新刊紹介:「前衛」2021年1月号(俳優座劇場プロデュース公演「 嘘 ウソ」、藤子F不二雄『耳太郎』『テレパ椎』のネタばらしがあります)

 「前衛」1月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
特集『日本学術会議「任命拒否」の撤回を』
◆菅政権による日本学術会議への人事介入は違憲・違法:国会論戦の核心(山田寛太)
日本学術会議人事介入事件:警察監視国家への道(川村肇)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。なお、副題から予想がつくでしょうが、川村氏は戦前の「滝川事件」「天皇機関説事件」を例に挙げ「強い危機感が必要ではないか」としています。

赤旗
主張/学術会議 首相答弁/開き直りとすり替え許されぬ
主張/学術会議 国会論戦/任命拒否の論拠 完全に崩れた
主張/首相の事前調整論/苦し紛れの卑劣なウソ許せぬ
学術会議介入Q&A/国民全体の問題です/もの言えぬ社会にしないために
井上担当相答弁/学術会議の在り方を否定 学問の自由への重大な挑戦/穀田国対委員長が批判
学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック/「学術会議の総合的・俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」/無関係な引用を“基準”に
学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック/「『必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではない』が政府の一貫した考え」/18年以前の記録なし
学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック/「会員の出身や大学に偏り。閉鎖的・既得権のようになっている」/15年間で多様性向上
学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック/「(任命拒否が)政府の法案に反対したからということはあり得ない」/「政策に反対」課長更迭
学術会議に10億円と攻撃するが/菅氏 機密費から毎年11億円超/「閉鎖的で既得権益」なのは いったいどちらか
学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック/「任命しなかったことと学問の自由は関係ない」/誹謗中傷や萎縮の事態
主張/「軍民両用」強要/日本学術会議の原点を壊すな
学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック/「推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった者が生じた」/政治介入の本音を吐露
軍事転用要請は違法/井上議員 学術会議の独立脅かす/参院外交防衛委
任命拒否 論点そらす/学術会議「切り離し」 田村氏が批判
学術会議/「国からの切り離し」許さず/参院委 田村氏 担当相を批判
学術会議の独立性脅かす/切り離し検討 畑野議員が批判

菅政権を攻めに攻め党員拡大の新たな前進のうねりを起こそう/11月10日 幹部会決定総合推進本部長 小池晃
 戦前、滝川事件、天皇機関説事件など、学問の自由がはく奪されていった結果、何が起こったか。科学者は戦争遂行のための軍事研究に総動員され、さらにすべての国民の自由の圧殺へとつながり、侵略戦争の破滅へとこの国を導いたのです。この歴史を決してくりかえすわけにはいきません。

大阪、沖縄のオンライン演説会/科学を政治のしもべにしてはならない/志位委員長の訴えから
 1933年の滝川事件、1935年の天皇機関説事件など、戦争に向かう時期に、政権の意に沿わない学者が弾圧されました。これが歴史の大きな分水嶺になっていきました。そうやって学者の口をふさぎ、国民の口をふさぎ、科学者を戦争に総動員し、国を滅ぼした。この歴史の反省に立って、憲法に学問の自由の保障が明記されたということを忘れてはなりません。
 ですから私は訴えたい。こうした歴史にてらしても、今回の問題(学術会議への人事介入問題)というのは、一部の学者の問題ではないんです。任命拒否された6人の方だけの問題ではないんです。日本学術会議だけの問題でもない。国民全体の基本的人権が脅かされている。国民全体の問題なんだということを、私は訴えたいと思います。

きょうの潮流 2020年10月30日(金)
 「学匪(がくひ)」という中国から伝わった蔑称があります。学問や知識で民心を惑わし、社会に悪影響をおよぼす学者や学生を指します。その屈辱の言葉を国の議会で投げつけられた学者がいました▼戦前に憲法学の最高峰といわれた美濃部達吉です。国家を法人とみなし天皇は法人たる国家の最高機関という学説が国体を揺るがす危険思想だとして弾圧されました。ときの政府は全著作を発禁とし、公職からも追放。不敬罪での告発、右翼による襲撃へと進んでいきました▼この排撃の嵐のなかで言論や学問の自由も奪われ、立憲主義は停止し、歯止めを失った権力の暴走が日本を破局的な戦争に引きずり込んでいった。『「天皇機関説」事件』の著者、山崎雅弘さん*1は今に重なる警鐘を鳴らしています▼戦後、憲法に明記された学問の自由の保障。それが、こうした歴史の反省のうえに刻まれたものだという認識はあるのか―。学術会議の人事に介入した菅首相に対し志位委員長が国会でただしました▼理由も明らかにしないまま任命を拒む侮辱。これまでの政府答弁さえすべて覆す横暴。これは全国民にとっての大問題で、強権をもって異論を排斥する政治に未来はないと


住民投票大阪市民の力を発揮し、市解体を許さない歴史的な勝利(柳利昭*2
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
 もちろん共産支持者の端くれとして、共産党の奮闘は大いに評価します。何せこの論文に寄れば「大阪市議会に議席を持つアンチ維新の国政野党は共産党だけ」だそうですから。維新びいきの在阪マスコミは「国政野党って言っても立民や国民民主は市議会に議席ないじゃん」と討論会に呼ばない対応(ただし市議会に議席があるので共産相手にはそれが出来ない)を取ることもこの論文によればあったようですし。
 共産党関係者の論文ですので割り引く必要がありますが「共産党以外の国政野党の存在感が全然無かった」「やはり市議会の議席は重要と感じた」という声もあったようです。
【参考:大阪で存在感のない立憲民主】

立憲大阪府連が船出 所属大阪市議なし 「反都構想」で支持掘り起こし図る - 毎日新聞2020.10.10
 旧立憲民主党と旧国民民主党の合流に伴う新たな立憲民主党大阪府連の結成大会が10日、大阪市で開かれた。メンバーが以前から反対してきた「大阪都構想」の住民投票を来月に控えるが、府連所属の大阪市議はおらず、今月12日の告示当日も国会議員や他の地方議員が駆け付けざるを得ない状況だ。

【参考終わり】
 とはいえ、一方で以下の点にも注意が必要でしょう。
1)菅の圧力に耐え、自民大阪府連がとにもかくにも反対で一貫した
 もちろん、このような事態の背景には「大阪府知事選、市長選での自民との共闘」など共産党側の柔軟な対応もあったことは指摘しておきます。
 ただし一方で、この論文においても「当然ながら、だからといって何でもかんでも自民と共闘できるわけではないこと(典型的には大阪での国政選挙ですが)」「自民大阪府連も都構想以外では維新に必ずしも批判的ではないし、ましてや菅に対しては『菅の維新対応(大阪都構想で維新びいきなど)』を除けば全然批判的ではない」も当然指摘されています。
2)公明党支持層の造反
 「地元支持者の頭越し」に「前回住民投票では自主投票」を「維新に賛同」としたことは「そんなに国政選挙で維新の協力を得ることが大事か?」「支持者を馬鹿にするな!」「利益があるか怪しい都構想なんか賛成できるか!」として支持者の大量造反を産みました。公明としては「かえって今後の大阪での国政選挙の見通しがつかないことになった」のではないか。下手なことをやれば「公明の連中にお灸を据えるためにあえて共産に投票(トランプに投票するぐらいならバイデンに投票すると公言した一部の共和党支持層のような対応)」「さすがに野党への投票は躊躇するが公明に投票するくらいなら棄権する」となりかねませんので。
3)維新の自滅
 コロナ下で投票を強行したことへの反発や、批判派の追及で嘘がばれそうになり、都合が悪くなるや詭弁で「市のホームページに自ら掲載していた説明会動画を削除」、例の試算(大阪市を廃止するとコスト増になる)が批判を受けると、松井市長が市の財政局長を恫喝して「試算は間違いでした」と詫びさせた物の「ついに維新が主張するコスト減を示すまともな試算は出てこず」などといった無茶苦茶は狂信的維新支持層でない限りおよそ付き合いきれない物だったでしょう。
 なお、「都構想で反対派が勝利した」とはいえ、大阪市 「広域一元化」条例策す/松井市長“「都」構想の対案”/来年2月議会にということで姑息にも「住民投票ではなく『維新が過半数を握る』市議会だけで大阪市廃止」を松井等が画策してることには警戒が必要でしょう。結局の所、「維新を大阪市与党から下野させる(プラス市議会過半数ではなくする)」まで闘いは続くわけです。今回の大阪でのコロナ蔓延にせよ「維新の無策」が大きいわけですし、維新の有害性は明白でしょう。

赤旗
主張/「市廃止」再び否決/市民の力で大阪市守り抜いた
【追記】
大阪市立高の府移管、条例案可決 市議会 - 産経ニュース
今日の産経ニュース(2020年12月10日分) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが維新と公明の無茶苦茶振りには心底呆れます。
 結局、都構想とは「大阪市の権限や予算を大阪府が奪い取る」と言うとんでもない代物であることが改めて露呈されたといっていいでしょう。


◆官邸のテレビ監視と菅首相のメディア介入を問う(藤沢忠明*3
 『官邸のテレビ監視と菅首相のメディア介入』とは以下のような話です。

官邸のTV監視ここまで/出演者発言・ナレーション・見出し…詳細に/3月前半分 A4で700枚 本紙が記録入手
 内閣広報室がテレビのニュース・情報番組の出演者の発言を詳細に書き起こした記録文書を、本紙は情報開示請求で入手しました。テレビでの発言を官邸が日常的に監視し、政権の意に沿わない報道に対抗措置を取る狙いがうかがえます。
 開示された文書は大別して2種類で、「報道番組の概要」と、「新型コロナウイルス関連報道振り」。A4判で700枚にのぼります。その期間は安倍晋三首相(当時)が「一斉休校」を要請(2月29日)した直後の3月1日から16日まででした。
 「概要」に記載されているのは、分刻みの放送時間、ニュースの見出し、出演者の発言です。「一斉休校」「休業補償」など、政府の方針にかかわるテーマが話し合われた時に、“テープ起こし”をしたと思えるほど詳細に記録しています。
 閣僚や与党の重要議員、各党出席の討論番組などは“全文起こし”されています。VTRのナレーションやアナウンサーの発言も含め、徹底した監視ぶりです。
 安倍政権下では、徹底したメディア対策が取られました。特に影響力の大きいテレビに対しては、政権に批判的なニュース番組のキャスター*4を降板に追い込むこともしました。官房長官時代からメディアに対してさまざまな干渉・圧力を加え、日本学術会議人事への介入にみられるように強権をいとわない菅義偉首相のもとで、これが一層強化されることが懸念されます。
■常時監視番組(並び順は「概要」通り)
〔平日〕
TBS系「ひるおび!
日本系「ミヤネ屋」(読売テレビ制作)
日本系「スッキリ」
朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」
フジ系「とくダネ!」
朝日系「報道ステーション
TBS系「NEWS23」
〔土日〕
TBS系「サンデーモーニング
朝日系「サンデーステーション
NHK「日曜討論
日本系「ウェークアップ!ぷらす」(読売テレビ制作)

