「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年12/30分:荒木和博の巻)

重荷のオモニ【調査会NEWS3151】(R01.12.30): 荒木和博BLOG

 今日の産経朝刊に「正恩氏母神格化の石碑 北観光地・金剛山」という記事が乗っていました。情報源は「日朝関係筋」とのことで、日本海に面した金剛山の観光地内に建てられた石碑に「偉大なる領導者金正日同志におかれては1997年10月12日、先軍朝鮮のお母様、敬愛する最高領導者金正恩同志とともに金剛山をご覧になり世界の名山金剛山を人民の文化情緒生活に貢献する名勝地としてさらによく整え内外に広く紹介宣伝することについて教示された」とあり、「先軍朝鮮のお母様」という母親高ヨンヒを指す言葉が入っていたので「体制の安定に自信を深め、母親の神格化に本格的に着手したことを示す可能性がある」と書かれています。
 さて、この情報はなぜ流されたのでしょうか。私は金正恩体制が揺らいでいるのを隠すためにあえてリークされた情報のように感じました。

 「???」ですね。荒木はそのように理解するまともな根拠を何一つ提示してません。つまりはいつもの「北朝鮮の体制が危機にある」という「あるある詐欺」でしかないわけです。
 というか荒木の建前「拉致被害者救出」の上では「体制の危機」云々はどうでもいいことでしょうに。むしろ「体制が危機にない方が拉致被害者救出に資する」かもしれない。
 体制が危機にある中では「拉致被害者を帰国させれば、体制の維持に資する」という確実な保証でもない限り、拉致被害者の事など後回し、放置プレイになるのはわかりきったことです。

 北朝鮮内での在日朝鮮人差別が激しいため、最高領導者の母親が在日だとなれば一気にカリスマがなくなるということで、その意味では金正恩にとって永遠の「重荷」なのでしょう。

 荒木や高英起など一部の人間が勝手に言ってることなので「在日朝鮮人差別が酷いから出せない」どころか「在日だと言うこと」も真偽不明です。
 それはともかく、「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(10/5分:高英起の巻)ほか(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログでも書きましたが、この話、「手塚治虫ブッダ』のビドーダバ(ルリ王子)の母親の話」に似ている話ですね。
 「国王でありながら、ヒンズー教のしがらみを脱することができず、元スードラの実母を泣く泣くスードラ待遇に落としたあげく死に至らしめ、深い後悔にさいなまれるビドーダバ」や「ビドーダバの苦悩を救うことなどできるのかと悩むブッダ」の描き方は「俺的」にはさすが手塚という所です。
 小生も「お涙頂戴」には結構弱いので、こういうのを読むとつい涙腺がゆるんできます。
 と言ってもブッダを読んでない人は何のことだかさっぱり分からないでしょうが。

 「重荷のオモニ」を本当に表に出すのであればこれまで表向きには何もしてこなかった1月8日の金正恩誕生日を祝日としてお祝いすることになるはずです。

 意味が分かりません。「金正恩誕生日を祝日にしない理由」は俺のような部外者には分かりません。しかし可能性としては「小生(金正恩)など祖父・金日成や父・金正日には全く及ばない未熟者であり、その誕生日を祝日にするなど不遜」という考えから祝日にせず「祖父、父を自らよりも優れた人間として神格化する」とともに「自らの謙虚さをアピール」と理解することも十分可能でしょう。荒木のように「母親云々」という理解をしなければいけない理由はどこにもないでしょう。

 どうなるのか年末年始も目は離せません。ともかくチャンスが来たとき見送り三振にはしたくありませんから。

 思わせぶりなだけで全く無内容な一文です。チャンスとは、「チャンスでのヒット」とは何なのか。「小泉訪朝後17年間進展がなく」今までずっと「見送り三振だった(少なくともヒットは打ってない)人間」が「チャンスにはヒットを打つ!」といったところで「あ、そう?(昭和天皇風に)」でしかありません。ばかばかしくて呆れるだけです。

【参考】

手塚治虫ブッダ』(ウィキペ参照)
潮出版社の少年漫画雑誌『希望の友』*1(連載中に『少年ワールド』(1978年)→『コミックトム』(1980年)と改題)にて、1972年から1983年まで連載された。1975年にこの作品で文藝春秋漫画賞を受賞している。また海外でも評価され、手塚没後の2004年にアイズナー賞を受賞している。
 仏教の開祖で、釈迦族の王子ゴータマ・シッダルタの生涯を描いた。
■登場人物(コーサラ国関係者)
・パセーナディ
 コーサラ国王。元プロレスラーで横暴な性格*2。「成り上がりで気品に欠ける」と見做されていた自身の権威を高めようと属国であるシャカ族に妃の提供を求めたが、自尊心の強いシャカ族が彼をだまし、クシャトリア(貴族階級)ではなくスードラ(奴隷)の女を妃として納めたことを恨み、シャカ族を滅ぼそうとする*3。しかし、それを果たす前にビドーダバに幽閉された上に位を簒奪された。
・ビドーダバ
 コーサラ国王子(後に国王)。パセーナディの子。額にはめ込まれた瑠璃球になぞらえて、「ルリ王子」とも呼ばれる。クシャトリヤの身分だが、母はスードラという事をカピラヴァストゥで知らされ屈辱を受ける。その後、己を貶した者を全員殺害し、さらに母を幽閉する。出自に苦しむ自分を救ってくれたブッダに帰依*4するが、後にシャカ族を滅ぼしたのも彼である。

