「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年10/27日:荒木和博の巻)

北海道の特定失踪者ご家族からのメッセージ: 荒木和博BLOG
 小泉訪朝から19年も経ってから今更「家族のメッセージ」もないもんです。
 しかもその家族が「政府認定拉致被害者家族」ならまだしも「特定失踪者家族」。呆れて二の句が継げません。


アベックなど複数人の拉致(R3.10.27): 荒木和博BLOG

 令和3年10月27日水曜日のショートメッセージ(Vol.571)。アベック*1、夫婦、親子、友人など複数の人が一度にいなくなるケースは1970年代に集中しています。それについてお話ししました。

 6分26秒の動画です。
 動画タイトルと説明文だけで呆れ果て、見る気が失せます。実際見る価値はないですが。
 第一に「そんなこと(1970年代に拉致は多発している)」が「拉致解決(拉致被害者の日本帰国)」と何の関係があるのか。
 何の関係もない。荒木もこの動画で拉致解決につながるまともな話は何もできません。今回の動画もそうですが、荒木はもはや最近の動画では「舌先三寸」ですら「拉致解決の展望を語れない」のだから心底呆れます。
 第二に「夫婦」「友人」という記述で気づいた方もいる*2でしょうが、ここで荒木があげてる失踪者には「特定失踪者」も含まれています。
 「国内で40人も発見されて、そのほとんどが自発的失踪で事件性なしの特定失踪者なんかあげるんじゃねえよ!」ですね。


拉致を軽視し続ける日本政府【調査会NEWS3518】(R3.10.26): 荒木和博BLOG

 平成25(2012)年*33月18日、次のような記事が報じられました。

 今更「平成25年or2012年の記事(今から約8or9年前)」なんか云々して何の意味があるのか。

 拉致被害者の政府認定が17名、うち5名が日本に帰国しましたが、拉致の可能性があるかもしれないと警察に寄せられた相談はおよそ900名近くに上ります。

 もちろん「900名のほとんどすべて(特定失踪者)」が「北朝鮮拉致認定する根拠はない(実際、国内で発見された特定失踪者が既に40人以上いること、そのほとんどが自発的失踪で事件性なしで解るように、北朝鮮拉致はほとんどないでしょう)」のでこんなことは云々することが馬鹿馬鹿しい。

 昭和52(1977)年9月、日本赤軍により日航機が乗っ取られる、いわゆるダッカ・ハイジャック事件が起きました。当時の福田赳夫*4総理大臣は「一人の生命は地球より重い」という有名なセリフとともに、人質となった乗員・乗客らの命と引き換えに収監された活動家*5を解放しました。その一方で、日本人が拐われていくのをみすみす見逃してきたのです。つまりはこの「脅威」に「拉致」は含まれなかったということであり、「一人の生命は…」というセリフが口先だけだったとも言ってもよいでしょう。

 「はあ?」ですね。当時の福田内閣は「北朝鮮拉致の存在に気づかなかったから対応できなかった」でしょう。
 「福田内閣時代から気づいていた」と見なす根拠はないし、実際気づいてないでしょう。
 それは少なくとも「拉致被害者を見捨てた」と言う話ではない。
 まあ、『大韓機爆破での金賢姫逮捕による李恩恵疑惑浮上』がきっかけ*6かもしれませんが、遅くても「橋本質問」に「北朝鮮拉致の可能性を、梶山*7国家公安委員長、宇野*8外相が公式に認めた」竹下*9内閣当時には明らかに気づいていたわけですが。
 大体、「福田内閣時代から拉致の存在に気づいていた」云々と「福田非難する」なら「巣くう会は福田内閣官房長官*10でその後も、自民党政調会長(大平総裁時代)、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など要職を歴任した安倍晋太郎*11拉致問題で批判するのか?」と聞きたいですが、多分「安倍晋三*12の父親」を非難するわけにもいかず、「安倍晋太郎氏は悪くない」という「見るに堪えない詭弁」が始まるのでしょう。
 それにしても「ダッカ事件超法規的措置」について良く平気で話ができると心底呆れます。

ダッカ事件では人質の命最優先で、あえて日本赤軍の要求をのみ、いわゆる超法規的措置(刑事被告人の釈放と身代金支払い)という「バーター取引」をやった。犯罪組織である日本赤軍相手にすらそういうことをやった。国連加盟国である北朝鮮相手に「拉致被害者の帰国最優先」で、経済支援との「バーター取引」して何が悪いのか!
◆小泉訪朝から19年も経った。5人の帰国以外には進展がない。もはや「福田内閣ダッカ事件対応」のようなバーター取引も不可避ではないのか?

