軍人と民間人 戦争被害者に格差をつけるな - 高世仁の「諸悪莫作」日記
総理辞任で、汚い置き土産がきれいさっぱり洗い流されるものではない。
取り返しのつかないたくさんの失政というより「犯罪」の数々。それらは結果としてある時代精神を形成するほど、罪深いものだった。
辺野古はどうする。
赤木俊夫氏を自死に追い込んだ公文書改ざんは。
そしてヨイショ記者の「レイプ事件」もみ消しは・・・
あなたには「花道」などない。
終戦特集をいくつか観たが、私の問題関心からいうと戦争で被害を受けた民間人をどう扱うかについての作品がとくに興味深かった。
NHKスペシャルで15日「忘れられた戦後補償」を放送したが、日本における国家と個人の関係を考えさせられた。
NHKが「あちこちのすずさん」(『この世界の片隅に』の主人公)を探して番組化しているが、空襲などで死傷するなどした民間の戦争被害者は膨大な数にのぼる。
これを日本は補償してこなかった。理不尽だし人道にもとる。
同じ枢軸側にあったドイツ、イタリアでもちゃんと補償している。
記事内容(安倍批判&民間被害者への戦争補償問題)は全く正論なのであまり付け加えることも無いですね。
いくつか付け加えると
1)高世は「沖縄基地問題」「森友問題」「レイプもみ消し」しかあげていませんが他にも「ホワイト国除外などで悪化した日韓関係」「高世の上げた以外の不正疑惑(加計疑惑、桜を見る会疑惑、アベノマスク疑惑、給付金疑惑)」「終息してない新型コロナ」などいろいろあります。
2)高世も記事で指摘していますが、こうした軍人と民間人を差別する典型が「軍人、軍属しか祀られない靖国(靖国には死刑になった東条英機*1元首相、終身刑で服役中に病死した小磯国昭*2元首相、裁判中に病死した松岡洋右*3元外相らA級戦犯、吉田松陰、橋本左内(安政の大獄で死罪)、武市半平太(吉田東洋暗殺を追及され死罪)、坂本龍馬(京都見廻組が暗殺)など戦死者以外も一部祀られていますが)」であり「逆にそれとは違う」のが「千鳥ヶ淵」のわけです。
3)まあ、こうした軍人と民間人を差別する思想は「人道主義」「法の下の平等」以前に「戦争遂行の上でも逆効果」だと思いますね。
結局、戦前日本は「太平洋戦争で沖縄地上戦や米軍本土空襲があるまでは」、戦争相手(日清戦争の清国、第一次大戦でのドイツ、シベリア出兵のソ連、日中戦争の中国など)が「日本国内に反撃できる力が無い」ために民間人が犠牲になる戦争をしてこなかったわけです。
その結果、「軍人を特別扱いする思想」が普通になった。しかし「沖縄地上戦や米軍本土空襲で民間人も犠牲になれば」それじゃ「戦争遂行」に明らかに逆行するわけです。「民間人は補償しません」で誰がすすんで戦争協力する気になるのか。
【参考:民間人の戦争被害補償問題】
日本が放置「戦争の民間被災者補償」が示す重み | 災害・事件・裁判 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
「旧軍人・軍属には50兆円」「民間人にはゼロ」戦後補償の差を示す、あまりに残酷な数字(栗原 俊雄) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
75年前の戦争被害「私たちには時間がない」 民間人補償する救済立法 4団体が要望 | 沖縄タイムス+プラス プレミアム | 沖縄タイムス+プラス
戦後75年:忘れられる空襲犠牲者 国の無策に批判 - 毎日新聞
戦争被害者、「時間ない」と焦り 4団体、救済立法を要望:中日新聞Web
戦後75年「空襲被害者など救済のための法律制定を」 | NHKニュース
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