今日の産経ニュース(2020年8月2日分)

菅長官、ポスト安倍レース再浮上 首相とのすきま風払拭(1/2ページ) - 産経ニュース
 「何故か菅が好きらしい」産経的には「そういうことにしたい」のでしょうが、国民的人気も無ければ、派閥のボスでも無く、単に「安倍が官房長官に重用するから」大物政治家ぶることができる、「安倍が重用する前」はろくな役職に就いていなかった菅に「ポスト安倍」の可能性は無いでしょう。
 やはり可能性があるのは、石破*1、石原*2、岸田*3といった派閥ボスでしょう。安倍が「菅を猛烈にプッシュすれば話は別」でしょうが、マスコミ報道によれば安倍がプッシュしてるのは岸田だそうですし。安倍と菅に隙間風があるかどうかはともかく、安倍は菅を「ポスト安倍」と見なしてないし、ましてや「自らの後継者」として応援する気も無いことは明白でしょう。そんな状況において、菅本人も首相になる気があるかどうか。


【正論9月号】米国で起きている潮流 トランプ再選阻止のうごめきに注意 福井県立大学教授 島田洋一(1/3ページ) - 産経ニュース
 「トランプが俺たちの期待する反中国路線だから」の一点張りで「コロナ失政(これこそが今トランプが政治的窮地にある最大の理由でしょうが)」などの問題点から目を背けるというのだから、いつもながら島田や産経もいい度胸です。
 さすが「安倍は改憲派だから」の一点張りでモリカケ桜を見る会などの疑惑を詭弁で否定し、「安倍首相は潔白」と強弁しただけのことはあります。しかしここまでトランプのコロナ失政を容認して恥じないとは「産経や島田は『コロナで死ぬのはほとんどが高齢者と基礎疾患(ガン、心臓病、腎臓病、糖尿病など)患者で、『彼ら込みの死亡率』が最大でも5%程度と言うことは健康な現役世代ならほとんど死なないので騒ぐほどの話じゃ無い』とコロナを軽視してるんじゃ無いか?」と疑いたくなります。

 「トランプにもバイデンにも投票しない。誰か保守派の名前を書く。私の住むメリーランド州はバイデンの勝利が確実で、私が誰に入れるかに意味はない」といったボルトン氏の発言はやはり無責任だろう。

 まあ「コロナ予防のためには一日も早くトランプを引きずり下ろす必要がある。選挙の最大の選択肢はそこであるべきで、その一点だけでバイデンに投票すべきだ。コロナ以外の問題でバイデンが支持できなくても、今回はあえて目をつぶるべきだ」と言う立場に立たない限り、別に無責任では無いですよね。ネオコンボルトンにとっては「いかなる理由があっても」バイデンは支持できないのでしょう。
 一方で「コロナ失政」など問題点がありすぎるトランプなどいくらネオコンボルトンでも支持する気にはならないのでしょう。
 島田の場合は逆に「コロナなどどうでもいい。反中国のためにトランプを支持すべきだ」というのでしょうがその方が無責任です。トランプの無為無策のせいでコロナでどれほど死亡したと思ってるのか。 
 本来なら共和党がトランプを引きずり下ろし、別の候補を出すべきでしたがもはやこうなると「バイデンを大統領にした上で、自分たちの要求をどうバイデンに受け入れさせるか」という方法論をまともな共和党支持者は考えてるでしょう。
 「共和党所属とは言え無茶苦茶なトランプ」よりも「民主党所属とは言えトランプほどのキチガイでは無いバイデン」に自分らの言い分を「共和党所属で無い以上」100パーは当然無理にせよ「ある程度」受け入れさせる方がよほど「現実的可能性が高いから」です。コロナ失政が典型的ですが、トランプの無茶苦茶さはいかに「中国批判派であってもまともな人間」なら「島田や産経」のように「トランプは中国批判派だから応援しよう」で黙認できるもんでは無い。
 そもそも「ヒューストン総領事館閉鎖」を要求するトランプほど無茶苦茶な反中国ではないとはいえ、バイデンも別に「中国べったり」というわけでもない。まあ、「中国打倒論を主張しない奴は中国シンパ(多少中国を批判した程度では批判派とは思わない)」という産経基準ではバイデンは「中国シンパ」なのでしょうが。


【主張】政府のコロナ対応 首相は戦いの前面に立て 「GoTo」は一時停止を - 産経ニュース
 産経ですらこう言わざるを得ないほど、「コロナでの安倍の雲隠れ(西村コロナ大臣や加藤厚労相ばかりを表に出す)」「現状でのgoto実施」には問題があると産経も思ってるわけです。
 と同時に「安倍四選がほぼありえない」状況の中、必要以上に安倍をかばう必要も無いと思ってるのでしょう。

 感染の拡大を受けて安倍首相は「高い緊張感をもって注視している。陽性者の早期発見、重症化の予防が極めて重要だ」と述べた。その認識は正しい。

 しかし「ならば何故テレビに出てくるのは西村大臣ばかりなのか。何故安倍首相は表に出て、早期発見などのために首相として何をする気か積極的に語らないのか。逃げているのでは無いか。言葉が矛盾している(俺の要約)」と批判する産経です。

 東京都医師会の尾崎治夫会長は7月30日の会見で「コロナウイルスに夏休みはない」と述べた。言葉は「一刻も早く国会を開いて国ができることを示し国民を安心させてほしい」と続く。閉会中の国会に対する注文である。
 国会はもっと働くべきだ。
 急務は、法的拘束力を伴う休業要請と補償を可能とする新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正のはずである。
 臨時国会を召集して、特措法の改正を急ぐべきである。

 野党は「国会開会」を要求してるのに自公が「コロナ失政への批判を恐れてそれに反対してる」のにそこに触れず「国会は怠慢だ」としか言わない尾崎会長や産経には「全く医師会や産経が自民応援団だからって自民批判を逃げるのも大概にしろよ。国会開会されないのは自民と公明が野党の開会要求を拒否するせいだろうが。野党は開会を要求してるんだよ。お前らいい加減にしろよ」とは思います。
 しかし、「自民応援団」の彼らですら本心そう思ってるのか、世論の批判を恐れて渋々かはともかく「野党の開会要求と、自公の開会拒否」には触れないとはいえ、「コロナ対応のために早期に国会開会すべきだ(与野党とも国会開会に向けて早急に動くべきだ)」とはいうわけです。

*1:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*2:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*3:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長