官邸のテレビ監視記録 文書の存在自体がメディアへの牽制(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース週刊ポスト2020年11月6・13日合併号)
 総理になってからの菅義偉氏は、記者会見では笑顔を絶やさず、マスコミ懐柔にも努めている。だが、菅氏には別の面がある。長く官邸を牛耳ってきた彼は、官僚たちを使って報道を監視してきたのだ。その証拠となる記録文書を本誌・週刊ポストが入手した。
 文書には〈〇月〇日の報道番組の概要〉〈内閣広報室 担当〇〇〉と記名があり、その日のテレビ番組が列挙され、一部のコメンテーターの発言が抽出されている。東京都内の男性が情報公開請求したもので、桜を見る会問題が追及された今年1月までの10か月間に、菅氏をトップとする 内閣官房がテレビの放送内容をチェックした記録である。
 文書は255枚にも及ぶ。毎日番組を観続けて文字に起こした職員たちの労力は相当だろう。
 取り上げられた番組は、朝の『スッキリ』(日本テレビ系)、『モーニングショー』(テレビ朝日系)、『とくダネ!』(フジテレビ系)、昼の『ひるおび!』(TBS系)、夜は『報道ステーション』(テレビ朝日系)、『NEWS23』(TBS系)、週末は『日曜討論』(NHK)、『サンデーモーニング』(TBS系)など。
 発言をピックアップされたコメンテーターの顔ぶれも興味深い。数が多い*5のが、『NEWS23』に出演する元朝日新聞の星浩*6と、『報ステ』に出演する元共同通信後藤謙次*7だった。
 本誌・週刊ポスト2020年6月5日号*8では、同様の手法により内閣官房がテレビ番組をチェックした記録の一部を入手し報じた。その際、「政府がどのように報じられているかチェックするのは当然」という声が(ボーガス注:菅政権支持者、自民党支持者から?)寄せられたが、桜を見る会に限った今回の文書を見ると、意図的に官邸が意識している一部ジャーナリストらの発言だけを収集しているのが分かる。
 この膨大なる監視記録の目的は何なのか。文書に何度も名前が登場する政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう見る。
「メディアへの牽制のために作られているのではないか。発言を収集し、評論家やジャーナリストの足をすくう材料を探している。私自身、新型コロナに関するテレビでの発言内容について、内閣官房から反論されたことがありました(*注1)。
 また、公文書の公開に消極的な官邸が、この記録文書については情報公開請求に応じ、(ボーガス注:黒塗りもせずに)あえて『ある』ことを示したことにも何らかの意図を感じてしまいます。文書の存在を示すこと自体が、メディアに対する牽制になっているのではないか」
【*注1/今年3月5日放送の『モーニングショー』で、伊藤氏がコロナ特措法について「総理が法律改正にこだわる理由は、『後手後手』批判を払拭するため」とコメント。それに対し、内閣官房が公式ツイッターで番組を名指しし、異例の反論を行なった」
 文書には時間の経過を感じさせる名前もある。共同通信論説副委員長だった柿崎明二氏*9である。当時、柿崎氏はさまざまな番組に出演し、安倍政権への批判を行なっていた。
「安倍政権と国は別物。国は無人格で未来永劫続き、その運転手が政権。国家そのものの信頼を損なうような行為、姿勢は改めるべきである」(2019年11月12日『ひるおび!』)
 柿崎氏は菅政権発足に伴い、首相補佐官としてジャーナリストからは異例の官邸入りをした。
 記者会見での執拗な追及で菅氏の“天敵”とされる望月衣塑子*10東京新聞社会部記者は言う。
「菅さんは、記者はいざとなったら取り込めるもの、権力になびくものだと思っているのではないでしょうか。パンケーキ懇談会(*注2)で番記者を懐柔したのもそれです。反対に、コントロールが利かない一部の記者には強い苦手意識を持ち、排除したがる。それが彼のメディア対策なのだと思います」
【*注2/10月3日朝、菅氏は内閣記者会に所属する記者*11を集めて懇談会を開いた。会場は菅氏の好物であるパンケーキで有名な店だった】

 注目されるのは藤沢論文も指摘するように赤旗報道と同時期に週刊ポスト官邸のテレビ監視記録 文書の存在自体がメディアへの牽制(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュースとしてこの件を批判報道していることでしょう。


◆少人数学級の根拠の在り処:財務省エビデンス論を批判する(藤森毅*12
(内容紹介)
 少人数学級に「予算がかかるがそれだけの意義があるというエビデンス(根拠、証拠)があるのか」と消極的な財務省の立場が批判されています。この点、

少人数学級 子どもの願い/畑野議員質問 文科相「不退転の決意」
 公立小中学校の学級編成標準は、義務教育標準法で1クラス40人(小学1年のみ35人)と定められています。
 萩生田氏は「30人が望ましいと私は思う。みなさんと協力しながら頑張りたい」と答弁。

ICT 教員の裁量で/畑野氏「少人数学級今こそ」
 萩生田光一文部科学相は「(学校教育は)人がぬくもりをもって子どもたちに接することが大切。少人数学級実現を頑張りたい」と答えました。

とする萩生田文科相の今後の言動が注目されます。

参考
赤旗
主張/コロナ時代の学校/少人数学級を子どもに贈ろう
主張/少人数学級/実現への重要局面に力合わせ

【2020年12/18追記】

文科省と財務省が折り合った「35人学級」 教室、教員不足など課題は山積:東京新聞 TOKYO Web
 公立小学校で導入されることになった「35人学級」。中学校も含めた30人学級を目指す文部科学省と、教職員人件費の増加を抑えたい財務省が折り合う形で決着した。文科省や教育関係者から「大きな一歩だ」との声が上がる一方、質の高い教員や教室の確保、教育・労働環境の改善など課題も残っている。
「隣の建物(財務省)の壁は高かった」
 萩生田光一文科相は17日、閣僚折衝後の記者会見で複雑な表情を見せた。来年度から1人1台のパソコンやタブレット端末が配備され「きめ細かな指導が必要」と訴えてきたが、35人学級の対象となったのは小学校のみ。目標の「30人」も届かなかった。
 児童生徒に目が行き届く少人数学級は教育界の長年の悲願。だが、財務省は「効果の検証がない」と否定的。1980年度に上限が40人となって以来、学級規模の一律引き下げは実現していない中、「教育効果が上がることはあっても、下がることはないと訴え続けたが、最後まで溝があった」(文科省初等中等教育局財務課の担当者)。今回も困難との見方もあった。
 教育現場の課題は山積している。少人数学級で必要となる教室が増え、足りなくなるとの指摘も。文科省は「国と地方が連携し、定期的に検証する場を設ける」とし、5年間で柔軟に35人学級に移行するとしているが、都市部の学校などで教室不足が顕在化する可能性もある。
 質の高い教員の確保も課題。教員の業務が増え、長時間労働が指摘される中、志望者が減り、教員不足になる悪循環が続いている。小学校教員の採用倍率の全国平均は2019年度、2・8倍まで下がっている。
 慶応大教職課程センターの佐久間亜紀*13教授は「教職員全体の人手が増えなければ、教育・労働環境の改善につながらない。注視が必要」とくぎを刺す。

 ということで
1)まだ実際に始まったわけではなく課題が山積み
2)30人学級(文科省、教職員組合日本共産党など)など「もっと少人数の学級」を望む立場では100点満点ではない(また35人学級は小学校限定)
とは言え、「一歩前進」と評価したい。「この件に限れば」、萩生田文科相を評価したい。


◆誌上再録『切実な思い、要望・声を受け止め、多角的に:日本共産党国会議員団ジェンダー平等推進委員会から』(高橋千鶴*14、紙智子*15笠井亮*16、山添拓*17藤野保史*18、畑野君枝*19、本村伸子*20、吉良よし子*21、岩渕友*22、田村智子*23倉林明子*24井上哲士*25大門実紀史*26、伊藤岳*27
(内容紹介)
 ジェンダー平等へ会合/党国会議員団、取り組み報告を「より詳しく報告した内容」です。

ジェンダー平等へ会合/党国会議員団、取り組み報告
 日本共産党国会議員団のジェンダー平等推進委員会(委員会責任者・高橋千鶴衆院議員)は20日、国会内で会合を開きました。山添拓参院議員が事務局長(新)、本村伸子衆院議員、岩渕友参院議員が事務局次長(新)に就くことを確認しました。
 紙智子参院議員は、フランスで発見された(ボーガス注:フランスの植民地であるベトナムに太平洋戦争開戦後、侵攻した日本軍が設置した慰安所について現地フランス軍が報告したという)「慰安婦」問題での新しい資料などについて説明。井上哲士参院議員は、女性差別撤廃条約の選択議定書批准をめぐる国会論戦を紹介し、「(批准の)検討の加速が正しい方法」との答弁があったことなどを報告。本村議員は、フラワーデモや被害当事者団体、市民団体とさまざまな形で議員らが連携し、(ボーガス注:内閣府の)「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」をつくらせてきたことなどを話し、意見が活発に交わされました。
 また、党中央委員会ジェンダー平等委員会と党国会議員団ジェンダー平等推進委員会が連名で、「第5次男女共同参画基本計画」策定に当たっての申し入れを行うことを確認しました。

 「第5次男女共同参画基本計画」については自民、「夫婦別姓」再び結論見送り 男女共同参画基本計画案 修正案に賛否 - 産経ニュースを紹介しておきます。
 計画原案にある「別姓制度」の記述を巡って、自民党の「別姓賛成派(野田聖子*28など)」と「反対派(もちろん産経はこちらを支持)」が対立しているという話です。
 ただし、