と言われたら拉致被害者家族会や荒木ら救う会は何というのか。
 「北朝鮮日本赤軍は違う」「福田内閣当時(1970年代)と小泉内閣当時(2000年代)は時代状況が違う」「ダッカ事件はあれ以外解決方法がなかったが拉致はバーター取引しなくても解決する(小泉訪朝から19年経っても『2002年の拉致被害者5人帰国』以外に進展がないのに?)」と強弁するのか。
 はたまた「福田内閣超法規的措置も間違っていた」というのか。
 それにしても「ダッカ事件でバーター取引(超法規的措置)」をした福田赳夫首相の息子「福田康夫*13小泉内閣官房長官(後に首相)」が「拉致問題でのバーター取引(日朝平壌宣言での『国交正常化時の経済支援約束&小泉政権での正常化交渉開始約束*14』と拉致被害者帰国のバーター)」に関わる。
 うがった見方をすれば「俺は今、親父と同じように人命最優先でバーター取引をしている」と言う思いが福田康夫氏にはあったかもしれない。
 いずれにせよ「北朝鮮とのバーター取引論」は「福田内閣ダッカ事件対応」と同じです。シンパという話ではない。
 福田内閣だって好きで「被告人釈放と身代金支払い」をやったわけではない。「元大蔵省主計局長」「岸派を福田派として引き継ぎ、また岸内閣農林相、佐藤*15内閣*16蔵相、外相、自民党政調会長(岸総裁時代)、幹事長(岸、佐藤総裁時代)などを務めた岸*17元首相の側近」福田赳夫氏は「赤軍シンパ」ではない。
 まあ、人質解放とのバーターというなら「よど号事件での佐藤内閣」も福田氏同様「よど号グループの北朝鮮行きを認める」取引をしていますしね。あれだって佐藤は「好きでバーター取引した」わけではない。
 「北朝鮮とのバーター取引論」を「北朝鮮シンパか!」「軟弱、腰抜け」だのいうのは佐藤栄作福田赳夫に向かって「よど号グループ(あるいは日本赤軍)のシンパか!」「軟弱、腰抜け」と罵倒するぐらい馬鹿げている。

 「国交正常化をしたら拉致問題は前進する*18」という人もいますが、そんなことは絶対にありえません*19。国交を樹立した瞬間に、北朝鮮は「拉致被害者などわが共和国*20にはいない」と一人も返して来ない*21でしょう。

 完全に「語るに落ちています」ね。救う会の目的が「拉致被害者の日本帰国」ではなく「それを口実とした日朝国交正常化妨害」と言うことがモロバレです。
 救う会の目的が「日朝国交正常化妨害」だからこそ連中は
1)「国内で40人以上も発見(そのほとんどは自発的失踪で事件性なし)されたこと」などで明らかに北朝鮮拉致でない「特定失踪者」を北朝鮮拉致だと未だに強弁し
2)「佐藤内閣のよど号事件対応、福田内閣ダッカ事件対応」のようなバーター取引を否定し
3)「即時一括全員帰国」を主張して「段階的帰国」を否定し
4)「北朝鮮拉致か怪しい特定失踪者など交渉に持ち出すべきでない」「拉致被害者が帰国するならバーター取引も否定しない」「段階的帰国でもいい」と主張し、救う会に批判的な蓮池透氏を家族会から追放するよう、家族会に働きかける
5)「平壌に常駐事務所を置いた方がいい」という石破*22元幹事長に悪口する
わけです。

