決を望む」とコメントしたという話です。


外務省、「ローマ教皇」に呼称変更 安倍首相と25日に会談 - 毎日新聞
【おことわり】「ローマ教皇」に表記を変更します - 産経ニュース
【お知らせ】今後は「ローマ教皇」とお伝えします | NHKニュース
1)日本のカトリック教会は「教皇」を使用してる
2)法王だと「後白河法皇」などの「法皇」と音だけでは区別がつかない
つうことのようですが、心の底から「どうでもいいがな」「統一する必要あるの?」「つうか国営のNHKはともかく、他のメディアは国に従わなくてもええんやで?」としか。


久々に来日のローマ法王とバチカンが置かれている「危機的な状況」 | 週末はこれを読め! from HONZ | ダイヤモンド・オンライン
進まないバチカン改革 性的虐待、法王と官僚組織対立か:朝日新聞デジタル

久々に来日のローマ法王とバチカンが置かれている「危機的な状況」 | 週末はこれを読め! from HONZ | ダイヤモンド・オンライン
 2015年のアカデミー賞作品賞脚本賞を受賞した映画『スポットライト』を観た人も多いだろう。ボストンで長年にわたり行われてきた神父による性的虐待を、ボストン・グローブ紙が調査報道によって明らかにしていく過程を描いた傑作である。教会は性的虐待の事実を知りながら、加害者の神父を別の教区に移動させるなどして組織的に隠蔽していた(移動先で加害神父は犯行を重ねさらに犠牲者を増やした)。2002年に紙面を飾ったこの調査報道はピュリッツァー賞を受賞している。
 この問題は法王就任前からのものではあるが、フランシスコ法王にも逆風が吹いている。もっとも衝撃的だったのは、バチカンの機構改革に着手した法王が登用した、G8と呼ばれる最側近のひとり、オーストラリアのジョージ・ペル枢機卿が、母国オーストラリアで未成年者への性的虐待を行った容疑で訴えられたことだ。ペル枢機卿は一審で禁固6年の実刑判決を受け収監されてしまった。

進まないバチカン改革 性的虐待、法王と官僚組織対立か:朝日新聞デジタル
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が19日、日本とタイの訪問に向けて出発する。聖職者による性的虐待などの不祥事で、欧米では人々の教会離れが深刻化。法王は、信者が増えるアジアで、自ら進めるバチカン改革への支持を広めたい考えだ。
・タイは仏教徒イスラム教徒が99%を占める。カトリック信者数は人口の0・6%(約39万人)で、日本の0・3%(約44万人)とともに世界的には多くない。
 ただ、アジアの信者数は近年、アフリカとともに増加が著しい。バチカンの統計などによると、2017年のアジアの信者数は、前年に比べ約210万人増えた。一方で、信者数が多いイタリアではこの5年で7%、アイルランドでは6%減少した。
 バチカンに寄せられる信者らの寄付金も減っている。バチカンは15年以降、国の収支を公表していないが、イタリアメディアによると、昨年の寄付金収入は5100万ユーロ(約61億円)で、06年の約半分に減少した。一方で財政収支全体の赤字は7千万ユーロ(約84億円)と15年の5倍以上に増え、「財政難に陥っている」と伝えられる。
 「教会離れ」が進んだ最大の原因は、00年代に米国やアイルランドなどで発覚した神父らによる児童や神学生への性的虐待と組織的隠蔽(いんぺい)だ。

 なるほど日本やタイに来るのも、中国との関係改善を目指すのもそうした事情があるわけです。


バチカン、米を非難 ヨルダン川西岸入植容認に - 毎日新聞
ローマ教皇との面会希望する袴田巌さん シンポジウムに参加 | NHKニュース
ローマ法王、ミサに袴田さん招待|【西日本新聞ニュース】

バチカン、米を非難 ヨルダン川西岸入植容認に - 毎日新聞
 ローマ教皇庁バチカン)は20日、イスラエルによるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸へのユダヤ人入植行為を「国際法に違反しない」とする見解をトランプ米政権が発表したことを受け、「イスラエルパレスチナの和平プロセスと、既に弱体化している地域の安定をさらに傷付ける恐れがある」と非難する声明を発表した。