夫婦別姓の具体的な方針示さず 男女共同参画計画の原案:朝日新聞デジタル
 政府が12月に閣議決定する第5次男女共同参画基本計画の原案が1日、明らかになった。焦点となっていた選択的夫婦別姓制度をめぐる記述については、「政府においても必要な対応を進める」などとする内容にとどまった。
 原案では、女性の約96%が結婚に伴い氏を変更しているとしたうえで、実家の姓が絶えることを心配して結婚に踏み切れず少子化の一因となっているなどの声を紹介。「若い世代が希望を実現できる社会にしていくために、様々な課題に正面から立ち向かっていく必要がある」とした。
 ただ、具体的な方針は明記されず、「具体的な制度の在り方について、国会において速やかに議論が進められることを強く期待しつつ、国会での議論の動向等を踏まえ、政府においても必要な対応を進める」などとする記述にとどまった。

なので原案通りの閣議決定でも過大評価は出来ませんが。

参考
JCPジェンダー平等委員会 (@JCPgenderec) | Twitter

あらゆる分野でジェンダー平等を |高橋ちづ子(日本共産党衆議院議員)
 20日、党国会議員団ジェンダー平等推進委員会を開催しました。責任者は私、委員は党議員全員
 (中略)
 党綱領改定でジェンダー問題を位置付けたのは今年1月の党大会。あらゆる分野でジェンダーの視点をつらぬく努力をはじめました。この時の結語で志位委員長は、党が70年代に同性愛を性的退廃の一形態と否定的に述べていたことは間違いだったと発言したことも印象的でした。

日本共産党第28回大会/綱領一部改定案の討論についての志位委員長の結語
 トランスジェンダーであることをカミングアウト――自ら明らかにし、地方議員として奮闘している同志の発言は、胸を打つものでした。この同志は、40年前にゲイと思われる青年に偏見をもった対応をしたことを反省を込めて語った80代の党員の話とともに、レズビアンの党員から、「支部会議で否定されるような発言があり、説明されても理解してもらえない」と涙声で訴えられたという話を語り、次のようにのべました。
 「今回、綱領一部改定案で、『性的指向性自認を理由とする差別をなくす』としっかりと示されたからには、これまで、日本共産党は、個人の尊厳や、また、人権を守るために、綱領をよりどころにして不屈のたたかいを続けてきたわけですから、こうした残念な事例についても、必ず克服できると信じております」
 全党の同志のみなさん。お互いに学び、自己改革を行い、この同志の信頼に、全党がこたえようではありませんか。(拍手)
 この点にかかわって、全党討論のなかで出された一つの意見にこたえておきたいと思います。それは、1970年代、「赤旗」に掲載された論文などで、同性愛を性的退廃の一形態だと否定的にのべたことについて、きちんと間違いと認めてほしいというものです。これは当時の党の認識が反映したものにほかならないものだと思います。これらは間違いであったことを、この大会の意思として明確に表明しておきたいと思います。(大きな拍手)

ジェンダー平等実現へ 共産党、5次計画で申し入れ - 日本共産党 個人の尊厳とジェンダー平等のための JCP With You2020年10月30日
 日本共産党ジェンダー平等委員会と党国会議員団ジェンダー平等推進委員会は28日、政府の「第5次男女共同参画基本計画」策定にあたり、ジェンダー平等社会の実現をめざして実効性ある計画にするよう内閣府に申し入れました。ジェンダー平等委責任者の倉林明子参院議員、党議員団ジェンダー平等推進委責任者の高橋千鶴子、畑野君枝、本村伸子の各衆院議員が参加しました。
 申し入れ書は、ジェンダー平等が世界水準から立ち遅れた日本の現状、新型コロナ禍で浮き彫りになったジェンダー格差を打開し、必要な法整備等も含め実効性ある計画にするよう要望。(1)政策・意思決定の場に「男女半々」の目標を掲げ、本気の取り組みを(2)男女ともに人間らしく働き続けられる労働ルールの確立を(3)医療、介護、保育などケア労働従事者の待遇改善を(4)女性に対するあらゆる暴力の根絶と健康支援のために(5)女性の貧困や困難の解決へ、社会保障の充実と賃上げを(6)女性差別撤廃条約憲法の全面実施の立場でジェンダー主流化を―の6項目を求めています。


◆「生活保護基準引き下げ」:何が問題か(尾藤廣喜*29
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
主張/生活保護引き下げ/生存権の空洞化は許されない
自公政権 生活保護来月から減額/コロナで困窮者増なのに/強行は47施策に悪影響
生存権守る運動大きく/生活保護引き下げ違憲訴訟/弁論・集会


◆国と東電に再び勝訴!:いまも続く被害、生業訴訟は何を訴え、高裁判決は何を裁いたのか(馬奈木厳太郎*30
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
福島原発事故 生業訴訟 国と東電断罪/仙台高裁 国の責任認定は二審初/賠償額2倍に
主張/原発事故高裁判決/国の責任逃れはもう通用せぬ


女性国際戦犯法廷から20年:ジェンダー正義を追求した法廷から何を受け継ぐのか(渡辺美奈*31
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

【受付終了】「女性国際戦犯法廷20周年」シリーズ❶ 「闘う愛の人、松井やよりを語る」2020.5.13
 今年は「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」から20年の節目の年です。
 2000年女性国際戦犯法廷は、故松井やよりさん(VAWW-NETジャパン初代代表)が提唱し、戦後裁かれることがなかった戦時性暴力を問い、日本軍性奴隷制度の責任者を裁く判決を出した画期的なものでした。
 女性国際戦犯法廷から20年。「慰安婦」問題を解決してこなかった日本社会が失ってきたもの、向き合わなかったことを、20年前に行われた女性国際戦犯法廷を知り、学ぶことによって取り戻す力になるのではないでしょうか。
 希望のたね基金は、2020年を「女性国際戦犯法廷」を知る一年としてドキュメンタリー上映や実際に当時参加した支援者たちの話などのイベントを企画してきました。残念ながらリアルなイベントの開催が難しくなってしまっていますが、松井やよりさんについて知るオンラインシンポジウムを開きます。これは女性国際戦犯法廷を主催したVAWW-NETジャパンの後継団体であるVAWW RACとの共催イベントです。

「女性国際戦犯法廷20周年」シリーズ➍「女性国際戦犯法廷と天皇の責任~裁くということ~」2020.8.27
 法廷の最大の目的は、日本軍性奴隷制の加害責任者を裁くことにありました。
 このうち、当時国家元首かつ大元帥であった昭和天皇の個人責任を裁くことは、焦点の一つでした。東京裁判でも免責されたからです。
 判決日(12/12)、判事団は当時の国際法に拠って「昭和天皇の有罪」「日本政府に国家責任」という判決(=「認定の概要」)を下しました。
 日本では戦後長い間、タブーとされた昭和天皇の責任が断罪された瞬間でした。

2000年「女性国際戦犯法廷」の裁判長、「日本に司法的責任問うべき」 : 政治•社会 : hankyoreh japan2020-11-11
 2000年に東京で開かれた「女性国際戦犯法廷」の裁判長として、慰安婦問題を国際社会で公論化した国際法の権威者であるクリスティーヌ・チンキン名誉教授(英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカルサイエンス)が、韓国の裁判所に対し、日本の賠償責任を認めてほしいとの意見書を提出した。法的拘束力のない国際民間法廷で、アジア各国の被害女性78人の証言を聞いて惨状を伝えた裁判長が、20年が経過したこの日、韓国の裁判所に「日本に司法的責任を問わなければならない」と改めて表明したのだ。
日本は外国の裁判所が自国の「主権行為」を裁く権利はないという国家免除論を盾に、訴訟に応じていない。しかしチンキン教授は同意見書で「日本の性奴隷制と強制性売買は主権行為に分類され得ない」、「慰安婦武力行使や脅迫などによって『募集』され、搾取や性奴隷の対象となった。軍事活動は主権行為に当たるが、性搾取や労働はこれに当たらない」と説明した。
 チンキン教授は、もし慰安婦問題に国家免除論が適用されれば、ここ20年にわたって戦争や紛争という状況下における性暴行を最も深刻な国際犯罪として扱ってきた国際法の流れにもそぐわないと指摘した。女性国際法廷が開かれた2000年、国連安全保障理事会は、初めて「女性と少女に対する性暴行を犯した者に対する起訴の責任は、すべて国が取る」との決議を採択している。武力紛争という状況下における性暴力被害者の裁判請求と賠償要求のための国家責任を認めたのだ。これについてチンキン教授は「(慰安婦問題は)女性と少女に対するジェンダーにもとづく犯罪であり、性暴力事件だ。(他の)国家免除事件は、性暴力や性奴隷制犯罪を扱ってはいなかった」、「国際法上、性平等と性犯罪の法理が発展してきたことを考慮して、国家免除の法理を再評価しなければならない」と説明した。慰安婦被害は国家免除が適用された既存の事件とは違い、「性暴力犯罪」だということが最重要であり、国際法的に性犯罪の被害者に対する国家責任を保証する方向へと進んでいるだけに、司法もこのような声を受け入れるべきだということだ。

「天皇裕仁に有罪判決」20周年を迎えた女性国際法廷 : 東亜日報2020.11.23
 「本法廷は天皇裕仁に有罪を判決する」
 2000年12月12日、日本東京で開かれた日本軍性奴隷戦犯女性国際法廷で裁判長を務めたガブリエラ・マクドナルド旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷所長が判決文を読み上げると、傍聴席から歓声と涙が出てきた。女性国際法廷は、2000年12月8日、日本軍「慰安婦」被害者70人余りが参加した中で韓国、中国、台湾など8カ国の被害国の検事団40人余りが、昭和天皇など25人を起訴した民間法廷だ。
 それから20年後の今月20日、韓国女性人権振興院傘下の日本軍「慰安婦」問題研究所(所長=キム・ソラ)は、女性国際法廷20周年を迎えて、「2000年の女性法廷と超国籍連帯」をテーマに学術行事を開いた。当時、法廷の実行委員だったシン・ヘス国連人権政策センター理事長は、この行事に参加して、「女性国際法廷は、多国間の女性運動の結実で、終戦後、極東国際軍事裁判が取り扱わなかった日本軍性奴隷犯罪に対する有罪判決を引き出した」とし、「まだ被害者の保護と法的賠償、再発防止などの課題が残っている」と説明した。
 キム・ソラ日本軍「慰安婦」問題研究所長は東亜(トンア)日報との電話インタビューで「女性国際法廷は韓国、中国、インドネシアなどのアジア諸国が連携して、女性に対する暴力を断罪する必要があることを宣言した意味がある」とし、「今後、日本の謝罪と賠償だけでなく、将来世代のための教育も重要だ」と語った。
 マクドナルド裁判長ら4人の裁判部は、「生存者たちの証言と各種資料を検討した結果、日本政府は、拉致、詐欺などを通じて数多くの女性を強姦するなど、人道に反した犯罪を犯した点が認められる」とし、有罪判決を下した。

