今日の産経ニュース(2020年8月18日分)

菅長官、首相の健康不安説を否定「病院に行っていろんな尾ひれがついている」 - 産経ニュース
 やれやれですね。
 そもそも普通に病院に行けばいい物を「国会開会拒否や首相記者会見しないこと」を「体調が悪いから」で正当化したいが故に、フジサンケイや読売・日テレを使って「首相が病院に行かれました」と重大ニュースであるかのように、大げさに騒ぎ立てる。
 甘利*1自民党税制調査会長や麻生*2副総理・財務相公明党の山口*3代表も「首相は大変お疲れになってる」と騒ぎたてる。
 これで健康不安説が浮上しなかったらその方がおかしい。
 「国会開会拒否や首相記者会見しないことを正当化したいだけだった」のに「そんなに健康に不安があるなら浜口*4首相(右翼に狙撃された傷が元で首相退任後、死去)、石橋*5首相(脳梗塞)のようにとっとと辞めて後進(石破*6元幹事長など)に道を譲ればいい」と言う声が上がるや「いや、健康不安なんかないんです」「普通の人間ドックです」(菅官房長官)とは「ドリフのコントか」と言いたくなります。

参考

濱口雄幸 - Wikipedia
 1930年(昭和5年)11月14日、濱口は東京駅で右翼結社「愛国社」社員の佐郷屋留雄に至近距離から銃撃された。入院中は幣原*7外相が臨時首相代理を務め、濱口首相は1931年(昭和6年)1月21日に退院した。しかし、野党・立憲政友会の執拗な登壇要求に押され、3月10日、無理をして衆議院に姿を見せ、翌11日には貴族院に出席している。それでも政友会からの議場登壇要求は止まず、18日には登壇するも声はかすれ、傍目にも容態は思わしくなかった。4月4日に再入院した濱口は翌5日に手術を受け、これ以上の総理職続行は不可能と判断。4月13日に首相を辞任した。立憲民政党総裁も辞任し、退院後は療養に努めたものの、治療の甲斐なく8月26日、アクチノミコーゼ(放線菌症)のため死去。享年62歳。

石橋湛山 - Wikipedia
・1956年12月23日に内閣総理大臣に指名された。
・1957年1月25日、軽い脳梗塞で自宅の風呂場で倒れた。副総理格の外相として閣内に迎えられていた岸信介*8がただちに総理臨時代理となったが、2か月の絶対安静が必要との医師の診断を受けて、石橋は潔く退陣した。石橋の辞任表明には、野党でさえ好意的であり、岸の代読による石橋の退陣表明を聞いた日本社会党浅沼稲次郎書記長(当時、後に委員長)は石橋の潔さに感銘を受け、「政治家はかくありたい」と述べたと言う。石橋の首相在任期間は65日で、東久邇宮稔彦王*9(54日)、桂太郎*10(第3次桂内閣:62日*11)、羽田孜*12(64日)に次ぐ歴代で4番目の短さである。日本国憲法下において、国会で一度も演説や答弁をしないまま退任した唯一の首相にもなった。後任の首相には岸が任命され、居抜き内閣として第1次岸内閣が誕生した。
 石橋は昭和初期に『東洋経済新報』で、暴漢に狙撃され「帝国議会」への出席ができなくなった当時の濱口雄幸首相に対して退陣を勧告する社説を書いたことがあった。もし国会に出ることができない自分が首相を続投すれば、当時の社説を読んだ読者を欺く事態になると考えたといわれる。
・幸い脳梗塞の症状は軽く、若干の後遺症は残ったものの、石橋はまもなく政治活動を再開するまでに回復した。
・その後も少数派閥ながら石橋派の領袖として影響力を持ち、岸が主導した日米安保条約改定には、本会議での議決を欠席するなどして、批判的な態度をとり自民党ハト派の重鎮として活躍したが1963年の総選挙で落選し、そのまま政界を引退した。1968年3月には立正大学学長を退き、一切の社会的活動から引退した。