ローマ教皇との面会希望する袴田巌さん シンポジウムに参加 | NHKニュース
 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が23日から日本を訪問するのを前に、教皇が反対している死刑制度をテーマにしたシンポジウムが開かれ、教皇との面会を希望している死刑囚の袴田巌さんも参加しました。
 シンポジウムは、死刑制度に反対しているローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が23日から日本を訪れるのに合わせて都内で開かれ、昭和41年のいわゆる「袴田事件」で死刑が確定したあと、無実を求めて再審、裁判のやり直しを求めている袴田巌さんと、姉のひで子さんも参加しました。
 袴田さんは5年前に静岡地方裁判所で再審開始が認められ釈放されましたが、東京高等裁判所は再審を認めず、弁護団最高裁判所に特別抗告しています。カトリック信者の袴田さんとひで子さんは、教皇との面会を希望し、25日に東京で開かれるミサに招待されています。
 教皇と死刑囚である袴田さんが会うことができれば、日本の死刑制度に国際的な関心が集まる可能性があり、注目されています。
 83歳の袴田巌さんは、静岡県浜松市の自宅で支援者のサポートを受けながら、姉のひで子さん(86)と暮らしています。
 47年以上、身柄を拘束された袴田さん。ひで子さんによりますと、死刑囚として収容されていた東京拘置所で35年前に洗礼を受け、カトリック信者になったといいます。
 5年前に静岡地方裁判所から再審を認める決定を受けて釈放された袴田さんは、ひで子さんとともに死刑制度の反対を訴えるさまざまな活動にも参加してきました。
 ことし5月、ひで子さんは、死刑制度に反対しているローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇に対し「死刑廃止のために尽くされていることに敬意を表します。日本訪問の際には1分でもいいので会ってくだされば、巌の人生にとって最高の贈り物になることでしょう」などとつづった手紙を送り、面会を求めました。
 ひで子さんは「本当に実現すればとてもうれしいことです。巌はまだ死刑囚です。その死刑囚に会ってくれるのはとてもありがたい」と話していました。

ローマ法王、ミサに袴田さん招待|【西日本新聞ニュース】
 ローマ法王庁バチカン)の報道官は15日、今月下旬に訪日する法王フランシスコが25日に執り行う東京ドームでのミサに、静岡県の一家4人強盗殺人事件(ボーガス注:いわゆる袴田冤罪事件)で死刑が確定した袴田巌さん(83)=再審請求中=が招待されていると記者会見で明らかにした。面会の予定はないが、言葉を交わすなど短時間接触する可能性がある。
 法王をトップとするローマ・カトリック教会は昨年、(ボーガス注:例外なしに)死刑を一切認めないとする(ボーガス注:新しい)立場を打ち出しており、25日の安倍晋三首相との会談で日本政府に死刑制度廃止を働き掛けるかどうかが注目されている。袴田さんは東京拘置所1984年にキリスト教の洗礼を受けた。

 これらについてバチカンをそれなりに評価したいと思います。

【参考:死刑廃止カトリック

カトリック教会は死刑に全面反対、バチカンが容認部分の教理変更 - ロイター
 ローマ・カトリック教会は2日、信者に対する教理の手引きである「カテキズム」の文面を変更し、死刑はいかなる状況においても容認できないと明記した。
 カトリック教会は数世紀にわたり、極端なケースに関しては死刑を容認してきた。しかし、2005年に死去したヨハネ・パウロ2世の在任中に立場が変化し始めた。バチカンローマ法王庁)は今回の改定については、死刑に全面的に反対するローマ法王フランシスコの姿勢が反映されたと説明している。
 新たな教理は、「死刑は個人の不可侵性と尊厳に対する攻撃であり、容認できない」と述べ、教会は世界規模の死刑廃止に向け「決意を持って」働いていくとしている。

*1:当初「立教」と間違ったことを書いていましたが、コメント欄で指摘頂いたので修正しました。

*2:「アジアの現実」と書くなら中国以外の事例も挙げろって話です。

*3:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席