しんぶん赤旗日曜版 | 2020年11月29日号
◆正義と尊厳の回復求めて、「慰安婦」問題裁いた女性国際戦犯法廷から20年、日本軍による性奴隷制を断罪(18面)
 アジア太平洋地域に侵略した日本軍による性奴隷制(「慰安婦」制度)を裁いた「2000年女性国際戦犯法廷」。12月で開催から20周年です。国境を超えてつくりあげた民衆法廷を振り返ります。

「慰安婦、政府は責任を」 女性国際戦犯法廷20年でシンポ | カナロコ by 神奈川新聞2020.12.12

判決の意義、証言を未来へ/女性国際戦犯法廷20周年シンポ | 朝鮮新報2020.12.22
 日本軍性奴隷制を裁いた2000年の女性国際戦犯法廷(以下、法廷)から20年を記念し、国際シンポジウムが12日、オンラインで開催された。日本軍性奴隷制を否定する言説が日本社会に蔓延する中、法廷に関わった関係者の報告や被害者の証言映像などから法廷の意義を振り返り、記憶を継承し、問題解決のため最後まで闘っていく意志を示した。
 シンポは、実行委員会と「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の3団体が共催した。

女性国際戦犯法廷20周年オンライン国際シンポジウム (@joseihoutei20) | Twitter


ジェンダー覚書―The personal is political『コロナ禍で保育の環境改善は緊急の課題』(中川葵)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。
赤旗
主張/保育の安全・安心/現場の切実な願いにこたえよ
利用児童が激減 保育士の感染も心配/新型コロナで病児保育は/休めない親 国が継続の支援を
3密保育でなく余裕必要/共産党子どもの権利委 全保連と懇談
保育士賃金減額防げ/田村氏 担当相が対応表明
保育士に「満額」払え/休業手当 政府、改めて通知
コロナQ&A 児童福祉支援/2次補正予算 施設補助金の中身は/50万円追加など四つの事業支援
主張/コロナ禍の保育/基準引き上げへ踏み出す時だ
PCR拡充 保育にも/共産党東京都委員会が署名提出、東京都に要請 | 日本共産党東京都委員会


◆論点『宮崎・新田原 コロナ禍で激化する日米共同訓練:事件・事故、感染拡大に広がる住民の不安を無視』(前屋敷恵美*32
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。
赤旗
新田原日米共同訓練中止を/田村・まじま・仁比氏ら 九州防衛局に要請
日米演習 爆音下、市民ら抗議/宮崎・新田原基地 日本を危険にする

基地外宿泊有事を想定か コロナ契機、常態化の恐れ 日米共同訓練|【西日本新聞ニュース】
 在日米軍再編に伴う航空自衛隊と米軍の共同訓練が26日から空自新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県新富町)で始まる。参加の米兵約200人が宮崎市内のホテルに宿泊したことに宮崎県や宮崎市などが反発。新型コロナウイルス感染拡大を懸念して再三、基地内施設の利用を求めているが聞き入れられていない。基地外宿泊が戦闘訓練と同様の訓練だと指摘する有識者もおり、今後の米軍や防衛省の動きが注視される。
 県などによると、9月17日に県内のホテルから「米軍から宿泊問い合わせの相談を受けている」と情報が寄せられたのが問題の発端。県が防衛省九州防衛局(福岡市)に問い合わせたところ、「米軍の宿泊先を基地外の施設にする方向で調整中」との回答があり、県はすぐさま基地内の宿泊を要望した。
 河野俊嗣*33知事や戸敷正*34宮崎市長らが防衛省に要望書などを何度も提出したが、聞き入れられていない。
 さらに、県は同局から米軍の先遣隊の到着情報を予定日の2日前の10月17日夕に聞かされるなど、情報伝達の遅れが不信感につながっている。河野知事は「基地内宿泊を要望しているが実現されていない。要望を取り下げるつもりはない」と憤りを隠さない。
 さらに、訓練での安全対策を盛り込んだ協定を同局と結ぶ新田原基地の地元・新富町など5市町は約束をほごにされた形。協定締結の経緯を知る県議は「何も信用できない。住民のコンセンサスは得られない」と不信感を募らせる。
 防衛省はコロナの感染防止のため、密になる基地内宿泊は難しいとの認識だ。基地内の宿舎はコロナに罹患(りかん)した米兵らの濃厚接触者の隔離施設にするという姿勢は変えていない。
 県や市は、米兵のコロナ感染が疑われた場合、米軍から検体提供を受け、PCR検査を実施。感染が確認されたときは嘉手納基地に帰還させ、行動歴なども通知することを明らかにした。しかし、陽性反応者への聞き取りは米側医師が担当するという。
 基地外宿泊は前例がある。防衛省によると、8月に空自千歳基地(北海道)であった日米共同訓練でも米兵約200人がホテルに泊まった。
 米兵のコロナ対応も含め、防衛省の情報開示の在り方が問われている今回の訓練。「戦闘訓練のほかに『宿泊訓練』を行っている可能性がある」と語るのは長崎県佐世保市在日米軍の監視を続ける市民団体「リムピース編集委員で長崎大非常勤講師の篠崎正人さん(73)。
 篠崎さんは「米軍が有事の際、ホテルを利用するために、宿泊予約法などの手続きの流れや周辺自治体の反応、基地への移動法などを調べる訓練ではないか」と指摘。「日米地位協定などで相互協力がうたわれている以上、基地外宿泊は常態化する可能性があり、宮崎だけの問題ではない」と話している。

 共産党が「(平和主義の立場もあって)訓練自体の中止」を主張しているのに対し、宮崎県や宮崎市は「(コロナ予防のための)基地外宿泊の中止」を主張という違いはありますが
1)県や市も国や米軍の態度を批判している
2)にもかかわらず国や米軍は当初方針を強行し、県や市の反発を招いている
と言う点が注目されます。


◆暮らしの焦点『介護保険料の差し押さえの増加から見えること』(岩藤智彦)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

後期高齢者医療/保険料滞納処分 9年間で8倍に/田村参院議員への厚労省資料で判明
 保険料が払えず滞納になるのは、「普通徴収」の人です。月に1万5千円程度の年金か無年金などの低所得者が多く、後期高齢者医療だけでなく、介護保険料や消費税などで生活自体が厳しい実態があります。
 滞納者数・額ともに減っているのに、滞納処分が激増している背景には、これまで自公政権がおしすすめてきた徴収強化や、「負担の公平性」などを口実にして、減免や分割など個々の状況に応じた対応をせず、機械的な滞納処分を行っていることがあると考えられます。

介護保険料滞納、差し押さえ最多 65歳以上、約2万人:朝日新聞デジタル
 介護保険料を滞納して、預貯金や不動産といった資産の差し押さえ処分を受けた65歳以上の高齢者が増えている。2018年度は過去最多の1万9221人にのぼったことが、厚生労働省の調査でわかった。65歳以上の保険料が介護保険制度が始まった00年度から約2倍に上昇していることも影響したとみられる。


メディア時評
◆新聞『米大統領選と学術会議問題:フェイクが民主主義を脅かす』(千谷四郎)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
【学術会議デマ】

学術会議批判、デマとフェイク蔓延なぜ 不幸の副産物 [日本学術会議]:朝日新聞デジタル
◆文芸評論家の藤田直哉さん*35
 学術会議側に不利になるフェイクニュースやデマの蔓延(まんえん)が、特に目立ったのだ。
 たとえば、橋下徹・元大阪府知事は、米国や英国の学者団体には税金が投入されていないとして、「学問の自由や独立を叫ぶ前に、まずは金の面で自立しろ」とツイッターでつぶやいた。公共セクターを民営化してきた彼らしい煽り方だ。だが、米英のアカデミーも、運営資金のかなりの割合が公的資金であることが判明した。指摘を受け橋下氏は「説明不足だった」と釈明したが、説明不足ではなく、端的に「誤り」である。

「デマです」と橋下徹氏のツイートに批判 学術会議問題で誤情報が拡散:東京新聞 TOKYO Web
 日本学術会議が推薦した候補者6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題をめぐり、学術会議に関して誤った情報が、著名人や記者らによって次々とインターネットやTVを通じて発信され、あたかも事実のようにとらえられて拡散している。専門家は「発信者側が正確な情報を事実に基づき発信するよう努力するとともに、受け取り側も真偽を見極める力をつけていく必要がある」と指摘する。(望月衣塑子)
 元大阪市長橋下徹氏は、10月6日午前のツイッターで「学者がよく口にするアメリカとイギリス。両国の学者団体には税金は投入されていないようだ。学問の自由や独立を叫ぶ前に、まずは金の面で自立しろ。年1500円ほどの会費で、今の予算は確保できる」などとつぶやいた。
 しかし、学術会議や米国の資料によると、米国では1997年の時点で、科学者団体「全米科学アカデミー」の年間の運営費が2億ドル(約210億円)で、うち8割が連邦政府との契約という形で公的資金が投じられている。
 橋下氏のツイッターのコメントには、次第にこうした事実関係を示す日本人の研究者のつぶやきや、「デマです」「アメリカの実情はこのようになっている……」などの反応が寄せられるようになった。
 橋下氏に6日のつぶやきの根拠などを問い合わせたが、橋下氏の事務所は「現在は一私人としての立場なので、無償でのインタビューには応じていない」と回答した。
◆年金250万円もらえる?
 5日昼のフジテレビの情報番組「バイキングMORE」では、同局の上席解説委員の平井文夫氏が「欧米は全部民間。日本だけが税金でやっている」「民営化して、自分たちで会費を払って提言すればいいんじゃないですか。だってこの人たち6年、ここで働いたら、その後、学士院というところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ。死ぬまで。皆さんの税金から。そういうルールになっているんです」などと発言した。
 だが、日本学士院の担当者は「日本学術会議の会員やOBが学士院会員になるという規則はない。選出は、学士院の選定規則にそって年一回、候補者の推薦を募ると公示して、総会での選出を経て選ぶ」と説明。「推薦者は大学の学長や研究機関の所長、学士院会員、学術会議の会員の3つで、候補者の所属団体は問われていない」と話す。 
 学士院会員は、定員150人で現在は130人。現在の学術会議の会員は、梶田隆章学術会議会長だけで、学術会議の会員でなくても、学士院会員になる人もたくさんいるという。
 フジテレビは、6日昼の放送で、アナウンサーが「昨日の放送について補足と訂正がある」として「学術会議の会員全員が学士院の会員になって、年間250万円の年金を受け取れるといった誤った印象を与えるものになりました」と謝罪したが、「欧米は全部民間。日本だけが税金でやっている」との事実と異なる発言への言及はなかった。
 ツイッターに約3万7千人のフォロワーがいる平井氏は、問題となった発言を行った日の直前に「今日も『バイキングMORE』です。お題は日本学術会議の任命問題。しかし既得権益を奪われる人達の抵抗ってスゴイな。まあ僕らの税金ですから。とっとと民営化して欲しいものです」とつぶやいた。15日午後9時現在、それ以降の更新はなく、発言に関する訂正や謝罪は行われていない。
 平井氏の発言の根拠となった情報や平井氏の見解を求めたが、フジテレビ企業広報室は「6日の番組でお伝えした通り。取材の詳細についてはお答えしておりません」と回答した。
 こうした不正確な情報が発信されていることについて、学術会議の担当者は「誤った情報が、ネット上にあふれ、抗議や苦情の電話が市民から来たり、マスコミの問い合わせが来たりして対応に追われる。発信者側は、自分が知った情報が、事実に基づくものか否かを、発信する前に確認してほしい」と話す。
 NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ」理事の立岩陽一郎氏*36は、(中略)今回の学術問題については、「学術会議への公的資金投入の可否ではなく、首相が学術会議が推薦した6人の任命を拒否したという点だ」と指摘。
 「橋下氏は『自立しろ』としているが、米国は法人が寄付すれば大幅な減税措置が受けられる税制になっており、全く日本と異なる。米国の科学アカデミーなどは、使途が義務付けられない多額の寄付を受け運営できる仕組みがある。単に『自立しろ』と言う前に科学者を育てるために、日本の税制の見直しを含めた指摘や議論が必要ではないか」と提案した。

