「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年7/28日分:荒木和博の巻)

「拉致被害者は帰りたくないのではないか」という意見について(R4.7.30): 荒木和博BLOG

 「拉致被害者北朝鮮で家族を持っている人も多いから帰りたくないはず。だから無理に取り返すべきではない」という意見についてお話ししました。

 5分38秒の動画です。いろいろな意味で呆れます。
 まず第一に荒木は過去にも

拉致被害者の気持ちについて(8月2日のショートメッセージです): 荒木和博BLOG
→拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年8月2日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでコメント
「拉致被害者はもう日本に帰りたくないのでは」という意見について(R4.1.8): 荒木和博BLOG
→拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年1/7日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでコメント

と大同小異の話をしています。何度同じ話をすれば気が済むのか。
 まず第二に「拉致被害者北朝鮮で家族を持っている人も多いから帰りたくないはず。だから無理に取り返すべきではない」なんて主張をしている人間がどこにいるのか。いるというなら荒木は「5W1H(いつ誰がどこで言ったのか)」をあげてみろという話です。
 なお、ここで「北朝鮮で家族を持っている人も多いから帰りたくないはず」の例として当人が拉致を否定し「漁船が遭難したところを北朝鮮に救出された」と主張している「寺越武志さん」をあげるのは適切ではないし、どんなに拡大解釈してもせいぜい「帰りたくないはず」の例であげられるのは寺越さんくらいでしょう。
 第三に「北朝鮮は帰国した5人以外に生存拉致被害者の存在を認めてない」「拉致被害者の居場所が分からない」のだから、それ以前の話です。
 荒木の言ってることは「捕らぬ狸の皮算用」でしかない。まずすべきことは「狸を捕ること(生存拉致被害者の存在を北朝鮮に認めさせること)」であって「狸も捕れてない」のに「皮算用(生存拉致被害者が帰国意思を否定したらどう対応するか)」しても意味がない。

荒木和博 on Twitter: "令和4年7月29日金曜日「荒木和博のショートメッセージ」第846号。コンプライアンスだなんだ言いますが、本当に大事なのは正義感とか使命感とか愛国心とか、そういうものではないかという話です。 https://t.co/qEYY6t7Lqk @YouTubeより" / Twitter*1
法律は国家の皮であって骨ではありません(R4.7.29) - YouTube

 6分40秒の動画です。タイトルだけで見る気が失せます。
 どうせ「法律は骨でなくて皮」という「意味不明な禅問答」は「法律(憲法含む)なんか骨でなくて皮。大した代物じゃないから、法律は場合によっては無視して自衛隊特殊部隊を北朝鮮に突っ込んで拉致被害者を救出しろ。超法規的措置だ」「『大事な骨』は拉致被害者救出だ」という与太だろうと予想した上で見てみます。
 実際、その予想通りでしたが。
 勿論「自衛隊で救出」できない最大の理由は「法律の制約」ではありません。
 「拉致被害者の居場所が分からないこと」です。世界最強の軍事大国・米国も「居場所が分からない」ので北朝鮮に身柄拘束されたワームビア君の救出は外交交渉でした。荒木もアホなことを言ってないで「まず、拉致被害者の居場所を言ってみろ」という話です。
 ところがそういう突っ込みには「我々救う会特定失踪者問題調査会は素人だ。居場所が分からないのは仕方がない」「プロの自衛隊拉致被害者を捜してこい」「居場所がわからないのは自衛隊が無能だからだ」と居直るのだから呆れます。
 一休さんとんち話で「屏風の虎を縛れ(将軍様足利義満)」→「縛りますので虎を屏風から出して下さい(一休)」→「あっぱれ!(将軍様)」というのがあります。
 しかし「荒木が将軍様」なら一休に「何故わしが虎を出さねば行けないのか。一休、お前が屏風から出せ」→「縛れないのだな!。わしの勝利だ!」というのでしょう。荒木にはまともな常識が通用しないから呆れます。
 とはいえ、家族会が荒木を見捨てれば、「終わる話」なので問題は荒木よりも「荒木にへいこらするアホな拉致被害者家族会」にありますが。
 なお、俺も「場合によっては超法規的措置もやむを得ない」とは思っています。
 だから「よど号ハイジャック事件(佐藤内閣:北朝鮮への亡命を認める)」「ダッカハイジャック事件(福田赳夫内閣:赤軍派釈放と身代金支払い)」という「人質解放のための超法規的措置」を否定はしません。しかし繰り返しますが北朝鮮拉致の場合は「拉致被害者の居場所が分からないことが問題」なので「法律を無視して自衛隊を突っ込めばいい」という話ではそもそもありません。

荒木和博 on Twitter: "令和4年8月2日火曜日「荒木和博のショートメッセージ」第850号。スパイ防止法の話はしましたが、これを実際に運用するためにはそれができる機関が必要になります。そしてその要員には徹底した使命感・正義感が必要です。https://t.co/kwYxmsi9RO @YouTubeより" / Twitter
スパイ防止法運用のために必要なこと

荒木和博 on Twitter: "令和4年7月28日木曜日「荒木和博のショートメッセージ」第845号。昨日は工作員の話でしたが、それを抑止摘発するための法律がなぜできないのかについてお話ししました。 https://t.co/c725yx55jl" / Twitter
スパイ防止法の話

 「スパイ防止法の話」が8分の動画、「スパイ防止法運用のために必要なこと」が9分の動画の動画です。実に馬鹿馬鹿しい。
 なぜなら、中曽根内閣で「スパイ防止法」が云々されたときに「北朝鮮拉致問題など全く論じられてなかったこと*2」「勿論、中曽根法案の目的は拉致の防止や処罰ではないこと(そもそも中曽根法案での処罰対象は情報スパイ)」でわかるように話の内容が拉致問題の解決に何一つ関係ないからです。北朝鮮拉致問題が注目されるようになった有名な「李恩恵証言(金賢姫死刑囚*3)」「梶山国家公安委員長答弁」は竹下内閣での話です。
 そもそも拉致実行犯処罰*4ならともかく、「拉致被害者救出」にスパイ防止法など全く関係ない。

*1:「本当に大事なのは正義感や使命感」「法律やコンプライアンス(法令などの遵守)は骨でなくて皮」という荒木の詭弁なら「悪徳政治家を社会から排除する使命感や正義感、愛国心が一番大事。法律やコンプライアンスは骨でなくて皮。だから山上が安倍を射殺したことはその意味で100パー正しい」とも言えてしまうでしょう。

*2:勿論北朝鮮拉致自体は福田赳夫内閣時代に起こってますが、おそらく北朝鮮拉致について中曽根政権当時は政府に「北朝鮮の犯行」の認識がなかったのでしょう。

*3:大韓機爆破が起こった1987年11月29日は竹下内閣

*4:まあこれだって、「他の行為」はともかく「拉致(誘拐)は一般刑法犯として逮捕できる」のでスパイ防止法など必要ありませんが。