 東西冷戦が終結しても、北朝鮮の脅威*23がなくなることはありません。ロシアや中国は軍事的にも経済的*24にも強大な脅威となりつつあります*25し、国連などの場では何かと北朝鮮をかばっています*26。そしてそのもとで北朝鮮の工作活動は一層激しさを増しています*27。そのもとで、彼らは核やミサイルを着々と開発し、いま私たちを狙っている*28のです。

 脚注をつけましたが「批判する場所しかないアホ文章」です。

*1:アベックはもはや「死語」なので「恋人」「カップル」などの方が今はわかりやすいとは思います。

*2:というのも政府認定拉致には「アベック(蓮池夫妻、地村夫妻、『市川修一、増元るみ子』:蓮池夫妻、地村夫妻は拉致当時はまだ夫婦ではない)」、「親子(曽我親子)」はいても「夫婦」「友人」はいないからです。

*3:「平成25年=2013年」なので誤記ですが、どちらが正しいか、わざわざ確かめる熱意は俺にはありません。

*4:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*5:「刑事被告人」と表現しないのが興味深い。

*6:つまり金逮捕がなければ宇野、梶山答弁はなかったかもしれませんが。

*7:竹下内閣自治相・国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、自民党幹事長(宮沢総裁時代)、橋本内閣官房長官など歴任

*8:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*9:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*10:ただしダッカ事件当時は安倍ではなく、園田直が官房長官

*11:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*12:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*13:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*14:ただしこの約束は後に小泉政権が事実上、反故にしますが

*15:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、自民党総務会長(岸総裁時代)、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*16:佐藤は「岸の実弟」であり佐藤内閣での福田重用(蔵相、外相、幹事長)は勿論「岸の働きかけ」でしょう。

*17:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*18:普通に考えて「前進する可能性が高い」でしょうね。「制裁しか拉致解決の道はない」と根拠レスで断言して恥じない「救う会」のように「絶対に前進する」と無責任な放言を俺はしませんが

*19:「絶対にあり得ない」というまともな根拠は何一つありません。

*20:朝鮮民主主義人民共和国(つまり北朝鮮)」のこと。

*21:そこで「北朝鮮がどんな態度をとろうが、国交正常化後も粘り強く拉致交渉を続ける」と言わないあたり救う会の本心「国交正常化妨害」がモロバレです。

*22:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*23:軍事小国の北朝鮮は脅威などでは全くありません。あえて言えば「北朝鮮よりも軍事的に大国である」中露の方がよほど日本にとって軍事的脅威でしょう。とはいえ、その中露だって「日本侵攻の脅威」は現実的にありませんが。

*24:ハイアール(家電)、ファーウェイ(スマホなど)、レノボ(パソコン)など、「商工業関係の大企業」が多数ある中国ならともかく、今や「ソ連崩壊のダメージ」を未だにリカバリーできず、工業大国というよりは「石油、天然ガスが最大の外貨獲得源」と言うロシアのどこが「経済的脅威」なのか?

*25:「日本侵攻の脅威があるか」と言う意味では中露は何ら「軍事的脅威」ではありません。

*26:北朝鮮に緩衝国としての価値があるから」ですね。当然、日本の経済制裁は「中露の北朝鮮経済支援」で「かなり無意味となっています」。日本の経済制裁について「効果を上げたい」なら「中露の支援をどうやめさせるか」という問題は「考えざるを得ません」。しかし「事実上、中露に支援を辞めさせることは無理」なのでそのことについては救う会など「制裁派」は完全に無視します。

*27:何を根拠に「激しさを増している」というのか?

*28:核、ミサイルは救う会が強弁するような「米国、韓国、日本などへの専制攻撃用」ではなく、1)「米韓が先制攻撃で軍事侵攻したら、核ミサイルで反撃する」として牽制し、軍事侵攻を避ける、2)「核、ミサイル開発を辞めて欲しいなら体制保証(朝鮮戦争の正式終戦米朝国交樹立など)や制裁解除などお土産をよこせ」という交渉カード、と言ったことが目的でしょう