学術会議が千人計画に協力は「悪質なデマ」 甘利氏がブログ訂正も誤情報が拡散:東京新聞 TOKYO Web
 日本学術会議の会員候補を菅義偉首相が任命拒否した問題をめぐり、自民党甘利明*37税制調査会長が「中国の軍事研究につながる『千人計画』に学術会議が積極的に協力している」という趣旨の自身のブログを「間接的に協力しているように映ります」と内容を書き換えていた。加藤勝信官房長官は協力の事実を否定。この記事を引用して、学術会議を批判する声がネット上に多く上がっていたが、根拠が誤っていたことになる。学術会議側は「悪質なデマだ」と反論している。(望月衣塑子、三輪喜人)
 千人計画と学術会議の関係を強調してきた甘利氏。しかし、加藤*38官房長官は12日の記者会見で、学術会議と千人計画との関係を「多国間、2国間の枠組みを通じた学術交流を行っているが、中国の『千人計画』を支援する学術交流事業を行っているとは承知していない」と否定した*39
 甘利氏は同じ12日に新しいブログの記事を投稿。「積極的に協力しています」という部分を、「間接的に協力しているように映ります」と変えると表明した。
 甘利氏は14日午後、報道陣の取材に、「私にはそう(学術会議が千人計画に協力しているように)見えたが、それが適切でないというなら、そう見えるというふうに訂正した」と説明していた。
 甘利氏のブログ記事が修正されても「学術会議が中国の軍事に深く関与している」と断定する言説はネット上でその後も拡散されている。
 15日に国会内で開かれた野党合同ヒアリングに出席した学術会議の大西隆元会長は、「千人計画」に学術会議が協力しているとの見解に対し「全く関わりがない。悪質なデマが流されている」とした上で、影響力の大きさをこう指摘した。
 「まだデマを受け取ったままの人がいる」

甘利明、下村博文、高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議を攻撃する言説は菅政権を擁護するためのフェイクだらけ|LITERA/リテラ
 「千人計画」デマと同じようにネット上で数多く拡散されていたもののひとつに、「北大がある研究で防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募・採択されたのに、日本学術会議の幹部が北大総長室に押しかけて辞退させた」というものがある。これは、10月5日に奈良林直・北海道大学名誉教授が自身も理事を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」のサイトに掲載した文章が情報源になっていた。
 問題は、この学術会議幹部による“北大押しかけ圧力”というのがデマだった、ということのほうだ。
 実際、北大の広報課は「押しかけたという報道を受けて、当時の総長の面談記録を確認したが、日本学術会議関係者の方が総長に面談されている記録はなかった」とコメントし、学術会議の大西元会長も「圧力をかけるというのはあり得ない。そのような権限もない」と事実を否定(BuzzFeed News13日付)。奈良林教授による国家基本問題研究所に掲載された記事でも〈学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はありませんでした〉として「訂正」が加えられ、産経新聞も15日、訂正とおわびをおこなっている。

橋下徹が日本学術会議デマの説明求める取材に「無償のインタビューに応じていない」 望月衣塑子記者にスリカエ攻撃も|LITERA/リテラ

 「また橋下か」「また平井か」「また甘利か」「またフジ産経か」「また国基研か」ですね。こいつらのくずさには怒りを禁じ得ません。
 そもそも甘利にはとっととUR疑惑で処罰されて欲しいところです。


【バイデン不正選挙デマ】

日本から「勝者はトランプ氏」 SNSやデモなぜ拡散 - アメリカ大統領選挙2020 [アメリカ大統領選2020]:朝日新聞デジタル
 米大統領選から約1カ月。バイデン次期大統領が勝利を確実にしたが、トランプ大統領は「不正があった」として、敗北を認めていない。そんなトランプ氏の主張を支持する人が、日本にもいる。どんな考えからなのか。
 11月29日午後、トランプ氏を支持し、大統領選での不正を訴えるプラカードを掲げた人たちが、東京・日比谷公園を出発した。「米国大統領選挙、勝者はトランプだー! バイデンではない!」「日米マスコミは真実を報道せよ!」と連呼しながら、銀座を行進した。

大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり! 百田尚樹、橋下徹、平井文夫、木村太郎…|LITERA/リテラ2020.11.16
 アメリカ国内でも、世界的にも、トランプの主張はもはや相手にされなくなりつつある。
 しかし、呆れるのは、日本のネトウヨたちがこの間、ずっとトランプ勝利を盲信し、「投票は不正だ」と叫び、こうしたデマを拡散してきたことだ。
 トランプ応援団の間抜けぶりの代表といえば、もちろん、ジャーナリストの木村太郎氏。
 4日の『Live Newsイット!』(フジテレビ)では、トランプが4日の段階で一方的に勝利宣言をし、最高裁に訴えて投票の集計をやめさせると宣言したことについて、批判の声が上がるなか、その正当性を主張し続けたのだ。
ホワイトハウスはおそらく詳細な票を持っているはずです。それでこれは勝ったなという自信になるから、こう言っているんですよ」
 木村氏は、6日の『バイキング』でも、他の出演者の「トランプは往生際が悪い」という批判に、敗北宣言という大統領選の120年以上にわたる伝統やそれに象徴されるアメリカ民主主義の精神を完全に無視して「最後まで死ぬまで戦うのが米国の美徳」と強弁していたが、もはやトランプをかばうためなら事実を真逆に解釈しても平気という境地に達しているらしい。
 デマを振りまいて、テレビ局が訂正・撤回に追い込まれた御仁もいる。ほかでもない平井文夫・フジテレビ上席解説委員だ。平井氏は日本学術会議問題でもデマを拡散したが、今回も11日午後に配信されたフジのニュースサイト「FNNプライムオンライン」のコラム「平井文夫の言わねばならぬ!」で、〈昨夜面白いニュースが入ってきた〉〈世論調査サイトの『リアルクリアポリティクス』がペンシルベニア州でのバイデンの当確を取り消した結果、バイデンの獲得選挙人は259人となり、過半数の270人を下回ったというのだ〉などと、誤情報を書き立てたのだ。
 しかも、その間違いっぷりがひどい。というのも、当確取り消しも何も、「リアルクリアポリティクス」はもともとこの時点ではペンシルバニアで当確を出していなかったからだ。しかも、このデマは、トランプ陣営の顧問弁護士であるジュリアーニNY市長が10日にツイートしたものだったが、「リアルクリアポリティクス」側が直後に「誤りだ」「当確を出しておらず変更していない」と否定していた。平井氏のフェイクコラムには当然、批判が殺到し、11日夕方に末尾に訂正を追記、12日未明には当該記事全体が削除された。
 日本学術会議のときもそうだったが、これもちょっと調べればすぐ誤情報とわかるような話だ。わずか1カ月のあいだにこんなひどいフェイクを2度も発信する人間を、フジテレビはいつまで「上席解説委員」に据えておくつもりなのか*40
 もっとも、平井氏のデマに関してはフジテレビが明確に誤りであったことを一応認めた。しかし、そうした検証もなく、トランプ陣営が振りまくフェイクやデマをそのまま垂れ流している右派論客もいる。
 映画『Fukushima50』の原作者であり、最近は「月刊Hanada」(飛鳥新社)など極右メディアの常連となったジャーナリストの門田隆将氏も、そのひとりだ。
 門田氏は5日朝、バイデン票が急激に増えていることを示すグラフ画像を紹介したうえで、こうツイートした。
〈恐らく多くの日本人は民主主義の本家・米国で大掛かりな不正が行われるとは思っていなかっただろう。しかし、現実に大量のトランプ票が破棄されていた州でご覧のような不自然な動きで逆転現象が生じた。しかも、それが予めトランプ陣営が“予告していた通り”の出来事だった。〉
 ところが、このツイートには、ツイッター社から〈このツイートで共有されているコンテンツの一部またはすべてに異議が唱えられており、選挙や他の市民行事への参加方法について誤解を招いている可能性があります〉と警告文が表示された。
 同じく5日のツイートはもっと決定的だった。バイデン氏が「アメリカ政治史上、最大規模の不正投票組織を用意した」と自ら告白するトンデモ動画をシェアしたうえで、こうツイートしたのだ。
〈「単に言い間違えたのだろう」と笑っていたバイデン発言がクローズアップ。例の「我々はかつてない最大規模の不正投票(ボーガス注:を撲滅するための)組織を設立した」とのご覧の発言だ。支持者は唖然として沈黙。だが言い間違い*41でなく「実際に何かある」とトランプ陣営は調査・警戒していた。法廷ではこの映像も話題を呼ぶだろう。〉
 この動画はすでに世界中で有名になっているが、実際は不正防止について発言していたものを切り貼り編集した完全なフェイク動画。仮に切り貼り編集が見抜けなかったとしても、このバイデン氏の発言動画はネット配信番組でのもので、内輪のミーティングなどならともかくわざわざ番組で不正を公言するなど、ちょっと考えればありえないことくらいわかるだろう。
 それにしても、日本のネトウヨや右派論客たちはなぜかくもトランプが好きなのだろうか。差別主義者のトランプからすれば、非白人の日本人だって差別の対象だと思うのだが、ヒステリーを起こしデマを振りまいてまで、トランプを応援するというのは尋常ではない。
 右派論客たちは、「バイデンは中国に甘い」「バイデンは中国と裏で繋がっている」などとしたり顔で主張していたが、これもまったく的外れで、トランプ肩入れの理由になっていない。
 最近、当のバイデンが菅義偉首相との電話会談で尖閣諸島日米安保条約の範囲内であると明言したという報道もあったが、そもそも対中政策については、かなり前からトランプもバイデンもほとんど変わらないというのが、多くのアメリカ政治の専門家の共通認識だった。それどころか、貿易問題だけで人権問題にまったく関心のないトランプよりもバイデンのほうが香港やウイグル南シナ海問題により厳しくなるだろうという見方さえあった。
 にもかかわらず、日本の右派が「バイデンが大統領になったら中国がやりたい放題になる」「バイデンは中国と裏で繋がっている」などと、素人みたいなことをわめいてきたのは、結局、彼らにとってそういったリアルポリティクスなんてなんの関係もないからだ。
 日本の右派論客やネトウヨにとって重要なのは、民主主義や人権を否定し、差別や排外主義を全面肯定するイデオロギーだけ。トランプはその価値観を共有し、グロテスクな思想を体現してくれる存在なのだ。
 実際、彼らがいかにトランプのヘイトとフェイクにまみれた価値観ややり方そのものに共鳴していたかは、2017年12月、スティーブ・バノン元米大統領首席戦略官が来日したときの反応を見れば、よくわかる。
 バノン氏はトランプ大統領の元側近で、政敵を貶めるフェイクニュースを発信し、イスラムヘイトや女性・性的マイノリティに対する差別を扇動している悪質なニュースサイト「ブライトバート」の当時会長を務めていたが、この来日の際、右派系シンポジウムに参加した。
 そして、このシンポジウムには日本側から出席していたのが、百田尚樹氏をはじめ、評論家の金美齢氏、石平氏西村幸祐氏、田母神俊雄氏など、極右界隈でおなじみのメンバー。バノン氏とのスペシャトークセッションに登壇したのが、木村太郎氏と自称文芸評論家・小川榮太郎氏の2人。トランプの最も醜悪な部分を支えてきたバノン氏と意気投合していた。
 しかし、こうした右派連中やネトウヨたちの狼狽と錯乱による妄言を、「負け犬の遠吠え」と笑い話にするだけで終わらせることはできない。
 なぜなら、トランプ勝利と、陰謀論による不正選挙を叫ぶそのネトウヨ言論がマスコミにも影響を与えているからだ。実際、開票が進むにつれ、ワイドショーのMCやコメンテーターがやたら「バイデンを支持しているわけじゃない」などとエクスキューズをつけ始めたのだ。これは明らかに、ネトウヨからの攻撃に対する配慮だろう。