なまぐさ坊主の聖地巡礼 ブッダに帰依した人たち その2
 誇り高いシャカ族はシャカ族の純血を守るため、他の民族とは結婚しないという伝統があった。しかし、コーサラ国の属国であるシャカ族がパセーナディ王の申し出を断れば、なんらかの手段で報復してくるに違いない。一計を案じたシャカ族は大臣マハーナーマンが召使い女に産ませた娘ヴァーサバ・カッティヤーを王族の娘と偽ってパセーナディ王に嫁がせた。
 何も知らないパセーナディ王はこの麗しい娘を第一夫人として寵愛し、生まれたのがヴィドゥーダバだ。
 漢訳仏典では毘瑠璃【びるり】や瑠璃【るり】と訳され、手塚治虫の『ブッダ』ではルリ王子の名前で登場する。8歳になった頃、母親の実家であるシャカ族の地へ行って、弓術などの修練に励んで来るようにお父さんに命じられたヴィドゥーダバは、カピラヴァットゥでシャカ族の子弟と共に弓術を学んだ。ちょうどその頃、城の中に新たな講堂が完成し、神々や王族などのみが登ることができる神聖な獅子の座に、ヴィドゥーダバが登り座ったのをシャカ族の人びとが見て、「お前は下女の産んだ子だ。それなのにまだ諸天さえ登っていない獅子座に座った」と、ヴィドゥーダバを捕らえて門外に追い出し鞭を打って地面に叩きつけた。母親の生まれによって恥辱を受けたヴィドゥーダバは父王を怨み、ついに父王を廃して王位を奪ってしまう。


佐渡の7(5?)遺体【調査会NEWS3150】(R01.12.29): 荒木和博BLOG

 12月28日、佐渡市小比叡の素浜海岸にうちあげられた北朝鮮木造船の船首部から7体の遺体が発見されました。

 救う会の建前である「拉致被害者救出」とは何の関係もない話です。

 いつも言っていることですが、生存している拉致被害者の全員救出はあの国の体制をそのままにしていては絶対に実現できません。

 勿論そういう前提をでっち上げることによって、荒木ら救う会が「北朝鮮政権転覆論」を正当化しているだけです。「民主化(?)」と「拉致被害者帰国」は何の関係もない。
 なお、「全員救出」が文字通り「拉致被害者を全員生きて日本に返すこと」ならそれは、もはや何があろうと無理でしょう。
 既に病死など死亡している人間がいる可能性が高いからです。
 「生存拉致被害者」に限定すれば「全員帰国」は十分可能性はありますが、荒木ら救う会が「これで全員のわけがない。隠してるはずだ」と因縁を付けてそれを妨害しようとすることも既に今の段階で明白です。

 拉致被害者の救出運動はもちろんそれ自体が目的ですが、その先には北朝鮮の人権改善や東アジアの平和があります。

 おいおいですね。「拉致被害者の救出」と「北朝鮮の人権改善や東アジアの平和」は全くの別問題です。
 もちろん「北朝鮮が内戦状態になったら救出など出来ない」と言う意味では「拉致被害者の救出」と「東アジアの平和」には関係がありますが。

*1:1965年に「希望の友」として創刊、1978年に「少年ワールド」、1980年に「コミックトム」、1998年に「コミックトムプラス」と改題を続けたが、2001年に休刊。2012年8月にWEBコミックトムの名でウェブコミック配信サイトとして再開した。発行元の潮出版社創価学会系列であるが、「希望の友」時代の連載作品である芝城太郎『四条金吾』(日蓮の弟子となった鎌倉幕府御家人が主人公)や北野英明『牧口先生』(創価教育学会の創立者牧口常三郎の伝記漫画)など少数の例外を除いては、創価学会の布教的な意図を持った作品はほとんどなく、近年においては最早再現できない豪華執筆陣(安彦良和虹色のトロツキー』、石ノ森章太郎『変身忍者 嵐』、坂口尚『石の花』、藤子・F・不二雄ポコニャン』、『T・P(タイムパトロール)ぼん』、星野之宣『宗像教授伝奇考』シリーズ(現在は小学館ビッグコミックで連載)、みなもと太郎風雲児たち』(現在はリイド社コミック乱で連載)、諸星大二郎西遊妖猿伝』(現在は講談社・月刊モーニングツーで連載)、横山光輝三国志』など)を備えた「幻の漫画雑誌」と評価されている(ウィキペ「コミックトム」参照)。

*2:手塚の創作であり実際の仏典とは大いに異なる。

*3:手塚の創作であり実際の仏典とは大いに異なる。

*4:手塚の創作でありビドーダバはブッダには帰依していない。