三浦小太郎に突っ込む(2020年11月20日分)

第10回 アジアの民主化を促進する東京集会 報告 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会(文責・三浦小太郎)
 予想の範囲内ですが「アジアの民主化を促進する」というタイトルでありながら「中国非難オンリー」と言うのだから呆れます。
 「独裁色を強めるカンボジアのフンセン政権」「ミャンマーロヒンギャ問題」「タイの軍事独裁問題」などは何一つ出てきません。それならば「アジアの民主化」などと大風呂敷を広げず「中国の民主化」でいいでしょうに。

 ここで、協議会副会長の西村幸祐より、安倍晋三前総理からのメッセージが代読されました。

 首相在任中なら中国の反発が怖くてメッセージなど送らなかったでしょうに、安倍も本当に無責任でデタラメな男です。とはいえその安倍ですらさすがに「出席はしない」わけです。

 続いて、石平氏の基調講演が行われました。
 今回のアメリカ大統領選挙とその後の混乱に触れ、これまでアメリカの民主主義派、選挙が終われば、敗れたほうが勝者に電話をして敗北を認め、そしてきちんと政権を交代するという健全さを示していた。しかし今回の選挙では、トランプを勝たせたくないということから民主党側がかなり強引でインチキともとれる行動を行った可能性があり、その後の混迷がずっと続いている。正直この姿も、中国からは、民主主義は決して優れたシステムではない、かえって混乱を招き不正が起きやすいのだという政治宣伝に使われていると述べました。

 話は逆だろ、インチキなのはトランプだろ、トランプが今すぐ敗北を認めるべきだろ、て話です。「世界各国の首脳のほとんどがバイデン勝利を認めて祝意表明しており」、菅ですらバイデン勝利を認めてるのに、そして「祝意を表明しないロシア・プーチン*1政権」などですら「トランプ擁護などさすがにしない」のにどれほど非常識なのか。こんな無茶苦茶なトランプ擁護をすることが「支持者を減らす」と言う理解はないのか。こんな無茶苦茶なトランプ擁護と「中国やアジアの民主化」と何の関係があるのか。

 習近平*2政権のこのような態度は世界では受け入れられるはずがなく、今はインド*3とも対立している、必ず追い詰められていくだろうと述べました。

 といったところで現実問題として「追い詰められてない」ですからねえ。先日も中国をメンバーとするRCEPが「日本も参加して」成立したところです。
 そして来週の24,25日に王毅・中国外相が訪日して菅(すが)*4首相や茂木*5外相と会談するそうです。これがウヨが敵視する「鳩山首相菅直人首相」辺りなら悪口だろうに菅(すが)相手には何も言えないのだから全く無様です。

 チベットウイグル、モンゴル*6、香港の人々が苦しんでいる人権侵害の状況が、次は日本を襲ってくるのです。経済的利益を追って正義を忘れていると、経済的不利益どころか、国の根幹を揺るがす取り返しのつかない状態になってしまうかもしれません。

 「はあ?」ですね。中国が日本を侵略するとでも言うのか。呆れて二の句が継げませんね。

 香港のケン・マー(香港建国聯盟 広報官)氏が登壇。香港の自由と民主主義は、もはや、独立以外では守ることができないことを強調

 独立なんて「香港の自治を守ること」よりずっとハードルが高いでしょうに、馬鹿が言えたもんです。id:Mukkeの「沖縄独立論」並に非常識ですね。

 最後に、ベトナムから、グエン・ハー・ギオック(ベトナム革新党)が登壇。滅ぼされたベトナム共和国(南ベトナム)の旗を掲げ、自由と民主主義の国だったベトナム共和国が、ソ連、中国に支援された北ベトナムに敗れ、滅ぼされたこと、しかし、自分たちはこの国があったことをこうして訴え続けていると述べました。

 今時「南ベトナム礼賛」とかただの反共右翼じゃないですか。非常識でしかない。独裁国家だった南ベトナムのどこが「自由と民主主義の国」なのか。

 民主主義は、時には間違った選択をすることは確かにあるかもしれない。しかし、時間とともにそれは正されてゆく。例えばかって、社会党には土井たかこさん*7のある種のブームがあって、総理大臣にもなるかという勢いがあったが、今は、(ボーガス注:福島瑞穂党首)ただ一人の(ボーガス注:国会)議員のみの政党となった。それこそが民主主義であって、独裁体制には決して起こりえないことだと述べ

 「アンチ社会党社民党)」のウヨ相手に社会党社民党)への悪口を吐く辺りがペマらしいゲスさですね。
 普通こういう場合は「自民党・宮沢*8内閣から細川*9・非自民連立内閣への政権交代」「自民党・麻生*10内閣から民主党・鳩山*11内閣への政権交代」「民主党・野田*12内閣から自民党・安倍*13内閣への政権交代(勿論俺は安倍など評価しませんが)」といった「与野党政権交代」を例に挙げるでしょうに。
 あるいは時期を考えれば米国での「共和党・トランプ政権から民主党・バイデンへの政権交代」でもいいですが。まあ、既に紹介したようにトランプ擁護発言をして恥じない馬鹿・石平がいたのがこの集会ですが。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:マスコミも報じていますがむしろインド首相のモディの方が「コロナの蔓延とそれによるコロナ不況」で苦しんでるのですが。

*4:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相

*5:福田内閣金融等担当相、自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第三次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍内閣外相などを経て菅内閣外相

*6:正確には「内モンゴル

*7:社会党委員長、衆院議長、社民党党首など歴任

*8:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*9:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*10:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長、首相、第二~四次安倍内閣副総理・財務相を経て現在、菅内閣副総理・財務相

*11:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長などを経て首相

*12:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)など歴任

*13:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相