 「気が違ってる」としか言いようがないですね。そんな言動をするならせめて渡米して「現地でトランプ支持者と一緒に活動したら」どうなのか。日本国内でやっても意味が無いでしょうに。こいつらが渡米して、日本からデマ屋が「一時的にでも居なくなれば」俺も気分爽快です。渡米しない時点で本気か疑わしい。
 まあ、米国内でやっても意味は無いですが。米国の裁判所はトランプの与太など相手しないし、米国三大ネット(NBCCBS、ABC)、ワシントンポスト、NYタイムズなど、主要メディアもこんなデマは相手にしません。しかし「リテラの言うような理由があると仮にしても」ウヨ連中のトランプ崇拝は異常です。


◆テレビ『NHKは大丈夫なのか』(沢木啓三)
(内容紹介)
 週刊現代記事総理が怒っていますよ…官邸からNHKへの「クレーム電話」その驚きの中身(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)が紹介されています。

参考

総理が怒っていますよ…官邸からNHKへの「クレーム電話」その驚きの中身(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)週刊現代』2020年11月14・21日合併号より
「説明できることとできないことがある」
 キャスターを睨みつける菅義偉総理に、現場のスタッフは息を呑んだ。
 国会開会の当日、10月26日夜のNHK『ニュースウオッチ9』に菅総理が生出演。終わり際、日本学術会議任命問題について何度も質問され、露骨に不愉快そうな表情を浮かべた一幕である。
 その翌日、報道局に一本の電話がかかってきた。
「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」
 電話の主は、山田真貴子内閣広報官。お叱りを受けたのは、官邸との「窓口役」と言われる原聖樹政治部長だったという。
「この件は理事のあいだでも問題となり、局内は騒然となりました。総理が国会初日に生出演するだけでも十分異例。そのうえ内容にまで堂々と口を出すとは、安倍政権のときより強烈です」(NHK幹部職員)

 しかし総理が怒っていますよ…官邸からNHKへの「クレーム電話」その驚きの中身(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)官邸のテレビ監視記録 文書の存在自体がメディアへの牽制(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュースを見る限りはポストと現代は菅には好意的ではないようです。


文化の話題
◆音楽『オペラ「アルマゲドンの夢」をみる』(小村公次*42
(内容紹介)
 新国立劇場で上演されたオペラ「アルマゲドンの夢」の紹介。

参考

アルマゲドンの夢[新制作 創作委嘱作品・世界初演] | 新国立劇場 オペラ
 『紫苑物語』に続く日本人作曲家への創作委嘱シリーズの第2弾。ロンドンを拠点に世界中のオーケストラや歌劇場から委嘱を受けて旺盛な作曲活動を展開し、音楽の新時代を切り拓いている作曲家・藤倉大の新作オペラを上演します。藤倉がオペラを手がけるのは3作目ながら、日本では『ソラリス』が演奏会形式で上演されたのみで、内外から注目を集めることは必至です。
 藤倉が選んだ題材は、20世紀初頭に書かれたH.G.ウェルズのSF短編『アルマゲドンの夢』。藤倉と長年共同作業をしているハリー・ロスが台本(英語)を手がけ、藤倉らしい大胆な発想でオペラ化、時空を自在に行き来しながら、忍び寄る全体主義、そして科学技術の発展がもたらす大量殺戮への不安を鋭くも描いた原作を脚色し、現代に生きる我々のそばにある脅威をスリリングに描き出します。
 演出は、2018年ザルツブルク音楽祭魔笛』で世界の話題をさらったアメリカの女性演出家リディア・シュタイアー。指揮は大野和士芸術監督自らがあたります。

オペラ芸術監督・大野和士の勇気と大英断に驚かされた|日刊ゲンダイDIGITAL
 新国立劇場世界初演されたオペラ「アルマゲドンの夢」を見に行った。
 作曲は藤倉大さん。イギリスに拠点を置いて世界を舞台に活躍している作曲家で、SF作家H・G・ウェルズの短編小説が原作。台本作家もイギリス人、演出家はアメリカ人だった。
 近年、日本発の新作オペラでこれほどの大きなメッセージ性を持った作品を見たことはなく、本当に驚かされた。
 大衆を駆り立てる扇動者により、社会が戦争へと向かおうとするなか、主人公たちは大きな流れに巻き込まれていく。戦争にノーを突きつけ、抵抗し、切に平和と自由を求める人間の姿が生々しく描かれていた。これは明らかに、民主主義を否定して全体主義へと傾きつつある現在の世界情勢への痛烈な批判だ。
 私も同業者なので、作品自体の音楽性に触れることはしないが、感心したのは新国立劇場のオペラ芸術監督であり、今回の指揮をした大野和士さんの大英断、そして勇気である。
 よく大野さんはこれほどの体制批判と自由の大切さを打ち出した作品を、文部科学省の管轄下にある国立の劇場で上演できたものだ。創設以来、ここまで現実の世界に踏み込んでオペラを作った芸術監督はいなかった。私にはとてもまねできない。我ながら自分は腰抜けだと思っている。
 現在のコロナによるパンデミックなど、国を揺るがす危機が訪れたときほど、為政者は国民をコントロールしやすくなる。見えない存在への恐怖を大義名分として「だから規制が必要なのです」と言いやすくなるのだ。すると必ず自分の頭で考えず、情報をうのみにして、国の都合のいい方向に誘導されてしまう人たちが出てくる。そして知らぬ間に自由が奪われ、全体主義へと進むレールに乗せられてしまう。日本もつい80年ほど前の昭和初期、大東亜共栄圏や鬼畜米英を大義として同じような道を歩み、国民の自由を奪い、泥沼の戦争へと踏み込んだ。そのことをみな忘れてしまったのだろうか?

