「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年4月17日分:高英起の巻)

文在寅批判の元人気女子アナは勝利…どうなる韓国政治(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
 タイトルがアンチ文政権のウヨ高らしい。確かにそう言う事実はあるようですし、そこからは「右派勢力も未だ侮れない」といえるかもしれませんが、この韓国総選挙での最大のポイントはやはり「文政権勝利、野党敗北」でしょうに。

・15日投開票の韓国総選挙は革新系与党が圧勝し、定数300の5分の3となる180議席を確保した。革新系*1政党が単独で過半数議席を得たのは2004年の総選挙以来16年ぶり
保守系の最大野党・未来統合党はソウル市の選挙区から出馬した黄教安*2(ファン・ギョアン)代表が、与党の李洛淵*3(イ・ナギョン)前首相にとの一騎打ちに敗れて落選。また、昨年まで院内代表*4として黄氏とツートップを務めてきた元祖「美人過ぎる国会議員」の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)氏も落選した。

 ということでまさに野党大敗ですね。

 そんな中、保守陣営で健闘したのが韓国MBCテレビの元アナウンサーで、同局の看板キャスターだったペ・ヒョンジン氏だ。
 ペ・ヒョンジン氏は昨年1月、韓国国防省が発表した国防白書の最新版から「北朝鮮は主敵」との表現が消えたことを巡り、自身のフェイスブックに次のように書いて文在寅*5政権を批判した。
「休戦中*6であるわが国の国防白書から「主敵」が消えました。(ならば)大切な息子たちの徴兵は、何のために行うのでしょうか」

 やれやれですね。「主敵」扱いで緊張関係を続けて何かいいことがあるのか。

 だが、巨大与党の誕生は、文在寅政権の対北融和を加速させるだろう。ペ・ヒョンジン氏も言っているとおり、平和それ自体は歓迎である。だが、北朝鮮核武装が固定化されてしまっては、朝鮮半島に真の平和が訪れることはないだろう。

 やれやれですね。俺も「核武装の固定化がいい」とはいいません。しかしそれにこだわって緊張を高めるくらいなら「あえて容認した方がいい」のではないか。
 かつ「通常武力が貧弱な北朝鮮」としては「米国の侵攻の恐怖」をなくすためには「核武装せざるをえない」面もある。
 高が本気で「北朝鮮核武装をやめさせたい」なら「朝鮮戦争の正式終戦」「米朝国交正常化」「米朝相互不可侵条約の締結」など「北朝鮮が米国への警戒を解く措置」をするよう、米国に要求すべきです(もちろん高はそんなことはしませんが)。

*1:といっても「韓国においては革新」であり「共に民主党」は欧米や日本の基準では「共産党(左派)」どころか社民政党中道左派)とも言えず、せいぜいリベラル保守中道右派)でしょうが

*2:釜山高検検事長、法相、首相、自由韓国党代表、未来統合党代表などを歴任。今回の敗戦で未来統合党代表辞任を表明

*3:全羅南道知事、首相など歴任

*4:日本の国対委員長に当たるとされる重要ポスト。

*5:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*6:建前では朝鮮戦争はまだ終戦しておらず、「在韓米軍は国連軍」であり、38度線も国境ではなく休戦ラインです。