民主党大会、共和党のケーシック氏も応援演説 - 産経ニュース

 17日開幕した民主党全国大会では、2016年の前回大統領選でトランプ現大統領と共和党候補指名を争ったケーシック*13オハイオ州知事ら共和党員4人がバイデン前副大統領の応援演説を行った。民主党としては、穏健保守派のケーシック氏を登場させることで、共和党の「隠れバイデン支持者」の掘り起こしを図る考えとみられる。
 ケーシック氏はビデオ演説で「私は長年の共和党員だが、祖国に対する責任を最優先する」と述べ、(ボーガス注:コロナ禍の中、適切な対応をしない)トランプ政権の下で米国が非常事態に陥っているとの認識を示し、「バイデン氏は、その経験と知恵と良識で私たちを結集させ、より良き道を見つけるのを助けてくれるだろう」と訴えた。

 共和党系の政治家がこんなことを言うとは明らかに異常ですが、「トランプに任せるくらいならバイデンの方がましだ」と言う危機感が深いのでしょうね。これでも「トランプ支持者のトランプびいき」は常軌を逸しているので「バイデンが勝てる」と断言できない辺りがトランプ批判派としてつらいところです。


大阪都構想 きょうから府市議会で最後の審議 - 産経ニュース

 大阪市松井一郎市長(大阪維新の会代表)と吉村洋文知事(同代表代行)は18日午後、大阪市を廃止し、特別区に再編する大阪都構想の協定書を府市両臨時議会に提案する。両議会とも維新や公明党*14の賛成派が過半数を占めており、府議会で28日、市議会では9月3日の臨時会最終日に可決・承認される公算が大きい。新型コロナウイルスの感染状況が医療崩壊につながる事態にならない限り、11月1日に住民投票が実施される見通し。

 本当にげんなりせざるを得ませんが府議会にせよ、市議会にせよ、あるいは「不幸にして府議会、市議会で協定書が可決された場合の」住民投票にせよ最後の最後まで諦めずに戦うほかないのでしょう。なお「言わずもがな」ですが、現状では「11/1の投票」などとてもできるもんではないでしょう。何せ大阪では感染者がどんどん増加していますので。
 「投票を延期したら都構想が実現できないかもしれない」、いやそれ以前にコロナ失政批判で政権が持たないかもしれないということで維新一味は何があろうと「医療崩壊してない」と強弁する気でしょうが、そうした無法を許さない闘いが必要です。


【スポーツ茶論】コロナ時代の政治家の見識 黒沢潤(1/2ページ) - 産経ニュース

 コロナ患者を受け入れる病院からは今、「受け入れれば受け入れるほど赤字経営を強いられる」との悲痛な声が上がっている。感染の恐怖と闘いつつも、職業人としての「使命」から、治療に身を投じる医療従事者のボーナスが減額されたとの話を聞くたび、胸つぶれる思いがする。
 こうした状況の中、「国民の公僕」たる政治家から、税金を原資とする自分たちのボーナスを全額返上するといった声はほとんど聞かれない。

 イヤイヤ政治家がそんなことをする必要はどこにも無いでしょう(自由意志でするというなら止めはしませんが、俺個人は別にそれを評価する気はありません)
 そんなことをされたところで、「医療従事者のボーナスが通常通り支給されるわけでは無い」からです。
 問題は「医療従事者のボーナスが通常通り支給される」「受け入れれば受け入れるほど赤字経営を強いられるなんてことがない」ようにするにはどうしたらいいかという話です。

*1:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣行革等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党選対委員長などを経て現在、自民党税制調査会

*2:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*3:公明党参院国対委員長公明党政調会長などを経て公明党代表

*4:大蔵次官、加藤高明、第1次若槻内閣蔵相、第1次若槻内閣内務相を経て首相

*5:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相を経て首相

*6:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*7:戦前、加藤高明、第1次若槻、濱口、第2次若槻内閣外相を歴任。戦後、首相、吉田内閣副総理、衆院議長を歴任

*8:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*9:戦前、陸軍航空本部長、第二軍司令官など歴任

*10:台湾総督、第3次伊藤、第1次大隈、第2次山県、第4次伊藤内閣陸軍大臣、首相、内大臣侍従長兼務)など歴任

*11:但し第1次、第2次、第3次のトータルでの桂内閣の在任期間は、歴代2位(最長が現首相安倍:安倍ごときが最長とは改めてげんなりします)

*12:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣副総理・外相を経て首相

*13:オハイオ州議会議員、下院議員(オハイオ州選出)、オハイオ州知事を歴任

*14:可決の危険性の高まりとしては、公明党の裏切りが大きいですね。