オペラ「アルマゲドンの夢」上演中、藤倉大「今の世の中のために書かれた作品に」(公演レポート / コメントあり) - ステージナタリー
 本作は、ロンドンを拠点に活動し、映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した藤倉大が作曲を手がける新作オペラ。“SFの父”として知られるH.G.ウェルズの短編「アルマゲドンの夢」(邦題:世界最終戦争の夢)をオペラ化した本作では、「別時間から来た」という男の数奇な運命が描かれる。

新国立劇場オペラ《アルマゲドンの夢》——思わずだれかと語りたくなる! あっという間の100分|音楽っていいなぁ、を毎日に。| Webマガジン「ONTOMO」
 《アルマゲドンの夢》の原作はSF小説の祖、H.G.ウエルズ。「透明人間」や「宇宙戦争」「モロー博士の島」といった代表作はよく知られているが、「アルマゲドンの夢」(邦訳題:「世界最終戦争の夢」)は、知る人ぞ知る短篇である。
 強権的な指導者ジョンソン率いる全体主義的な集団「サークル」が民衆の支持を集める様子に、奇妙な既視感を覚えずにはいられない。


◆演劇『「嘘」を承知で楽しむせりふ劇:俳優座劇場プロデュース公演「 嘘 ウソ」』(鈴木太郎)
(内容紹介)
 俳優座劇場プロデュース公演「 嘘 ウソ」の紹介。

参考

俳優座劇場プロデュース『嘘』を、見ました。 | 倉倉のくらくら2020-11-15
 11月12日(木)、六本木にある俳優座劇場で、俳優座劇場プロデュース公演『嘘』を 見ました。
 フランスの、フロリアン・ゼレールの作。
 翻訳は、中村まり子。
 演出は、西川信廣。
 フロリアン・ゼレール。1979年生まれの、41歳。
 近年、日本でも、上演の機会が増えています。
 2016年に、加藤健一事務所で、『誰も喋ってはならぬ!』が、堤泰之の演出で。本多劇場での公演。
 2018年に、文学座で、『真実』が、西川信廣の演出で。東京芸術劇場のシアターウエストでの公演。
 昨年の2019年、東京芸術劇場のシアターイーストで、『父』が演じられたのですが、これは、見ていません。
 橋爪功が、認知症の老人を演じ、その演技が評判になったので、見逃したこと、悔いているのですが。 演出は、ラディスラス・ショラー。
 で、この『嘘』、ポール(清水明彦)と、アリス(若井なおみ)の夫婦が主人公。
 舞台は、その居間。
「ポールとアリスは親友の夫婦ミッシェルとロランスをディナーに招待している。二人が来たらとっておきのワインを振る舞おうと張り切るポール。
 しかしアリスは『ディナーをキャンセルして』と言い出した。
 実はさっき街でミッシェルが見知らぬ女とキスしているのを目撃し、ロランスに話さずにはいられないからと。
 それを聞いたポールは『喋っちゃダメ』と大反対。
 結局『今夜はキャンセル!』と決めたそのとき玄関のベルが鳴り、やむなくディナーは始まってしまう……‼」(チラシの、あらすじより)
 もともと、家に招いて、ディナーをともにしたいと言い出したのは、アリス。
 それが、直前になって。
 で、その理由というのが、招待した相手のミッシェル(井上倫宏*43)の「浮気現場(?)」を、見てしまったから。そして、そのことを、彼の妻のロランス(米倉紀之子)に、言わずにはいられないから。と。
 いかにもフランスの、機知に富んだ、そして、皮肉の効いた、大人の喜劇。
 もっとも、そうした喜劇を成り立たせること、難しいのですが。
 役者の力量が、それを可能にしていました。
 何が「真実」で、何が「嘘」か?
 カーテンコールがあり、観客の拍手。
 そのあとに、「タネ明かし」の一場面。四人の関係が、すべて白日のもとに。
 もっとも、その場面が付け加えられる意味があったのか、どうか。
 悩んでいます。
 観客に、「謎解き」をゆだねた方が良かったのではないか、と。
 しかし、その「タネ明かし」の一場面に、観客からの、「謎」が解けたという、ホッとした笑い、そして、拍手。こちらの方が、やはり、洒落ているのでしょうか。

大人の会話劇「嘘」を俳優座劇場で観て来ました:ネタバレあり。|fujita244|note
 作家のフロリアン・ゼレールは、フランスで注目の劇作家です。
 この作家の芝居「父」をパリで見て惚れ込んだ女優・中村まり子さんが翻訳し、周りに売り込んだというのが、ここ最近ゼレール作品が日本でも見られる理由なのです。
 中村まり子さんは大好きなフランス語劇を、自分の劇団のために翻訳し始めたのですが、小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞後、諸劇団からの依頼による翻訳の仕事が増えているとか。
 今回は、女優でありながら劇作家であり演出家でもある中村まり子さんの翻訳なので、セリフが実に日本語として粒立っていて、ありがちな翻訳劇の臭いセリフ(日本語でそんなこと言わないだろう的な)は全くありません。
 千秋楽も終わったので、ネタバレありの書き方をしますが、この作品は、「真実」でも出て来た二組の夫婦ミシェルとロランス、ポールとアリスが登場し、今回は主にポールとアリスの間で話が進んでいきます。
 「真実」を見た人には、「嘘」の構造がひょっとしたらネタバレになっていたかもしれませんね。私は見ていないので知らなかったのですが、この二組の夫婦が抱える「真実」とそこにある「嘘」のお話なのです。
 知っているのか、知らないのか、嘘なのか真なのか、アリスとポールの会話が絡み合い、一言で状況が転換し、見ているこちらも何が真実はわからなくなります。
 なぜならば、兄弟作である「真実」のあらすじは、こんな話なのですから。

 ミシェルは親友ポールの妻アリスとホテルでいつものように昼下がりの情事を楽しんでいる。帰り際、アリスはミシェルに不満をぶつける。「こんなデートじゃなく、たまには週末に遠くへ行って過ごしたい…。」アリスを失いたくないミシェルは週末の旅行を承知し、午後の会議も体調を理由に欠席する。この会議の欠席や浮気旅行のアリバイ作りをめぐってミシェルは大騒動を繰り広げるが、次第に真相が明らかになっていく……。

 この設定が、そのまま「嘘」にも展開されています。
 つまり、この2組の夫婦はお互いがお互いの不倫相手でもあるわけです。
 私が、西川演出で感心したのは、開演前から緞帳のように吊るしてある幕のデザインです。
 なぜかというと、二人の女性が向き合っているような絵柄なのですが、(中略)ワイングラスのようにも見えます。劇中でワインを飲むから?そうではありません。
 これは、心理学で有名な「ルビンの壺」という図を模したものなのです。
 西川さんは、この芝居の核心を、この一枚の絵に象徴させているわけです。
◆この芝居は夫婦で見に行ってはいけない
 今回、妻と一緒に観に行ったのですが、観終わった後二人で顔を見交わし、「これは難しい芝居だねえ」と笑いあいました。大人なので。
 感想が言いにくい。特に、妻との間では。
 「嘘」を見た後に思い出したのは、この話。
壇蜜vs西原理恵子という組み合わせで勝負あった:「壇蜜×西原理恵子 銭ゲバ問答」を読んで|fujita244|note
 壇蜜さんが、この対談の中で言った、この言葉です。
「ありのままに見せていいのは、ディズニー映画の中の、雪の女王だけ。あの話につられてしまうと、大変なことになるとおもいますよ。生身の人間なので」
 劇中で何度も、アリスがポールに向かって「ありのままで」という言葉を使います。でも、ありのままは結局、よくないんじゃないですかね。
 それが、劇中でも使われた相手に対する思いやり、つまり「デリカシー」というものではないでしょうかね。

 「ありのまま」では「人間関係がかえって破壊される」というのは世の中自殺をふくむ極端な行動をとる人は、発達障害や精神障害の場合が多そうだ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する「ねこぢる」なんかまさにその典型でしょう(浮気を隠蔽するというのは話が違う気がしますが)。例えば「橋下の学術会議デマ」などは論外ですが「嘘も方便」と言う話です。「ねこぢる」は病気だから仕方が無いですが。
 あるいは藤子F不二雄(藤本弘)の短編『テレパ椎』『耳太郎』などもこんな感じのテイストの話でしたね。

【参考:藤子Fの短編】

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 - つれづれマンガ日記 改
 藤子・F・不二雄といえば「ドラえもん」と思われがちであり、それも間違っていないほどドラえもんは傑作なのだが、少年マンガ以外の世界にも手を伸ばそうと天才が足掻いた軌跡として、そして、商業的に全く成功しなかったという点も加味すると、やはり、このSF短編群こそをF氏の最高傑作として称えたい。
 未読のままでは人生が勿体ないほどの、マンガ史に残る大傑作である。

誰もが耳太郎(by藤子・F・不二雄)になりうる社会 | mixiユーザー(id:1052353)の日記
 藤子・F・不二雄先生が描いたSF短編のひとつに、『耳太郎』という作品があります。
 テレパシー能力を得て他人の思考が聞こえるようになった主人公。だがやがて、周囲の人間(家族や友人も含む)が抱く、主人公に対する細かな不満までことごとく聞こえるようになり、耐え切れずにノイローゼになってしまうという物語です。

“マンガマスターへの道” 耳太郎/藤子・F・不二夫
 漫画家志望の耳太郎は、ある日突然、テレパシー能力を身につけ、人の心の声が聞こえるようになる。最初は喜んでいた耳太郎だが、次第に周囲が自分を気味悪がり、避けるようになったことで、周囲と衝突するようになる。
 やがて、望まなくても何でも他人の声が聞こえてしまい、気が狂いそうになって家を飛び出す。
 そして、裏山で一人で夜空を眺めていた時、同じテレパシー能力を持つ老人から心の声で、語りかけられる。
老人:『もう、おそいよ。うちの人が心配してるんじゃないのかね』
耳太郎:「どうかな。おれがいなくてホッとしてるんじゃないかしら。」
老人:『そんなことあるもんか』
耳太郎:「そうなんだ。みんな、おれのこときらってる。」「はっきり、聞いたんだもの。心の中で、さんざんおれの悪口言ってた。」
老人:『じゃ、聞くが、きみはどうなんだ』
耳太郎:「おれ?」
老人:『人のことを悪く思ったことが一度もないかね』
耳太郎:「どうかな・・・・・。そう言われると自信ないな。」
老人:『完全な人間なんていないんだ。誰かが誰かに不満を持つ。ざらにあることさ。』『かといって、その人をきらってるということにはならない。』『不満は口に出されないまま忘れられ・・・、おだやかな人間関係がつづけられる。』『人の心の奥底までほりかえすのは、そうする方が悪いんだ。』
耳太郎:「おじいさん!おじいさんもテレパスだったの?」
老人:『若いころ大事故にあってね、目も耳も失った。それ以来かえって世の中がよく見えるようになってね。』『だが、見えすぎるというのもおそろしいことだ。わしは人をさける様になった。』
耳太郎:「まって”おじいさん。ぼくはこれからどうやって生きていけばいいの?」
 次の瞬間、耳太郎は強いショックを受けて気を失う。気付いたら家族や友人に囲まれていた。そして心の声は聞こえなくなった。
 人に裏切られたり、人間不信になったり、疑心暗鬼におちいったときに、この言葉を思い返すと、少し気が楽になるかもしれません。藤子・F・不二雄先生の作品は、どれも傑作ぞろいです。

原田高夕己ブログ 『漫画のヨタ話』:テレパ椎 - livedoor Blog(ブログ)
 ドラえもんのほうの「テレパしい」は食べるとテレパシー能力を使えるひみつ道具ですが、SF短編の「テレパ椎」は、ただ持っているだけで不特定多数の相手の心の声が聞くことができるという椎の実です。
 主人公の自称イラストレーター鳥留梨男は新婚の友人宅にあがりこんでは、飲んで長っ尻する空気の読めないタチの青年です。
 一応、色んな人に迷惑かけてるという自覚はありますが、「みんないやな顔ひとつしないで助けてくれた」と「みんないい人ばかり」だと思い、好意に甘えきっています。
 そんな鳥留がある日、何気なくひろった椎の実、それが「テレパ椎」でした。
 それから鳥留は持ちこみ先の出版社の編集者や前述の新婚の友人の聞きたくも無い「本音」の声を聞いてしまい、さすがに空気の読めない彼もいたたまれなくなって、最終的に「テレバ椎」を粉々に砕いて捨ててしまい、以後、心の声を聞くことは無くなったのですが、「善意に包まれてぬくぬくと居心地のよかったあの世界は二度と帰ってこないのだ」と、空虚な気持ちに襲われて物語は終ります。
 いやはや、道ばたにそんな人間不信の種が落ちてたらイヤですね。

湾鉄調査部 テレパ椎
 藤子不二雄の短編に、「テレパ椎」という作品があります。
 「テレパ椎」は、身に着けると相手の気持ちが分かる木の実(?)の話。
 売れないイラストレーターがそれを拾い、身に着けると今まで周囲が遠慮して言うのを避けていた本音が次々と分かってきます。
 最終的に、彼はテレパ椎を捨てます。
 そして、こう思うのです。
「もう ぼくには心の声はきこえてこない」
「だが・・・・・・善意に包まれてぬくぬくと居心地のよかったあの世界は二度と帰ってこないのだ」
 たまに、テレパ椎のような人がいます。
「○○さんがこう言いよったよ。」等と教えてくれます。
 しかし、直接本人に言わないのなら、その程度の考えなのです。本人に伝える必要は、そんなにないと思います。
 そもそも本人だって、そう思われてるだろうなとはうすうす感じている事が多いのです。
 まあ、僕がダメな人間だからそう考えるだけかもしれませんが・・・。


◆美術『コロナ禍の周年事業と地方美術館』(朽木一)
(内容紹介)
 コロナ禍での地方美術館の周年事業として、兵庫県立美術館兵庫県立美術館 開館50周年 超・名品展和歌山県立近代美術館の和歌山県立近代美術館 コレクションの50年 - 和歌山県立近代美術館が紹介されています。コロナ禍の中で周年事業が企画、実施できるのは長年培われきた自力の表れではないかという高評価です。


◆スポーツ最前線『バスケくじ創設へ:単一試合のかけ、八百長の危険増大』(和泉民郎)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。なお「プロバスケットボールについてくじの実施を認めるスポーツ振興くじ改正法(現在はサッカーくじのみ、自民、公明、立民、維新の共同提出による議員立法)」は批判にもかかわらず自民、公明、立民*44、維新などの賛成多数で成立しましたが、現時点では「プロバスケくじ」は正式には導入されていないことに注意が必要です。つまりは「法改正」は難しいにせよ「導入阻止」と言う闘いは充分可能だと言うことです。
赤旗
サッカーくじ バスケ・単一試合導入案/対象拡大は不正生む 畑野議員反対/衆院委で可決
サッカーくじ バスケ・単一試合導入案/選手への中傷に懸念 山下議員反対/参院委で可決

*1:著書『日本会議:戦前回帰への情念』(2016年、集英社新書)、『「天皇機関説」事件』(2017年、集英社新書)、『〔増補版〕戦前回帰:「大日本病」の再発』(2018年、朝日文庫)、『中国共産党人民解放軍』(2019年、朝日新書)、『歴史戦と思想戦:歴史問題の読み解き方』(2019年、集英社新書)など

*2:日本共産党大阪府委員長

*3:赤旗テレビ・ラジオ部長。著書『検証・政治とカネ:「政治改革」20年は何だったのか』(2017年、本の泉社)

*4:NHKクローズアップ現代』の国谷キャスター、TBS『ニュース23』の岸井キャスター(元毎日新聞社論説委員長、主筆)、テレビ朝日報道ステーション』の古館キャスターのこと

*5:当然ながら菅が「後藤氏と星氏」「彼らが出演するニュース23報ステ」を特に敵視している可能性がありますね。なお、報ステ、後藤謙次さん降板 後任は太田昌克さんら - 産経ニュースということでこうした菅の敵視が影響したのかどうかはともかく、現在、後藤氏は「報ステ」レギュラーコメンテーターではありません

*6:元朝日新聞政治部デスク。著書『自民党と戦後:政権党の50年』(2005年、講談社現代新書)、『安倍政権の日本』(2006年、朝日新書)、『官房長官 側近の政治学』(2014年、朝日選書)、『永田町政治の興亡:権力闘争の舞台裏』(2019年、朝日選書)

*7:共同通信政治部長、論説副委員長、編集局長など歴任。2007年12月3日、TBS 『筑紫哲也 NEWS23』(2008年3月31日より『NEWS23』)にメインキャスターとして出演(2009年3月27日まで)。著書『小沢一郎 50の謎を解く』(2010年、文春新書)、『10代に語る平成史』(2018年、岩波ジュニア新書)など(後藤謙次 - Wikipedia参照)。

*8:藤沢論文によればもともと週刊ポストが「2020年6月5日号」で赤旗よりも先にこの件を報じていたそうです。

*9:著書『「次の首相」はこうして決まる』(2008年、講談社現代新書)、『検証・安倍イズム:胎動する新国家主義』(2015年、岩波新書

*10:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(共著、2018年、光文社新書)、『安倍政治100のファクトチェック』(共著、2018年、集英社新書) 、『同調圧力』(共著、2019年、角川新書)、『「安倍晋三」大研究』(2019年、ベストセラーズ)、『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』(共著、2020年、講談社+α新書)、『菅義偉 不都合な官邸会見録』(2021年1月刊行予定、宝島社新書)など

*11:ただし朝日新聞東京新聞京都新聞は出席を拒否しているとのこと。

*12:日本共産党文教委員会責任者(党中央委員兼務)。著書『教育の新しい探究』(2009年、新日本出版社)、『いじめ解決の政治学』(2013年、新日本出版社)、『教育委員会改革の展望』(2015年、新日本出版社)、『教育勅語を読んだことのないあなたへ:なぜ何度も話題になるのか』(共著、2017年、新日本出版社

*13:著書『アメリカ教師教育史:教職の女性化と専門職化の相克』(2017年、東京大学出版会

*14:衆院議員。日本共産党「障害者の権利委員会」責任者(党常任幹部会委員、日本共産党国会議員団「ジェンダー平等推進委員会」責任者兼務)

*15:参院議員。日本共産党農林・漁民局長(党常任幹部会委員、「先住民(アイヌ)の権利委員会」責任者、国民運動委員会副責任者兼務)

*16:衆院議員。日本共産党国際委員会副責任者(党常任幹部会委員兼務)

*17:参院議員。日本共産党ジェンダー平等委員会副責任者(常任幹部会委員、筆頭政策副委員長、日本共産党国会議員団「ジェンダー平等推進委員会」事務局長兼務)

*18:衆院議員。日本共産党政策副委員長(党幹部会委員兼務)

*19:衆院議員。日本共産党スポーツ委員会責任者(党中央委員兼務)

*20:衆院議員。日本共産党幹部会委員(日本共産党国会議員団「ジェンダー平等推進委員会」事務局次長兼務)

*21:参院議員。日本共産党青年・学生委員会責任者(党常任幹部会委員、党建設委員会副責任者兼務)

*22:参院議員。日本共産党中央委員(日本共産党国会議員団「ジェンダー平等推進委員会」事務局次長兼務)

*23:参院議員。日本共産党政策委員長(副委員長兼務)

*24:参院議員。日本共産党ジェンダー平等委員会責任者(常任幹部会委員、人権委員会責任者、副委員長兼務)

*25:参院議員。日本共産党幹部会委員

*26:参院議員。日本共産党中央委員

*27:参院議員。日本共産党中央委員

*28:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相などを経て、現在、自民党幹事長代行

*29:弁護士。「いのちのとりで裁判全国アクション」共同代表。生活保護問題対策全国会議代表幹事。著書『生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す』(共著、2007年、あけび書房)、『生活保護「改革」ここが焦点だ!』(共著、2011年、あけび書房)など

*30:弁護士。「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟弁護団事務局長

*31:女たちの戦争と平和資料館(wam)』館長。著書『「村山・河野談話」見直しの錯誤:歴史認識と「慰安婦」問題をめぐって』(共著、2013年、かもがわ出版

*32:宮崎県議(日本共産党

*33:元総務官僚。宮崎県総務部長、副知事を経て県知事

*34:佐土原町長を経て宮崎市

*35:著書『百田尚樹をぜんぶ読む』(共著、2020年、集英社新書)など

*36:著書『トランプ王国の素顔』(2018年、あけび書房)、『ファクトチェックとは何か』(共著、2018年、岩波ブックレット)、『ファクトチェック最前線:フェイクニュースに翻弄されない社会を目指して』(2019年、あけび書房)、『トランプ報道のフェイクとファクト』(2019年、かもがわ出版)、『コロナの時代を生きるためのファクトチェック』(2020年、講談社)、『ファクトチェック ニッポン:安倍政権の7年8カ月を風化させない真実の記録』(2020年、徳間書店

*37:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党政調会長、選対委員長(第二次安倍総裁時代)などを経て税制調査会

*38:第二次安倍内閣官房副長官、第三次安倍内閣一億総活躍等担当相、第四次安倍内閣厚労相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て菅内閣官房長官

*39:と否定したところでデマを流した甘利を批判するわけでも、自民党として「甘利を税制調査会長から更迭」など懲戒処分するわけでもないのだから話になりません。

*40:最高裁お墨付きのデマ記者」阿比留の論説委員への出世といい、この平井といい、フジサンケイは完全に気が狂っています。

*41:勿論言い間違いです。

*42:著書『徹底検証・日本の軍歌』(2011年、学習の友社)

*43:井上倫宏 - Wikipediaによれば日本テレビアニメ『MASTERキートン』(1998~1999年)のキートン役だそうなので『MASTERキートン』を当時見ていた俺としては、声だけは何となく想像がつきます。

*44:こうした立民の「共産党野党共闘を本気でやる気があるのか」怪しい態度については改めて強く批判しておきます。